水まわりリフォームの費用相場。3点セット・4点セットや補助金、事例を紹介

水まわりリフォームとは、キッチン、浴室、洗面所、トイレなど、水を使う場所の設備交換や内装の刷新、場合によっては配管移動まで含むこともある工事のことです。マンションや一戸建て問わず老朽化や暮らしの変化で検討する人が増えていますが、「費用はどれくらい?」「どこに頼めばいい?」と悩む人も多くいます。当記事では、関西を中心に全国展開するリフォーム専門工事会社・ナサホームの中村さんに、水まわりリフォームの相場やお得なパックプラン、工期、注意点などを詳しく伺いました。事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

水まわりのリフォームの費用相場|3点・4点セットや補助金、事例を紹介

記事の目次

【一戸建て・マンション】水まわりリフォームの費用相場

水まわりリフォームとは、「キッチン」「浴室」「洗面所」「トイレ」の4カ所を対象に行う工事を指します。一戸建ての場合は配管の自由度が高く、マンションは共有部分との兼ね合いで制約があるため、それぞれ費用相場が異なります。また、工事範囲やグレードによって金額は大きく変動します。

一戸建ての相場

一戸建て住宅の水まわりリフォームでは、「キッチン」「浴室」「洗面所」「トイレ」の4カ所をまとめて行う場合、一般的な費用相場は150万円~250万円程度です。一戸建ての場合、配管の移動や間取り変更が比較的自由にできる反面、工事範囲が広がると費用が増加する傾向があります。素材や設備グレード、デザイン性にこだわると300万円を超えるケースも珍しくありません。

また、築年数が古い家では、給排水管や下地の補修が必要になり、追加費用が発生することもあります。家族構成やライフスタイルに合わせたプランニングが大切です。

マンション

マンションの水まわりリフォームで「キッチン」「浴室」「洗面所」「トイレ」の4カ所をまとめて行う場合、費用相場はおおむね110万円~200万円程度です。マンションは共用部分との関係や管理規約による制約があり、配管の移動や間取り変更が難しいケースが多いため、一戸建てに比べてコストを抑えやすい傾向があります。

ただし、古いマンションでは設備のサイズ制限や搬入経路の問題から、想定外の費用がかかることもあります。マンション特有の事情を考慮したうえで、経験豊富なリフォーム会社に相談することが成功のポイントです。

【場所別】水まわりリフォームの費用相場

「キッチン」「浴室」「洗面所」「トイレ」のうち、まずは1カ所のみをリフォームしたいという方も少なくありません。一戸建て・マンションを問わず、リフォームする場所や工事の内容によって費用は大きく異なります。水まわりの場所ごとに、おおよその費用相場をご紹介します。

キッチンリフォームの費用相場

キッチンリフォームは、設備交換のみからレイアウト変更まで幅が広く、費用も大きく異なります。中心費用帯は50万円〜100万円程度(SUUMOリフォーム実施者調査)で、基本的な設備交換ならこの範囲に収まるケースが多数です。ただし、レイアウト変更や設備のグレードアップで金額が上がります。

「50万円〜100万円という予算であれば、標準的なグレードの設備交換リフォームは可能ですが、例えば、食洗機が付いていないシステムキッチンに食洗機を付けたいとなると、それだけでも15万円〜20万円費用がアップします。システムキッチンの交換リフォームといっても、選ぶキッチンのグレードや設備によって費用は大きく変わります。

また、キッチンを壁付けから対面式のカウンターキッチンに変更するような場合は、移設するための給排水管の工事や内装工事も必要になります。追加費用については現場によって異なりますが、レイアウト変更を伴うキッチンリフォームの場合は、キッチンを入れ替えるだけのリフォームの場合よりも、50万円程度は高くなるのが一般的です」(ナサホーム・中村さん、以下同)

【キッチンリフォーム費用相場】
部分的な設備交換、簡易な内装変更 20万円~
I型システムキッチン(壁付け) 50万円~100万円
I型システムキッチン(対面) 60万円~110万円
L型システムキッチン 90万円~150万円
アイランドキッチン 100万円~200万円

