新築物件ではなく、比較的安価な中古マンションを購入し、理想の空間にリフォームする人が増えています。設備や内装を一新する大型リフォームも考えられますが、「できるだけ予算を抑えたい」というのは多くの方が抱える思いなのではないでしょうか。
そこで今回は、リノベーション・リフォームの実績が豊富なアクアラボの取締役・小林雅人さんにお話を伺い、予算200万円でもできるマンションリフォームのコツをお届けします。

記事の目次
マンションのリフォーム部位別費用相場
それぞれの設備や部屋をリフォームする場合の費用相場について、アクアラボの小林さんに伺った解説を交えながらご紹介します。
キッチンリフォームの費用相場
キッチンのリフォームは、設置するキッチンの種類やレイアウトによって使い勝手や空間デザインはもちろん、費用も大きく異なります。
「マンションリフォームの中でもよくあるご依頼は、キッチンを含めたリフォームです。内装やキッチン本体のグレードにこだわらなければ、システムキッチンの交換と内装リフォームを合わせても予算200万円で実現できます。壁付けから対面へのレイアウト変更や位置の変更は配管の構造によって難しい場合もあるので、予算や状況に合わせて検討が必要です」(アクアラボ小林さん・以下同)
キッチンのリフォームを考える場合に、費用に大きく関わるのがキッチンのレイアウトと種類です。
レイアウトは、キッチンに立ったときに正面が壁や窓になっている壁付けキッチン、もしくは、リビングやダイニングに面して設置され、リビングにいる家族の様子を見ながら料理ができる対面キッチンの2種類があります。いずれの場合も元のキッチンの位置から変更しない場合は予算を抑えられますが、位置や向きを変更する場合は解体工事や配管工事、大規模な内装工事が必要になるため、追加費用が必要になります。
また、日々の使い勝手に関わるのがキッチンの種類です。形状は、コンロやシンクが横一列に並んでいるI型、作業台のスペースを広く設けられるL型、コンロとシンクが2つの作業台に分かれたセパレート型(II型)の3つ。それぞれにメリット・デメリットがあるので、「誰がキッチンを使うのか」「どんなふうに使いたいか」をイメージして選びましょう。
マンションのキッチンリフォームの詳細は、「マンションのキッチンリフォームにかかる費用は? リフォームの成功事例や注意点も紹介!」でも紹介しています。こちらも合わせて参考にしてください。
| 壁付けキッチンから壁付けキッチン | 約80万円〜120万円 |
|---|---|
| 壁付けキッチンから対面キッチン | 約150万円〜250万円 |
使用する設備や追加オプションによって予算は変動するので、詳しくはリフォーム会社の担当者に相談しましょう。
【2024年版】キッチンリフォームの補助金・助成金を解説。対象の工事や注意点、申請方法、期限は?

リビングリフォームの費用相場
家の中でも特に過ごす時間が多いリビングは、ライフスタイルの変化に合わせてリフォームを検討する方が多いスペースです。
「内装を一新することで、リビングの雰囲気を変えることができます。また、最近ではキッチンを含めたLDKのリフォームを実施する方が多い印象です。『和室の壁を取り払ってリビングを広くしたい』など間取り変更を伴う場合は、200万円をやや超える費用が必要になります」
リビング・ダイニングリフォームの費用相場は50万円〜150万円ほど。昔ながらの和室をカフェ風や北欧テイストといった好みの空間に変更したり、キッチンとの隔たりをなくしてオープンなLDKに変更したりと、用途・目的に合わせたリフォームで居心地の良さを追求しましょう。
リビングと和室をつなげて広々LDKを実現するリフォーム方法と費用。施工事例も紹介

玄関リフォームの費用相場
玄関のリフォームを検討する要因は、ドアの劣化によって開閉がしづらくなったという機能的なものから、「暗くて狭い構造が気になる」「もっと収納スペースが欲しい」というお悩みまでさまざま。
靴やアウトドア用品などを収納する棚の増設、明るい照明への変更といった小さなリフォームなら、費用を抑えて気軽に実現できます。家族が使いやすい設計に見直してみると、さらに自宅への愛着が増しそうです。
玄関リフォームの費用相場は40万円〜70万円程度。玄関の面積や新しく設置する収納棚の大きさなどによって価格は前後します。
| 玄関スペースを広げる場合 | 50万円〜70万円 |
|---|---|
| 収納を増設する場合 | 約30万円 |

