都心との距離感が絶妙。「住みやすさ」に溢れた街、稲田堤

著: オバラミツフミ

東京に憧れて地元・秋田県湯沢市から東京の大学へ進学して5年目になりました。

僕の地元、秋田県湯沢市にはマクドナルドもケンタッキーもありません。電車は1時間に1本。2両編成なのにガラガラ。メインストリートにあるお店は午後5時にシャッターが閉まり、冬になれば「これでもか!」と雪が降る、それはそれは想像しやすい田舎町です。

そして案の定、高齢化が進んでいます。実家が旅館業を営んでいることもあり、温泉に来る近所のおじいちゃんおばあちゃんたちとおしゃべり三昧。可愛がられて育ちました。

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▲実家から見た地元の風景。見渡す限りの山、山、山


そんな地元は今でこそ「人の魅力に恵まれたいいところ」だと思えますが、当時は田舎で過ごす時間に比例して、都会への憧れが強くなっていきました。特に高校生のときは、とにかく一度東京に住んでみたいと、唯一地元を出るチャンスだった大学受験をいまかいまかと心待ちにしていたことを覚えています。

渋谷、恵比寿、吉祥寺……。大げさに言えば、テレビで見るビガビガな街に住みたくて、大学受験をしたようなものです。

今回はそんな東京に憧れまくった僕が今住んでいる街を学生の視点で紹介したいと思います。渋谷、恵比寿、吉祥寺……ではなく、神奈川県川崎市の「稲田堤」です(あれ?)。

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人一倍都会への憧れが強かったはずなのですが、結局決して都会らしいとは言えない街に住んでいます。住み始めたきっかけは、弟の大学進学。二人暮らしをすることになって、お互いにとって交通の便が良い場所を調べた結果、この街に住むことになりました。

実は、住む前にも何度か乗り換えで利用したことがありました。ただ、「憧れのトーキョーライフ」からは遠い、なんだかパッとしない街、言ってしまえば住みたくないなと思っていた街の一つでした。

そんな街に、まさかこうして住むことになるとは。

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▲駅から5分!一級河川・多摩川


しかし、もうかれこれ住み始めてから3年。昔から「住めば都」とよく言いますが、長く住めば住むほど徐々にこの街の魅力が見えてきました。行ったことのないお店に足を運んでみたり、川沿いで昼寝をしたり……。小さな街とはいえ、日々ちょっとした発見の連続です。気が付けば、今ではすっかりこの街が好きになりました。

学生注目ー!アクセス抜群なのに家賃は激安!

路線は、JR南武線と京王相模原線の2つが使えます。両駅の距離は徒歩で4分くらい。京王稲田堤駅からは約5分で調布、約30分で新宿・渋谷に行けて、JR南武線稲田堤駅からは立川へ約20分。稲田堤自体は田舎っぽい雰囲気のある街ですが、電車ですぐのところに栄えた街が点在しています。

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大きな買い物をするときは調布に行くこともありますが、稲田堤にも商店街が2つあるので大体の物はそろいます。100円ショップがないのはちょっぴりしんどいですが、それ以外は特に不満を感じたこともありません。

それでいて家賃が非常に安いのは結構な推しポイント。僕が住んでいる物件は、駅から徒歩3分の2LDKで家賃10万円!弟と半分こして1人5万円だと考えれば、十分すぎる広さと使いやすさです。

飲食店も充実!稲田堤のグルメ事情

飯屋は少ないんでしょ?なんて思う方がいるかもしれませんが、小さな街の割に飲食店が充実しているように思います。特に、学生にうれしいファストフードのお店が多いんです。

地元には無かった憧れのマクドナルドと新進気鋭のフレッシュネスバーガー、こちらももちろん地元にはなかった松屋と日高屋、Sガストが主戦場。学生はどれだけ安くお腹いっぱいになれるか、そして飽きないよううまくローテーションを回すのが重要ですから、飯屋が多いに越したことはありません。

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▲神メニューと思っているSガストの「マヨガリ竜田丼」

ただ迷った挙句、結局行くことが多いのがSガスト。特に神メニューだと思っている「マヨガリ竜田丼」は、これまでにいくら食べたか分かりません。がっつり食べられる上にお味噌汁がついて400円。去年は軽く200杯食べました。間違いなく学校より通ってます。

ファストフードだけでなく、たまには贅沢もします。テレビ東京『孤独のグルメ』でも取り上げられた絶品焼肉店「寿苑」は開店と同時に満席になる名店です。勝手に「寿苑」で焼肉を食べるのは稲田堤に住む人、特に学生にとっては最高の贅沢なんじゃないかと思っています。

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たっぷりのネギとニンニクをまぶした「ガーリックハラミ」は、写真だけでも卒倒レベルの美味しさが伝わるかと……。一人3000円もあればお腹いっぱいになれるくらいなので、コストパフォーマンスも良いんです。

ただ、店内がやたら煙たいのは注意。煙のせいか、美味しすぎるせいか、食べ終わるころにはいつも目頭に熱いものがこみ上げてきます。でも、これがクセになってまた来たくなってしまうのです……。

南武線×京王線といえば東京競馬場!