対面式は給排水管の移動が必要となり、追加で50万円程度かかる場合もあります。

キッチンリフォーム実施者の中心費用帯 50万円〜100万円(SUUMOリフォーム実施者調査
壁付けキッチンを対面式に変更

レイアウト変更で叶えたおしゃれなカウンターキッチン

壁付けからレイアウト変更したI型のペニンシュラキッチン。木目柄やタイル柄の壁紙に張り替えて空間の印象もチェンジ(画像提供/ディック)

風呂・浴室のリフォームの費用相場

風呂・浴室のリフォームは、システムバスの入れ替えや在来工法からの変更など、内容によって費用が大きく変わります。システムバスからシステムバスへの簡易交換でサイズ変更なしの場合は60万円~、中心費用帯は100万円〜150万円程度(SUUMOリフォーム実施者調査)です。サイズ変更や断熱性能・浴室乾燥機などの設備追加、高グレード仕様にするほど金額は上がります。

「既存の浴室がシステムバスではなく在来工法の浴室の場合は、既存の浴室の解体費用などが高くなります。工事期間も長くなるため、システムバスからシステムバスに入れ替えるリフォームよりも、20万円〜30万円ほどリフォーム費用は高くなるでしょう」

【工法別の浴室リフォーム費用相場】
システムバス→システムバス 60万円~120万円
在来工法→システムバス 80万円~160万円
在来工法→在来工法の浴室 200万円~350万円
システムバス→在来工法 150万円~300万円
【浴室のサイズ別費用相場】
0.75坪タイプ 60万円~120万円
1坪タイプ 80万円~160万円
1.25坪タイプ(大型サイズ) 90万円~280万円
風呂・浴室リフォーム実施者の中心費用帯 100万円〜150万円(SUUMOリフォーム実施者調査

新しく設置したTOTOのシステムバス「サザナ」

新しく設置したのはTOTOの「サザナ」。床はすぐ乾き、水や汚れも溜まりにくくお手入れもラク(画像提供/ナサホーム

洗面所リフォームの費用相場

洗面所リフォームは、洗面化粧台の交換のみか、内装や収納の改修まで含めるかで費用に大きな差が出ます。洗面化粧台の簡易交換のみの場合、最低価格帯は5万円〜で、内装や収納の改修まで含めた場合の中心費用帯は20万円~40万円程度(SUUMOリフォーム実施者調査)です。設備のサイズやグレードによって変動します。

【洗面所サイズ別費用相場】
60cm 5万円~10万円
75cm 7万円~25万円
90cm 20万円~40万円
※工事費を除く。

高機能の水栓や収納、デザイン性などの、狭いスペースでも使い勝手を高める工夫が費用に反映されます。

洗面所・脱衣所のリフォーム実施者の中心費用帯 20万円~40万円(SUUMOリフォーム実施者調査
洗面化粧台はLIXILのピアラを設置

LIXILの洗面化粧台「ピアラ」

洗面化粧台は間口サイズ601mm〜750mmのLIXIL「ピアラ」を採用(画像提供/ディック)

トイレリフォームの費用相場

トイレリフォームは、便器の種類や機能、内装の有無によって費用が大きく変わります。タンク付き便器への交換、内装変更なしの場合は10万円〜で、中心費用帯は20万円~40万円程度(SUUMOリフォーム実施者調査)です。基本的な工事内容ならこの範囲に収まるケースが多く見られます。

「トイレの便器はタンク付きタイプとタンクレスタイプのものがあります。タンク付きの標準的なグレードの便器を選べば、20万円ほどの予算で十分にリフォームは可能ですが、タンクレスタイプのものを選ぶと、費用相場は少し高くなります。

また、便器は温水洗浄付きが主流ですが、最近では自動洗浄をはじめ、機能のバリエーションも豊富なので、付いている機能によって価格には幅があります」

【トイレリフォーム費用相場】
タンク付きトイレ交換のみ 10万円〜20万円
タンクレストイレ交換のみ 20万円〜30万円
トイレ交換+内装リフォーム 14万円~32万円

タンクレスタイプや高機能トイレは価格が高く、同時に床や壁の張り替えを行うとさらに費用がかかることがあります。

トイレリフォーム実施者の中心費用帯 20万円~40万円(SUUMOリフォーム実施者調査

TOTOのシステムトイレ「レストパル」を設置したトイレ

背面のキャビネットにタンクを収納できるTOTOのシステムトイレ「レストパル」を設置。タンクレストイレのような雰囲気で、清掃性や収納力もアップ(画像提供/小田急ハウジング

