モーニング娘。’20のサブリーダーとして活躍する、生田衣梨奈さんは現メンバーでは唯一の九州・福岡出身者です。
幼少期からずっと渋谷のギャルに憧れていたといい、「#えりぽんかわいい」のハッシュタグでSNSを盛り上げ、「私最高!」のギャル精神を貫いている生田さん。
中学生になるまでを過ごした地元・博多のことや、夢いっぱいで上京した2011年当時の心境など、じっくり振り返ってもらいました。
渋谷への憧れを抱えていた少女時代
―― 生田さんは、もともと渋谷のギャルへの憧れが強かったんだとか。
生田衣梨奈さん(以下、生田):小さいころから、漫画やアニメ、ドラマを通してみる「東京」のイメージが強かったんですよね。昔から藤井みほな先生の少女漫画『GALS!』や、テレビドラマ『ギャルサー』が大好きで。物語に出てくるギャルの姿を通して、「私もいつかショートパンツにレッグウォーマー履きたい!」とずっと思っていました。雑誌も『egg』と『Popteen』をずっと愛読していて。
「2000年代のギャルが好き」という生田さん。(モーニング娘。'20 Q期オフィシャルブログより)
―― 小学生のころから『egg』読者ですか? すごい。今の生田さんも、ハロプロでは比較的レアな、ギャル路線ですよね。
生田:私はずっと福岡だったから、ギャルに対する強烈な憧れがあって。東京に生まれ育った子たちは、いつでも渋谷に出られるし、なろうと思えばすぐにギャルになれるじゃないですか。だから東京に対する対抗意識もあるし、ついほかの子より目立とうと思って派手になっちゃう(笑)。福岡あるあるかもしれません。
―― それでいうと、モーニング娘。OGの田中れいなさんも福岡出身。彼女も派手で、一際目立つ存在でした。
生田:モーニング娘。って全体のバランスがあるから、髪色も派手すぎるのはダメなんです。けど、私はいつもマネージャーさんに自分から提案してるんですよ。ホットペッパービューティーでギャルのスタイリング探して「この色ダメですか?」って、探りながら(笑)。
―― 校則のギリギリを攻めるギャルみたいですね。
生田:ふふ。でも福岡って、本当に自由な校風の学校が多いんですよ。卒業式も、制服を着てもいいし、好きな服で出席してもいい。最近、私の小学校の卒業式の写真を眺めていたんですけど、当時からなかなか派手な子でしたね(笑)。とにかくギャルっぽいアイテムが大好きで、流行っていたkitsonのバッグがお気に入りだったのを覚えています。ケータイにも、信じられない量のキーホルダーをつけてました。
伏し目がちで笑い、爪を眺める姿はまさに「あのころ」のギャル
遊び場は天神。仲間と集まるときは「とりあえず大画面前!」
―― 福岡のギャルはどんなところで遊ぶんですか?
生田:小学生のころから、毎日天神に通ってプリクラ撮ってました。1時間でも空き時間があったら、絶対に天神に出ますね。友達とも「とりあえず大画面前集合!」って言えば、すぐ会えるんです。
―― 「とりあえず○○集合!」、良い号令ですね。
生田:これ、不思議な福岡県民あるあるなんですけど「大画面前」って言えば絶対に集合できるんですよ! 渋谷だと無理じゃないですか? TSUTAYA周辺だけでも大画面いっぱいあるし、混乱しちゃいますよね。
―― でも、福岡も大画面(大型ビジョン)いっぱいありますよね?
生田:そうなんですよ。でも、なぜかみんなソラリアステージの下にある大画面にサッと集まれるんです。福岡県民に「大画面」って言われたら、ここなんで。待ち合わせしている人、いっぱいいます。
―― 集合したら、やっぱりお買い物?
