ペットを目的としたリフォーム費用・価格相場情報

かわいいペットも時々いたずらで困らせることがあります。
壁のひっかき傷もその一つですが、引っかかれても大丈夫なように、傷に強い壁紙にリフォームしましょう。

表面に特殊な加工を行い強化したビニールクロスは、一般的なビニールクロスよりも犬や猫の爪による傷に耐えることができます。
ペットの引っかきによる破損がまったくないというわけではありませんが、リフォームしておくことで安心できるでしょう。

機能性が付加されたビニールクロスも価格は一般のビニールクロスとほぼ変わりません。

▲同社の表面強化壁紙よりさらに約6倍の表面強度をもつビニールクロス「リザーブ1000　スーパー耐久性」（写真提供／サンゲツ）

腰壁は大人の腰の高さくらいまで板張りにすることをいいます。
ひっかき傷に強い腰壁は合板などの木質素材の表面に、傷がつきにくい特殊な加工を施した化粧シートを張ったものです。

腰壁はインテリアとしても部屋に落ち着きを与えてくれる内装材です。
ひっかき傷に強いので、部屋の見栄えを長く保つことができます。

▲ひっかき傷がつきにくい表面加工を行った腰壁。「ハピアウォールハードタイプ」（写真提供／DAIKEN）

傷が気になるのは床材も同じ。
また、床に垂れたよだれやおしっこの掃除も大変です。
こうしたひっかき傷や汚れに強いフローリングもあります。
耐摩耗加工を施したもので、傷がつきにくく、掃除もラクなので、ペットも思う存分遊べます。

▲傷や汚れがつきにくいフローリング「アーキスペックシリーズ」（写真提供／Panasonic）

ペットを飼っている人にとって心配なのが、床で滑ってしまうことでしょう。
傷や汚れに強いとともに、滑りにくいフローリングもあります。
表面に滑り止め加工を施しているので、ペットも自由にのびのびとフロアを遊び回れます。

▲傷つきにくさ、滑りにくさを兼ね備えた特殊化粧シート張りのフローリング「ワンラブフロアⅣ」(写真提供／DAIKEN）

ほんのり足元から温かくなる床暖房も検討してみましょう。
エアコンのように温風が出ないので、ペットの抜け毛が舞いにくく、アレルギーの予防にもなります。

なお、床暖房を設置するときは、床材に制約があります。
床暖房に対応した熱に強い床材にしなければなりませんが、傷つきにくく、滑りにくいペット向きのフローリングにも床暖房対応のものがあります。

カタログで確認したり、リフォーム会社に相談したりして、慎重に選びましょう。

床暖房は、電気ヒーター式と温水式があります。
電気ヒーター式だとフローリングと一体化した製品があり、15畳(約25m²）の部屋に設置するリフォーム費用の相場は、約80万円～120万円。
ガス温水式だと床の張り替え費用・床断熱費用込みで、約100万円～150万円ほどとなります。

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消臭にポイントを置くなら珪藻土（けいそうど）や漆喰（しっくい）など自然素材の塗り壁材がオススメです。
多孔質で呼吸する素材なので調湿効果が高く、同時に消臭効果もあります。
また、こうした塗り壁材は汚れたり、傷がついたりしても、上塗りをすると元どおりきれいになるのもメリットです。

珪藻土、漆喰などの塗り壁材はビニールクロスよりも材料費、工事費ともに高くなります。

また、「エコカラットプラス」(LIXIL)というタイル状の調湿建材も消臭効果があります。
「エコカラットプラス」は、タイル調、レンガ調などさまざまなデザインのタイプがあるので、インテリアとして部屋のワンポイントに採用するのもいいのではないでしょうか。

▲気になるニオイの原因となる成分を吸着、短時間ですっきり脱臭する「エコカラットプラス」(写真提供／LIXIL）

天井に張って、ニオイの元を吸着し、ニオイを緩和してくれる建材もあります。
多孔質のため、湿気を吸収・放出してくれる機能があり、同時にニオイも吸着する「クリアトーン12S Ⅱ」(DAIKEN)という素材です。

