前年の5位から一つ順位を上げて4位となったのが神戸市東灘区。梅田や三宮へのアクセスもよく、住みたい街6位の「岡本」、10位の「御影」などを区内に抱える神戸市灘区は、世代別に見るとシングルは8位だが、DINKSは3位、そしてファミリーからは2位と、ファミリーやDINKS世代からの支持が高い。
隣接する芦屋市が住宅中心の都市であるのに対し、東灘区の性格は少し異なる。阪急神戸線に沿った北部エリアに住宅地が広がる点は共通しているが、甲南大学、神戸薬科大学、甲南女子大学などのキャンパスや灘中・高等学校などの私立校も点在し、「学生の街」・「教育の街」という特徴ももっている。
JR神戸線から南側のエリアは、住宅や商業地が混在する古くからの市街地が広がっているが、JR住吉駅周辺は阪神・淡路大震災で震度7を記録するなど、最も被害の大きかったエリアでもあったため、復興にともなって新築された住宅街も多い阪神御影駅周辺では再開発も進み、タワーマンションや商業施設の建設が進む。子育て事情を見てみると、神戸市全体では2017年4月現在の待機児童数が93人、東灘区では12人となっている。
南側の国道43号線よりも海岸沿いのエリアは埋め立て地を中心にして、メーカーなどの工場が並ぶ工業地域。また、日本有数の酒どころとして知られる「灘五郷」のうち、魚崎郷・御影郷があるのもこのあたりで、酒造メーカーの工場も多い。
さらに沖合には人工島「六甲アイランド」が浮かび、六甲アイランドシティ「RIC(リック)」と呼ばれる高層住宅や一戸建て住宅地が広がるニュータウンが誕生。ここにはファッションに関連したオフィスや商業施設、ホテルも設けられており、外国人居住者も多い。
また、高速道路湾岸道では、「ミッシングリンク(未事業化部分)」となっていた大阪湾岸道路・六甲アイランド北ランプから長田区の駒栄ランプまでの区間が正式に事業化され、建設へむけて動きだした。東灘区だけでなく、神戸市や大阪湾岸全体へも大きなインパクトを与える計画であり、早期の開通が望まれる。
多彩な街の魅力をもつ「神戸市東灘区」。これからも多くの世代から人気を集めていきそうだ。
兵庫県神戸市東灘区は、住みたい街上位の岡本・御影などを区内に抱え、梅田や三宮へのアクセスも良い
東灘区は住宅街の他に有名私立校も点在し教育の街という特徴もあり、ファミリーやDINKS世代からの支持が高い
阪神・淡路大震災の復興にともない新築された住宅街も多く、タワーマンションや商業施設の建設が進む地区も