
ハロー!プロジェクト初の佐賀県出身者であるOCHA NORMAの筒井澪心さん。現在は佐賀県内の交通安全の啓発活動にかかわるなど地元のお仕事も充実し、今年は佐賀 LIVE HOUSE GEILSでの単独公演も果たしました。
14歳でオーディションに合格し、上京。その後も着々と夢への歩みを進めている筒井さんに、佐賀で過ごした幼少期の思い出や、ファンの方にもオススメしたいご当地グルメなどを伺いました。
幼いころの夢はハロプロアイドル。ステージデビューは佐賀のお祭りで

―― 筒井さんは幼少期からアイドルに憧れていたそうですね。
筒井:物心ついたときから「ハロー!プロジェクトのアイドルになりたい」と思って生きてきました。もともと母が大ファンで、家や車の中でもずっとハロプロの曲が流れてたんです。
―― 子どものころは地元でどのように過ごしていましたか?
筒井:公民館にある滑り台やキックボードで遊んでいました。伊万里市にある「いまり夢みさき公園」で遊んだり、「伊万里市国見台運動公園」で陸上の練習をしたりすることもありました。小さいころに地元のお祭りのステージで、ソロで踊ったこともあるんです。
―― すごい! 随分早くからステージデビューしていたんですね。
筒井:お祭りで見てくださった方々がたくさん歓声をくれて、人の温かさを感じたことを覚えています。通っていたダンススクールで地域のイベントに出演することもありましたし、人前でパフォーマンスをする楽しさは佐賀で学びました。
―― 上京することが決まったとき、周りの反応はどうでしたか?
筒井:オーディションを受けに東京に行って、その日のうちに合格と上京が決まったんです。数日後、佐賀に帰ったころには、私がアイドルになることを学校中のみんなが知っていました。すぐに東京に引っ越しをすることになったのですが、あまり時間がない中、学校のみんなが「澪心を送る会」を開いてくれました。そのときにもらった色紙やお手紙は、今でも大事にしています。
―― 急な上京にもすてきなやりとりがあったんですね。筒井さんは、もともと東京への憧れはありましたか?
筒井:緑が多く、田んぼだらけのエリアで育ったので「高層マンションをひと目見てみたい」という東京への憧れはありました。上京するまでは、大きなビルを見たこともあまりなかったんです。いざ東京に来てみたら、人の多さが佐賀とは桁違い。想像以上でした。それに佐賀では電車が1時間に1本しかないことも多かったんですけど、東京は1本逃しても3分後には次の電車が来るのですごく便利だなと思いました。
「5時間はいられる大好きな場所」吉野ヶ里遺跡

―― 佐賀に行ったら絶対に行ってほしいスポットはどこでしょう?
筒井:「吉野ヶ里遺跡」が大好きなんです。木でできた建物や塀がたくさんあるので、すごく自然が感じられるスポットです。展示はもちろん、火おこしや勾玉(まがだま)づくりなども体験できますし、5時間はいられる場所です。
―― 5時間も! 見どころが満載なんですね。何がきっかけで吉野ヶ里遺跡に足を運ぶようになったんですか?
筒井:日本の歴史について調べるのが好きで、きっかけは卑弥呼なんです。普段はあまり本を読まないんですけど、卑弥呼の本だけは買ったことがあるんですよ。そこから彼女が生きていたとされる弥生時代のことも調べるようになって、弥生時代の環濠(かんごう)集落跡の吉野ヶ里遺跡に通うようになりました。
―― ほかの歴史スポットや佐賀県のイベントに行くこともありましたか?
筒井:「有田陶器市」に行ったことがあります。全国的に有名なので、佐賀県民としても誇れるイベントです。
あとは「有田ポーセリンパーク」にもよく行っていました。ツヴィンガー宮殿を囲む幻想的な景色が印象的で、有田焼のろくろ体験、絵付けができます。「酒・器」がメインのテーマパークですが、昔ながらの遊具もあり大人から子どもまで楽しめるんですよ。
小学生のころは施設内のビュッフェレストラン「山海酒房 『のんのこ』」(現在休業中)に行っておなかいっぱい食べた後、宮殿をお化け屋敷に見立てて、友達と探検して目一杯遊びました。
―― 佐賀県は有田焼も有名ですよね。ふだんの生活でも有田焼に馴染みはありましたか?
筒井:はい。最近、佐賀に帰省したときに「真右エ門窯」で絵付け体験をしました。お店にはいろんな器が並んでいて、どれも本当にきれいなんですよ。佐賀に来たら、ぜひ有田焼の器をゲットしてほしいですね。少し高価なんですけど、箸置きだったら値段も手ごろで、手に入れやすいと思います。
―― ほかにも佐賀のおすすめスポットがあれば教えてください。
筒井:佐賀の観光地を聞かれたときは、よく「祐徳稲荷神社」をオススメしています。初詣も毎年ここに行っていたんですよ。とてもきれいで神秘的な空間なので、行くたびに心が浄化される気がします。お参りするときは、ぜひ周りの景色もゆっくり楽しんでほしいなと思います。
家庭ごとに味付けが異なるシシリアンライスがソウルフード