トイレリフォームの費用相場
トイレリフォームでは設備のグレードだけでなく、床や壁、天井などの内装工事の有無のほか、タオル掛けや収納スペースの設置などオプションによっても費用が変わってきます。
| トイレのみ交換 | トイレと内装(床) | トイレと内装(床、壁、天井) | |
|---|---|---|---|
| ウォシュレット一体型トイレ | およそ20万円 | 25万円〜28万円 | およそ30万円 |
| タンクレストイレ | およそ30万円 | 35万円〜40万円 | およそ40万円 |
ウォシュレット付きやタンクレスなど、便座のグレードや性能の違いだけでも10万円〜20万円違います。内装は、水に強いフロアタイルや吸湿機能のある材質といった機能性に優れたものを選ぶことで、お手入れの負担を軽減することができるでしょう。

浴室リフォームの費用相場
標準的なユニットバスなら、本体価格は50万円〜80万円程度。工事費用およそ30万円を合わせて80万円〜110万円前後が費用相場となります。多機能を備えたグレードの高いユニットバスを希望する場合、リフォーム費用は200万円ほど。また、在来工法の浴室からユニットバスに変更する場合は、80万円〜160万円が目安となります。
リフォーム会社に希望のデザインや機能を伝えながら、予算内での浴室リフォームを実現しましょう。

お風呂・浴室のリフォーム費用相場や補助金について解説!一戸建てやマンションのおしゃれな施工事例も公開
洗面所リフォームの費用相場
洗面所リフォームの費用相場は、およそ10万円〜35万円。選ぶグレードや造作などのオプションによって費用が変動します。
なお、洗面台のサイズは、間口(横幅)によって決まります。事前にサイズを測っておくことでスムーズに設備の選択、交換工事に進められるでしょう。
また、洗面所のクロスや床の張り替えを実施する場合には別途15万円程度加算されます。内装工事も希望する場合は、まとめてリフォームする方がコストを抑えられるでしょう。
| サイズ | 費用相場 |
|---|---|
| 〜600mm | 7万円〜19万円 |
| 600mm〜750mm | 8万円〜30万円 |
| 750mm〜 | 15万円〜50万円 |

200万円でリフォームするときに検討すべき設備のグレード
各設備メーカーのカタログを見ていると、設備ごとにグレードがあり、選んだグレードによって機能や費用が大きく変わることがわかります。
「選択肢が増えている分、私たちリフォーム会社も希望に合った提案がしやすくなりました。予算とのバランスを考えて、設備のグレードを検討してみてください」
設備のグレードとは
リフォーム費用を抑えるためには各設備のグレードを意識する必要があります。ここでいう「設備のグレード」とは、キッチン・トイレ・浴室・洗面所など、各スペースに取り入れる設備機器の品質・機能のこと。それぞれどのような選択肢があるのかピックアップしていきます。

キッチンのグレードによる違い
毎日使うキッチンは、できるだけ使いやすさにこだわりたいものです。ひと言でシステムキッチンといっても、グレードごとに機能性やデザイン性、お手入れのしやすさも異なります。
ここからはグレードを左右する主なポイントをご案内します。
〈形状の違い〉
汎用性の高いI型キッチンは比較的安く、L型キッチンやセパレートキッチンといった特殊な形状になるほど費用が上がります。なお、対面キッチンにする場合はリビング・ダイニング側に腰壁をつける必要があるため、その費用も加算されます。
〈素材による違い〉
天板(カウンタートップ)やキャビネット扉の素材によっても費用は変わります。標準的なグレードでは、人造大理石やステンレス製の天板が多いですが、ハイグレードのキッチンは耐久性の高いセラミックなどの素材が使われています。
〈幅・奥行きの違い〉
キッチン本体のサイズが大きいほど費用は高くなります。基本的には動線の妨げにならないように空間の広さに合わせたサイズを選びます。
〈コンロの種類や機能による違い〉
高価格帯のコンロは、傷の付きにくさや掃除のしやすさが魅力です。一般的にガスコンロよりもIHヒーターの方が価格は高めですが、ガスコンロの中でも機能性やデザイン性が高いほど高価格になります。
システムキッチンメーカー10社の人気商品とリフォーム価格を徹底比較!実例紹介も!

