マンションのお風呂リフォームは、リフォーム工事の内容や、浴室のタイプ、導入するオプション設備などによって異なり、費用の目安は数十万円~数百万円と幅広いのが実情です。
そこで、この記事では、マンションの浴室に多いユニットバスを中心に、リフォームの価格帯別にどんなお風呂・浴室にリフォームできるのか紹介します。
また、マンションのお風呂・浴室リフォームの工期や、集合住宅ならではのリフォームの注意点もまとめました。1日の疲れを癒やすバスタイムがグレードアップする、ステキなお風呂・浴室リフォームを目指しましょう。

記事の目次
- 1. マンションのお風呂・浴室リフォームの費用相場と工期
- 2. マンションのお風呂・ユニットバス交換リフォームの費用相場
- 3. マンションのお風呂・浴室の標準仕様の内容は?
- 4. 浴室換気暖房乾燥機や浴室テレビなどのオプション費用相場
- 5. マンションの浴室の壁・床・天井の補修リフォームの費用相場
- 6. お風呂・浴室・ユニットバスのサイズの選び方
- 7. マンションのお風呂・浴室は交換リフォームで広くなる!?
- 8. マンションのお風呂・浴室リフォームの実例を費用別に紹介
- 9. お風呂・浴室の窓のリフォームの注意点
- 10. マンションのお風呂・浴室リフォームで使える補助金や減税制度
- 11. マンションの浴室・お風呂リフォームは信頼できる会社選びがコツ
マンションのお風呂・浴室リフォームの費用相場と工期
費用30万円以内でできるマンションのお風呂・浴室リフォームは?
マンションのお風呂・浴室リフォームは、「浴室全体の工事(ユニットバスの取替工事など)」「部材や設備の取替・修繕工事(壁・床・浴槽・シャワーなど)」「新しい設備の取付工事(追い焚き機能や浴室テレビなど)」に分けられます。
浴室全体のリフォーム費用は100万円前後が目安ですが、仕様や設備、デザインにこだわったリフォームの場合、費用が数百万円になることもあります。一方、部材や設備の取り替えや修繕工事であれば数十万円で済むケースもあります。
下の表に、マンションのお風呂・浴室リフォームの、内容別の費用相場をまとめましたので、参考にしてください。部材や設備の取替・修繕工事や、新しい設備の取付工事は、代表的な部材・設備の工事目安を記載しています(浴室の傷み具合が大きい場合など、表記より費用や工期がかかることがあります)。
| 施工内容 | 費用相場 | 工期の目安 |
|---|---|---|
| ユニットバスの交換 | 約80万円~約120万円 | 5日前後 |
| 在来浴室からユニットバスへの交換 | 約80万円~約150万円 | 1週間前後 |
| 天井・壁・床の修繕 | 約5万円~約50万円 | 1~2日 |
| 浴槽の交換 | 約10万円~約35万円 | 1日 |
| 浴室乾燥機新規設置 | 約10万円~約25万円 | 1日 |
| 追い焚き機能の新規設置(※1) | 約20万円~約60万円 | 1日 |
| バリアフリー化(※2) | 約10万円~約15万円 | 1日 |
※2 手すりの設置や段差解消の工事
マンションのお風呂・浴室全体のリフォーム工期は5日~1週間程度
マンションのお風呂・浴室のリフォーム工期は、ユニットバスの取り替えなど全体的なリフォームの場合で5日~1週間程度になります。一方、お風呂の床・壁の補修や浴槽の交換などなら1日~2日、浴室暖房換気乾燥機や追い焚き機能などを新規に取り付ける場合なら1日程度でリフォームを済ますことができます。
マンションのお風呂・ユニットバス交換リフォームの費用相場
マンションのお風呂・浴室には2つのタイプがある
お風呂・浴室リフォームのうち最も多く行われているのは、ユニットバスの取替工事で、一般的に15年~20年がお風呂・浴室の全体的なリフォーム工事の目安とされています。
マンションのお風呂・浴室には、「ユニットバス」と「在来工法の浴室」の2つのタイプがあります。
おおよそ築30年以内の浴室は大多数が「ユニットバス」タイプで、リフォームも「ユニットバス→ユニットバス(ユニットバスの交換)」が主流。
また、マンションの在来工法の浴室も、多くの場合、古いお風呂を解体して新たにユニットバスを取り付けるリフォームが選択されています。