この天井材は音の反響を抑える性質があり、ペットの鳴き声などをやわらげてくれます。
ニオイ吸収と音をやわらげるという2つの特徴がある、ペットと暮らす人にはうれしい天井材です。

▲多湿時に湿気を吸収、乾燥時に放出する機能から、ニオイの吸着、音の響きをやわらげることまでできる多機能の天井材。「クリアトーン12SⅡ」（写真提供／DAIKEN）

吠える声が近所迷惑にならないかと心配している場合は、「内窓」の設置が防音に効果を上げるのでオススメです。
内窓は、既存の窓の内側にもう1枚サッシを設けて二重窓にするもの。
本来の目的は窓の断熱で、冬は部屋を暖かく、夏は冷房の効き目をよくしてくれるものですが、二重窓の効果には防音性もあります。

内窓の設置は既存の窓をいじることなく工事ができるので、手軽にリフォームができます。
リフォーム費用も解体費などがない分、割安です。

内窓には単板ガラス使用のものと複層ガラス使用のものがありますが、単板ガラスが一般的です。
単板ガラスを使用した内窓の一般的な設置費用の相場は次のとおりです。
腰高窓1カ所当たり約7万5000円～9万円、掃き出し窓1カ所当たり約17万5000円～20万円。

複層ガラスの内窓を設けるとより防音効果があります。
その場合の費用相場は、腰高窓で約8万5000円～10万円、掃き出し窓で約20万5000円～23万円ほどとなります。

▲既存の窓の内側に設置し、間にできる空気層が断熱効果や防音効果を上げる内窓。「インプラス」（写真提供／LIXIL）

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愛犬の吠え声が寝室、勉強中の子供部屋などに響くのが気になることがあります。
防音性の高い室内ドアを採用すると、ペットが吠えても響きにくく、静けさを保てます。

▲一般的なリビングドアと比べて音漏れを30～50％軽減する（同社比）。ドアの種類により性能は異なる。「hapia（ハピア） 音配慮ドア」（写真提供／DAIKEN）

ペットの行動範囲を狭めるのが閉められたドアの存在ですが、自由に出入りできるくぐり戸がついた室内ドアもあります。
ペットが自由に行きたいところに行けるように、くぐり戸のあるドアに交換してあげましょう。

写真のように、ドアの下端にくぐり戸がついていて、表面はポリカーボネートのやわらかい素材です。
通り抜けるとすぐに閉まるので、風や虫、ホコリの侵入も防止できます。

入って来られたくないときはロックができ、ペットの出入りを制限することもできます。

▲ペットの通り抜けやすいくぐり戸付きのドア。半透明なので、ドアの向こう側にいても気配がわかって安心。「hapia（ハピア）機能ドア　ペットドア」（写真提供／DAIKEN）

風を通して虫が入らないように設けるのが網戸ですが、猫がいたずらして破いてしまうので悩んでいる人が多いのではないでしょうか？

破られにくい網戸もあるので、交換リフォームをしましょう。
写真の網戸は、網を樹脂でコーティングして強度をアップし破れにくく、編み目もずれにくい構造なので安心です。
また、コーティングしているため、猫の爪がひっかかりにくく、猫にもうれしいメリットがあります。

キッチンなどにペットが入らないようにするための侵入防止の建具は、突っ張りポールを使ったものなら安価で、自分で取り付けもできます。

量販店や通販で購入でき、価格は約5000円。

リフォーム会社に木製ドアなどを造作してもらうこともでき、その場合は材料や仕様によるので、リフォーム会社に見積もりをもらって検討しましょう。

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猫は高所を好みます。
キャットウォーク・キャットステップやキャットタワーなど設けて、猫が室内で高いところに登って遊べるようにしてあげましょう。
リフォーム会社に造作してもらうこともできます。

写真のような既製品も出ています。

▲壁面を自由自在に移動できる「ねこステップ」、高所から見下ろせる「ねこルート」「ねこボックス」、収納とねこ階段を兼用する「ねこシェルフ」（写真提供／DAIKEN）