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(画像:PIXTA)

稲田堤に遊び盛りの大学生を満足させるスポットはすぐ思いつきませんが、電車に乗って10分で、日本最大の競馬場に行くことができます。

「競馬?おっさんくさい!」と思う人もいるかもしれませんが、本当に感動しますよ。デカすぎるスクリーン、青々としたターフ、そしてワンカップがお友達の陽気なおじさんたち。この辺の風物詩ともいうべき光景は、見ているだけで大満足。その場にいるだけで会場の熱気を楽しめます。(馬券の購入は20歳以上から)

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(画像:PIXTA)


それにしても先日開催された「日本ダービー」はすごかった……!家族連れからカップル、もちろんおじさんたちも大興奮。来場者数は12万人だったそうです。普段は窮屈さしか感じない8両編成の南武線も、数万人をせっせと運ぶ大活躍っぷりでした。ヘビーユーザーとして、なんだか誇らしい。

結果は残念ながら惨敗でしたが、稲田堤に帰ってきて、友人らと反省会をやるのもまた一興。負ける度に通っている地元の有名店「やきとり酉将」は『吉田類の酒場放浪記』に取り上げられたこともある人気店。

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常連さんでにぎわうお店ですが、比較的早い時間は空いています。串は1本100円〜とリーズナブル。味は文句なしで、絶品。他にもチャーハンやモツ煮など品ぞろえが豊富なのもうれしいポイント。また、カウンターでお客さんとの一期一会を楽しめるのも良いところ。お客さんたちも良い人ばっかりなんです。

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▲お店の看板娘・ちなつちゃん

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ちなみに、看板娘・ちなつちゃんのオススメはレバーとピーマンの肉巻き。甘辛いタレが、新鮮なお肉と濃厚に絡みます。濃いめの味付けで、ホッピーがすすむ……。初めてお店を訪れた日から、美味しい料理と気さくな接客の虜です。

注文時は「味付けはどっちにする?」と聞いてくれるので「タレで」とお願いするのですが、返事はいつも「任せておけ」。メニューによっては塩味で出てくることもあります(笑)。チェーン店ならありえない気さくな接客も楽しみの一つ。

稲田堤で晩酌をするときは「飲みに行こう」という会話にはならず、「酉将行こう」が口癖になってる気がするなあ。

「住みやすさ」に溢れた街、稲田堤

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大都会に憧れて秋田からでてきたものの、なんやかんや稲田堤の魅力に取り憑かれています。

稲田堤に住んでみて、憧れの街=必ずしも住むのに適した街というわけではないのかな……と思うようになりました。秋田を離れるときにおばあちゃんが「東京な住むとこでねえど(東京なんて住むような街じゃないよ)」とよく言っていて、その理由もなんとなく肌で感じられるように。

商店街の中にある「ドトール」に、よく本を持ってコーヒーを飲みに行くのですが、店内を時々眺めながらいつも思うのが「お客さんが毎日一緒」というところ。何回来ても、毎日同じお客さんがいるんです。

そして、そのお客さんたちはいつもグループになって世間話をしています。娘があーだ、息子がこーだ、孫がうんたらこうたら。

話を聞きながら、「これ、どこかで見たことあるな」と思ったんですよね。考えてみたら、そのまんま僕の実家の風景と一緒でした。最初にお伝えしたように、僕の実家は旅館業を営んでいて、そこには地域のおじいちゃんおばあちゃんが集まってきます。

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お風呂から上がって、皆が休憩室でたわいもない会話を楽しそうにしている。ドトールで見た風景は、それと全く一緒でした。住んでいる人の顔が見えて、お店の人とも顔なじみのよう。地域に人の結びつきがしっかりあるんです。そう気づいたときに、きっと「暮らしやすさ」ってこういうことなのかもしれない、って思いました。


都心はなんでもそろって、それはそれで魅力的なことですが、時々むしろそろいすぎているなって思うことがあるくらい。どこに行っても人だらけ、ものだらけ。

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(画像:PIXTA)


ずっと都心に身を置いていたら、たまに行くからこそ感じられる買い物の楽しさや、わざわざちょっぴり時間をかけて食べに行くディナーのワクワクが失われてしまうような気がしました。

やっぱり、住む街と遊ぶ街はそれぞれ違った良さがあり、住みやすいと思う街には、日々暮らすのに最適な魅力があるのかもしれない……。家賃しかり、飯屋しかり、自然しかり。それらの要素がありつつ、都心にも足を延ばしやすい稲田堤はなんとも絶妙な街なんじゃないか。


地元を離れてから5年。都会への憧れは消えた訳ではありませんが、都会以外の良さも分かってきました。むしろ、今ではちょっぴり郊外だったり、田舎に暮らすほうが良かったりするんじゃないかとも思いはじめています。

ちなみに、田舎生まれの学生が考える「都心近郊で上手に暮らす条件」を簡単にまとめてみました。特にこれから地方から東京近辺の大学へ進学する学生さんにちょっとでも参考にしてもらえたらうれしいです。


(1)生活コストが高すぎないこと。無理して都心に住むより、郊外で家賃を抑えるのも良い。

(2)住んでいる人の顔が見えること。住む場所はほっこりできる場所じゃなくっちゃ。

(3)全部がそろわないこと。ちょっとした不便さは、毎日を楽しくする要素でもある。

後1ついえば……

(4) 都心に出る楽しみが消えないこと。あんなに楽しみにしていた東京、早々に知り尽くしてしまうのはもったいない!


弟が物件選びに来る前は「渋谷のど真ん中に家を借りたい」なんて思っていましたが(笑)、しなくてよかったです。稲田堤に引越して「住みやすさ」ってなんなのか、わかったような気がします。


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著者:オバラミツフミ

オバラミツフミ

秋田県湯沢市出身。趣味は商店街を歩くことと喫茶店を巡ること。

Twitter:https://twitter.com/ObaraMitsufumi

ブログ:https://note.mu/obaramitsufumi