クッションフロアのデメリットと失敗しないための対策。メリットを知って賢くリフォームしよう

クッションフロアを床材として選ぶ際、あらかじめ知っておきたいのがデメリットです。使い方を間違えると、思わぬトラブルにつながりかねません。そうならないためにどうすればよいか、クッションフロアについて生活デザイン設計室サンクの古屋茂子さんに伺いました。デメリットを理解した上で、メリットを活かせる洗面所やキッチン、トイレ等の床に正しくクッションフロアを設置しましょう。

床リフォームの工法と費用相場。無垢材・複合フローリング・カーペット・タイル・畳を張り替え

クッションフロアのデメリットと失敗しないための対策。メリットを知って賢くリフォームしよう

記事の目次

クッションフロアとは

クッションフロアとは、ポリ塩化ビニールで作られたシート状の床材です。住宅や商業施設など幅広い場所で利用されています。耐水性が高く、手入れがしやすい床材で、安価なので人気があります。

クッションフロアを張る費用相場

クッションフロアを敷く方法は「重ね張り」と「張り替え」の2つの方法があります。

重ね張りにかかる費用

重ね張りとは、既存の床材の上に張る方法です。下記の張り替えよりも費用を抑えやすいのですが、クッションフロアの場合、既存の床材がフローリングの場合のみ、重ね張りを選びましょう。

他の床材(畳やカーペット、クッションフロア等)に重ね張りするのがおすすめではない理由は、デメリットの項で解説します。

●6畳の部屋の床に重ね張りする場合の費用の目安
リフォーム内容 費用の目安
フローリングの上にクッションフロアを重ね張り 約3万8000円〜4万2000円/6畳

ただし、クッションフロアのデザインや厚みにはバリエーションがあり、それによって費用が変わりますから、上記はあくまで目安として考えてください。

張り替えにかかる費用

張り替えとは、既存の床材を剥がして新しい床材を張る方法です。既存の床材の上に重ねて張る重ね張りと違い、既存の床材がクッションフロアでもカーペットでも畳でも、クッションフロアに張り替えられます。

一方で、既存の床材を剥がす手間と、それを撤去・処分する費用が加算されるため、重ね張りより費用がかかります。

既存の床材別に、クッションフロアへ張り替える費用の目安は下記の通りです。

●6畳の部屋の床を、クッションフロアに張り替える場合の費用の目安
既存の床材 費用の目安
クッションフロア 約5万円〜6万円
フローリング 約7万5000円〜9万円
カーペット 約5万円〜6万円
約7万5000円〜9万円
※上記は既存の床材の解体・処分費用を含みます。

こちらも重ね張り同様、クッションフロアのデザインや厚み次第で費用が変わりますから、上記はあくまで目安として考えてください。

床の張り替えリフォームの費用相場は? フローリング・クッションフロア・フロアタイル・カーペット・畳の費用、耐用年数、メリット・デメリットも解説!

クッションフロアのメリット

クッションフロアとは、ポリ塩化ビニールという素材で作られている床材です。クッションフロアのメリットは下記の5点があります。

クッション性がある

名前が示すように、クッション性があることがクッションフロアのメリットの1つです。表面と裏面の間に発泡層があるため、他の床材と比べて弾力性があります。そのため、転倒したさいに大きなケガをしにくくなります。

といっても、一般的なクッションフロアの厚さは1.8mmなので、あくまで「ケガをしにくい」のであって、決して「ケガをしない」のではないことに注意しましょう。

耐水性が高い

クッションフロアの素材は、ポリ塩化ビニールという、プラスチックの一種です。「水を通さない素材なので、防水性が高いことが特徴です。水をこぼしてもサッと拭き取れますし、跡も残りません」(古屋さん、以下同)。

手入れが簡単

クッションフロアは水分が浸透しないので、水拭きをしても床材が変色することがありません。「洗剤を使って掃除をすることもできます」。

ですから、ジュースや牛乳といった飲み物をこぼしても濡れた雑巾や、洗剤を含んだ水等で拭き取っても跡が残りませんし、飲み物由来のベタつきも拭き取れます。

安価でデザインが豊富

クッションフロアは、他の床材と比べて安価であることが特徴の1つです。そのため気軽に採用できる床材と言えます。

「その上、デザインが豊富ですから、お気に入りの空間に仕上げやすくなります。一般的な木目柄や石目柄、さらにカーペット柄や花柄、コンクリート柄、鉄板柄まで、デザインのバリエーションの幅が広いのも大きなメリットです」。

