リフォームする方法と費用相場
今住んでいる家を子育てしやすいようにリフォームする、あるいは子どもの入学などを機に、中古を買ってリフォームするケースもあるでしょう。
その際、子育てしやすい家にするには、どんなリフォームプランがいいのでしょうか。
この記事では子育て世帯にふさわしい間取りや設備、内装材などとともに、リフォーム費用の相場や実例を紹介。
子育て世帯がリフォームに使える補助金も紹介します。

SUUMO(スーモ)リフォームは、子供の成長を目的としたリフォームに関する費用、価格相場情報を比較できるリフォーム情報サイトです。もし会社探しに迷った方はプロのアドバイザーに無料で相談できます。
今住んでいる家を子育てしやすいようにリフォームする、あるいは子どもの入学などを機に、中古を買ってリフォームするケースもあるでしょう。
その際、子育てしやすい家にするには、どんなリフォームプランがいいのでしょうか。
この記事では子育て世帯にふさわしい間取りや設備、内装材などとともに、リフォーム費用の相場や実例を紹介。
子育て世帯がリフォームに使える補助金も紹介します。
子どもを安心して見守ることができる間取りが子育て世帯にとって大切です。また、家事がスムーズにこなせることも子育てのゆとりにつながります。子育て世帯のリフォーム事例を参考にポイントを見ていきましょう。
子育て世帯に人気なのが対面キッチン。
家族のいる方を向いてキッチンに立て、子どもを見ながら調理や洗い物などキッチンでの作業ができます。
古いマンションや一戸建てでは壁付けキッチンや壁で仕切られた独立型キッチンが多く、リフォーム、リノベーションの際にそれを対面キッチンに変えるケースが増えています。
しかも対面キッチンにする場合、吊り戸棚も省いて、よりオープンなキッチンにするのがトレンドとなっています。
壁付けキッチンを対面キッチンにするリフォームは、給排水管および換気ダクトの移動、解体・撤去、電気、内装工事などの関連工事が必要となります。
キッチン本体の機器の料金は標準的なI型システムキッチンで約80万円~150万円、関連工事費が約70万円~90万円、合わせると約150万円~240万円のリフォーム費用となります。
システムキッチン代 | 約80万円~150万円 |
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関連工事費 | 約70万円~90万円 |
合計 | 約150万円~240万円 |
子どもの面倒をみるのに多くの時間をとられる子育て期間は、家事をなるべく短時間ですませたいものですね。
そのためにはリフォームの際に家事動線が短くなるよう間取りを工夫しましょう。
ポイントは水まわりを近接させ、スムーズに行き来ができるようにすることです。
キッチンを拠点に行き止まりがなく、ぐるりとまわれることで、水まわりの掃除やながら作業が無駄なくできるようにすることが肝心ですね。
和室は、赤ちゃんを寝かせておくとか、洗濯物をたたむとか、あるいは家族でごろりと横になるとか、ふだんから多用途に使える部屋ですね。
それだけに独立して1室設けるより、リビングに併設して設けると、子育て世帯にとって非常に使い勝手の良い場になります。
特別に和室らしい造作をしなくても、ただ畳を敷いてあるだけでも十分、その役割をはたしてくれます。
子どもが小さいうちは親のそばで遊んだり勉強したりしたいものですね。そこで役に立つのが、LDKに勉強コーナーを設けること。
既製品の家具を置いてもいいですが、サイズぴったりに造作してもらうとスペースに無駄が出ません。
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子どもが小さいうちは、壁や床を汚したり傷つけたりするのも悩みのタネですね。
そこで汚れやキズに強い内装材を紹介しましょう。
ビニールクロスにも汚れやキズに強いタイプがあり、量産品より少し高くなりますが、中級品に多いです。とはいえ壁紙の張り替えは、人件費が多くを占めますから、それほど大きな違いにはなりません。
6畳の部屋の壁・天井のビニールクロスを張り替えたとして、約6万円~8万円です。汚れにくい壁紙なら子どもたちものびのび遊べますね。
水性塗料などによる塗装は塗り替えや重ね塗りが容易なので、汚してもそれほど気にせずにすみます。費用は、中級品の壁紙と同程度で、6畳で約6万円~8万円もみておけば良いでしょう。
同じ塗り壁でも珪藻土や漆喰(しっくい)となると、材料費が高くなるのに加えて、塗り手間もペンキよりかかるので、費用は高くなります。
ビニールクロスの2.5倍程度の費用がかかり、6畳で約12万円~18万円かかります。
ビニールクロスの上に塗れる材料だと比較的割安です。
なお塗装はDIYで自分たちでもできます。人件費が助かるし、思い出にもなりますね。やってよいかどうかはリフォーム会社に確認してみましょう。
マンションでは騒音問題が起きないように、管理規約で使用できるフローリングを決めている場合が多いです。その際に要求されるのが、防音フローリング。一般のフローリングよりは高くなりますが、階下に音が響きにくくなるので、子どもがいる家庭では大事な内装材となりますね。