―― 佐賀のおすすめグルメは何ですか?
筒井:「ブラックモンブラン」アイスはぜひ食べてほしいです!バニラアイスにチョコとクッキークランチがまぶしてあるアイスなんですけど、本当においしくて、一時期は毎日のように食べていました。
OCHA NORMAの佐賀公演のときには、高島豆腐店の「ごどうふ」を差し入れしました。メンバーにもすごく好評だったので、ぜひみなさんにも食べてみてほしいです。
―― 地元にいたときは気づかなかったけど、実は佐賀の名物だったものはありますか?
筒井:「シシリアンライス」! 学校の給食や家のごはんでよく食べていたので、てっきり全国的なものだと思っていたんです。でも、上京してから佐賀市の名物だと知ってびっくりしました。シシリアンライスって普通は牛の薄切り肉と野菜がのっていることが多いんですけど、うちでは牛のひき肉を使ってつくっていました。
―― シシリアンライス、ご家庭ごとに味付けが異なるんですね。
筒井:観光で来たときにお店で食べるなら、佐賀市駅前にある「GRILL TAKESHITA」がオススメです。シシリアンライスがおいしいのはもちろんなんですが、ランチタイムにはブラックモンブランが食べ放題なんですよ!
―― 手土産のオススメ佐賀銘菓は?
筒井:「小城羊羹」もオススメです。一般的な羊羹はしっとりしているものが多いと思うんですけど、小城羊羹はまわりが砂糖でパリパリしているのが特徴なんです。この間、佐賀空港で「村岡総本舗」の小城羊羹を買ったんですけど、一口サイズなのでパクパク食べられて、小倉や抹茶など味の種類も豊富なんですよ。本当においしくてびっくりしました。
あとは、「さが錦」もいいと思います。山芋や小豆が入った生地をバームクーヘンでサンドしたお菓子で、よくおばあちゃんの家で食べていました。海外から来た観光客の方にも人気みたいです。
ちなみに、私が佐賀に帰るたびに買っちゃうのは、ブラックモンブランのクランチチョコですね。佐賀空港でも売っているので、いつも2箱買って帰ります。
ライブやイベントにサプライズで応援に駆けつけてくれる地元の仲間たち

―― 最近は佐賀でのお仕事も増えてきましたね。筒井さんが「地元の方に応援されているな」と実感するのはどんなときですか?
筒井:小学生や中学生のころの担任の先生が、OCHA NORMAのライブを見に来てくれたのには感動しましたね。チケットを買って、ファンとして来てくれたんですよ! 本当にびっくりしましたし、うれしかったです。佐賀でのリリースイベントのときも、友達が応援に駆けつけてくれて、すごく励まされました。
―― 地元のみなさんに見守られながらパフォーマンスできたんですね。すてきです。
筒井:友達が来ることを事前に知っていると私が緊張しちゃうことをみんなよくわかっているので、何も言わずにサプライズで駆けつけてくれました。だからパフォーマンス中にステージから「え!? 友達来てる!?」と気づくんです(笑)。
―― 佐賀県内のCDショップでも、大きくOCHA NORMAが展開されていますよね。佐賀全体で筒井さんを応援していることが伝わってきます。
筒井:そうなんです! タワーレコード佐賀店さんにはOCHA NORMAのコーナーがあるんです。そこに置いてあるノートに、友達がこっそりメッセージを書いてくれていたこともあって。すごくうれしかったです。
―― 先日、OCHA NORMAとしての佐賀公演も開催されましたね。
筒井:これまでも福岡や長崎でコンサートをすることはあったんですけど、なかなか佐賀でやれる機会がなかったんですよね。佐賀での単独公演は夢のひとつだったので本当にうれしかったです。OCHA NORMAのライブはいつもアットホームな空間なんですけど、この日はいつも以上に温かみを感じられた気がします。楽しすぎてアドレナリンがドバドバ出て、忘れられない公演になりました。
―― 佐賀公演のときにメンバーと佐賀観光はできましたか?
筒井:鹿島市にある日本三大稲荷のひとつ「祐徳稲荷神社」と嬉野市のテーマパーク「佐賀元祖忍者村 肥前夢街道」に行きました! 忍者村は私も初めて行ったんですけど、真夏だったので忍者のお兄さんたちはとても大変そうでした(笑)。スケジュールの都合もあり30分くらいしかいられなかったので、次はゆっくり見て回りたいです。
夢はOCHA NORMAの佐賀バスツアーと観光大使就任

―― 筒井さんが佐賀でかなえたいことは?
筒井:佐賀観光大使になりたいです。佐賀は常に発展しているので、置いていかれないように東京にいても情報収集はしていきたいなと思っています。それと、いつか有田陶器市の大きなステージに出演したいです。外国の方も多く訪れるイベントなので、いろんな方にOCHA NORMAを知ってもらえるきっかけになるんじゃないかなと思います。
―― 筒井さんならきっとどちらもかなえられると思います。OCHA NORMAとして、みんなで佐賀でやってみたいことは?
筒井:OCHA NORMAのみんなでゆっくりと佐賀観光をしたいです。以前、西﨑美空ちゃんの出身地である岡山県でファンの方々と一緒にバスツアーをやったんですよ。私自身もメンバーもファンの方も地域の魅力を知ることができる機会になると思うので、次はぜひ佐賀で企画したいです。
お話を伺った人:筒井澪心(つつい ろこ)
2007年8月10日生まれ。ハロー!プロジェクト初の佐賀県出身で、2021年に「OCHA NORMA」としてデビュー。趣味は歌を歌うこと、ライブ映像を見ること
ライター:伊藤美咲 撮影:あべあさみ 取材・編集:小沢あや(ピース株式会社)