水まわりのリフォームをお得にするなら3点セット・4点セットがおすすめ

水まわりリフォームは、キッチン、浴室、洗面所、トイレのうち複数箇所をまとめて工事する「3点セット」や「4点セット」を選ぶと、個別にリフォームするよりも割安になるケースが大半です。工事の一括発注により職人の手配や施工管理が効率化され、コストが抑えられるためです。将来的にリフォームを考えているなら、一度にまとめて行うほうがメリットが大きくなります。

水まわりリフォームの3点セット・4点セットの費用目安

水まわりリフォームの3点セット・4点セットの費用は、リフォーム会社によって差がありますが、一般的に個別にリフォームするよりもお得感がある価格設定になっていることが多いようです。特に4点セットの場合、目安として150万円〜200万円程度のケースが多く、一度に複数箇所をまとめて施工することで職人の手配や工期が効率化され、コストが抑えられるメリットがあります。

3点セットでは、水まわり4カ所のうち、どの3カ所を選ぶかによって費用に差が出ます。

「水回りリフォームの場合、キッチンと浴室のリフォームは、トイレや洗面所のリフォームよりも高いので、キッチンと浴室を含む3点セットは、含まないものよりも費用が高くなる傾向があります」(ナサホーム・中村さん、以下同)

【水まわりリフォームセットプラン費用相場】
4点セット(キッチン・浴室・洗面所・トイレ) 約150万円〜200万円
3点セット(キッチン・浴室・洗面所) 約100万円〜150万円
3点セット(キッチン・浴室・トイレ) 約100万円〜150万円
3点セット(キッチン・洗面所・トイレ) 約80万円〜100万円
3点セット(浴室・洗面所・トイレ) 約80万円〜100万円

また、浴室と洗面所は隣接していることが多いため、同時にリフォームするケースが多く、浴室を含まない3点セットはあまり一般的ではありません。一方で、浴室と洗面所をセットにした2点セットのプランを用意しているリフォーム会社もあり、予算や必要性に応じた柔軟な対応が可能です。まとめてリフォームすることで費用面だけでなく、生活の負担を軽減できるのも大きなメリットです。

水まわりリフォームの3点セット・4点セットのメリット

水まわりリフォームの3点セット・4点セットは価格が安いという点のほか、効率よく工事が進められる、トータルコーディネートしやすいといったメリットがあります。

価格が安い

水まわりリフォームのセットプランの場合は、セットに含まれる設備が価格を抑えたものになっていることが多いため、リフォーム費用が安く済むというのは一番の魅力です。

ただし、セットプランの中にはグレードの高い設備を選べるようなプランもあるため、必ずしもセットプランなら安く済むというわけではありませんが、同じグレードの設備を選んで、3〜4カ所の水まわりを別々のタイミングでリフォームするよりも、まとめて行ったほうが費用を抑えられます。

コストパフォーマンスのイメージ

(画像/PIXTA)

効率が良い

水まわりリフォームのセットプランは、複数箇所をまとめて工事するため、作業の効率が大きく向上します。例えば、マンションの場合、リフォームを別々のタイミングで行うと、その都度共用部分の養生や資材搬入の準備が必要ですが、一度にまとめて工事を進めれば養生作業は1回で済み、結果として工期の短縮につながります。

また、工期が短くなることで職人の拘束時間も減り、その分人件費の節約にもなります。

「リフォームの間、自宅に複数の職人さんが来て工事などの作業を行うということは、精神的な負担になることもあります。できるだけ一気に工事を済ませることができれば、そういった負担の軽減にもつながります」

水回りリフォーム工事を行う職人のイメージ

(画像/PIXTA)

トータルコーディネートしやすい

3カ所〜4カ所をまとめて行う水まわりリフォームのセットプランは、同じタイミングで設備や内装を選べるため、全体のデザインやテイストを統一しやすいのが魅力です。異なる時期にリフォームを分けて実施すると、その都度好みや流行が変わってしまい、結果的に雰囲気の統一感がなくなる場合があります。