庭に余裕があったら、ペットが走り回れるスペースを確保しましょう。
散歩に連れ出すことができなくてもドッグランがあれば、愛犬が自由に運動できて、ストレスが解消されます。

ドッグランをつくるときに気をつけたいのは、犬の足に負荷を与えないつくりにすること。
ウッドチップや人工芝を敷き詰めたり、天然芝を植えたりして、柔らかく、クッション性がある素材を使うと、足のケガを防止することにもなります。

天然芝のほうがより足に優しく、転んでもケガをしにくいため子供が遊ぶのにも最適です。
ただ人工芝と違って、こまめに手入れが必要なので、その点を考慮して選ぶのが良いでしょう。

人工芝のドッグランはほぼメンテナンスフリーなので、忙しい人や体力的に芝刈りなどのメンテナンスができない人に向いています。

▲（写真／PIXTA）

犬は案外、外部からの視線を気にしてストレスを感じるようです。
そこで、ドッグランのまわりは通風性が良く、かつペットがストレスを感じないよう、外からの目隠しにもなるフェンスで囲むのが良いでしょう。

▲通風性があり目隠しにもなるアルミ形材の「ルシアス」フェンスシリーズ（写真提供／YKK AP）

ペットを遊ばせた後は、シャワーで汚れを落としましょう。
庭にシャワー付きの水栓があると、外から帰ったときもすぐに洗えて便利です。

お湯も使えるタイプだと寒い季節でも手軽に使用できます。
ペット用としてだけではなく、散水用ホースをつけるとガーデニングにも役立ちます。

▲屋外でシャワーやお湯が使えるペット用水栓柱。専用防水パンは配水管の詰まりを軽減するヘアキャッチャー付き（写真提供／LIXIL）

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ボウルの面が広く、底が平らな滑りにくい洗面化粧台にリフォームしておくと、小型犬を腰をかがめず、らくに洗うことできて便利です。

また、底が平らだとペットの入浴時以外にも、バケツに水をくんだり、つけ置き洗いをするときなどにも重宝します。

▲排水口のヘアキャッチャーが、ペットの抜け毛をキャッチし、排水口の詰まりを防ぐ。「ピアラ」（写真提供／LIXIL）

最近のシステムバス（ユニットバス）は、清掃性が高くなっていて、ペットを洗うのにも最適な仕様になっています。
浴室の汚れの主原因である皮脂汚れが固着しにくいので床の汚れが落としやすいのが特徴です。

また、排水口にたまりがちな毛も、浴槽からの排水でヘアキャッチャーを回転させ、毛が排水口にからみつかず、さっと捨てられる構造になっているので、お手入れが簡単です。

システムバス（ユニットバス）交換の一般的なリフォーム費用の相場は、サイズによって異なり、以下のとおりです。

0.75坪タイプのリフォーム費用相場は約60万円～120万円、1坪タイプは約80万円～160万円、1.25坪タイプは約90万円～280万円となります。

▲汚れを落としやすく、抜け毛の処理をしやすいヘアキャッチャーを備えたシステムバス。「アライズ」（写真提供／LIXIL）

▲浴槽からの排水のうずの力で髪の毛をまとめるので捨てやすい「くるりんポイ」(写真提供／LIXIL）

料理中もペットを見守りたいものです。
壁付けキッチンを対面式に替えておくと、リビングを見渡しながら料理ができるので、いつでも見守ることができて安心です。

壁付けキッチンから対面キッチンに替える費用は、給排水配管や換気ダクトの延長、内装工事、電気工事などを伴います。

▲（写真／PIXTA）

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家が狭くてペットの居場所を確保できないという場合は、壁面収納の下部を活用してはいかがでしょうか？
既製品の収納ユニットにもスペースを用意しているプランがあります。
それを利用するのもよいでしょう。

