SUUMO(スーモ)は、住宅・不動産購入をサポートする情報サイトです。
東京23区のほぼ中心に位置する文京区。市域は「関口台」「小日向台」「小石川台」「白山台」「本郷台」といった5つの台地に分かれており、坂が多く起伏に富んだ地形が特徴。区内の大部分を住宅地が占め、大きな繁華街は存在しない。鉄道路線は地下鉄6路線が運行しており、区内は文京区コミュニティバス「Bーぐる」が20分間隔で循環。区民の足として利用されている。
ちなみに文京区には「住みたい街ランキング」でトップ10に入った街はひとつも属していない。にも関わらず、住みたい行政区で4位につけているのは、区に対する高い好感度の表れだろう。
もともと一帯は、古くから住宅地として根強い人気を誇っている。皇居の北側に広がる立地から、江戸時代には大名たちがこぞって上屋敷を構えた。水戸黄門こと徳川光圀もそのひとりで、自ら改修にあたったとされる小石川後楽園は現在、都心に残る希少な森として、一般に開放されている。ほかにも、桜と紅葉の名所である大名庭園・六義園、四季折々の庭園美を愛でる椿山荘など、豊かな自然にふれられる歴史的名所は数多い。
また、一帯は充実した教育環境を誇るエリアとしても広く知られている。23区では4番目に面積の小さい区でありながら、私立の中学校、高等学校の数は2番目に多い。日本の最高学府・東京大学の本郷キャンパスも区内にあり、周辺にはかつて森鷗外や夏目漱石、樋口一葉といった明治期の文豪も暮らしていた。そのアカデミックな雰囲気も含め、教育熱心なパパママたちにとっては大きな魅力だろう。
さらに、行政も区内に暮らす子育て世帯に向けて、新たな取り組みを開始。今年4月には、子どもの一時預かりに対応する保育所「キッズルームかごまち」の開室や、ママ友・パパ友同士で情報交換&交流ができる「子育てひろば江戸川橋」などが誕生。これらの施設やサービス別に5つの事業を拡充し、子育て環境の充実を図っていく予定だ。
一方、都心寄りの春日駅の近くでは再開発も進行中。約2.4haの敷地内に、商業施設、住宅、オフィスなど用途に応じたビルを数棟建設するプランが進められている。緑豊かな広場空間「グリーンバレー(仮称)」を同時に整備するなど、環境にも配慮。施設には保育所や、医療施設も入居予定で、周辺地域の暮らしにもプラスになりそうだ。なお、工事の竣工は、平成30年7月を予定している。
独自の文化を守りつつも、現代の暮らしに寄り添った街へ。文京区は現在、そんな進化の過程にあるようだ。