お風呂・ユニットバスのリフォーム費用相場は約80万円~約120万円
お風呂・浴室のユニットバス交換リフォームの費用は、約80万円~約120万円のケースが多く見られます。一方、在来工法の浴室は解体費用がユニットバスよりかかるため、リフォーム費用もユニットバス交換より高めになります。
浴室のリフォーム費用は、お風呂の広さや材質、オプションの内容によって異なり、仕様や設備、デザインにこだわったリフォームの場合、費用が200万円を超えるケースもあります。また、昨今はユニットバスの部材が値上がり傾向にあります。
マンションのお風呂・浴室リフォームの費用を抑えるコツ
マンションのお風呂・ユニットバスのリフォーム費用は、次の4種類に分けられます。
「古い浴室の解体工事費用(廃材処理費も含む)」
「ユニットバスなどの商品購入費」
「商品の取付工事費」
「電気・給排水工事費等」
このうち、「ユニットバスなどの商品購入費」は、工事費用に占める割合が最も大きい部分であると共に、依頼するリフォーム会社によって費用に差が出る部分でもあります。また、「商品の取付工事費」もリフォーム会社によって異なります。ですから、お風呂・浴室のリフォーム費用を節約するには、会社の選び方が大切になります。
マンションのお風呂・浴室の標準仕様の内容は?
最新のユニットバスのお風呂は、保温性と掃除のしやすさが魅力
ユニットバスのお風呂は年々進化し、標準仕様(基本タイプ)の性能も上がっています。お風呂・浴室の基本性能のうち特に注目したいのが「保温性能」と「掃除のしやすさ」です。
最近の浴室・ユニットバスの保温性能は20年~30年前に比べて向上しています。お湯が冷めにくい浴槽や足先がヒヤッとしない床が標準仕様の商品もあります。
また、お風呂掃除のしやすさを追求し、ユニットバスの浴槽や床、ドアなどを汚れの付きにくい材質・形状にした商品が増えています。


ユニットバスのハイグレードタイプは、お風呂やシャワーの快適性も追求
ユニットバスのハイグレードタイプは、お風呂掃除の性能がさらに充実し、例えば、自動洗浄機能付きの浴槽や、清掃機能付きの床を装備した商品などが見られます。
このほか、浴室の色調や照明、浴槽の形状にこだわり、シャワーに「打たせ湯」の機能を付けるなどの商品もあり、最新ユニットバスは、快適性も格段に向上しています。


浴室換気暖房乾燥機や浴室テレビなどのオプション費用相場
鏡や収納棚がオプションの商品もある
お風呂・浴室には、鏡や収納棚、タオル掛けが付いていて当然と考えがち。しかし、ユニットバスの場合は、鏡や収納棚をオプションにしている商品もあります。また、標準仕様として鏡が付いている場合でも、顔が写るサイズから姿見サイズ、デザイン性の高いワイドミラーまで、さまざまなサイズのオプションが用意されています。
また、ユニットバスのお風呂のドアは折り戸が一般的ですが、ユニットバス商品の多くは、オプションで折り戸から開き戸や引き戸に変更できます。相場は、開き戸が約1万円~約4万円、引き戸は約5万円~約10万円(片開き戸の場合)です。
このほか、水栓やシャワーヘッド、照明なども同様に、機能やデザイン、価格の異なる複数タイプから選択するのが一般的です。