また、安価でバリエーションが豊富であることは、失敗を恐れずにチャレンジしやすい床材でもあります。

「最近はマンガやアニメのキャラクターのコスプレをする人が増えていますが、そういった人が個性的な部屋を作るにはとても便利だと思います。コスプレを楽しまない人でも、自分の個性を部屋でも表現したい人は、一度検討してみてはいかがでしょうか」。

タイル風クッションフロア

約10.1cm角のタイル風クッションフロア。カントリー調のインテリアになじむデザインや色合いです(画像提供/サンゲツ「カントリータイル HM-12041」)

カバザクラ柄クッションフロア

カバザクラのフローリングのようなクッションフロア。他にイノセントチェリーやノースオーク等々、フローリング材の樹種を選ぶような感覚で、家具に合わせてセレクトできます(画像提供/サンゲツ「カバザクラ HM-12084」)

コンクリート柄クッションフロア

コンクリート床のようなクッションフロア。他にモルタル風もあります(画像提供/サンゲツ「コンクリート CM-12253」)

メタル調クッションフロア

工事現場にあるようなメタル調のクッションフロア。無機質な空間に似合います(画像提供/サンゲツ「チェッカープレートII CM-12254」

機能を選べる

製造技術の進歩もあり、クッションフロアにはさまざまな機能が備わっていることもメリットです。例えば抗菌機能、消臭機能、遮音機能、衝撃対応機能などがあります。商品によっていろいろな機能がありますから、デザインとともにどんな機能のクッションフロアがあるのか、調べてみましょう。

ペット用クッションフロア

消臭機能付きで、通常より厚めの2.3mm厚あるため、クッション性が高く、フローリングに比べて滑りにくいクッションフロア。ペットの足や関節への負担が軽減されます(画像提供/サンゲツ「エンベラドール HW-12197」)

クッションフロアを設置するおすすめの場所

クッションフロアのメリットを活かせる、おすすめの設置場所はどこでしょうか。

「耐水性が高くて手入れが簡単なのですから、やはり水まわりはおすすめです」。具体的には、キッチンや洗面所、トイレです。

また玄関に敷くと、手軽に水拭きができて掃除が簡単になります。

「さらに、比較的安価な床材であることを考えると、ある程度傷が付いても『そのうち張り替えればいいや』と考えることができる場所も、おすすめです」。

例えば子ども部屋などはその代表例。「そのほか、物を引きずって床を傷つけやすい物置や納戸、パントリー、キャスター付きのスーツケースや収納ケースをしまうウォークインクロゼットなども良いと思います」。

まとめると、下記の場所がクッションフロアを敷くのに適した場所です。

●おすすめのクッションフロアを敷く場所
  • キッチン
  • 洗面所
  • トイレ
  • 玄関
  • 子ども部屋
  • 物置、納戸
  • ペットまわり
  • ウォークインクロゼット
  • パントリー

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クッションフロアのデメリット

メリットがたくさんあるクッションフロアですが、一方でどんなデメリットがあるのでしょうか。

フローリングより劣化しやすい

フローリングの日焼け

窓際など日の良く当たる場所は、どうしても日焼けしてしまいます(イラスト/藤井昌子)

ポリ塩化ビニールという、クッションフロアの素材は、紫外線などの影響でどうしても色が退色してくる、いわゆる経年劣化が生じます。そのため日当たりの良い場所は色あせして、他と色が異なるようになることもあります。

「日焼けで変色するのはクッションフロアだけではありません。フローリングも畳も日焼けします。無垢(むく)フローリングなどは水染みの心配もあります。ただ、無垢フローリングの場合、施主はそれらを『味わい』と思えるのですが、クッションフロアの場合はどうしても『汚い』と思ってしまいがちです」。

色あせを防ぎたい場合は、カーテン等を用いたり、なるべく日の当たらない場所に敷くなど工夫すると良いでしょう。

傷ができやすい

クッションフロアの素材は柔らかいポリ塩化ビニールのため、カッターなど鋭利な刃物などで切れやすい特性があります。鋭利なものでなくても、重い物を引きずったりすると傷ができたり、場合によっては破ける事もあります。

「ただし、これもフローリングや畳でも同様です。どの床材でも、床でカッター作業などをする場合や、重い物を引きずる際は注意してください」。

クッションフロアの傷

クッションフロアの上でカッターなどの刃物を使う場合、床を傷つけないよう慎重に作業しましょう(イラスト/藤井昌子)

跡が残りやすい

柔らかいポリ塩化ビニールは、長期間タンスやダイニングテーブルなど、重い家具を置いておくと、その部分が凹んでしまい、家具をどかしても凹んだままになってしまいます。そのため、家具を置く場所はあらかじめしっかり検討して、一度置いたら動かさないようにしましょう。

クッションフロアの家具の跡

クッションフロアには発泡層がありますが、これがクッション性を生む反面、重い物をずっと置いておくと、発泡層が潰れて凹みができます(イラスト/藤井昌子)

熱で変色や変形する

クッションフロアは熱に弱いので、例えばタバコの火や熱湯、熱したアイロンが触れると表面が溶けてしまいがちです。また溶けなくても変色してしまいますから、注意しましょう。

通気性が悪くカビを発生させやすい?

