新築かリフォームか、お得なのはどっち?それぞれのメリット・デメリットや、中古を買ってリフォームした実例も紹介

そろそろマイホームをと考える際、土地の購入からはじめて、一戸建てを新築するか、中古物件を購入してリフォームやリノベーションをするか、迷う人も多いのではないでしょうか。また、古い家に住んでいるという場合も、その家を解体して新築するか、リフォームするかというのも迷うポイントでしょう。さらに、一戸建てではなく、マンションを検討している場合でも、新築を買うか中古を買ってリフォームをするかは誰もが悩むポイントですよね。今回は新築と中古では費用的にはどちらがお得なのか、また、それぞれのメリットやデメリットは何かを解説。中古一戸建てや中古マンションを購入してリフォームをした施工事例もご紹介します。

家の新築やリフォームにかかる費用のイメージ

(画像/PIXTA)

記事の目次

新築と中古を購入してリフォームする費用を比較

注文住宅を新築する場合の費用相場は土地と建物で5000万円超

2023年 注文住宅動向・トレンド調査(SUUMO)によると建築者(全国)の建築費用(土地代を除く)は平均3186万円、新規土地取得者の土地代は平均2145万円です。調査データでは、土地購入から注文住宅を新築する場合、5000万円程が費用の相場となっています。

一方、中古の一戸建てを購入してリフォーム・リノベーションをする場合は、物件の購入費用に加え、リフォーム工事の費用がかかりますが、築年数が経った物件などであれば、物件の購入費用の部分を抑えることができます。

そして、リフォームの費用については、2019年4月時点リフォーム実施者調査(SUUMO)によると、中古購入を目的としたリフォーム費用は、一戸建ての場合600万~900万円が中心価格帯です。

築年数が20年程度で、構造補強が少ない場合の全面リフォームの費用の目安としては約800万円~1500万円なので、物件購入費用にリフォームの工事費用を合わせても、同程度の立地や広さの物件で比較すると、中古物件を購入してリフォームやリノベーションを行う場合の方が、費用は比較的安くなるケースが多くなります。

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マンションの場合も、リフォームする方が費用は安くなる傾向

マンションについても、流通している物件価格については、条件が異なれば価格は異なるため一概には言えませんが、同じような条件の新築マンションよりも中古マンションの方が価格は安くなる傾向があります。

また、前述の調査ではマンションの場合も、中古購入を目的としたリフォーム費用の相場は600万~900万円が中心価格帯です。全面リフォームの目安としては約600万円~2000万円なので、物件価格とリフォーム費用を合わせても、新築マンションを買うよりも中古マンションの方がトータルの費用は安くなる可能性が高くなるでしょう。

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新築もリフォームも予算に合わせて費用の調整は可能

一戸建ての場合もマンションの場合も、同じような条件で考えるのであれば新築よりも、リフォームの方が費用は抑えられる傾向があります。ただし、新築でもリフォームでも、予算に合わせてコストをコントロールすることは可能です。

まず、リフォームの場合は新築する際に必要な基礎工事などが不要になるため、その分新築よりも工事費用は抑えられる傾向にありますが、それでも、あれもこれもとこだわりを詰め込めば、新築するよりも費用がかかることもあります。また、既存の建物の状態によっては、構造面の補強などに費用がかかってしまうこともあるものです。

しかし、リフォームは新築と違ってすべてを一から工事する必要がなく、工事面積を減らすなどの方法もとることができるので、コストコントロールはしやすいと言えます。

一方、新築一戸建てを建てる場合も設備や建材のグレードを下げる、あるいはローコスト住宅なども視野に入れることで、費用を抑えることはできます。土地購入からの場合は、予算に合わせてエリアを見直すという方法もあるでしょう。

予算に合わせた内装材選びのイメージ

(画像/PIXTA)

新築する、新築を買うメリット

すべて新しい

新築の場合は建物を一から建てるため、躯体からすべてが新しいというのが魅力です。リフォームの場合でも、スケルトンリフォームなど大掛かりなものになれば、建物を新築同様に新しくすることはできますが、躯体など、構造部分は既存のものを活かすことになります。

その家に「最初に住む」という特権は新築でしか得られないポイントなので、この点が最優先事項である場合は、新築という選択肢になります。

自由度が高い

新築一戸建てを建てる場合、注文住宅などであれば一からプランニングを行うことも可能なので、自由に住まいをつくることができます。立地によっては法律上の制限などはありますが、リフォームをするケースよりも、比較的自由に自分の思い描く間取りなどを実現しやすいでしょう。

間取図のイメージ

(画像/PIXTA)

耐震性への安心度が高い

新築の場合は現在の耐震基準を満たしたものが施工されるので、耐震性への安心度が高くなります。

中古の場合、築年数の古いものなどは耐震基準が低かったり、土台部分に損傷が見られたりすることもあります。リフォームでも対応できることがほとんどですが、その分費用や工期も必要になるため、耐震性、省エネ性などを重視したい場合は、一から建物をつくるケースの方が不安は少なく、効率的といえます。

