賃貸初心者が失敗しがちな注意点、お部屋探しや選び方、一人暮らしのチェックポイント

最終更新日 2023年11月01日
賃貸初心者が失敗しがちな、お部屋探しチェックポイント

夢ふくらませて賃貸物件を探し始めたのはいいけれど、「何を重視して選んでいいか分からない」「条件がありすぎて探すのが大変」なんてことも多そう。今回は、初めての部屋探しで実際にあった失敗の声を、部屋探しのプロからのアドバイスや賃貸物件の選び方も併せて紹介。賃貸初心者だけでなく物件選びに失敗した経験のある人にもチェックしてもらいたい注意点やポイントが満載です。

一人暮らしの物件を選ぶポイント

「現在の住まい(賃貸)の決め手となった項目(家賃を除く)」は、「2022年度賃貸契約者動向調査(首都圏)」によると、「路線・駅やエリア(44.7%)」、「最寄駅からの時間(37.4%)」、「通勤・通学時間(36.5%)」、「初期費用(33.9%)」、「間取り(25.9%)」などが上位に挙げられます。

決め手となった項目(家賃をのぞいた条件)
一人暮らしをする人が物件を選ぶときに決め手になった項目(2022年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)/SUUMOリサーチセンター より引用)

コロナ禍でリモートワークなどが増えた背景から、利便性や最寄駅からの時間を重視する人が多い一方で、間取りなど物件の住みやすさを重視する傾向もあります。生活スタイルや自分の優先したい項目のバランスを取りながら検討することをおすすめします。
次から実際に賃貸物件を契約して失敗した事例をもとに、部屋探しにおいて重要なポイントを見ていきましょう。

より詳しく一人暮らしでの物件選びのポイントをチェックしたい方はこちら
一人暮らしの部屋探し・物件選びのポイントは? 部屋探しの基礎を解説!

失敗パターン1.立地条件にこだわった結果、周辺環境や設備を見落としてしまった

部屋探しの失敗:周辺環境や設備の見落とし

初めて部屋探しをするとき、学校や会社などから近いか、最寄りの駅はどこかなど、立地条件にこだわる人が多いようです。その結果、駅から近くて便利なのはいいけれど、住んでみたら「大通り沿いなので夜酔っぱらいがうるさい」「学生街なので夜騒がしかった」「都心なので物価が高い」なんて失敗談も。

また、便利さに気をとられ、部屋や共用スペースの設備を見落としていて、「収納スペースがほとんどなかった」「宅配ボックスがないので宅配便が受け取れない」「自転車やバイクに乗るのに置き場がない」など、不満が残る声もあがっていました。

部屋探しのプロによると、「部屋そのものだけでなく、駅までの道を実際に歩いたり、周辺の夜の様子をチェックしておくと、より納得がいく住まいが手に入ります。引越し後の生活スタイルを想像して、必要な施設などをリストアップしておくといいですよ」とのこと。よく利用する施設は、駅までの道沿いにあると便利だそう。

部屋探しのプロからのアドバイス
  • スーパー、コンビニ、レンタルビデオ店などの商業施設や、病院、図書館などの公共施設があると生活しやすい。自分に必要な施設をリストアップして、家や駅の周辺にあるか確認して
  • 女性なら、駅からの道のりで暗い道はないかなど、夜の雰囲気をチェックしておくと安心
  • 自分で実際に足を運べない場合には、不動産会社の担当者にどんどん質問を。インターネットのストリートビューを利用するのも雰囲気が分かってGOOD
  • 急な坂道や歩道橋、墓地や歓楽街を通るかどうかなど、車で内見に行くと気付きにくい点もあるので、駅からの道を実際に歩いて確認すると安心(明光トレーディング武澤さん 以下、武澤さん)
  • 契約時に駐輪場やバイク置き場が空いていない可能性がある(1部屋につき1台確保とは限らない)(武澤さん)

失敗パターン2.住みやすさを重視した結果、立地条件が悪かった

普段の生活のしやすさを優先した結果、立地条件に不満が残ることもあります。このケースは、「閑静な住宅街にあるので静か」「3駅利用可」といった言葉に引かれて契約した人に多いケースかもしれません。立地条件をちゃんと確認しておかないと、「駅から遠い」「職場が遠い」「3駅利用はできるけれど、どの駅も近くなかった」「朝、最寄駅までのバスがなかなか来ないので、通学・通勤に余分な時間がかかる」といったことが起こります。

「立地条件が悪いと、更新時に引越しを検討する人も多いんです。我慢できると思っても、通学・通勤は毎日のこと。日々の小さなストレスが、いずれ大きな不満に変わることもあります」とプロの声。通学・通勤のしやすさも考慮に入れた部屋探しは、学生や会社員にとってマストのようです。

また、学校や通勤先に行きやすいだけでなく、よく遊びにいくエリアが通学・通勤ルート内にあると便利です。仕事が忙しくて帰りが遅くなる人は、終電の時間や駅からの帰り道の様子などもチェックしておきたいですね。