浴室換気暖房乾燥機は約4万円~約14万円、浴室テレビは30万円前後
お風呂・浴室の設備として人気が高い浴室換気暖房乾燥機は、浴室のカビ予防だけでなく、雨の日の洗濯物干し、冬場のヒートショック対策に役立つアイテムです。ユニットバスの多くが、浴室の換気設備のオプションとして、換気扇と浴室換気暖房乾燥機のいずれかを選ぶ形にしています。
浴室換気暖房乾燥機の価格相場は約4万円~約14万円と、製品によって異なります。
お風呂に入りながらテレビが見られる浴室テレビは、サイズによって価格が異なりますが、24型ワイドの場合、相場は30万円前後です。このほか、オプションでオーディオスピーカーを取り付けられる商品もあります。なお、ユニットバスによっては、浴室テレビの取り付けができないこともあります。
マンションのお風呂・浴室リフォームで追い焚き機能を付けるには
お風呂・浴室の追い焚き機能は、リフォームでユニットバスに追い焚き加工をするのに加えて、「給湯器の買い替え」や「配管工事」が必要なことがあります。
給湯器には、給湯専用タイプと、追い焚き機能が付いたタイプがあります。給湯専用タイプの場合は、追い焚き機能が付いたタイプに買い替えた上で、給湯器から浴室まで追い焚き用の配管を通す工事が必要です。
この場合の費用は、50万円を超えるケースも珍しくありません。
なお、給湯器が玄関横やバルコニーにある場合は、共用部にわたる工事になるため、事前に管理組合に申請しなくてはなりません。マンションの構造や管理規約上、工事に制限があるケースもあります。
一方、追い焚き機能付きの給湯器で配管工事も必要ない場合、オプションでユニットバスに追い焚き加工をしてもらえば、追い焚き機能が使えます。追い焚き加工の費用は、配管の位置などによって異なりますが、浴槽に追い焚き用の穴だけ開けるのであれば1万円以内で済むこともあります。
お風呂・浴室のバリアフリー化ができるユニットバスか確認を
お風呂・浴室のバリアフリー化に欠かせない手すりもオプションのケースがほとんどです。手すりの長さや形状、材質によって費用が異なり、1カ所当たり7000円~4万円が相場です。お風呂・浴室に、将来バリアフリー用の手すりを取り付ける可能性がある場合は、手すりを後付けできるユニットバスかどうかを確認しておきましょう。

マンションの浴室の壁・床・天井の補修リフォームの費用相場
マンションのお風呂・浴室の壁リフォームの方法と費用
マンションのお風呂・浴室の壁リフォームの主な方法は、大きく次の4種類に分けられます。それぞれの特徴と、費用の目安を紹介しましょう。なお、このほかにも木製の壁材を使う方法などがありますが、費用は50万円~と高額になります。
※費用相場、目安はいずれも0.75坪程度のバスルームを想定。また、浴室の構造壁まで劣化が進んでいる場合の修繕費用などは含みません。
■タイルの張り替え
主に在来浴室(在来工法の浴室)の壁リフォームで採用される方法です。
費用の目安は、10万円~30万円と、タイルの種類によって幅があり、在来浴室の壁リフォームの場合、劣化状態のひどくなったタイルだけを張り替えることもできます。この場合はもちろん、費用も安く抑えられます。
■壁の塗装
お風呂・浴室の壁を補修した上で、壁面を塗装する方法です。ユニットバスはもちろん、在来浴室にも採用できる方法です。浴室の壁塗装リフォームの費用相場は10万円~20万円と、比較的低コストでできるのがメリットです。
■パネルを張る
お風呂・浴室の壁リフォームで使われるパネルは「樹脂パネル」ともいい、ユニットバスのお風呂・浴室の壁面の素材としてよく使われています。パネルの素材はカラーや柄が豊富で、木目調や大理石調など、さまざまなイメージの浴室にリフォームできる点がメリットです。
在来浴室の場合、現在の浴室の壁の内側にパネルを張る形で対応ができます。一方、ユニットバスの壁パネルを取り替える場合は、今使っているユニットバスに対応できるパネルがあるか確認する必要があります。
費用相場は15万円~30万円とパネルの種類や柄などによって幅があります。
■シートを張る
お風呂・浴室の壁を補修した上で、仕上げにシートを張る方法もあります。シートとは、塩化ビニール系の浴室リフォーム専用のフィルム素材で、費用相場も10万円~20万円と比較的低コストでのリフォームが可能です。
リフォーム前