畳などと違い、クッションフロア自体に通気性はありません。ただし、クッションフロアは基本的に床の下地材に接着剤で密着させますから、通気性がなくても本来は問題ありません。

ただし、例えば畳の上に敷いたり、クッションフロアの上にクッションフロアを重ね張りしようとすると、接着剤で密着できないため、どうしても下の床材との間にすき間が生まれます。

「そのすき間に水分が入り込んだりすると、そこにカビが発生することがあり得ます」。

クッションフロアを重ね張りするなら既存の床材がフローロングの場合のみ、としたのはこれが理由です。

また、たとえ張り替えで下地に密着させても壁とのすき間を埋めるシーリング剤の施工が不十分であれば、そこにカビが発生する可能性があります。

「同様に、一般的にクッションフロアは約1.8m幅のシートをつなぎ合わせて敷きますが、そのつなぎ目もしっかりとシーリング材で塞ぐ必要があります」。

そのため、クッションフロアに慣れた施工会社に張り替えを依頼したほうが良いでしょう。

クッションフロアは通気性が悪いからカビが発生する、という人もいますが、正確にはしっかりと施工すれば、クッションフロアだからといってカビが発生することはありません。

他の床材より高級感が劣りがち?

技術の進歩で、最近のクッションフロアの見た目はまるで本物のフローリングやタイルのようですが、隣に本物のフローリングやタイルを置けば、どうしても違いが分かるのは否めません。

「それを本物感がないというならば仕方ないのですが、本物が使いづらい場所で、本物のイメージ、ニュアンスが楽しめる床材であることは確かです」。

例えばインダストリアル調のインテリアにするために、本物の鉄板を敷くのは難しいですが、リアルな鉄板柄のクッションフロアなら気軽にチャレンジできると思います。

クッションフロアで失敗しないための対策

クッションフロアを敷いて後悔しないためには、そのデメリットを十分理解した上で、メリットをうまく活用するようにしましょう。

家具や家電を引きずらない、熱い物を扱わない

傷が付きやすいクッションフロアの上では、家具や家電などを引きずらないようにすることが大切です。

同様に、熱に弱いため、クッションフロアの上でアイロンを使う場合や、タバコを吸う場合は注意しましょう。

といっても、これらはフローリングや畳といった他の床材の場合でも同じです。

傷や凹んでも気にならない場所に敷く

「傷が付いても、凹んでも気にならない場所にクッションフロアを敷くというのも、1つの方法です」。

特に、何を敷いても傷が付きやすい場所は「そうであれば安価なクッションフロア」と考え方を切り替えることをおすすめします。

「例えばウィークインクロゼットなどは、リビングなどと違い、使用する時だけ目にする場所ですし、家族以外の人目を気にする必要もありません」。

衣裳ケースは一度置いたらほとんど移動させることはないでしょうし、移動させたとしても、その凹みを気にする人はあまりいないのではないでしょうか。

また、どうしても傷や凹みが増えて気になるようになってきたら、フローリング等より安価ですから張り替えるというのも1つの方法です。

クローゼットのクッションフロア

スーツケースを転がして床に傷が付いても、クロゼットなど人目のつかない場所に、クッションフロアはおすすめ(イラスト/藤井昌子)

一定期間だけと割り切って使う

クッションフロアを敷くのは一定期間だけと決めて敷く方法です。これも、「一定期間だけだから安価なクッションフロア、傷や汚れが気になるようなら張り替えればいい」という考え方の1つです。

分かりやすい例が、子ども部屋です。子どもは遊ぶのが仕事のようなものですから、どうしても目を離した隙に壁や床に落書きなどのいたずらをしがちです。

「いたずらによる傷や汚れに怒ったり、イライラするよりも、クッションフロアだからどうぞどうぞ、という具合に考えたほうがストレスから解放されて健康的ではないでしょうか」。