▲ペットスペースの両脇に丈夫なパネルを張ることができる収納ユニット。「ミセル　ペットパネル」（写真提供／DAIKEN）

庭が狭くてドッグランを設けられない場合、ウッドデッキをつくるのはいかがでしょうか。

日差しを浴びて、人もペットも仲良くくつろげます。

ウッドデッキは、本来木製のものをいいますが、天然木は手入れが大変なこと、長持ちしないことから、最近は見た目が木でも、木粉を混入した樹脂系素材のデッキを採用することが多くなりました。

天然木採用の場合は、レッドシダー材などを用いることが多く、上と同じサイズなら約15万円からできます。ただ樹種によって変わり、耐候性が高く、長持ちする樹種を用いると高くなります。

▲（写真／PIXTA）

寒い季節でもサンルームがあれば、暖かく過ごせます。
サンルームは半屋外空間なので、開放感があり、日差しもたっぷり浴びられ、ペットも喜んでくれるでしょう。

既製品でもさまざまなタイプがありますが、雨に濡れずにすみ、日差しもやわらげられる屋根付きで、まわりを開け閉めできる建具で囲まれたタイプなら、必要なときに風も通せて快適です。

リビングと連続してサンルームを設ければ、リビングに広がりをもたらし、雨の日でもペットがのびのび遊べます。

▲床が人工木材のデッキになったタイプ。「ガーデンルームGF」（写真提供／LIXIL）

壁で囲まれた吹きさらしではないサンルームは、「増築」となります。
増築は、防火・準防火地域では面積にかかわらず、防火無指定地域では10m²を超えると建築確認申請が必要になります。

建築確認申請は、リフォーム会社に代行してもらえますが、申請のための図面作成費と役所への手続き費用を合わせて、15万円～20万円程度を支払わなくてはなりません。

なお、増築の場合は、敷地の建ぺい率・容積率を超えて設けることはできません。
プランニング段階でリフォーム会社に法的制限内でできるかどうかを確認してもらいましょう。

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引き戸で仕切られていたリビングとダイニングを一体化、内装を一新し、広々した開放感のある空間に生まれ変わりました。
壁面には愛猫のためにキャットステップを造作しています。
壁面にリズムができ、愛猫も喜んで活用しているといいます。

友人たちも集まることが多い空間で、人もペットも快適に過ごしています。

▲薄いグレーの壁紙に愛猫のシルエットが浮かぶ、新しくなったリビングの壁面

築12年のまだ新しいマンションですが、愛猫のためにリビングダイニングをリフォーム。
愛猫が遊べるよう、リビングの頭上にキャットウォークを設けました。
また、造作した壁面収納の中に愛猫のトイレを収納。
地震時に愛猫に倒れかかる心配のないよう収納家具は壁に固定しました。
壁には消臭効果のある内装材を採用しました。

▲白い内装に溶け込む、リビング全体にはりめぐらしたキャットウォーク

▲キャットステップの壁には消臭効果のある内装材を施工。ニオイが気にならなくなったとか

▲猫用トイレは収納の中に。トイレの隣の穴は寝室への出入口

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工事のスケジュールと内容を表にしたのが工程表。
リフォーム会社に工程表をもらって、いつどんな工事をするのかを聞いておきましょう。
そのスケジュールに合わせて、ペットのトイレや寝床を移動して、落ち着いて過ごせる環境を守ってあげましょう。
大規模工事の場合は、住みながらでは工事をできない場合が多いので、仮住まいが必要です。
早めに地域の不動産会社に聞いて、物件探しをしましょう。

▲（写真／PIXTA）

工事には騒音の激しい工事と、内装などあまり音がしない静かな工事があります。
工程表をチェックして、騒音の多い工事のときには、散歩に連れ出したり、ペットホテルを利用したりするのもよいかも知れません。

また、工事中の現場にふいに飛び込むと、釘や木材などにつまずいてケガをすることもあります。
ペットの動きに注意して見守ってあげましょう。

リフォーム会社に適宜相談しながら、工事中は人にもペットにもストレスの少ない過ごし方を工夫しましょう。

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