トイレのグレードによる違い
トイレの便座はグレードによって20万円〜30万円ほど費用が変わります。グレードが高い場合、自動清掃や瞬間暖房機能などの最新機能を標準で装備していますが、最近のものなら中級のグレードでも十分な機能を備えています。お財布と相談しながらカタログやショールームを見て、お気に入りの設備を見つけましょう。

お風呂のグレードによる違い
お風呂(ユニットバス)のグレードは大きく分けて3つ。一番高価なプレミアムクラスは、本体価格のみで80万円以上、ミドルクラスで50万円~80万円、標準的なベーシッククラスで30万円~50万円ほどとなります。施工内容や浴室の大きさをはじめ、デザイン、材質、機能性でも価格は異なります。

洗面所のグレードによる違い
洗面化粧台を取り替えるときは、サイズ・収納性・清掃性・デザイン性の4つを比較してみましょう。特にサイズは、価格を左右する大きな要因になっています。
| サイズ/グレード | ベーシッククラス | ミドルクラス | プレミアムクラス |
|---|---|---|---|
| 50cm | およそ9万円 | ― | ― |
| 60cm | およそ10万円 | およそ13万円 | ― |
| 75cm | およそ13万円 | およそ18万円 | およそ23万円 |
| 90cm | ― | ― | およそ23~25万円 |

200万円でできるマンションのリフォーム内容とは
マンション全体のリフォームとなると200万円では難しいものですが、リフォームしたい場所と目的を明確にすれば、予算200万円でも満足のいくリフォームは夢ではありません。
「マンションリフォームで多い依頼は、水回りの設備を新しくするパターンとLDKのリフォームです。LDK全体のリフォームでは、キッチン本体の交換も含め200万円前後かかるケースがほとんど。あとは、内装を一新して自分好みのデザインに変える方もいらっしゃいます。各社の公式ホームページやSNSでもリフォーム事例を見られるので、会社選びの参考にしてみてください」
セットプラン(パック)を活用した水回り3カ所のリフォーム
費用を抑えて水回りをリフォームできるセットプランは、水回りの設備をまとめて取り替えたいと考えている方にぴったりのサービスです。トイレ・浴室・洗面所またはキッチン・トイレ・浴室など、組み合わせによって費用は前後しますが、およそ70万円〜180万円でリフォームを行うことができます。リフォーム会社によっては4点(キッチン、浴室、トイレ、洗面所)も200万円前後で提案しているので、希望に近いプランを探してみましょう。

LDKを生活スタイルに合わせてリフォーム
築年数が古いマンションでは、キッチンが独立型になっていたり、リビング・ダイニングとの間に壁があったりと、閉鎖的なつくりになっていることも少なくありません。こうした仕切りを取り払い、リビング・ダイニングと一つの空間にすることで、家族との会話が弾むLDKに変えることができます。
また、古い間取りの家では和室を持て余しているケースも多くなっています。最近では家で過ごす時間を有意義にするため、和室から広々とした洋室のLDKにつくり変えるリフォームも人気です。
「和室の解体には60万円ほどかかり、予算200万円では厳しい場合もあります。間取りを変更するとなると、天井や壁、床にまで作業が発生するためです。予算を優先する場合はプロに相談しながら計画を立てる必要があります」

間取りの変更で暮らしやすい空間に
子どもの成長や親の介護など、ライフスタイルの変化に合わせて住まいの間取りを見直すケースもあります。予算200万円でフルリフォームは難しくとも、間取りの変更は十分に可能です。壁や扉を撤去することで日当たりを良くする、部屋をつなげて開放感ある空間をつくるなど、目的に合わせて計画を立てましょう。

内装の全面リフォームで気分を一新
予算200万円でリフォームを行う場合、リフォームする場所や設備の取捨選択が必要です。低予算でも満足度の高いリフォームとして、内装の全面リフォームが挙げられます。床・壁・天井を新しく張り替えるリフォームは「まるで新築のような空間に生まれ変わる」と好評です。

200万円以内で実現したマンションリフォームの施工事例8選
ここからは、実際に200万円以内で行われたマンションリフォームの施工事例をお届けします。低予算で実現したとは思えないこだわりの詰まった施工事例は、参考になるものばかりです。
新築マンションを好みのテイストにリフォーム
「家での時間は、自分たちが本当に好きなテイストの空間でくつろぎたい」と考えたご夫婦が選んだのは新築マンションのリフォーム。キッチンに設置されていたつり戸の移動や内装の変更で、より明るい空間に変化しました。新築の便利さに自分たちらしさを加えたスタイリッシュな空間です。