安価ですから、子どもが成長して、いたずら期を終えてから別の床材に切り替えても良いでしょう。

子ども部屋のクッションフロア

あっという間に子どもが乱雑にしてしまう子ども部屋も、クッションフロアを敷く部屋としておすすめです(イラスト/藤井昌子)

希望のデザインや機能をしっかり探す

最近のクッションフロアは実によくできているので、メーカーのホームページ上の写真やカタログの写真だけでは、本物のフローリングやタイル等と区別がつきません。

しかし、実際に敷いて見ると光の反射の加減や、質感などが本物とは異なります。ですからキッチンやトイレをはじめある程度の広さに敷いてみると、思い描いていたイメージとは少し違ってしまう可能性があります。

そういったミスマッチを防ぐには、ショールーム等で実物を見て判断するのが一番なのですが、近くにショールームがない人もたくさんいるはずです。

「そんな時は、施工会社に『尺角サンプル』を取り寄せてもらえるか聞いてみるとよいでしょう」。

尺角サンプルとは、だいたいA4サイズのサンプルのことです。通常のサンプルよりも大きいので、光の加減や質感をイメージしやすくなります。

「尺角サンプルはクッションフロアメーカーから取り寄せになりますから、そう何枚も見比べることができません。3枚程度に絞ってから取り寄せてもらうようにしましょう」。

また、ホームセンター等にクッションフロアがロール状で置いてある場合もあります。希望のデザインがあるとは限りませんが、同じような柄があることもあります。ですから、近くにホームセンターがあるなら、一度のぞいてみるのもおすすめです。

尺角サンプル

A4サイズくらいの大きさのある尺角サンプルなら、敷いた際のイメージが湧きやすいでしょう(画像/PIXTA)

クッションフロアはDIYで張れる?

結論から言えば、クッションフロアをDIYで敷くことはかなり難しいでしょう。その理由と、DIYで敷く場合の注意点について解説します。

重ね張りならDIYも可能だが、オススメはできない

クッションフロアは本来、下地材に接着剤を使ってしっかりと固定させて直張り(既存の床材があるなら一度それを剥いで張り替え)します。また、通常は約1.8m×20mのような、ロール状態から必要な分を切り出して使用しますが、端と端までの長さをしっかりと計測した上で切り出す必要があります。

また、ロール状に丸くなっていたクッションフロアですから、敷く際もシートが途中で浮かないように、丁寧に伸ばしながら張る必要があります。

さらに部屋の端は柱や巾木などがあり、よく見れば小さな凹凸がありますから、それらの形状に合わせて端をカットしなければなりません。その上、端やシートのつなぎ目にはシーリング剤ですき間ができないようにします。

こうしたことは、手慣れていて、専門工具も持っている職人さんでなければ難しい作業です。

一方、賃貸住宅などで、部屋の雰囲気を変えるために既存の床材の上に重ね張りする人も増えているようです。これなら確かに、多少浮いたり、端がぴったりとしていなくてもあまり気にならないかもしれません。

しかし、その際に気をつけなければならないのは、カビ対策です。

賃貸住宅で重ね張りする際は、接着剤が使えませんから両面テープ等で張り付けます。これなら確かにDIYで張れますが、素人の作業なので、どうしてもテープの貼られていない部分が浮きがちです。また部屋の端のカット処理も職人のようにはいかないでしょうし、そこにシーリング剤も使うことができません。

そうなると既存の床材とクッションフロアの間に水分が入り込みやすくなり、カビが発生しやすくなるのです。

もしも賃貸住宅で暮らす一定期間内だけ楽しむ目的で、クッションフロアをテープで重ね張りする際は、定期的にカビがないか確認するようにしてください。カビが発生すると、下の既存の床材を傷めてしまい、退去時に張り替え費用を請求されることになりかねません。また、テープ跡が既存の床材に残った場合、その修繕費用がかかる場合もあります。

繰り返しになりますが、リフォームでクッションフロアを敷く場合は、施工会社に依頼したほうが安心です。賃貸住宅でクッションフロアをDIYで敷く場合は、一定の出費リスクがあることを念頭に行うようにしてください。

クッションフロアの施工事例

結論から言えば、クッションフロアをDIYで敷くことはかなり難しいでしょう。その理由と、DIYで敷く場合の注意点について解説します。

LDK全体をホワイトで統一して、広さを感じる空間に

キッチン&ダイニングのクッションフロア

写真奥のガラスブロックから光が入るLDK。キッチン&ダイニング側の床に敷かれたクッションフロアをはじめ白で統一された空間に、キッチンのワインカラーがすてきなアクセントになっています(画像提供/アクアラボ)

