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中部エリア最大のターミナル駅、名古屋駅がある中村区。面積は16.31㎢で、人口は13万5504人。人口密度は8番目と、16区内では真ん中に当たる。転入出が多く、2015年2月中の転入は696人、転出は755人だ(名古屋市ウェブサイト「平成27年3月1日現在の名古屋市の世帯数と人口」より)。
名古屋駅にはJR東海道新幹線と在来線の全列車が停車し、5つの地下街が広がっている。駅前は高層ビルが建ち並ぶオフィス街かつ商業地区で、通勤時間の短縮や、何でもそろう利便性は大きなメリット。シングルが選ぶランキングで5位に入っているのも、働く層から支持を得ている証しだろう。
駅の東側には「JRセントラルタワーズ」のツインタワーやナナちゃん人形、百貨店が並ぶ。また、柳橋中央市場がある「名駅4」には個性的な居酒屋も数多い。一方、「駅西」と呼ばれる西側は雰囲気が変わり、昔ながらの民家や下町らしい飲食店が点在する。古くからの喫茶店や立ち飲み屋など、情緒ある店が見つかるエリアだ。ちなみに、このあたりには「日吉」や「豊臣」、「千成」といった地名や学校名が残っていて、豊臣秀吉の出身地という歴史を物語る。
名古屋駅前のイメージからすると意外だが、実は中村区は戦前からの住宅街として発展してきたエリア。区内全体が市内きっての下町地域でもある。地下鉄東山線亀島駅や本陣駅、中村日赤駅周辺や、地下鉄桜通線中村区役所駅周辺など、都心の喧騒から離れた住宅街があちこちにあり、下町情緒漂う商店街も残る。近年は住宅地の高齢化も進み、2015年2月1日時点では65歳以上の高齢化率が27.1%(名古屋市ウェブサイト「毎月1日現在の年齢3区分別人口、平均年齢、年齢中位数」より)と市内で3番目に年配者が多い区となっているが、「太閤」に新興住宅地ができたことで、若いファミリーも増えつつある。
地域のネットワークを活かした子育て支援体制も魅力だ。2014年度は各学区のコミュニティーセンターで、0〜1歳向けの子育てサロンを開催。核家族化する母親たちの孤独や悩みを解消する場となった。区内の保育環境は認可保育所が19カ所(2014年4月1日現在)。市への届出対象の認可外保育施設は5カ所(2015年2月6日現在)。そのほか病児・病後児デイケア施設が1カ所ある。
現在は2027年のリニア中央新幹線開業予定に向けて、大規模な再開発が一斉に行われている。まず2015年11月に、郵便局や商業施設が入居する「JPタワー名古屋」が誕生。2016年には「大名古屋ビルヂング」が生まれ変わり、シネコンが入居する「第二豊田ビル」も完成。2017年には、「JRゲートタワー」が竣工し「ジェイアール名古屋タカシマヤ」が増床する。
さらに、駅の南に広がる笹島エリアで「ささしまライブ24」の大規模再開発も進行中。2015年にウエディング施設が完成し、2016年には中京テレビ放送の本社が移転。2017年には愛知大学名古屋キャンパス第二弾のほか、敷地内にオフィスやホテルが入居する複合施設「グローバルゲート」が竣工予定だ。
名古屋駅の再開発によって、世帯数の変動や人口増加が見込まれる中村区。多世代が共生し、より開かれた地域になることを期待したい。