生田:どちらも最近なくなっちゃったけど、お買い物は天神コアと天神ビブレが大好きでしたね。今なら、天神パルコかな。福岡って、東京のおしゃれなものが全部くるから、いいとこ取りなんですよ。ギャル服ブランドもそろってるし、ファッションビルを歩くのが楽しみでした。渋谷と違う良さは、地下街で全部繋がっていて、一気に用事が済ませられるところ。
―― そんなに歩きやすいんですね。
生田:渋谷だと、行きたいお店に行くのも移動が大変。天神は雨に濡れなくて済むから、傘もいらないくらい便利なんです。
とんこつラーメンだけじゃない天神グルメ
地元では、店員さんとコミュニケーションを取りながら食事をすることも多いそう
―― 福岡って、食がとにかく美味しい街ですよね。
生田:そうなんですよ。だから「何を食べても美味しいよ」になっちゃって、おすすめが難しいんですよね。
―― 実際に、生田さんが地元でよく行くお店は?
生田:天神1丁目の路地裏にある「新生飯店 天神」。昼間営業している中華料理屋なんですけど、ご夫婦と仲良しで、モーニング娘。になってからもずっと通っています。ちゃんぽんが本当に美味しいので、食べて欲しいですね。麺は普通の太さなんですけど、コシが違う。野菜もたっぷり入っているので、罪悪感なくスープまで飲み干しちゃうんです。メンバーの羽賀ちゃんを連れて行ったら、絶賛でした! 夜はお店が入れ替わって、「楽天地天神本店」というもつ鍋屋さんになるんですが、そちらも美味しいです。
―― 同じ店舗で違う店が営業しているんですね。福岡にちゃんぽんのイメージなかったので、とても気になります。
生田:友達と遊ぶときは、天神パルコの地下にもある「極味や(きわみや)」っていうハンバーグ屋さんによく行きます。福岡市を中心にお肉料理を展開しているチェーンなんですけど、最近渋谷パルコの中にもできたんですよ! 東京の方にもぜひ食べて欲しいですね。福岡県民の定番です。
―― 東京のファンの方にもありがたい情報です。チェックします。
生田:時間がない人におすすめなのは、定番だけどウエストのうどん。あとは、福岡空港のフードコートの中の真ん中にもある「天神B.B.Quisine」の「ビーフバター焼き」かな。ビーフと焼きそばがのっている鉄板ご飯なんです。東京では見かけないから、福岡に帰ったときじゃないと食べられないんですよね。
―― たしかに、聞いたことがないメニューです。
生田:本当に、福岡はごはんがなんでも美味しいんですよ。一番イメージが強いのはとんこつラーメンですけど、博多は味だけじゃなくて安いんですよ。上京したとき、「ラーメンが高い!」って驚きました。福岡なら1杯200〜300円で食べられるし、替え玉も100円。何杯でもいけちゃうんです。
―― 生田さんは、おうちにも博多ラーメンをストックしているのだとか。
生田:インスタントラーメンの「うまかっちゃん」が大好きで、買いだめしてますね。モーニング娘。内で「ラーメン部」があるんですけど、メンバーにも人気です。いつかCMやりたいですね。
―― ほかにも、手軽に買えるおすすめはありますか?
生田:お土産なら、中村屋の「おりょりょ」のチーズ味! 空港にある売り場だと、試食でひとつもらえるんです。要冷蔵なんですけど、手軽で美味しいので、いつも買ってます。
「東京でモーニング娘。になれるんだ!」夢いっぱいで上京
加入以来、仕事を休んだことが一度もない生田さん。体調管理もプロ
―― そうそう。福岡って、超アイドル激戦区ですよね。ローカルアイドルも多いエリアで。
生田:福岡のアイドル、本当に多いですよね。私もいつか秘密のケンミンSHOWに出たいけど、競争率も超高いですよ。あと、橋本環奈ちゃんみたいに超可愛い子がとにかく多い。「博多美人」って言葉があるくらいだから、博多出身としてアイドルやってるプレッシャーはかなりあります。だから、私も美意識は高く持ってますね。
―― クラスにアイドルが数人いる、みたいな状況もあるんだとか。
生田:通っていた中学校にも、アイドルがたくさんいました。私、モーニング娘。のオーディションを受けたこと、地元の友達にも全然言ってなかったんですよ。受かった後に、仲良しの子にだけ「実はモー娘。に受かって、東京に行くことになったんだ」って話したんです。「知らなかったんだけど! 言ってよ!」って言われたけど、友達もその後HKT48に受かってて。その子がチームKIVのキャプテン、本村碧唯ちゃん。6歳のころから一緒で、今もディズニーランドに行くくらい仲良しです。
幼なじみのHKT48 本村碧唯さんと。(モーニング娘。'20 Q期オフィシャルブログより)
―― すごい。地元の友達と芸能界で再会できたんですね。もともと、生田さんが芸能界を目指したきっかけは何だったんですか?
