ファミリークロークはつくるべきか?間取りや収納事例を紹介

公開日 2023年03月24日
ファミリークロークとは?間取りアイデアや収納・プランニングのポイントを解説

子育て世帯に人気のファミリークローク。家族の収納を一カ所に集約することで生活動線や家事動線をスムーズにすることができるのが魅力だ。そこで、ファミリークロークのメリット・デメリットや間取りや収納、プランアイデアについて南海プライウッドに伺った。注文住宅を建てる際は、ファミリークロークを活用した収納計画をして、快適な暮らしを手に入れよう。

ファミリークロークとは?

家族の衣類などをまとめて収納することで動線がコンパクトに

ファミリークロークは、家族分の衣類や身の回りの物をひとまとめにした収納スペースのことで、ファミリークローゼットとも呼ばれている。家族分の洋服などを一カ所にまとめて収納することで家事動線がコンパクトになるだけでなく、生活動線や家事動線に合わせてファミリークロークをレイアウトすることで、より効率的で快適な暮らしを手に入れることができる。使い方次第では用途にバリエーションが生まれるのが魅力だ。

ファミリークロークのメリット

ファミリークロークのメリットは、洋服などを家族分まとめて収納ができるため、無駄な動きがなくなることだ。使い方としては洗濯した衣類を片付けやすくなるなど家事動線がコンパクトになったり、朝の支度など出かけるまでの動線がコンパクトになることで時間短縮にもつながる。

また、ファミリークローク内は個人別に分けてゆるやかにゾーニングすることもでき、家族間で服などの共有もしやすい。それぞれの居室の収納をファミリークロークに集約することで、各自の居住空間を広めに確保しやすいというメリットも。

ファミリークロークのメリット
  • 洋服などを家族分まとめて収納ができることで動線がコンパクトに
  • 家族それぞれの収納スペースをゆるやかにゾーニングできる
  • 家族間で服などの共有もしやすい
  • 個室の収納スペースがなくなり広くなる

ファミリークロークのデメリット

失敗しないために、デメリットも理解しておこう。ファミリークロークを設けるためにある程度まとまったスペースを確保しなければならないことだ。ファミリークロークを1階につくる場合は、その分LDKなどのパブリックスペースの広さを確保しづらくなる場合も。他の空間との兼ね合いで希望する広さのファミリークロークを設けることができないこともあるので注意が必要だ。

また、家族で共有するため、子どもが思春期を迎えた際など個人のプライバシーを守る工夫が必要になる。

ファミリークロークのデメリット
  • ある程度まとまったスペースを確保しなければならない
  • 1階につくる場合は、その分LDKなどのパブリックスペースの広さを確保しづらくなる場合も
  • 個人のプライバシーを守る工夫が必要

ファミリークロークのタイプ

ファミリークロークには、「ウォークインタイプ」と「ウォークスルータイプ」の2種類がある。

<ウォークインタイプ>

ウォークインタイプは、寝室などにあるような出入口が一カ所になっているもので、壁面が多くなるため収納量が多い。扉をつければプライバシーも確保しやすく、クローゼット内での着替えもしやすい。ウォークインタイプは通り抜けができないので、ウォークスルータイプに比べると生活動線や家事動線の改善は少ない。

ウォークインタイプの動線の一例
ウォークインタイプは出入口が一カ所で、洗面室などからアクセスすることができる。扉を閉めればクローク内での着替えもしやすい(イラスト/藤井昌子)

収納内のレイアウトはI型、II型、L型、U型の4タイプあるが、ウォークインタイプの場合は壁面が多いため、どのレイアウトもしやすい。収納量や収納する物に合わせて検討しよう。
I型はスペースが広いので、棚の向かい側にタンスやゴルフバッグなど大きいものを置いたりフレキシブルな使い方ができる。Ⅱ型は両側に収納ができるのでゾーニングがしやすい。窓を設置したい場合は、壁面があるⅠ型かⅡ型のレイアウトになる。たっぷり収納したい場合はL型かU型がおすすめ。収納量に合わせてレイアウトを選ぼう。

ウォークインクロークのレイアウトパターン4つ
姿見を置いたり、布団やチェストなど大きな物を収納する場合は壁面のスペースを確保したり、窓を設ける場合はI型やII型がおすすめだ(イラスト/藤井昌子)

<ウォークスルータイプ>

ウォークスルータイプは、出入口を二カ所設けて通り抜けられるようになっているもので、人の動きをあらかじめ想定したうえで設けると生活動線や家事動線がコンパクトになる。
シューズクロークと兼用したり、洗面室へダイレクトにつなげたりと、空間とのつなぎ方次第では多様な使い方ができる。ウォークスルータイプは出入口が二カ所あるため壁面が少なくなり、収納量としてはウォークインタイプよりは少ない。また荷物で出入口を塞いでしまったりすると本来の動線の良さが活かせなくなるので、ルールをしっかり守ることが重要だ。