マンションのお風呂・浴室の床リフォームの方法と費用
マンションのお風呂・浴室の床をリフォームする場合、どのような床材を選ぶかで費用が異なります。ここではマンションの在来浴室の床リフォームでよく使われる素材の特徴と、費用の目安を紹介します。
ユニットバスの場合は、現在使っているユニットバスの床材が、新しい床材と張り替えられるかどうかがポイントとなります。張り替えられる床材がない場合は、ユニットバス全体を交換するか、または床シート材を張る、床塗装をするリフォームを選ぶことになります。
■床材の張り替え
マンションの在来浴室に多いリフォームで、浴室の床材によって費用が異なります。一般的なマンションのお風呂リフォームでよく使用される床素材の特徴と費用相場を下の表にまとめたので参考にしてください。
| 床材の種類 | 特徴 | 費用相場 |
|---|---|---|
| タイル床材 | 防水性、耐水性に優れる。タイルのデザインが豊富。最近は目地がカビにくい素材もある。 | 10万円~15万円 |
| 樹脂床材 | 耐湿性、防水性に優れる。水はけがよく掃除がしやすい。費用が抑えられる。 | 約5万円 |
| FRP床材 | ガラスを樹脂でコートした素材。耐久性、防水性、保温性に優れる。水垢がたまりやすい面もありメンテナンスは必要。 | 10万円~20万円 |
■床シート材を張る
マンションのお風呂・浴室の床を補修した上で、床シート材を張る方法です。床シート材には、クッション性があり滑りにくいものや、保湿性の高いものなど、さまざまな機能があります。お風呂のリフォーム用床シート材の費用相場は、5万円~15万円と幅があります。機能によって価格が異なるためです。
■床塗装(コーティング)をする
マンションのお風呂・浴室の床を補修した上で、塗装をする方法です。塗装の費用は、床シート材の張り付けより高めのケースが多く、20万円程度が目安となります。
マンションのお風呂・浴室の天井リフォームの方法と費用
マンションの結露や汚れ、カビによるお風呂の天井の劣化を防ぐリフォーム方法として、浴室の天井に専用のパネルまたはフィルムを張る方法があります。
パネルを張る場合の費用の目安は4万円~7万円程度、フィルムを張る場合は3万円~6万円程度です。この方法は、天井だけでなく床、壁にも採用できます。まとめて行う場合の費用の目安は10万円~30万円が目安となります。
マンションのお風呂の壁・床・天井リフォームを安く行うコツ
マンションのお風呂・浴室は、壁・床・天井の内装だけを補修することができます。
例えば、壁の一部だけがひび割れているタイミングで修理を依頼すれば、費用も数万円で済みます。一方、お風呂のカビやヒビ割れなどが、浴室の壁・床・天井の全体に広がるまで放置してしまうと、内部のコンクリート面まで腐食が進んでいたり、水漏れが発生しているケースもあります。このような状態になると、浴室の壁・床・天井の内装リフォームだけでは解決できず、ユニットバス交換など大規模なリフォームが必要になることもあります。
マンションのお風呂の壁・床・天井のリフォームを安く行うコツは、早めに修繕することです。浴室に、カビやヒビ割れ、掃除だけでは落ちない汚れなどが目立ってきたら、お風呂の壁・床・天井の補修や内装リフォームを検討しましょう。

お風呂・浴室・ユニットバスのサイズの選び方
お風呂・浴室・ユニットバスのサイズの選び方
マンションのお風呂・浴室のユニットバスのサイズは、「1216」「1418」などと表記されます。これは、浴室の壁の「奥行き」と「幅」を組み合わせたもの(内寸)。ユニットバスの商品全てが適用している規格サイズ表記です。
ご自宅のお風呂・浴室がユニットバスの場合、マンション分譲時のパンフレットや間取図を見れば、規格サイズが分かります。

中古マンションのユニットバスに多い広さ0.75坪のサイズは「1216(内寸120cm×160cm)」です。また、それよりやや広い「1317(内寸130cm×170cm)」、「1418(内寸140cm×180cm)」も中古マンションのユニットバスでよく見られるサイズです。
一方、マンションリフォーム用のユニットバス商品の中には、シングル向けマンションに多い「1116(内寸110cm×160cm)」から、一戸建てと同程度の広さの「1620(160cm×200cm)」までそろえている商品もあります。
お風呂・浴室・ユニットバスのサイズはリフォーム会社と相談して選ぶ
マンション・一戸建て共に、お風呂・浴室のユニットバスの内側は規格サイズに統一されていますが、注意しておきたいのは、外側の構造(外寸)はメーカーによって違いがある点です。このため、規格サイズが同じでも、ユニットバスを設置するのに必要なスペースは若干異なります。
つまり、今のお風呂・浴室のユニットバスと同じサイズを選んだとしても、そのユニットバスがご自宅の浴室のスペースに収まらないこともあるのです。
このため、お風呂・浴室のユニットバスのサイズは、リフォーム会社に現地調査をしてもらった上で、自宅に合うサイズの商品を選ぶことが大切です。
マンションのお風呂・浴室は交換リフォームで広くなる!?
お風呂・浴室の広さを広げられるユニットバス商品
お風呂・浴室の広さを、今のサイズより広くできるユニットバスが注目されています。
浴室スペースはコンクリートスラブで囲まれ、ユニットバスはその内側に設置されています。ユニットバスとコンクリートスラブとの間には配管を通す空間がありますが、配管を薄型にすることで空間の厚みを減らし、その分ユニットバスを広くできる商品があるのです。
例えば、TOTOの「マンションリモデルバスルーム」は、一般的なユニットバスのサイズより、奥行き10cm~15cm、幅5cmまで広がります。

