一人暮らしをしている大学生は、どのような生活をしているのでしょうか?家賃や生活費など気になるお金のことから、部屋選びの3つのポイント、おしゃれな部屋づくりのコツなどを、実際に大学生のとき一人暮らしをしていた先輩や、現役大学生のアドバイスと一緒に紹介します。
大学生の部屋選び。同じ大学生の人たちはどのように決めているのか、気になりますよね。
そこで、大学生へのアンケートの結果と、現役女子大生のAさんに取材した内容を紹介します。
部屋を探す方法はいくつかあり、大学生には主に次の3つが使われています。
・大学生協を利用する
・不動産会社に直接聞きに行く
・SUUMOなどの不動産探しサイトで物件検索をして選ぶ
不動産サイトには多くの物件があるため、手軽にネットで調べて希望エリアの家賃相場などを確認してみるのがオススメです。
ここからは、部屋選びの条件として大切な「家賃・間取り・立地」の3要素を紹介します。みんなはどのくらいの家賃や間取りを選んだのでしょうか。
関東地方一都六県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の大学生の家賃は6万円台が最も多く、21.9%を占めています。次に多いのは4万円未満で17.5%。4万円~6万円台で全体の約半分を占める結果になりました。
家賃は地域によって大きく異なります。同じ6万円台でも、都内23区と都下、他の都道府県でも地域によっては、住める家の広さや設備が大きく変わってきます。
地域の家賃相場は、賃貸情報を検索して調べたり、その地域に住んでいる先輩や知り合いに聞いてみましょう。
また、大学生が住んでいる家の家賃は、男女で違いが出てきます。次のグラフを見てみてください。
4万円未満~5万円台の物件に住んでいる比率は、男子大学生の方が高いことがわかります。特に4万円未満だと男女で16.6ポイントの差があります。逆に6万円台~9万円台の物件に住んでいる比率は、女子大学生の方が多いです。
この差は、女性の方が防犯面に気を遣うという要因があると考えられます。オートロック付きのマンションにしたり、2階以上の部屋にしたりと条件を追加すると、どうしても家賃が高くなります。
続いては、大学生が住んでいる家の間取りを見てみましょう。
間取りは、ワンルームと1Kが半分以上を占めています。ワンルームとは、室内にドアなどの仕切りがない間取りのことをいいます。1Kとは、キッチンと部屋がドアなどで仕切られている間取りのことです。
ワンルームや1Kは間取りを示す言葉なので、広いワンルームもあれば、狭いワンルームも存在します。それでは、大学生はどのくらいの広さの部屋に住んでいるのでしょうか。
同じ調査で大学生の住んでいる部屋の広さを聞いてみたところ、42.6%の方が18平米以下と回答しました。18平米とは18m2のことで、だいたい11畳ほど。こちらはお風呂やトイレの広さも含んでいるので、ワンルームや1Kだと居室は6畳程度になります。
6畳の居室というと、シングルベッド、小さめのデスク、小さめのテーブル、本棚が置ける程度です。人が泊まりに来たら、家具を壁際に寄せれば床に1人用の布団を敷いて寝ることができるくらいの広さです。
間取りについてもっと詳しく
理想の一人暮らしに近づく間取り ワンルーム、1K、1LDK、2LDKそれぞれの特徴と選び方
大学生が家の立地・周辺環境で意識したもので1番ポイントが高かったのは「学校・バイト先への通いやすさ」です。58.5%の人が重視したと回答しました。2番目に高い「駅の近さ(37.7%)」も、学校やバイト先への通いやすさに繋がります。
「スーパー(32.8%)」、「コンビニエンスストア(23.0%)」など、近くにどのような施設があるかを重視している人も多いようです。買い物がしやすいのはもちろん、帰り道に24時間営業のコンビニがあると、治安の面でも安心感があります。