ほかにも「幹線道路沿いや海や河川近くも要注意です」とのこと。幹線道路沿いは通気口やベランダの内壁が黒く汚れます。洗濯物を1日干しているとTシャツが黒くなってしまうこともあるので、気になる場合は、内見の際に通気口やベランダの内壁が黒ずんでないか確認しましょう。海や河川近くは浸水などの被害がないか過去の履歴を管理会社に聞いたり、ハザードマップをチェックすると安心です。

部屋探しのプロからのアドバイス
  • 立地条件が悪いのは引越しを検討する理由のひとつ。通学・通勤のしやすさを考えた物件選びを
  • 利用できる駅が多い=どの駅からも遠い可能性あり。事前に地図などで確認をして
  • 終電の時間や街の様子、遊びに行くエリアへの利便性などを考慮に入れて、路線や最寄駅を選ぶとGOOD
  • 幹線道路沿いは、窓やバルコニーのほか、通気口やベランダの内壁の排気ガス汚れに注意して(武澤さん)
  • 海や河川のそばは災害時に浸水などの被害について、ハザードマップで確認しておくと安心(武澤さん)

失敗パターン3.気に入ったポイントに気を取られ、引越してから他の設備の使いづらさに気付いた

部屋探しの失敗:使いづらい設備への不満

次は、気に入ったポイントがあったため契約したけれど、引越してみたらほかの部分が「使いづらい……」と後悔するパターンです。例えば、「ロフトが気に入ったけれど、仕事が忙しくて、疲れて帰ってそのまま床のラグで寝てしまう」「水まわりが充実していて自炊には最高だけど、収納が狭くて荷物が出しっぱなし」「最上階で広いけれど、日当たりがよすぎて暑い」「オートロックが安心。でも幹線道路に面していてうるさい」など。

これは、

  • 条件に優先順位をつけること
  • 最低限の妥協ラインをあらかじめ決めておくこと

で失敗を防ぐことができます。内見時に見落としがちな設備としては、「収納が狭い」「キッチンが狭い」「洗濯機置き場が外」「水まわりの動線が使いづらい」「天井が高く冬寒い」「ユニットバスが使いにくい」「防犯面が不安」など。人によって気になる部分は異なるので、自分の生活パターンを考えて優先順位をつけましょう。

また、「置きたい家具・家電がうまく置けなかった」ということもあるようで、「内覧時に置き場所の確認ができるようメジャーがあると便利です」とのことでした。

インターネット回線に関しては、特にマンションタイプは全戸で回線を分け合うため、混み合う夜の時間帯はどうしても遅くなりがちです。また、戸建てでない限り「住んだ後に希望の回線を使えるようにするのは難しい」というのが実情のよう。物件によって使える回線は異なり、自分が使いたい回線が利用できないケースがあるためです。在宅勤務や動画配信を頻繁に行うなどで新たに回線を引きたい場合は、契約前に確認しておくのがよさそうです。

部屋探しのプロからのアドバイス
  • 妥協できるポイント、必ずおさえておきたいポイントを書き出して、優先順位をつけておこう
  • 内覧時には、置きたい家具・家電が収納できるかどうか確認するため、メジャーがあると便利
  • インターネット回線は、住んだ後に希望の回線に変更するのは難しい。特にマンションタイプはさらに難易度が高くなる(武澤さん)
  • 新たに回線を引きたい場合は契約前に確認をしよう(武澤さん)

失敗パターン4.住んでから騒音などが気になることが判明した

条件面はバッチリなのに、住んでみたら上階や隣の部屋、近くの幹線道路の音が気になって眠れない……なんてことも。よくあるのは、「上階の足音や生活音」「隣室の音楽やドアの開け閉めなどの生活音」「幹線道路のトラックが走る音」など。中には「トイレを流す音」や「階段を上る音」が気になることもあるよう。ただし、武澤さんによれば、「上階かと思っていたら実は斜め上の部屋の音だったということもあるので、物件によって音の聞こえ方は違うと思ったほうがいいですね」とのこと。

騒音の失敗を防ぐには、実際に現地を訪れ、共用部分に騒音に関する注意喚起の掲示があるか、地図や現地で周りに騒音の原因となるもの(幹線・高速道路や線路、公園など)があるか事前確認を。また、管理会社に過去の騒音トラブルの履歴や壁や床の厚さや窓の防音性能、二重サッシかを聞き、壁が厚さ18センチ以上、床は2重床や厚さ20cm以上なら防音効果はある程度期待できます。また、「音は入居者が帰宅している夜のほうが気になります。管理会社が対応してくれるなら、夜の時間帯に内見をするのも一つの方法です」と武澤さん。