また、タカラスタンダードの「ぴったりサイズシステムバス」は、浴室スペースとユニットバスの間の空間の無駄をなくすために、ユニットバスのサイズを2.5cm刻みでオーダーできます。
梁や柱のある浴室でも、その形状に合わせてサイズオーダーが可能なので、これまで無駄になっていた隙間スペースを有効活用でき、これまでのユニットバスよりサイズが広がります。

浴室周りのプチ間取り変更で広さアップ
お風呂・浴室をリフォームで広くするため、浴室・洗面室周りの間取り変更をする方法もあります。例えば、浴室スペースの壁の位置をずらしたり、壁内部の配管の位置を変えるなどして、今までより広いお風呂・浴室を実現できることがあるのです。
ただし、マンションの場合、構造や共用の排水スペースの位置によっては、壁の位置変更等が難しいケースもあります。お風呂・浴室の面積をリフォームで広くできない場合は、浴槽を大きくしたり、形状を変えたりして浴室を広く見せる方法などを検討しましょう。
マンションのお風呂・浴室リフォームの実例を費用別に紹介
マンションの浴室リフォームで快適なお風呂ライフを手に入れた実例を費用別に紹介します。
※リフォーム費用は施工当時のもので、現在の価格とは異なる場合があります。
【リフォーム費用50万円】お風呂・浴室を、床タイルと壁パネルの貼り替えで刷新
床や壁がタイル貼りの在来工法のお風呂・浴室を、リフォームで刷新するのが希望でしたが、マンションの構造上、ユニットバスを入れると今よりお風呂が狭くなってしまうことが分かりました。そこで、お風呂・浴室の床タイルを貼り替え、壁にパネルを貼るリフォームを選択したのです。
お風呂・浴室の補修などに使われる壁パネルは、保温・防水性に優れ、掃除がしやすい加工が施された商品もあります。ユニットバスの導入に比べてコストが抑えられたのも大きなメリットだったそうです。

| リフォーム費用 | 50万円 |
|---|---|
| リフォーム内容 | タイル貼替、パネル貼り、設備交換、その他 |
| 築年数 | 43年 |
| 工期 | 約1カ月(住戸全体リフォーム) |
| 設計・施工 | アクアラボ |
【リフォーム費用82万円】掃除しやすく保温性の高いユニットバス(システムバス)に交換
お風呂・浴室をリフォームで、お掃除しやすく保温性の高いTOTOのユニットバス(システムバス)を採用した例。
床面は、掃除しやすく冬場も床がヒヤッとしない。保温性が高く、皮脂汚れなどが落ちやすい加工が施された浴槽は、広さも前よりアップして、ゆったりお湯につかれるようになりました。ユニットバスのカラーは、LDKと同じカラーリングを選んで、住空間全体のデザインを統一。心地良いバスタイムを過ごせるようになりました。

| リフォーム費用 | 82万円 |
|---|---|
| ユニットバス | リモデルバスルーム/TOTO |
| 築年数 | 26年 |
| 工期 | 約60日(住戸全体リフォーム) |
| 設計・施工 | JS Reform(日本総合住生活) |
【リフォーム費用90万円】浴室のプチ間取り変更でお風呂が広くなった!!
お風呂・浴室リフォームのポイントは浴室周りの間取り変更です。洗面室の面積を縮小して浴室を広げ、夫の身長に合わせた広い浴槽の入るユニットバスを導入しました。
ユニットバスは、細かいサイズ変更に対応できる商品を採用。お風呂・浴室の広さを確保するため、リフォーム会社が浴室周辺の間取りをミリ単位で計画し、細かく調整してくれました。
リフォーム後、夫の一番のお気に入りはお風呂だそう。「早く家に帰ってお風呂に入りたいと思う、理想の住まいが完成しました」と話しています。