【DATA】
リフォーム費用:151万円
リフォーム部位:リビング・ダイニング、キッチン、トイレ、洗面所、寝室、玄関、窓
設計・施工/アクアラボ
壁付けキッチンを和モダンな対面キッチンにリフォーム
壁付けから対面に変更することで、アイランドキッチンが主役の空間を実現。シックな色合いでまとめたシステムキッチン・収納ユニットに映える、きらびやかなアクセントクロスが目を引きます。開放感に優れたアイランドキッチンで、リビングにいる家族との会話も弾みそうです。

【DATA】
リフォーム費用:160万円
リフォーム部位:キッチン・システムキッチン
設計・施工/アクアラボ
まるでテーマパーク!カラフルな壁紙で楽しい空間を演出
壁紙を替えることで個性あふれる楽しい空間に。部屋ごとに個性的な壁紙を選んだ家の中は、まるでテーマパークのようにカラフルです。
リビングには猫の爪にも強い、表面強化性能を持った壁紙を採用。和室は濃紺色の壁紙を選び、シックでかっこいい雰囲気にまとめています。


【DATA】
リフォーム費用:148万円
リフォーム部位:リビング・ダイニング、キッチン・システムキッチン、トイレ、洗面所・脱衣所、和室、玄関、洋室、廊下
設計・施工/micアールスタジオ
老朽化した水回り設備をバリアフリー仕様に一新
浴室、洗面所、トイレ3カ所の設備をリフォーム。水回り設備の老朽化と今後の暮らしを考え、バリアフリー仕様に一新しました。脱衣所には、洗面台とセット商品のトールキャビネットが設置され、収納力も格段にアップ。洗濯機上も可動棚にすることで使い勝手もよくなっています。


【DATA】
リフォーム費用:156万円
リフォーム部位:浴室・バス・ユニットバス、トイレ、洗面所・脱衣所
設計・施工/イズホーム
エレガントさをプラスしたこだわりの内装にリフォーム
一般的な内装の新築マンションを自分たち好みにリフォームしたこちら。LDKと隣の洋室の間の間仕切りを撤去し、白い壁で緩やかに仕切ることで裏側を書庫兼収納スペースとして活用しています。
また、リビングの壁面には暖炉型ヒーターが映えるマントルピースを設け、モールディングで装飾することでエレガントな空間を演出しています。




【DATA】
リフォーム費用:155万円
リフォーム部位:リビング・ダイニング、玄関、トイレ、洗面所、収納、洋室
設計・施工/ゆめや
壁の撤去で明るく機能的なキッチンを実現
キッチンを囲んでいた壁を撤去し、I型からL型キッチンに交換。キッチンデザインに合わせて家具を同系色でまとめ、高級感漂う空間にリフォームしました。ブラウンにゴールドが入っているアクセントクロスも上質さを際立たせています。


【DATA】
リフォーム費用:145万円
リフォーム部位:キッチン・システムキッチン
設計・施工/みずらぼ
和室から洋室に!ペットに優しい空間が完成
ペットとの暮らしを最優先に、使い勝手の悪かった和室を洋室にリフォーム。合わせて水回り設備も見直すことで、汚れの飛び散りやお手入れの苦労も改善することができました。
洗面やトイレの汚れやすい部分には、一拭きできれいになる耐水のサニタリーパネルを取り入れています。


【DATA】
リフォーム費用:145万円
リフォーム部位:洋室、トイレ、洗面所・脱衣所
設計・施工/イズホーム
掃除の手間が激減!おしゃれで高機能な水回り
水回りの汚れやカビが目立つようになってきたことから、浴室とトイレのリフォームを実施。浴室はボタン一つで床を自動洗浄してくれる床ワイパーと、柔らかく乾きやすい材質の床を採用し、掃除の手間を省けるように工夫しました。
トイレは使用後や一定時間たったタイミングで便器内に除菌水を吹きかけてくれる機能を装備。汚れの原因となる菌を除菌してくれるので、汚れ自体がつきにくく、お手入れの手間を省いてくれます。


