リフォームするならデザインにこだわりたい、という人は多いでしょう。ではデザイン性を重視したリフォームとは、どういうリフォームでいくらくらいかかるのでしょうか?デザイン性が高いリフォームでよく使用される素材や住宅設備やデザインリフォームと費用相場について考察してみました。
デザイン性を重視したリフォームの費用と相場を知る
自然素材を使ったデザイン重視リフォームの費用相場
見栄えがしてデザイン性を高めてくれるのが、むく材など自然素材。
その費用相場を探ってみましょう。
フローリングには、合板を基材とした複合フローリングとむく材のフローリングがあります。
より見栄えがするのがむく材のフローリング。
むく材のフローリングは、樹種によって柄や色、質感が異なり、費用相場も異なります。
主な樹種のむく材のフローリング1m2当たりの価格相場は、以下のようになっています。
パイン材 | 約6000円 |
---|---|
スギ材 | 約6000円 |
オーク材 | 約7000円 |
チーク材 | 約1万円 |
ヒノキ材(上小節) | 約1万円 |
ウォールナット材 | 約1万3000円 |
上記の単価を使う面積で掛ければ、床材の費用相場が出ます。
例えば、パイン材を20m2のリビングに使った場合は約12万円、
ウォールナット材は約26万円と、樹種によって大きな違いが出てきます。
これに床張りの工事費を加えたものがリフォーム費用となります。
工事費は既存のフローリングなどの解体撤去費と、新規のフローリングの張り手間代からなります。
解体撤去費は既存の床がフローリングの場合、1m2当たり約1000円、張り手間代は約3000円が相場。
12畳(約20m2)だと解体撤去費と張り手間代を合わせた約8万円が工事費となります。
樹種別に12畳(約20m2)の張り替えリフォーム費用は、フローリング代を含めて以下のようになります。
パイン材 | 約20万円 |
---|---|
スギ材 | 約20万円 |
オーク材 | 約22万円 |
チーク材 | 約28万円 |
ヒノキ材(上小節) | 約28万円 |
ウォールナット材 | 約34万円 |
単価の違いが施工面積によって大きく影響することがあるので、樹種選びは予算に合わせて慎重に行いましょう。

ビニールクロスにはさまざまな色柄があり、安価なことが特徴ですが、表面がビニールだけに味わいに欠けることと、経年変化で汚れるのも早いという難点があります。
一方、塗り壁はコテなどで職人さんが塗りますが、手塗り特有の味わいがあり、呼吸する素材を使ったものは美しさが長持ちします。
塗り壁の工事には、ペンキなど塗料による塗装工事と、漆喰(しっくい)や珪藻土など石や土由来の調湿性のある素材を使ってコテなどで塗っていく左官工事があります。
材料費や手間代が多くかかり、リフォーム費用が高くなるのは後者です。
ビニールクロスの張り替えなら材料+工事費で1m2当たり1500 円程度みておけばいいのですが、塗り壁は約8000円みる必要があります。
漆喰も珪藻土も同程度です。
12畳(約20m2)で比較すると、ビニールクロスの張り替え費用は約9万円に対し、漆喰や珪藻土は約48万円となります。
(壁+天井面積を床面積の約3倍の60m2として計算)
ビニールクロス | 約9万円 |
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漆喰・珪藻土 | 約48 万円 |

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デザイン性の高いキッチンを使ったリフォームの費用相場
キッチンなどの設備機器はデザイン性に大きく影響します。
既製品ではある程度価格の高いものがデザイン的には好まれるようです。
また、造作でデザイン性の高いオリジナルの設備をつくるケースもあります。
それぞれの費用相場を見ていきましょう。
システムキッチンの高級タイプといえば、天板(てんばん)がフラットで奥行きが深いフラット対面タイプ。
デザイン性が高く、インテリアとして空間になじみます。


フラット対面式キッチンの一般的な費用相場は、一般的なI型キッチンの価格相場が50万円~100万円(造作壁の施工費除く)ほどなのに対して、キッチン本体の価格のみで約100万円~200万円(間口2700mmの場合で)と高めになります。
I型キッチンの価格相場 | 50万円~100万円(造作壁の施工費除く) |
---|---|
フラット対面式キッチン | 約100万円~200万円(間口2700mmの場合、キッチン本体価格) |
キッチンは既製品のシステムキッチンを採用する以外にも、オリジナルで造作することもできます。
この場合は、デザインも自由にできますが、使う素材やパーツなどによって費用が変わってきます。
費用相場を挙げることは難しいですが、造作事例を費用とともにいくつか紹介しましょう。


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デザイン性の高い洗面台やトイレを使ったリフォームの費用相場
洗面化粧台は、リフォームの際、造作で設けるケースが多いです。
シンプルなデザインでつくれば比較的費用も安く済みます。
いくつかのケースを紹介しましょう。


タンクがなく、スタイリッシュなタンクレストイレは、デザイン重視のトイレリフォームに欠かせないアイテム。
工事費を除くトイレ機器の一般的な費用相場はタンク付きが約10万円~20万円なのに対して、
タンクレスは約20万円~30万円と高くなり、かつ手洗い器が約5万円~20万円別途かかります。
タンク付きトイレ | 約10万円~20万円 |
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タンクレストイレ | 約20万円~30万円 |
手洗い器 | 約5万円~20万円 |
タンクレストイレにリフォームした事例を紹介しましょう。