生田:「福岡アジアコレクション」という、ファッションショーを観に行ったときに、スザンヌさんとの握手会があったんです。そこで「めっちゃ可愛いじゃん! 事務所入ればいいのに」と言ってもらえて。憧れのスザンヌさんと同じ世界に入って、またお会いしたいと思って。
―― その後すぐ、モーニング娘。としてデビューしたんですよね。
生田:保育園の卒園アルバムに「モーニング娘。になりたい」って夢を書いていたことを思い出して「これしかない!」と思って。ちょうど奇跡的にオーディションが開催されていたタイミングなので、すぐ応募しました。
加入当初の譜久村聖さん(現リーダー)と生田さん(モーニング娘。'20 Q期オフィシャルブログより)
―― そして、中学1年生で福岡から上京。当時の東京の印象は?
生田:渋谷に憧れていたから、すぐセンター街に行ったんですけど、初めて生でマンバギャルを見たときの感動が凄かったです。パンダギャルとか、本当に存在していたのがうれしくって。「私も人生一度はあのメイクしたい!」と思ったけど、まだ実現してないです(笑)。
―― 上京当時の生田さんは、まだ中学生。地元を離れる寂しさはありませんでしたか?
生田:福岡の友達と別れる寂しさより、「東京で憧れのモーニング娘。になれる!」という気持ちでいっぱいでしたね。109でたくさん買い物して、渋谷を大満喫。でも、初めてのツアーのリハーサルがとにかくつらくて、泣きながら家族に電話しました。しんどかったですね。
新人時代を振り返って「超ダメだった」と照れ笑いする生田さん
夢は福岡でラジオ番組を持つこと
―― 9期は久々の新メンバー追加で、ベテランの先輩たちの中にいきなり飛び込むという過酷な状況でしたものね。
生田:そうそう、完璧なメンバーの中に、いきなり子どもたちが放り込まれた感じで。本当に、レッスンについていくだけでも大変。だから、15期(昨年加入した新メンバー3人)に対しても「そりゃ無理だよね〜」って、あたたかな気持ちで見守ることができています。
―― 生田さん自身も、歌割がなかなかもらえなくて、苦労した時期がありましたよね。パートが「愛してる」の「る」だけだったことも。
生田:私のファンの方は「えりぽんの歌好きだよ」って褒めてくれるから、パートがないのが申し訳ない気持ちでいっぱいでしたね。でも、応援してくれる人の前で自虐するのも良くないなって思えるようになってから、変わりました。MCでいじられるならいいけど、自分からはしなくなりました。私のファンの方が悲しむから。
後輩とファンを想う目は真剣
―― 真っ直ぐに応援してくれるファンの方のおかげで、心持ちが変わったんですね。
生田:でも、5年目くらいから、なにを頑張ればいいのか分からなくなっちゃった時期があったんです。母に「辞めようかな」って話したこともありました。でも、「あんたはモーニング娘。で何をやり遂げたの?」って言われて。そこから、自分にできることを、より深く考えるようになりました。「歌やダンスに特化したメンバーがいるから、アクロバットやトークで頑張ってみよう!」とか。
―― そんな生田さんの、今後の夢は?
生田:福岡でラジオのレギュラーを持つことです。地元でアイドルをやっている友達がすごく多いので、「みんなでいつか地元福岡をアピールする番組をやりたいね」って話しています。福岡と東京を繋ぐ番組をやりたいですね。
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お話を伺った人:生田衣梨奈(いくたえりな)
1997年7月7日生まれ、福岡県出身。2011年にハロー!プロジェクト「モーニング娘。」の9期メンバーに合格し、デビュー。現在は同グループのサブリーダーも務める。 Instagram
コンテンツプランナー / 編集者。音楽レーベルでの営業・PR、IT企業を経て独立。Engadget日本版にて「ワーママのガジェット育児日記」連載中。SUUMOタウンに寄稿したエッセイ「独身OLだった私にも優しく住みやすい街 池袋」をきっかけに、豊島区長公認の池袋愛好家としても活動している。 Twitter note