【DATA】
リフォーム費用:185万円
リフォーム部位:浴室・バス・ユニットバス、トイレ、その他
設計・施工/イズホーム
マンションリフォームの費用を抑えるコツ!DIYや補助金の活用も
理想の部屋をつくろうと意気込むとつい気分が高揚してしまい、ハイグレードの設備を選んでしまったり、必要以上にオプションを付けてしまったりと、予算をオーバーするケースも少なくありません。
ここからは予算200万円でマンションリフォームを成功させるために知っておきたい費用を抑えるコツを見ていきましょう。
リフォームの目的と優先順位を明確にする
200万円という限られた予算の中でマンションリフォームをするのなら、計画を立てる段階で目的を明確にしつつ、優先順位をつけることが重要です。あらかじめリフォームしたい場所や設備に優先順位をつけておくと、リフォーム会社との打ち合わせもスムーズに進められます。もしも希望するリフォーム内容が予算内に収まりそうにないときでも、何を削るべきかすぐに判断することができるので、まずは家族の中でリフォームの目的と優先順位を話し合っておきましょう。
「予算200万円だからといって、デザイン性や機能性を諦める必要はありません。優先順位が明確に決まっていれば、予算内でポイントを押さえた提案ができることもあります。希望をしっかりとまとめて、どの部屋をどのようにリフォームするのか、優先順位を決めていくことで、リフォームの方向性が見えてくるでしょう」

設備のメーカーやグレードにこだわらない
マンションのフルリフォームを考えている場合も、設備のメーカーやグレードにこだわらないことで費用を抑えることができます。同じ設備のリフォームでも、採用するメーカーや設備のグレード次第で費用は大きく変わります。
予算内に収めることを優先するのであれば、商品のコストパフォーマンスを重視して選んでみてはいかがでしょうか。デザイン性を重視したオーダーメイド商品は既製品と比べて高くなることも忘れてはいけません。

リフォーム会社のセットプランを利用する
複数箇所のリフォームを検討しているのであれば、各リフォーム会社が提案するセットプランを活用しない手はありません。特に多いのが水回りの設備をまとめて新しくできるセットプラン。キッチン・浴室・トイレなど、水回りをまとめてリフォームすることで施工費やプランニングの手間を抑えられ、単体でリフォームするよりもお得にリフォームがかないます。
また、リフォーム工事では、部屋が汚れたり傷ついたりしないよう家中を養生で保護しますが、この養生作業にも手間と費用がかかるため、まとめてリフォームすることで人件費の削減にもつながります。
リフォーム会社によっては水回りのセットプランだけでなく、全面改装を希望する方に向けたフルリフォームのセットプランもあるので、プランの特徴を比較しながらどこの会社に依頼をするのか決めましょう。

複数社に見積もりを取る
リフォームを依頼する際の大きな判断基準となる見積もり。事前の相見積もり(複数のリフォーム会社から見積もりを取り寄せること)でリフォーム費用や工事内容の比較ができ、納得のいく形でリフォームを実現できます。
気に入ったプランや商品があったとしても、すぐに決めるのではなく、複数社から相見積もりを取りましょう。リフォームの範囲が狭いとしても、2〜3社から見積もりを出してもらうと安心です。

DIYも取り入れる
リフォーム費用を抑えるために、自分自身で部屋のリフォームをする「DIY(Do It Yourself)」に挑戦する方も増えています。すべてを自分で行うのは至難の業ですが、DIYを一部取り入れることは意外と実現可能なものです。
たとえば、棚やテーブルなどインテリアの塗り替え、ドアノブの交換など、部分的なアレンジでも部屋の雰囲気を変えることができます。大切な住まいですから基本的にはプロに任せるのが一番ですが、リフォーム会社の担当者と相談しながらDIYに挑戦するのも良いでしょう。

補助金や助成金を活用する
「リフォームに関する補助金や助成金制度はさまざまあり、利用できるケースがあります。ただし、誰もが必ず利用できるものではないので、助成の条件に当てはまっているかを事前に確認しましょう」

【最新版】リフォームで使える補助金と減税制度。対象のリフォーム・リノベーション、補助金額や申請方法・期限は?
まとめ
今回は予算200万円でできるマンションリフォームについて、費用の目安や成功事例をお届けしてきました。予算200万円ではマンション全体のリフォームは難しいものですが、ポイントを押さえたリフォームで暮らしやすさや住まいへの愛着を大幅にアップすることができます。
まずは家族でよく話し合い、目的と予算を明確にした上で、納得のいくリフォームを実現しましょう。

取材協力/アクアラボ
構成/梨本明世(ドコドア)
取材・文/松永春香