「治安の良さ」を重視すると答えた人は30.1%。知らない土地の治安を調べるためには、同じ大学に進学した先輩に聞く、不動産会社に聞くなどの方法があります。内見(部屋を見学すること)のときに、部屋の周りを歩いてみるのも良いでしょう。
大学によっては、一人暮らしを始める方のサポート窓口が用意されていることがあります。どの沿線がオススメかなど、立地の相談ができることもあるので、活用するのもいいでしょう。
現在首都圏の国公立大学に通う、一人暮らしのAさんに部屋選びについて聞いてみました。
「まず、家賃は6万円以下と決めていました。今の部屋は管理費込みで5万8000円なので、条件通りです。間取りは1Kで、部屋が8畳。3畳のロフトがついています。部屋選びのときは、この広さが決め手になりました。立地は大学まで徒歩3分です」(Aさん。以下、「」内はAさん)
家賃、広さ、立地ともに希望通りの部屋を見つけられたAさん。ただ、ひとつ想定外だったことも。
大学の敷地が広く、大学までは3分で到着できても、Aさんの学部の棟までは徒歩15分ほどかかってしまうそうです。大学によっては、校内を自転車で移動しなければならないほど敷地が広いことがあります。また、時間帯によって開いている門が違うことも。
立地を重視する方は、実際に授業を受ける棟やそこまでの道のりも考えておくと良いでしょう。
1Kロフト付きのAさんの部屋。一人暮らし前はホームシックが不安だったけれど、いざ始まってみると自分の時間を楽しめる今の生活が気に入ったそうです。
一人暮らしを充実させるコツは、家具や小物で愛着の湧く部屋をつくり、自分で自分を楽しませることにあるのかもしれません。
不動産サイトなどで住みたい物件を選んだら、不動産会社を通じて部屋の内見に行くのが一般的。実際に部屋を見て気に入ったら、重要事項説明を受け、物件契約となります。
部屋の内見は、部屋の間取りだけではなく、マンション・アパート全体の雰囲気や街の様子を知るためにぜひ行きたいところ。
ですが、これからの時代、内見や重要事項説明(重説)をオンラインで行う流れも広まってきています。住みたい部屋を決めて連絡したら、オンライン内見やI T重説を勧められるかもしれません。こちらの記事で、オンライン内見・I T重説についてわかりやすく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。
オンライン内見・IT重説についてもっと詳しく
オンライン内見とは?IT重説とは?自宅で部屋探しのメリット、デメリットを解説
初めての一人暮らしだと、「家賃6万円の物件に住み始めるなら、毎月6万円用意できれば大丈夫」と思ってしまうかもしれません。
しかし、賃貸物件を借りて住み始めるときは家賃の4~5カ月分程度の初期費用がかかります。
こちらは、新しく買う家具家電とは別に、賃貸物件の管理会社や大家さんに支払うものです。
大学生の一人暮らしだと、ご両親に支払ってもらう人が多いかもしれません。ですが、今後の人生で賃貸物件を借りるとき、初期費用がどのくらいかかるのか知っておくことはとても大切です。
初期費用の項目や、安く済ませる方法についてはぜひこちらの記事を読んでみてください。
一人暮らしに必要な初期費用についてもっと詳しく
一人暮らしを始めるときの初期費用 資金は最低どれくらい必要?
一人暮らしをするには、家具・家電を買いそろえなければいけません。自分で家具を選んで部屋づくりをするのは楽しいもの。買い忘れや不要な買い物がないように、必要なものをチェックしましょう。
こちらに、一人暮らしに必要な家具・家電の記事があります。
一人暮らしが決まったら、まずこの記事を読んでイメージをつけてみてください。お買い物のときにも使えるよう、チェックリストになっています。
一人暮らしに必要な「家具」「家電」についてもっと詳しく
一人暮らしに必要なもの「家具」「家電」はこれ! 一人暮らしを始める前に要チェック