一般のフローリングと防音フローリングのリフォーム費用の違いを見てみましょう。
6畳(約10m2)の部屋のフローリングを張り替える費用は以下のとおり。
化粧シート張りの複合フローリングへの張り替え費用相場は約9万円~14万円。防音フローリングへの張り替えは約14万円~19万円です。
シート張り複合フローリング | 約9万円~14万円 |
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防音フローリング | 約14万円~19万円 |
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子育ての最中にあると便利な設備を紹介しましょう。
雨の日に洗濯物を乾かす設備や、掃除しやすいお風呂などは見逃せませんね。
子育て中は、洗濯する衣類が多くて大変。浴室乾燥機や室内物干しは子育て世帯の必須アイテムではないでしょうか。
日当たりの良い場所の天井に取り付けて、雨の日も外出時も干しておける室内物干しは、子育て世帯にはうってつけの装備です。
使わないときは吊り下げ具を外しておけるタイプが人気になっています。
室内物干しの吊り下げ金具2つとポール込みで、価格は約1万円~2万円です。
また、浴室乾燥機は浴室内に洗濯物を干して乾燥できるので、季節によっては本当に重宝しますね。
浴室乾燥機は後付けもできますが、ユニットバス交換の際に一緒に設置することが多いです。
オプションとして約10万円~15万円見ておけばよいでしょう。
子育て中は掃除をじっくりする時間もなかなかとれません。
そこで子育て世帯にオススメなのが、清掃性が向上している設備です。
とくにユニットバスでは床掃除や浴槽の掃除がしやすいタイプが増えています。
お風呂といえばちょっと油断して掃除を怠っていると、たちまちカビが発生してしまいます。そうなると掃除も時間がかかって大変。
例えば、TOTOのユニットバスの「ほっカラリ床」は、表面の親水層の効果で皮脂汚れが取れやすく、翌朝には乾いているのでカビにくいのが特徴です。
またTOTOでは床や浴槽を自動洗浄する機能もオプションで用意しています。
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ユニットバスのリフォーム費用は、商品やサイズによって違ってきますが、ユニットバスを交換する費用相場は以下のとおりです。
マンションに多く採用されているのは、0.75坪タイプのユニットバス。内法(内側の寸法)が120cm✕160cmで1216タイプともいわれます。マンションではほかに1317、1418タイプもあります。0.75坪タイプのリフォーム費用相場は約60万円~120万円です。
一戸建てに多いのが、少し大きくなる1坪タイプ。内法は160cm✕160cmで1616タイプともいわれます。1坪タイプのリフォーム費用相場は約80万円~160万円です。
より広いユニットバスが1.25坪タイプ。内法は160cm✕200cmで、1620タイプともいわれます。1.25坪タイプのリフォーム費用相場は約90万円~280万円です。
サイズ | リフォーム費用 |
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0.75坪タイプ | 約60万円~120万円 |
1坪タイプ | 約80万円~160万円 |
1.25坪タイプ | 約90万円~280万円 |
ユニットバスを選ぶときは、親子が一緒に入れる浴槽がいいですね。
浴槽にもいろいろなカタチがあります。子どもと一緒に入浴するなら、横幅を広くしたワイドな浴槽タイプを探すとよいでしょう。
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おもちゃや絵本があちこちに散らばってしまうことが多く、子育て世帯にとって収納は大きな問題です。できれば子どもが自分で片付けやすい収納を考えたいですね。
そのためには置き場所を覚えさせること、片付けやすいことが大事です。
おもちゃで遊んだり、絵本を見たりするのは、小さいうちはリビングが中心です。そこで、リビングの壁面収納のうち、子どもの手が届く下のほうに子どもの収納コーナーをつくってあげましょう。さらにカゴをいくつも置いて分けて収納できるようにしておくと、子どももいつのまにか置き場所を覚えてしまうものです。
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国が行っている子育て支援のリフォーム補助金と自治体が行っているものがあります。
国が行っているものの中には期間限定のものもありますので、注意しましょう。
子育て世帯を支援するリフォーム補助金は、期間限定のものを除けば国が行っているものでは「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金が挙げられます。
この制度は、既存の一戸建て住宅の性能を向上させるリフォームに補助金が与えられるというもの(共同住宅も対象ですが、建物全体での性能向上が必要となります)。