騒音に関しては、音の気になり方には個人差があるため、「自分の責任で納得できる物件を選ぶことが大事」だと言います。周りの入居者の生活音を自分の基準まで変えようとするのはトラブルの元。割り切って多少の生活音は許容する気持ちも大事です。入居者や建物の状況によって変わるので一概に言えませんが、どうしても気になるなら最上階や角部屋、戸建てを選んだほうが緩和される可能性があります。

部屋探しのプロからのアドバイス
  • マンションなどの共用部分に、騒音の注意喚起文の貼り紙や掲示があるかをチェックしよう(武澤さん)
  • 事前に地図や現地で騒音の原因になるもの(幹線・高速道路や線路、公園など)があるか調べておこう(武澤さん)
  • 管理会社に壁や床の厚さや窓の防音性能、二重サッシかどうか聞くと安心(武澤さん)
  • 多少の生活音は許容する気持ちも大事(武澤さん)

失敗パターン5.条件がよく、気に入って契約をしたけれど、家賃が高く負担になってしまった

「新築で駅から近い」「広さもちょうどよく、バストイレは独立」「駅から近くてオートロック」など、条件がバッチリな物件を見つけたら、「やった!」とすぐに契約してしまいがち。でも、条件がいい物件ほど家賃は高くなりがち。「収入に対して家賃が高く、毎月の負担が大きい」ということにならないよう注意です。

家賃は手取り収入の3分の1程度が妥当です。予算オーバーの物件を気に入って契約したけれど、結局家賃が負担になって引越す人も多いです」とプロは言います。また、一人で物件を見に来て契約した後に、親に報告したところ家賃が高すぎるとNGが出るというケースもあるそう。「そうならないためにも、特に学生や新入社員の方は家族や一人暮らし経験者と一緒に物件選びをするのをおすすめします」

部屋探しのプロからのアドバイス
  • 家賃は手取り収入の3分の1程度におさえて(岩崎さん)
  • 一人で探すと家賃が高い物件を選びがち。家族や一人暮らし経験者と一緒に物件探しをすると契約がスムーズ(岩崎さん)

失敗パターン6.月々の家賃しか見ていなかったが、諸経費が高かった

部屋探しの失敗:家賃以外の諸経費の負担

家賃は気にする人が多いけれど、敷金・礼金や保証金、仲介手数料などの諸経費があることを忘れてはいけません。賃貸物件には初期費用として以下の費用が原則かかります。

1)敷金……賃料の1~2カ月程度
2)礼金……賃料の1~2カ月程度
3)仲介手数料……一般的には賃料の1カ月分
4)管理費……物件により異なる
5)保険料……万が一の際の家財補償や賠償責任補償

家賃だけ支払えばいいやと思っていると、契約時に金額を見て驚くことに。諸経費の情報もきちんと確認しながら家探しをしましょう。もちろん契約後には引越しが待っています。引越し料金のことも忘れずに。

部屋探しのプロからのアドバイス
  • 家賃以外にも諸経費がかかることを忘れずに。不動産会社に確認をしながら家探しをしましょう

一人暮らしの生活費についてより詳しく知りたい方はこちらもチェック
一人暮らしの生活費、いくらかかる? 内訳と月々のシミュレーションを解説

こんな部屋には注意しよう。気を付けたい物件の注意点

今まで挙がったポイントのほかにも、気を付けたい物件のポイントを教えてもらいました。

注意したいポイント
  • バルコニーにネットが張ってある場合は鳩やカラスなどの糞害の可能性あり(武澤さん)
  • シャワーの水圧が弱いと、シャワーを使うときにストレスになる人も(武澤さん)
  • 共用部分に私物が放置されていたり、荒れているのは要注意(武澤さん)
  • 物件によって、ゴミ捨て場が24時間開いていないことも(武澤さん)
  • 内見をせずに物件を決めると家具が部屋に収まらないことがある。物件パンフレットは壁芯の寸法が記載されていることが多いので、内見の際、または契約後に自分で幅や高さを測って確認(武澤さん)

最後に部屋探しのプロからこんなアドバイスが。
「2月、3月は賃貸物件が動く時期です。春からの進路が決まったら、すぐに不動産会社に足を運んでほしいですね。この時期はいい物件はすぐに契約が決まります。悩んでいるとすぐに物件がなくなるため、譲れない条件と妥協できる条件をリストアップして、すぐに決められる状態で来店していただけると、納得のいく部屋が見つかると思います」

また、最初は予算をオーバーすることなく契約し、更新時に収入と相談してグレードアップするのがおすすめだそう。初めての一人暮らしはつい条件を高望みしていまいがちですが、予算を設定し無理のない範囲で新しい生活をスタートさせるのが成功への道。分からないことは不動産会社の担当者にどんどん質問して、満足のいく部屋探しをしてくださいね。

まとめ

交通アクセスなどの立地条件、施設や騒音などの周辺環境はどちらも大事なので事前に確認するのがおすすめ

室内設備は、譲れない条件と妥協できる条件を具体的にリストアップしよう

家賃以外の諸経費や引越し料金など、かかる費用は事前によく確認しよう

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