一人暮らしに必要なものや、反対に用意したけれど使わなかったものについて、Aさんに聞いてみました。
「電子レンジ、冷蔵庫、掃除機などの基本的な家電は最初に全部そろえて良かったと思っています。電気ケトルを買うか迷ったのですが、今は買って良かったと感じています。忙しい朝、ちょっとだけお味噌汁が飲みたいときなどにちょうど良いです。
意外と使わなかったのはテレビです。ニュースはネットでも見られるので、思ったよりテレビを見る機会がないですね。
あと、友達が来たときのためにコップをたくさん買っておいたのですが、いざ使うと洗い物が大変でした。普段は自分1人で生活するので、友達が来たとき用の食器は使い捨てで良かったかもと思います」
テレビなど生活に必須ではない家電は、しばらく一人暮らしを続けてから購入するかどうかを決めても良いかもしれません。
初めての一人暮らしだと、生活に必要なものや、必要な量を判断するのが難しいもの。初めから高価なものをたくさんそろえるのではなく、必要性を感じてから徐々にそろえるのも一つの方法です。
物件が決まり、家具家電を用意したら、あとは新しい部屋に住み始めるだけ……と思われるかもしれませんが、実はまだまだやることがあります。
・引越し手続き
・電気、ガス、水道、インターネットの契約 を行います。
引越しは、「どの順番で」「何をやるのか」を把握して自分から行動しなければいけません。
例えば、新居のガスの契約を忘れたまま引越してしまうと、初日はお風呂の蛇口から冷たい水しか出ない、なんてこともあります。また、4月は引越しをする人が多いため、インターネット回線の開通に1カ月以上かかる場合も。
こういったトラブルを避けるために、引越しまでの準備や、やるべきことを知っておくことが大切です。こちらの記事では、部屋が決まってから引越しをするまでの流れにあわせて、やるべきことをリストで紹介しています。
一人暮らしを始めるまでの準備ややることについてもっと詳しく
一人暮らしの準備とやることリスト~部屋決定から引越しまで
部屋を選び、引越しを終えたら、いよいよ一人暮らしが始まります。自分で自由に生活できるのは楽しいですが、初めての一人暮らしだとお金のことも気になるのではないでしょうか。
ここからは、大学生の一人暮らしの生活費について紹介します。大学生が回答した調査結果や、現役大学生の体験談をみていきましょう。
一人暮らしをしている人の、1カ月の支出データを見てみましょう。
区分 | 金額 |
---|---|
食費 | 2万3717円 |
保険衛生費 | 3183円 |
娯楽・嗜好品 | 1万3075円 |
その他の日常費 | 1万3367円 |
合計 | 5万3342円 |
下宿やアパートで一人暮らしをしている大学生の、家賃・光熱費を除く生活費は、平均5万3342円です。保険衛生費は、病院での診療代や薬代に加え、美容室代も含みます。
続いて、水道・光熱費をみていきましょう。下宿や寮では、施設によってさまざまな支払いルールがあります。入居する施設に問い合わせてみてください。
一人暮らしの水道・光熱費の平均は以下の通りです。
区分 | 金額 |
---|---|
水道・光熱費 | 7648円 |
一人暮らしの1カ月の水道・光熱費の平均は7648円です。水道・光熱費は、季節、地域や物件、契約している電力会社、ガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)などによって差が出ます。
そのため、特に無駄遣いをしていなくとも平均金額より高くなってしまう人もいるでしょう。無理に平均に抑えようとするのではなく、節約の知識をつけて「もったいない使い方」を減らすのがオススメです。
電気代、ガス代、水道代それぞれの平均と節約術を詳しく紹介
一人暮らしの水道・光熱費 平均でいくらくらいかかる? 節約方法もご紹介!