基本的には耐震や省エネ、維持管理などの性能を向上させることで補助金がもらえますが、三世代同居対応工事や子育て世帯向け改修工事を行うことで加算が行われるというものです。
補助額は以下のとおりです(2022年度)。
1. 長期優良住宅(増改築)の認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められる場合100万円/戸(150万円/戸)
2. 長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合200万円/戸(250万円/戸)
3. 2のうち更に省エネルギー性能を高めた場合250万円/戸(300万円/戸)
( )内は三世代同居対応改修工事または若者・子育て世帯または既存住宅の購入者が改修工事を実施する場合です。
長期優良住宅化リフォーム補助金の詳細はこちら。(2022年度の事業は予算に達したため申請は締め切られました)
トイレやキッチンを結果的に複数になるよう設けるなどのリフォームを行うとリフォーム減税が適用されます。
併せて行うそのほかのリフォームも対象になり、全体の対象工事限度額は1000万円で、最大62.5万円まで所得税が控除されます。
この制度は2023年12月末が期限です。
同居対応リフォームなどに各地の自治体でも補助金を出しているケースがあります。
お住まいの地域の役所のホームページを閲覧するか、直接問い合わせてみるとよいでしょう。
住宅リフォーム推進協議会のホームページでも閲覧することができます。
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子育て世帯が子どもの成長に合わせた間取りや家事の効率化を考慮してリフォームした実例を、リフォーム費用付きで紹介しましょう。
子どもの成長に伴い築46年のマンションを購入、今の暮らしと将来の暮らしまで想定してプランニング、フルリノベーションを実施しました。
子育て世帯にとって注目は、LDKに設けたスタディースペース。大人と子どもの兼用スペースで、3方を壁で囲い、程よい独立感があって集中できるスペースです。
その隣には子ども専用のスペースも。
スタディースペースを中心にキッズスペースから洋室、リビング・ダイニングへと子どもがぐるりと回れる回遊性のあるプランとなっています。
キッズスペースは、今は親が見守る中で遊べるスペースですが、将来的にはクローゼットを備えた子ども部屋にする予定です。
上の子どもが小学校高学年になったのを機にフルリフォーム、玄関近くに2つの子ども部屋をつくりました。同時にリビングには家族共用のデスクと本棚を造作。子どもたちが部屋にこもっているときは親がそれぞれの時間を楽しめます。みんなが集まったときはワイワイ楽しく過ごせます。子どもの成長に合わせて、家族みんなが暮らしやすい間取りを実現しました。
忙しい子育て世帯には家事動線の短縮は絶対条件。
この事例では、家事がしやすい動線や収納計画を徹底しました。
キッチンからパントリー、洗面室、浴室、玄関へとスムーズに移動できる家事がしやすい動線に変えました。
また、ウォークインクローゼットやシューズクロークなど適所に収納スペースを設けて、片付けやすい家になりました。
3LDKの中古マンションを1LDK+Sへと変えて、ロフトをリビングの一角に併設しました。
ロフトの下もアーチ型の入り口のある隠れ家のような自由に使える空間に。子どもとその友達に大人気になっているそうです。親の目の届くところで遊んでくれるので安心です。
子どもが生まれて中古一戸建てを購入し、フルリフォーム。安心して長く暮らせるよう耐震性向上を図り、間取りは子どもを見ながら家事ができる空間づくりをテーマにしました。
キッチンを元の位置から大きく移動し、洗面室と浴室の近くに配置。オープンな対面式にすることで、家族が出かけるときや帰ってきたときに顔を合わせて声をかけられるようにしました。
さらにキッチン脇にはユーティリティスペースを確保し、室内干しにも使える空間としました。
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リフォームの依頼先を選ぶときは、施工例を見たり、見積もりをとったりして十分納得がいってから契約するのが鉄則。加えて、担当者との相性もよく見極めましょう。
子育て世帯のリフォームは、現在のことだけでなく、子どもが成長することも考慮して、可変性のある空間にしておくのが望ましいです。経験豊富な担当者なら、そのあたりについても十分な意見を聞かせてくれるのではないでしょうか。
構成・取材・文/林直樹
2022年10月5日公開
※表示している相場は「SUUMO」の過去・現在の掲載情報を元に、独自のロジックによって算出しています。リフォームする住戸やその年次における価格変動の影響を受け必ずしもその費用を保障するものではございません。実際の費用につきましては各施工会社へお問い合わせください。
※表示している相場は「SUUMO」の過去・現在の掲載情報を元に、独自のロジックによって算出しています。リフォームする住戸やその年次における価格変動の影響を受け必ずしもその費用を保障するものではございません。実際の費用につきましては各施工会社へお問い合わせください。