同時に工事を進めることで、色味や素材感、デザインの方向性を合わせやすく、住まい全体をおしゃれにコーディネートできます。

「同じ人が選んでも、異なるタイミングで選ぶとその時々で感覚が変わっていたりもします。同時にリフォームを行えば、同じような雰囲気にまとめやすくなります」

水まわりリフォームの3点セット・4点セットの注意点

価格を抑えながらも、効率の良いトータルコーディネートが可能な水まわりのセットプランですが、セットプランを選ぶ前に知っておきたい注意点もあります。

セットプランに含まれている内容を確認する

水まわりリフォームの3点セット・4点セットは、プランに含まれている内容をしっかり確認することが大切です。多くのセットプランは、設備代と工事費が含まれていますが、配管の移動や下地補修、内装工事のグレードアップなどは別途費用がかかる場合があります。

「セットプランの場合は、表示されている価格に何が含まれるのかをよく確認するようにしてください。商品代と工事費用だけなのか、それに加えて保証や現場管理費、養生費なども含まれているのか、パックプランを用意しているリフォーム会社によって内訳は異なります」

パックプランだからといってすべてが含まれているわけではなく、特に築年数が経過した住宅では、想定外の工事が発生することも珍しくありません。契約前にどこまでがセットに含まれているのか、追加費用が発生するケースはどのような場合かを確認しておくと、後のトラブルを防げます。

追加費用のイメージ

(画像/PIXTA)

設備の選択肢は限られる

水まわりリフォームの3点セット・4点セットが割安になる理由は、設備や工事内容を一定の範囲に絞ることで、設備の仕入れ価格を抑えたり、諸経費を削減できることにあります。そのため、セットプランを利用する場合、選べる設備や仕様には制約があることを理解しておきましょう。

「例えばシステムキッチンの場合、セットプランで使用されるものには食洗機が付いていなかったり、コンロもIHではなく、ガスコンロというケースが少なくありません。もし、食洗機を付けたり、IHコンロに変更したいとなると、そのような場合は追加費用が発生します。また、リフォーム会社にもよりますが、セットプランを選択すると、追加費用を払っても、セットプランの内容以外のことはできないと断られる場合もあります」

当たり前と思っていた機能が仕様に含まれていなかったり、希望の設備を取り付けられなかったりするケースがあることを覚えておきましょう。

水回りリフォームの3点セット・4点セットのメリット
  • 価格が安い
  • 効率が良い
  • トータルコーディネートしやすい
水回りリフォームの3点セット・4点セットの注意点 
  • セットプランに含まれている内容を確認する
  • 設備の選択肢は限られる

セットプランを検討する際は「プラン内でどこまで対応できるのか」「どんなオプションが可能か」「オプションを付けた場合の追加費用はどれくらいか」などを、事前に詳しく確認することが重要です。「思っていた設備が入れられなかった」といった後悔を防ぐためにも、カタログやショールームで実際の仕様を確かめると安心です。

水まわりリフォームの費用を抑える方法

3点セット・4点セットといったセットプランでも費用を抑えられますが、そのほかにも工夫次第で費用を抑えることが可能です。ここでは、予算内で満足できるリフォームを実現するための具体的なポイントをご紹介します。

費用節約のイメージ

(画像/PIXTA)

水まわり工事をまとめて行う

水まわりリフォームの費用を抑えるには、キッチン、浴室、洗面所、トイレなど複数箇所を同時に工事する方法が有効です。リフォーム会社によってはセットプランを用意していない場合もありますが、まとめて工事を依頼するだけでも、人件費や養生費、施工管理費などが一度で済むため、結果的にコストダウンにつながります。

また、複数箇所を同時にリフォームすれば、空間全体を統一したデザインにしやすいというメリットもあります。特に築年数が経過した住まいでは、配管の更新や下地補修が必要になるケースも多いため、一度に工事を済ませるほうが、別々に工事するより将来的な追加費用を抑えられる可能性があります。

設備のグレードを見直す

水まわりリフォームの費用を抑えるうえで、設備のグレードを見直すことは大きなポイントです。最新機能やデザイン性の高い設備がなくても問題ない場合は、必要な機能を絞り込むことでコストダウンが可能です。

また、グレードを下げる以外に、展示品などを利用する方法を、ナサホームの中村さんが教えてくれました。

「リフォーム会社によっては、その会社にある展示品などを販売している場合もあります。展示品なので機種や色などは限られますが、設備の故障などで部分的にリフォームが必要だけれども、それほど費用はかけたくないという場合には、リフォーム会社に相談してみてください」