施主が購入したのは築30年のマンション。LDKに面する窓からの光が十分ではないと感じ、リフォームすることにしました。施工会社が提案したのは、窓のある隣室との間仕切り壁をガラスブロックに替えるという方法です。これなら従来の窓に加え、隣室側からも光が入ります。

さらにキッチン&ダイニング側の床には白い石目調の、水に強いクッションフロアを採用。リビング側には白いカーペットを敷き、壁や天井、キッチンの吊り戸棚も白で統一し、明るくてスタイリッシュなLDKを実現しました。

【DATA】
リフォーム費用:120万円(LDK部分の概算)
リフォーム部位:リビング・ダイニング、洋室、玄関、キッチン
住宅種別:マンション
築年数:30年
設計・施工:アクアラボ

※表示されている価格帯および本体価格は施工当時のもので、現在の価格とは異なる場合があります。

デザイン性と掃除のしやすさを両立させたトイレ

ヘリンボーン柄クッションフロア

ヘリンボーン柄フローリングのようなクッションフロアを採用。施主支給のペーパーホルダーとも色を合わせています(画像提供/JS Reform(日本総合住生活))

リノベーションを前提に築37年の中古マンションを購入した施主。リビングダイニングの壁の一面のみライトグレーにするなど、空間の所々にアクセントの入るおしゃれな空間に仕上げました。

トイレの床にはヘリンボーン柄のフローリングのようなクッションフロアを採用し、デザイン性と掃除のしやすさを両立。また壁にブルーのアクセントカラーを入れることで、スタイリッシュで使いやすい空間になりました。

【DATA】
リフォーム費用:20万円(トイレ部分の概算)
リフォーム部位:リビング・ダイニング、洋室、玄関、キッチン
住宅種別:マンション
築年数:37年
設計・施工:JS Reform(日本総合住生活)

※表示されている価格帯および本体価格は施工当時のもので、現在の価格とは異なる場合があります。

洗面所をはじめ、家の至る所で色味や素材感を統一

モルタル柄クッションフロア

白とグレー、ブラウンの3色が組み合わされた洗面所。オリジナル洗面台の前面に張られた白いタイルが空間にアクセントを加えています(画像提供/ハコリノベ)

結婚を機に、リフォーム前提で築25年の一戸建てを購入した施主。LDKをはじめ、洋室や廊下に至るまで、施主のこだわりの詰まったデザインに仕上げられました。

洗面所もその1つ。メインはモルタルで造作し、実験シンクを備えたオリジナルの洗面台で、壁と天井は白で統一。洗面台の下にはゴムの木の集成材を使った収納棚を設置。棚と同色系で備えた籐カゴとともに空間に温かみを加えています。そんな洗面所の床には、足に心地が良いモルタル風のクッションフロアが採用されました。

【DATA】
リフォーム費用:35万円(洗面所部分の概算)
リフォーム部位:リビング・ダイニング、キッチン、玄関、洋室、収納、洗面所
住宅種別:一戸建て
築年数:25年
設計・施工:ハコリノベ

まとめ

耐水性があって掃除のしやすいクッションフロア。一方、デメリットを知らずに、DIYで安易に敷くとカビが発生してしまい、その修繕にお金がかかってしまいます。せっかく他の床材と比べて安価であるというクッションフロアのメリットが、それでは台無しです。

「クッションフロアは、下地に接着剤で密着させて敷くのが基本」と生活デザイン設計室サンクの古屋茂子さん。「施工も職人さんでなければ難しいので、クッションフロアを敷く場合は慣れている施工会社に依頼したほうが良いでしょう」。

しっかりと施工すれば、何かとメリットの多いクッションフロア。「特に水まわりにはぴったりの床材です。一昔前までクッションフロアは高級感がないと思われていたのですが、最近のクッションフロアは本物のような見た目で、しかも木目調から石目調、鉄調までデザインのバリエーションがとても豊富です」。

まずはどんな色柄があるのか、クッションフロアメーカーのホームページやカタログなどを見て、どんな空間にしたいか、想像を膨らませてみてください。

壁紙リフォームのポイントは? 選び方やコーディネートのコツを紹介

監修/一級建築士事務所 生活デザイン設計室 サンク 古屋茂子
構成・取材・文/籠島康弘

執筆・取材/籠島 康弘
雑誌「カーセンサー」編集部を経てフリーライターに。中古車からカーシェアリング、電気自動車までクルマにまつわる諸々の記事執筆を手がける。最近は住宅雑誌の記事も執筆していて、自分が何屋なのかますます分からなくなってきた。