また、キッチンなどが近い場合は、洋服にニオイがつかないようドアを設けるとベター。LDKなどパブリックスペースと隣接する場合にも、普段は開けておいて来客時には閉めて隠すこともできる。

ウォークスルークロークの動線の一例
ウォークスルータイプのファミリークロークの場合、空間と空間をつなぐことができるため、家事動線や生活動線をコンパクトにすることができる(イラスト/藤井昌子)

ウォークスルータイプの場合は、ウォークインタイプに比べると人が通り抜けるスペースが必要になるため、収納量は少なめに。一直線上の動線にする場合はI型かⅡ型のレイアウトにして、収納量が多い場合はⅡ型にする。コンパクトな間取りの場合には、L型やU型など折れ曲がったコーナー部分を利用したレイアウトにすると良い。生活動線もコンパクトになる。

ウォークスルークロークのレイアウトパターン4つ
レイアウトパターンを選ぶ際は、収納量とどのように空間をつなぐかについて検討を(イラスト/藤井昌子)

ファミリークロークの広さ

4人家族だと最低2畳は必要

ファミリークロークは家族それぞれのスペースを確保する必要があるので、4人家族の場合、最低でも2畳程度、季節物なども含めて全ての衣類をそこで完結させるとなると4.5~6畳は必要になる。

また、衣類の収納方法によっても、必要となるスペースは変わる。ハンガーで吊るとなると10mのパイプが必要になる。家族の衣類の量や収納方法を考えながらスペースの確保を。十分なスペースが確保できない場合は、シーズンごとのお出かけ着をファミリークローク、着ない服は各自の部屋に置いておき、定期的に衣替えを行うなど工夫しよう。

ファミリークロークを取り入れた間取りアイデア

ここからは、事例をもとに間取りのアイデアや収納の仕方を紹介。収納計画を考えるうえで収納術を参考にしてみよう。

洗面室・ランドリールーム直結のファミリークローク

ファミリークロークを洗面室やランドリールームにつなげると、洗濯する→干す→しまうという一連の流れがスムーズに。洗面室から勝手口に出られるようにするとよりコンパクトな家事動線に。
また、ファミリークロークと洗面室が近いとファミリークロークで服を着替えてから洗面室で身だしなみを整えられるので、生活動線がスムーズになり便利だ。
しかし、水まわりとクローゼットが近いと湿気がこもりやすくなるので、プランニングの際は換気面のケアをしよう。

洗面室直結のファミリークロークの事例
洗面室とファミリークロークが近いと、歯磨きや髪のセットをしたらすぐに服を着替えられたり、洗濯物が乾いたらそのままクロークにしまえたりと、生活動線がスムーズに(画像提供/アイムの家)

玄関から洗面室へとつながるファミリークローク

玄関と洗面室の間にファミリークロークを設けると、外出時の動線がコンパクトになる。帰宅して脱いだアウターをファミリークロークにかけて洗面所で手を洗うというように、毎日のルーティーンに合わせてファミリークロークをつくると、快適さがアップする。玄関のシューズクロークとつなげると、ファミリークロークで外出時の身のまわりの収納が完結する。

玄関と洗面室の間に設けたファミリークロークの事例
玄関からファミリークロークを通って洗面室に直行できる動線にすることで、お出かけ時や帰宅時のルーティーンもスムーズに(画像提供/南海プライウッド)

居室同士をつなぐコミュニケーション重視のファミリークローク

ファミリークロークを2階に設ける場合など、主寝室の夫婦間のスペースをつないだり、主寝室と子供部屋をつなぐなど、プライベートスペースをつなぐ役割をもたせることもできる。ファミリークロークでゆるやかなつながりを設けることができるため、家族間のコミュニケーションも取りやすい。

居室をつなぐファミリークロークの事例
リビングと寝室の間にファミリークロークを設けることで、ゆるやかに空間をつなぐことが可能(画像提供/リノベる。 撮影/古末拓也)

廊下のスペースをファミリークロークに

ファミリークロークとしてのスペースを確保できないという場合は、廊下をウォークスルータイプのファミリークロークとして活用するのもおすすめ。その場合、着替える場所やそこへの動線も考慮しよう。

廊下を活用したファミリークローク
廊下の両側をオープンなファミリークロークに(画像提供/南海プライウッド)
まとめ

ファミリークロークは、家族分の衣類や身の回りの物をひとまとめにした収納スペース

生活動線や家事動線がコンパクトになり、効率的で快適な暮らしを手に入れることができる

ファミリークロークを設けるためには、ある程度まとまったスペースを確保する必要がある

ファミリークロークには、「ウォークインタイプ」と「ウォークスルータイプ」の2種類があり、4人家族の場合、最低でも2畳程度は必要

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取材・文/金井 さとこ
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