補助金などを利用する

物件や条件によっては、補助金を活用して水まわりリフォームの費用を抑えることが可能です。近年は省エネやバリアフリー推進の観点から、国や自治体がさまざまな支援制度を用意しています。リフォームの内容によって申請できる制度は異なります。

「例えば、要介護や要支援の認定を受けている場合は、トイレに手すりを付けたり、バリアフリー化を行ったりというリフォームは介護保険の対象となります。

なお、補助金については国の補助金以外にも、各自治体が独自に用意しているものがあり、リフォーム会社のほうですべて把握できていない場合もあります。自治体の広報誌やHP、窓口などで確認をして、気になる補助金制度などがあれば、早めにリフォーム会社に相談してみてください」

水まわりリフォームで活用したい補助金制度

水まわりリフォームには、条件を満たすことで利用できる補助金制度がいくつかあります。バリアフリー化や省エネ設備の導入など、リフォームの内容によって対象となる制度は異なりますが、うまく活用することで費用負担を大きく軽減できます。ここでは、代表的な補助金制度についてご紹介します。

子育てグリーン住宅支援事業の補助金

「子育てグリーン住宅支援事業」は、国土交通省が実施している住宅取得・リフォーム支援制度です。省エネ性能の高い住宅改修を行うことで、最大60万円の補助金を受け取ることが可能です。

リフォームの場合、開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置という3つの必須工事のうち2つ以上を行うと補助の対象となります。さらに、2つ以上の必須工事を行ったうえで、バリアフリー改修や防災性向上改修、子育て対応改修などを行った場合も補助対象となります。

申請には事前の登録事業者による施工が必須であり、契約日や工事期間にも要件があります。対象となるかどうか、公式サイトやリフォーム会社に確認のうえ、早めの申請準備を行いましょう。

介護保険のバリアフリーリフォーム補助金

介護保険制度では、要支援1か2・要介護1~5の認定を受けた方を対象に、バリアフリーリフォームにかかる費用の一部を補助する制度があります。上限は原則20万円で、所得に応じて費用の7割~9割が補助されます(自己負担は1割~3割)。例えば自己負担1割の場合、最大18万円の補助が受けられます。

対象となる工事には、手すりの設置、段差の解消、床材の変更(滑りにくい素材への張り替え)、引き戸への交換、洋式トイレへの変更などが含まれます。自宅での安全な生活をサポートするために活用できる制度で、申請にはケアマネジャーの作成した理由書や、工事前後の写真などが必要です。自治体によって内容が異なるため、詳細は地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに確認しましょう。

水まわりリフォームの期間(工期)

水まわりリフォームの工期は、設置場所や設備のサイズ変更がない場合、比較的短期間で完了します。一般的な目安として、キッチンと浴室の工期はそれぞれ2日程度、洗面所とトイレは各1日程度とされています。単純に合算すると4カ所のリフォームで6日ほどになりますが、内装工事を含めると8日程度になることもあります。

ただし、工事を同時進行で行えば、さらに工期を短縮できるケースもあります。

「例えば、洗面所とトイレを同時にリフォームする場合、内装工事を含めても2日間で収まることがあります。また、設備の交換だけであれば、2カ所合わせて1日で工事が終わることもあります。

また、4カ所の場合も、別々に行えば合計して8日間かかるものが、1度にまとめて効率よく行うことで、6日間程度で行うことができるケースもあるでしょう」

なお、実際の工期は内装の規模や現場状況によって変動するため、あくまで目安と考えておき、追加工事の可能性も想定して余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

水回りリフォームの工期のイメージ

(画像/PIXTA)

【Q&A】水まわりリフォームに関するよくある質問

水まわりリフォームを検討する際には、さまざまな疑問が生まれます。ここでは、水まわりリフォームに関して多く寄せられる質問について、初めての方でも安心して計画を進められるよう、気になるポイントをわかりやすく解説します。

水まわりリフォームのタイミングは?