新築する、新築を買うデメリット

費用が高額になる傾向がある

前述した通り、同じような条件の物件であれば、新築の方が中古物件を購入してリフォームするよりも費用が高くなる可能性があります。また、せっかく新築するならと、設備などもグレードの高いものを選びたくなりますが、メリハリをつけずに費用をかけてしまうと、当初の予算以上に出費がふくらむことになります。

費用がかかっても理想の住まいを実現させたい場合は、注文住宅を新築するというのが理想的ですが、予算をある程度抑えたい場合は難しいケースもあります。

希望のエリアでの選択肢が限られる

土地探しからはじめて家を新築するような場合、希望通りの家を建てられる条件にあった土地を見つけるのは、エリアによっては長期戦になる場合もあります。

また、マンションの場合も、家が欲しいと思ったタイミングで希望のエリアに新築マンションが販売されるとは限らないので、新築マンションを希望するのであれば、探すエリアの範囲を広げたり、予算面や物件の条件などを譲ったりしなければいけなくなることもあるでしょう。

リフォーム・リノベーションするメリット

費用を抑えやすい

中古を買ってリフォーム・リノベーションする場合、物件の選び方次第では物件購入価格を抑えることが可能です。リフォーム工事をする前提の住まい選びであれば、ある程度築年数の古いものなどを視野に入れて、予算を抑えて購入できることもあります。

工事費用についても、リフォームする箇所を減らしたり、既存のものを再利用したりすることもできるリフォームの場合は、家を一から建てるよりも予算配分にメリハリをつけやすいため、新築よりはコストを抑えやすいと言えます。

費用を抑えるイメージ

(画像/PIXTA)

希望のエリアで探しやすい

譲り受けた家を建て直すか、リフォームするかで迷っている場合は該当しませんが、新築を買うか、中古を買ってリフォームするかなどで迷っていて、住みたいエリアを絞って探している場合は、中古の方が選択肢は豊富です。

「実家の近くに住みたい」、「学区を変更したくない」など、マイホームの条件の中でエリアの優先順位が高く、ピンポイントで探しているのであれば、条件にあった家を手に入れやすいのは、中古物件をリフォームするケースになるでしょう。

リフォーム・リノベーションするデメリット

希望通りの間取りにできないこともある

フルリフォームやリノベーションでも、躯体は残して改修を行うため、構造的に取ることのできない柱や梁、壁などもあります。そのため、リフォームしたい建物の構造によっては、壁を取り払ってリビングを広げたり、開口部を広く取りたいといったことができないケースもあります。

また、マンションの場合は、リフォームできるのは専有部分のみになるため、共用部に当たる部分はリフォームできません。区分所有者に専用使用権のある玄関ドアや窓、バルコニーなども共用部になるため、区分所有者の判断だけでリフォームをすることはできません。

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耐震補強などにお金がかかることがある

築年数の古い建物でも、耐震補強をすることで耐震性能をアップさせることは可能です。しかし、求める性能の水準によっては、費用が高額になることもあります。

また、リフォームの場合は、解体してみてはじめてわかる不具合などもゼロではありません。追加工事などが必要になれば、想定以上の費用が発生する可能性もあります。

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耐震補強のイメージ

(画像/PIXTA)

新築か、中古を買ってリフォーム・リノベーションか、選ぶポイントは?

予算を抑えながら、こだわりを実現しやすいのはリフォーム

コストがかかっても、躯体からすべて新しい住まいに住みたいという場合は新築という選択肢になるでしょう。

しかし、住むエリアや内装などといった部分へのこだわりが強く、予算も抑えたい場合は、リフォーム・リノベーションを行う方が選択肢は豊富で、予算にメリハリもつけやすいといえます。

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中古を買ってリフォームした人の事例を紹介

実際に中古を買ってリフォームをした人は、どのような住まいを手に入れたか、一戸建てやマンションの実例を見ていきましょう。

※紹介している費用は概算。また、施工当時の価格のため、現在の価格とは異なる場合があります

【実例】古家付きの土地を購入し大規模リフォーム

実家の近くで土地を探しはじめたものの、なかなか見つからず、古屋付きの土地を購入。当初は注文住宅を新築することも検討したそうですが、最終的には大規模リフォームを選択しました。

築34年の建物は構造材と土台を金物で補強し、壁体内に筋交いを加えるなどして耐震性を確保。基礎のコンクリートには防湿フィルムを用い、湿気や白アリ対策もして、長く安心して住める住まいに一新しました。

また、水回りやキッチンの位置を変更するなど、間取りも動線や住みやすさを考えて大きく変更。ダイニングスペースと壁や襖(ふすま)で仕切られていた和室をつなげ、広々とした約20畳のリビングも実現しました。サッシも大きな物に交換して開放感を叶えるとともに、大開口でも断熱性が弱くならないよう、ペアガラスを採用しています。

念願の北欧スタイルのインテリアを取り入れた約20畳のLDK

念願の北欧スタイルのインテリアを取り入れた約20畳のLDK(画像提供/イズホーム)

将来2部屋に区切ることもできる2階の子ども部屋

2階の子ども部屋は将来的に2部屋に区切ることもできるように建具は2つ設置。窓は2重窓を採用(画像提供/イズホーム)