一人暮らしをしている大学生の家賃・光熱費を除く生活費は、1カ月平均5万3342円で、一人暮らしの水道・光熱費の1カ月平均は7648円でした。
この2つを合計し、一人暮らしの家賃以外の生活費は1カ月で6万990円と予想できます。
最後に、生活費の中で最も大きな出費である家賃です。家賃は、住む地域によって大きな差が出ます。4万円程度で十分な地域もあれば、都心だと7万~8万円かかってしまうことも。
住みたい地域の家賃相場は、SUUMOなどの不動産情報サイトで検索して調べてみてください。
相場よりも安めの物件を探したいなら、何が家賃の高い・低いに影響しているのかを知りましょう。例えば、最寄駅の選び方。複数路線が通っていたり、急行が停車する駅は家賃がアップする傾向にあります。少し不便を我慢して急行が止まらない駅にすると、家賃の低い物件が見つかるかもしれません。
他にも、家賃のアップダウンに影響するポイントをこちらの記事で紹介しています。
何が家賃のアップダウンに影響する? ポイントを紹介
一人暮らしの生活費、いくらかかる? 内訳と月々のシミュレーションを解説
一人暮らしの家賃以外の生活費は1か月でおよそ6万だったので、住みたい物件の家賃+6万円で、毎月の出費のイメージをつけることができます。
大学生の生活費の支出金額がわかると、気になるのが大学生の収入。それでは、大学生がアルバイトでどのくらい収入を得ているのか、どのくらい仕送りをもらっているのかをみていきましょう。
3万円未満から8万円以上まで、回答がばらけました。3万円未満が24%と最も多く、次は3万円以上~4万円未満と8万円以上が同じ15.7%。
家賃や間取りのように、「大学生の一人暮らしならこのくらいのアルバイト収入が普通」といった数字はないようです。
大学生が1カ月にもらっている仕送り金額は、44.8%の人が0円という結果に。仕送りをもらっている人の中では、5万円以上~6万円未満が最も多く9.8%でした。
実際に現在一人暮らしをしている大学生のAさんに、アルバイト代と仕送りについて教えてもらいました。
「私は、家賃と管理費を親に仕送りしてもらっています。仕送りといっても毎月お金を振り込んでもらうのではなく、親の口座から引き落としにしてもらうかたちです。水道光熱費や食費などの生活費は、自分のアルバイト代で支払っています。
なので、親に支払ってもらっているのは家賃と管理費の5万8000円です。自分のアルバイト代は、月6万~8万円くらいです。初めはお金のやりくりも不慣れだったので大変でした。今でも節約はしますが、普通に友達と遊びに行ったり飲み会に参加したり出来ます」
一人暮らしの醍醐味といえば、自分好みの部屋をつくれることではないでしょうか。おしゃれな雰囲気の部屋にしたい!と思っている方も多いはず。
ここからは、お金をかけなくてもできるワンルーム・1Kのインテリアのポイントを紹介します。
(1) 最初に全ての家具をそろえようとしない
(2) 背の低い家具を選ぶ
(3) 個性的な家具は1個に絞る
まず、最初からインテリアを決め切って家具をそろえるより、必要最低限の家具で生活をスタートし、徐々に買い足すのがオススメです。
一人暮らしを続けていくと、暮らし始めたときには気づかなかったような発見があるもの。最初に全ての家具をそろえてしまうと、後から必要とわかったものが置けなくなってしまうかもしれません。
次に、背の低い家具を選ぶことです。ワンルーム・1Kの部屋で大切にしたいのが、部屋が広々と見えるような工夫です。背の低い家具は圧迫感がなく、部屋が開放的に見えます。
最後に、個性的な家具は1個に絞りましょう。家具選びをしていると、お気に入りの家具に出会うことがあるでしょう。部屋のポイントになるような個性的な家具を置きたいなら、個数は1個に絞るのがオススメです。
例えば、モノトーンやブラウン系の部屋に個性的な色のテーブルがひとつあると、おしゃれなカフェのような雰囲気になります。
おしゃれなインテリアのつくり方をもっと知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
一人暮らしの部屋のインテリアについてもっと詳しく
一人暮らしをもっと楽しむ!おしゃれなインテリアのつくり方
初めてのことづくしの、大学生の一人暮らし。物件選びや家具選びは手間がかかるものの、自分の住む場所を自分でつくり上げる楽しさを感じることができます。
もしも希望通りの暮らしにならなかったとしても、今後の人生で住まいに関する選択をする機会はたくさんあります。大学生で一人暮らしをした経験は、人生のいたるところで役に立ってくれるはずです。
まずは大学生の平均的な一人暮らしや、先輩の暮らしを知り、自分の一人暮らし生活のイメージをつけるところから始めてみてください。
大学生の一人暮らしの家賃は6万円台が最も多く、間取りはワンルームか1Kが一般的
一人暮らしの1カ月の生活費は家賃を除いて平均6万990円
家具家電は生活に必須のものを最初にそろえ、なくても生活できるものは後から徐々にそろえる
※1「お住まいに関するアンケート」調査概要
[調査実施時期]2021年2月22日(月)~2021年2月24日(水)
[調査対象者]一人暮らしの大学生男女
[調査対象エリア]関東地方一都六県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)
[調査方法]インターネット
[有効回収数]206(男性103名、女性103名)
※無断転用禁止。引用の際はSUUMO(スーモ)編集部までご一報ください
政府統計の総合窓口(e-Stat)「家計調査 家計収支編」