キッチン、浴室、洗面所、トイレといった水まわり設備には耐用年数があり、多くの機器では10年を過ぎたあたりから不具合や故障が見られるようになります。特にメーカー保証が10年で切れることが多く、それ以降は部品の交換が難しくなったり、修理に対応できなくなる場合もあります。

ただし、10年未満の段階でシステムキッチンやユニットバスをまるごと入れ替えるといった本格的なリフォームを行うケースは少なく、実際には破損箇所の補修や一部機器の交換で対応する人が多い傾向です。

「それほど年数は経っていなくても、割れたり、ヒビが入ったりという著しい破損が見られた場合は、部分的な交換では済まず、全体的に新しいものと交換せざるをえないという場合もあります」

一般的に、水まわりリフォームの本格的なタイミングは15〜20年が目安とされています。この年数になると、機器の経年劣化だけでなく、使い勝手の悪さやデザインの古さなど、生活面での不満が積み重なり、まとめてリフォームする人が増えてきます。

なお、10年時点で交換した設備がある場合は、再利用を検討することで、費用を抑えつつリフォームを進めることも可能です。住宅の状態やライフスタイルにあわせて、無理のない計画を立てることが大切です。

水まわりリフォームを頼む会社の選び方は?

水まわりリフォームは工務店やリフォーム会社だけでなく、家電量販店やホームセンターなどに依頼する人もいます。数多くの選択肢の中から自宅の水まわりリフォームを任せる会社を選ぶためには、各社の特徴を踏まえ、比較検討することが大事です。

「水まわりリフォームは単純な設備購入ではなく、さまざまな工事が必要になります。工事の専門的な知識の有無で提案の内容も変わってくるので、依頼する会社を選ぶ際には、その会社の専門性を一つの基準として考えてみるといいと思います。

また、あまり自宅から遠い場所に会社や事務所があると、営業担当者がこまめに足を運びづらくなる可能性もあります。気軽に相談しやすい距離にあるかどうかという点について考えてみるのもいいでしょう」

実績や口コミ、保証制度なども含めて、複数のリフォーム会社者を比較し、自分に合ったパートナーを見つけることが成功のポイントです。

リフォーム業者を比較検討するイメージ

(画像/PIXTA)

水まわりリフォームで注意するポイントは?

水まわりリフォームを成功させるためには、見積もり内容や工事の進め方だけでなく、アフターメンテナンスの対応についても事前に確認することが重要です。

「複数社から異なる見積もり金額を提示された場合、安い金額に目がいってしまうかもしれませんが、必要な工事にかかる費用が削られて、適切な工事が行われないというのは問題です。見積もり金額には何が含まれているのかを確認しながら、比較検討するようにしましょう。

また、リフォーム工事自体は数日で終わっても、工事をした後から、リフォーム会社とはアフターメンテナンスのお付き合いが続くことになります。リフォーム後に困ったことがあった場合にどのような対応をしてもらえるのか、事前にしっかりと確認しておくことが大事です」

水まわりリフォームの事例を紹介

実際に水まわりリフォームを行った住まいの事例を紹介します。暮らし方や家族構成、理想のデザインによってリフォームの内容はさまざまです。ここでは、キッチン・浴室・洗面所・トイレそれぞれにこだわりを反映させた事例を通して、プランの考え方や工夫のポイントをお伝えします。