【DATA】
建物タイプ:一戸建て
築年数:34年
間取り:[ Before ] 4LDK → [ After ] 2LDK
リフォーム費用:1835万円
費用概算
仮設工事:42万円
衛生設備工事:12万円
解体工事:113万円
住宅設備機器:171万円
内装工事:166万円
屋根・壁塗装工事:54万円
電気工事:58万円
その他工事:550万円
屋根工事:261万円
大工工事:408万円
工期:3ヶ月
リフォーム面積:51m2
施工・設計:イズホーム

【実例】住みたい街に土地が売られていない!の悩みをリノベーションで解消

もともと住んでいた街でマイホームをと考えたものの、周辺には売り土地が少なく、新築物件はほぼないという状態。そんな中で選択したのは中古マンションを購入してリノベーションをするという方法でした。

購入した物件は部屋数があるものの、各部屋が狭く圧迫感があったため、家族人数に合わせた部屋数に間取りを変更。LDKと書斎の間の壁にはアイアン製の室内窓を設けてインテリアのアクセントにしました。

物件購入に加えてリフォーム工事の費用がかかることから、できるだけリフォームにかける金額は抑えたいという希望があったため、対面キッチンではなく、カウンターを食器棚にするなど、メリハリをつけながらプランニング。満足度の高い住まいを実現させました。

リビングと書斎を仕切る壁に大きな室内窓を設置

リビングと書斎を仕切る壁に大きな室内窓を設置。一体感を出しつつ、冷暖房効率の良さも兼ね備える(画像提供/イズホーム)

食器棚をカウンター代わりに設置したキッチン

対面式キッチンではなく、食器棚をカウンター代わりに設置してコストを調整。奥に造作した棚には電子レンジなどを収納(画像提供/イズホーム)

【DATA】
建物タイプ:マンション
築年数:35年
間取り:[ Before ] 5LDK → [ After ] 4LDK
リフォーム費用:580万円
費用概算
木工事: 100万円
建具工事: 70万円
設備工事: 210万円
電気工事: 50万円
内装工事: 150万円
工期:1ヶ月半
リフォーム面積:65m2
施工・設計:イズホーム

【実例】物件購入と工事を併せて検討し、マイホームを予算内で実現

中古を購入してリフォームをと考え、工事を見据えてリフォーム会社と二人三脚で購入する物件を検討しました。物件購入とリフォームを併せて検討したため、予算内で理想のマイホームを実現できたそうです。

できるだけリフォーム工事費用を抑えたいということで、既製品やDIYを取り入れてコストをコントロール。多くのメーカーの部材を比較検討し、組み合わせて取り入れました。

間取りについては、あまり使わない部屋をつくらないよう、空間の使い方をしっかりイメージしてプランニング。水回りや内装はもちろん、家族構成や暮らし方に合わせて、間取りも一新しました。

既製品を上手に活用した個性的なインテリア

室内窓やチェッカーガラス入りの扉など、既製品を上手に活用しながらも個性的なインテリアを実現(画像提供/イズホーム)

テレビボードはDIYで塗装し、リフォーム費用も削減

テレビボードはDIYで塗装し、リフォーム費用も削減(画像提供/イズホーム)

【DATA】
建物タイプ:マンション
築年数:34年
間取り:[ Before ] 3LDK → [ After ] 2LDK
リフォーム費用:650万円
費用概算
木工事: 150万円
建具工事: 100万円
設備工事: 200万円
電気工事: 50万円
内装工事: 150万円
工期:2ヶ月
リフォーム面積:70m2
施工・設計:イズホーム

新築よりもリフォームの方が費用を抑えられるケースは多く、予算に限りがある場合は、リフォームを選択することによって、内装や設備など、こだわりたい部分に費用をかけられるというのは魅力的なポイントです。一方、予算はかかっても、こだわりの家を自由に一からつくりたいという人などは、新築という選択になるかもしれません。理想の住まいに求める条件によって、新築かリフォームか、選択するべきものは変わります。まずは自分が住まいに求める希望は何なのか、優先順位を整理して理想のマイホームを手に入れてください。

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【まとめ】新築よりもリフォームの方が費用を抑えられる可能性は高い

SUUMO調査データでは、注文住宅の建築費用は平均3153万円、土地代は平均1971万円と、土地購入から注文住宅を新築する場合、5000万円程が費用の相場となっています。中古の場合は物件の購入費用に加えてリフォーム費用がかかりますが、一戸建て、マンション共に、中古物件を購入した場合のリフォーム費用の目安は600万~900万円が中心価格帯です。物件購入費用にリフォームの工事費用を合わせても、立地や広さなど同じような条件で比較すると、中古物件を購入してリフォームやリノベーションを行う場合の方が、新築よりも費用は比較的安くなるケースが多くなります。費用がかかっても一から理想のマイホームをつくりたい、または、耐震性や省エネ性など住宅性能にこだわりたいという場合は新築という選択になるでしょう。一方、住みたいエリアが決まっていたり、内装や設備にこだわりたいという場合は、リフォームの方が予算内で理想の住まいを叶えやすくなります。

●画像協力
イズホーム

構成・取材・文/島田美那子