| リフォーム費用 | 90万円 |
|---|---|
| リフォーム内容 | 洗面室・浴室の間取り変更・ユニットバス導入(タカラスタンダード)ほか |
| 築年数 | 49年 |
| 工期 | 約2カ月(住戸全体リフォーム) |
| 設計・施工 | 東京ガスリノベーション |
【リフォーム費用140万円】打たせ湯の機能も付くオーバーヘッドシャワーを導入
マンション住戸の床、壁、天井をすべて取り払って、躯体(くたい)のみの状態にし、間取りから造り直す大掛かりなリフォームをした例です。お風呂・浴室も含め、水回りの設備も一新しました。
お風呂・浴室のリフォームで選択したのは、天井にシャワーを固定した「オーバーヘッドシャワー」が標準仕様のユニットバスです。このほか、浴室換気暖房乾燥機、ランドリーパイプも取り付け、雨の日の洗濯物干しもラクになりました。
オーバーヘッドシャワ―は、シャワーのお湯が体全体を包み込む気持ち良さが魅力。さらに「打たせ湯」の機能も付き、シャワータイムもリラックスできます。

| リフォーム費用 | 140万円 |
|---|---|
| リフォーム内容 | ユニットバス導入(LIXIL/ソレオ)ほか |
| 築年数 | 48年 |
| 工期 | 70日(住戸全体リフォーム) |
| 設計・施工 | JS Reform(日本総合住生活) |
【リフォーム費用156万円】木目調の壁パネルを使い、温泉宿の雰囲気漂う浴室に
お風呂・浴室リフォームでは、デザインの自由度が高いユニットバスを採用。木材や石材をイメージさせるパネルをコーディネートし、温泉宿のような雰囲気に仕上げました。ユニットバスの機能も充実。浴槽には、お湯の中に酸素を含むミクロの泡を噴出させる機能が付いているそう(酸素美泡湯)。酸素美泡湯は湯冷めしにくく、入浴後の肌のしっとり感が長続きする効能があるといいます。
浴槽やカウンター、床は、汚れが付きにくい素材なので、お風呂掃除もラクになったそうです。

| リフォーム費用 | 156万円 |
|---|---|
| リフォーム内容 | ユニットバス導入(Panasonic/Lクラス)ほか |
| 築年数 | 22年 |
| 工期 | 2カ月(住戸全体リフォーム) |
| 設計・施工 | サンリフォーム・FUN-HOME不動産(株式会社サンリフォーム) |
マンションの浴室・お風呂リフォームの注意点
マンションのお風呂・浴室リフォームを思い立ったら管理規約を確認
マンションの多くは、リフォームをする際に管理組合に申請し、承認を受ける必要があります。
また、マンションの管理規約や使用細則などでリフォーム内容が制限されているケースもあります。特にお風呂・浴室などの水回り近くには、共用の排水管を通すスペースなどがあるため、注意が必要です。
多くの場合、リフォームの見積もりや設計の時点で、リフォーム会社から管理組合に確認してくれますが、リフォームを考え始めたら、管理規約や使用細則をチェックして、基本的なことだけでも知っておくとリフォーム計画を進めやすくなります。
お風呂・浴室の位置を変えられるか確認
マンションのお風呂・浴室リフォームで気を付けたいのは、「共用部には手を加えられない」ことです。共用部は、外壁や隣室との境の壁、バルコニーや玄関ドア、サッシ窓など、住戸の外回りのほか、共用の排水管スペースや建物を支える壁や梁など家の中にもあります。
特に、浴室やトイレなど水回り付近には、共用のパイプスペース(排水管などが入るスペース)があり、給水管の位置が動かせず、大きな間取り変更はできないケースもあります。専門家でないと分からない部分もあるので、リフォームを思い立ったら早めにリフォーム会社に相談して現地調査をしてもらい、できること、できないことを整理してもらうと良いでしょう。

マンションのお風呂・浴室リフォームで使える補助金や減税制度
お風呂・浴室リフォームは、国や自治体の補助金制度が使える可能性があります。また、家族に「要介護・要支援者」がいる場合は、介護保険から浴室の手すり設置などのリフォーム工事費20万円を上限に、1~3割の利用者負担分を除いた金額が支給されます。(利用者負担分は所得に応じて設定されます)
いずれの制度も補助や減税を受けられる人やリフォーム内容の条件があります。詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
マンションの浴室・お風呂リフォームは信頼できる会社選びがコツ
マンションの多くはリフォームの際、管理組合に事前に申請書を提出する必要があります。申請書の作成はリフォーム会社が代行するのが一般的です。
また、両隣や下の階の方にも挨拶に行き、リフォーム内容を簡単に説明しておきましょう。リフォームはどうしても騒音が出てしまうので、事前に説明しておくことで不要なトラブルを避けられることもあります。 このように隣近所の方の目線が近いマンションリフォームを成功させるためには、信頼できる「会社選び」が大きなポイントです。
構成・取材・文/森島薫子 イラスト/長岡伸行