※各事例の費用は施工当時のもので当該部分の工事のみの概算。現在の費用とは異なります。

叶えたいことを実現したイメージ通りのおしゃれ空間

取り入れたい設備やデザインなど、叶えたい具体的な要望があったため、イメージを忠実にリフォームで再現しました。

移設したキッチンは施主支給のL型ステンレスキッチン。サブウェイタイルや濃い色味の建材を組み合わせ、ナチュラルなテイストのLDKとうまくバランスをとっています。

以前よりも広くなった浴室は、洗面所との間の壁を透明ガラスにして、開放感があるホテルライクな空間に。洗面所は浴室とともに黒を基調とした色合いにしました。

トイレのアクセントクロスはサンプルを多く取り寄せて検討し、ウィリアムモリスの壁紙をセレクト。こだわりが詰まったデザイン性の高い空間になっています。

タイルや建材との組み合わせがおしゃれなステンレスのL型キッチン

施主支給のL型キッチンは京都のメーカーのもの。タイルや建材をうまく組み合わせながらリビングダイニングとコーディネート(画像提供/ナサホーム

こだわりのタイルを貼ったおしゃれな洗面台

洗面台とミラーの間には手持ちのタイルを施工。サイズが合うよう間仕切り壁を造作し、目地の大きさまでこだわりながら工事を進めました(画像提供/ナサホーム

ウィリアムモリスのアクセントクロスが目を惹くおしゃれなトイレ

アクセントクロスに合わせて、周りのクロスをコーディネート(画像提供/ナサホーム
【DATA】
建物タイプ 一戸建て
築年数 16年
リフォーム費用 キッチンのみの概算48万円、浴室のみの概算70万円、洗面脱衣所のみ概算18万円、トイレのみ概算17万円
施工会社 ナサホーム
実例の詳細はこちら▼
大阪府 Kさんのリフォーム事例

キッチンはサイズアップし、浴室・トイレ・洗面は白を基調にコーディネート

空間が細かく分けられ、作業効率の悪かったキッチンはサイズを広げ、つながりのある空間に変更。広々とした空間になり、作業がしやすくなったそうです。

また、もともとキッチンにあった洗濯機スペースは洗面所に移動。洗濯機スペースを配置するために洗面所は位置を変え、扉もスペースを確保するために内開きから外開きに変更しました。

浴室やトイレについては、在来工法のタイルの浴室をシステムバスに変更し、1階のトイレはシャワートイレ一体型のLIXILの「アメージュZA」を採用。浴室、洗面所、トイレはすべて白を基調としたことで、クリーンな雰囲気かつ統一感のある空間になっています。

トクラスの特注キッチン

広々と使える一枚板のキッチンはトクラスのものを特注(画像提供/神奈川アメニックス

在来工法のタイル浴室をリフォームしたシステムバス

在来工法の浴室は希望だったシステムバスに(画像提供/神奈川アメニックス

洗面所に設置したTOTOの「オクターブスリム」

洗面化粧台は扉枠と干渉しないように、TOTOの「オクターブスリム」を採用(画像提供/神奈川アメニックス

シャワートイレ一体型のLIXILの「アメージュZA」

1階のトイレはLIXILの「アメージュZA」に交換(画像提供/神奈川アメニックス
【DATA】
建物タイプ 一戸建て
築年数 26〜30年
リフォーム費用 キッチンのみの概算120万円、浴室のみの概算99万円、洗面所のみの概算47万円
施工会社 神奈川アメニックス

キッチンは再利用して向きを変更。浴室やトイレは清掃性アップ

もともと壁付けだったキッチンは、設備自体はそのまま、向きを転換してリビングを見渡せるカウンターキッチンに変更しました。再利用したキッチンは扉面材のみを交換して、リビング・ダイニングとコーディネートしています。

浴室は水アカなどが付きにくい人工大理石の浴槽で、床は汚れが落ちやすい「ほっカラリ床」。トイレは収納量が多く、清掃性の高い「レストパル」を選び、水まわりのキレイが保ちやすくなりました。

再利用して向きを変えたキッチン

既存のキッチンの状態が良かったので再利用。コストは抑えながら雰囲気を一新(画像提供/ナサホーム

「ほっカラリ床」を気に入り、採用したTOTOのシステムバス「WY」

「ほっカラリ床」を気に入ったことで、浴室はTOTOのシステムバス「WY」を採用(画像提供/ナサホーム

収納力や清掃性が高い「レストパル」を採用したトイレ

トイレのキャビネット内には配管やコンセントが格納されているため、ホコリをかぶりにくく、お掃除もラク(画像提供/ナサホーム
【DATA】
建物タイプ マンション
築年数 30年
リフォーム費用 キッチンのみの概算67万円、浴室のみの概算62万円、トイレのみの概算30万円
施工会社 ナサホーム
実例の詳細はこちら▼
兵庫県 Mさんのリフォーム事例

まとめ

水まわりリフォームは、設備の老朽化や暮らしの変化にあわせて検討されることが多く、タイミングや内容によって費用や工期も大きく異なります。キッチン・浴室・洗面所・トイレの4カ所をまとめて行うことでコストや手間を抑えられ、セットプランを活用すればさらにお得になる場合もあります。

補助金の活用や設備のグレード調整など、費用を抑える工夫は多くあります。信頼できるリフォーム会社と丁寧な打ち合わせを行い、自分たちに合ったリフォームを進めましょう。

●取材協力
ナサホーム