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リフォーム費用別、デザイン重視リフォーム事例集
デザイン重視のリフォームをした事例を、費用の内訳とともに紹介しましょう。
むく材のフローリングと塗装した壁・天井をベースに、ステンレスやアイアン、モルタルといった素材がインダストリアルな雰囲気を演出。ラフ過ぎずすっきりモダンなデザインに仕上げました。

- 仮設解体工事: 140万円
- 電気・ガス・給排水工事: 100万円
- 大工・建具工事: 320万円
- その他工事: 75万円
- 設備工事: 150万円
- 内装工事: 120万円
- 塗装・左官工事: 45万円
- 工期/約2.5カ月
- 種別/マンション
- リフォーム面積/90.72m2
- 設計・施工/ SCHOOL BUS
実家で両親と同居を機に二世帯住宅へとリフォーム。構造の補強や断熱性向上とともに、室内は自然素材を多用して、爽やかな空間で子育てできる家になりました。

- 仮設・解体・撤去: 210万円
- 木工・内部造作: 840万円
- 内装仕上げ: 210万円
- 什器設備: 220万円
- 設備(給排水・電気): 190万円
- 外装・外構: 410万円円
- その他(耐震・断熱含む): 470万円
- 工期/4カ月
- リフォーム面積/100m2
- 種別/一戸建て
- 設計・施工/スタイル工房
ホテルのようなスタイリッシュな空間を目指して、生活感のあるものは全て収納できるようにしました。家具やキッチンに合わせて壁紙やタイル、照明器具を選定、ゴージャスな空間を実現しています。

- 解体工事: 117万5000円
- 電気工事: 108万円
- 大工工事: 282万5000円
- 雑工事: 187万2000円
- 建具・サッシ工事: 171万7000円
- 内装工事: 112万1000円
- 設備工事: 441万円
- 工期/約2カ月
- 種別/一戸建て
- リフォーム面積/64m2
- 設計・施工/ナサホーム
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デザイン性重視のリフォームを成功させるコツ
デザイン性を重視したリフォームを成功させるには、自分のセンスに合うリフォーム会社を見つけることと、プランニング担当者とのコミュニケーションがカギを握ります。
リフォーム会社のデザインテイストはさまざまです。
その中から自分のセンスや好みに合う会社を見つけるためには、たくさんの施工例をチェックしましょう。
ネットや雑誌には、多くのリフォーム会社の施工事例が掲載されています。
その中から気に入った会社を数社選び、実際に相談してみるとよいでしょう。
自分の好みをリフォーム会社に伝えるためには、ビジュアル素材を駆使することが大切。
気に入った施工例を見つけたときは、「お気に入り」に登録しておきましょう。
「お気に入り」一覧を見ることで、自分にとってもより好みが明らかになるというメリットもあります。
また、担当者には他社のものも含めて、写真を見てもらうことで、こうしたいという希望がクリアに伝わります。

デザイン性を重視したいとはいえ、見た目ばかりにこだわって、機能性や動線をおろそかにしないよう気をつけることも大事です。
家事をスムーズにこなすためには、キッチンから水まわりへの動線が短く、スムーズに動けるよう、設計されていることが大切。
例えば、下の事例のように、キッチンから洗面室、浴室へと短い動線でつながる間取り。洗面室から廊下に抜けられ、リビング、キッチンへと一巡できる動線が参考になるでしょう。


リフォーム面積/63.93m2
設計・施工/東京ガスリノベーション
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- 必要な予算目安を整理
- 整理した内容に合うリフォーム会社をご紹介
デザイン性重視のリフォームをするときの会社選びのポイント
デザイン性重視のリフォームをするとき、会社を絞り込んでいくときは、どのような提案をしてくれるか、わかりやすく説明してくれるかが、選択のポイントになります。
リフォーム会社はこちらの要望に対して、プランを描いてくれます。
そのときに使う素材や間取りなどが要望に沿ったものになっているかをチェックしましょう。
複数社を比べてみて、一番要望に沿っていると思われる会社を選ぶのがよいでしょう。
さらに、こちらの要望に沿っているだけでなく、プロならではの提案も加味されているかどうかもチェックポイントです。
プランは設計図だけだと難しくて理解しづらいのがふつうです。
そこで、スケッチやコンピュータグラフィックなどを使って、ビジュアルでイメージを伝えてもらうようにしましょう。
なおかつ、言葉でそれをていねいに説明してくれるかどうかも、会社を決めるポイントになります。
いくらデザイン性が豊かでも、予算を超えてしまったら何にもなりません。
最初にリフォーム会社に予算を伝えておきましょう。
提案が予算を超えた場合は、設備や建材のグレードを一部下げるなどして、調整をしなければなりません。
かなえたい希望に優先順位をつけておくと、コスト調整がスムーズに行えます。
リフォーム会社に同じテイストの設備で、より安いメーカーはないかなど、聞いてみるのも手です。

まとめ
- デザイン性を重視したリフォームは、材料やプランに凝るほど費用相場が上がります。
- ポイントを絞って、お金のかけどころにメリハリをつけましょう。
- 予算内で好みのテイストに合った提案をしてくれるリフォーム会社を見つけましょう。
2021年01月28日公開
2022年10月5日更新