一人暮らしの生活費、いくらかかる? 内訳と月々のシミュレーションを解説

最終更新日 2023年05月01日
一人暮らしの生活費、いくらかかる? 内訳と月々のシミュレーションを解説

初めての一人暮らしは、実際に毎月どれくらいお金がかかるのがイメージしにくいもの。はっきりとわかる家賃のほか、食費、光熱費、通信費などさまざま。そこで、一人暮らしを始めてから月々かかってくる生活費について、一人暮らしアドバイザー・河野真希さんに教えてもらった。部屋探しを始める前に知っておこう。

「家賃以外」の生活費、一人暮らしの平均は?

家賃を除く一人暮らしの生活費は月平均12万2032円

家賃を決める前に知っておきたいのが、食費、光熱費など「家賃以外の生活費」。一概にいくらとは言えないが、総務庁統計局の調査(下表)を見ると、家賃を除く一人暮らしの生活費は、月平均12万2032円との結果が出ている。

あくまで平均データであり、お金の使い方にはもちろん人それぞれの違いがあるが、「初めて部屋探しをする人にとっては、だいたいの生活費の目安を知っておくことが大切」と一人暮らしアドバイザーの河野真希さん。「特にこれから部屋を探す場合、無理のない予算の中で部屋を探すための重要な目安となるでしょう」

●家賃のほかにかかる、一人暮らしの生活費の平均金額
食費 35,418
水道光熱費 7,675
生活用品費 6,954
被服費 6,509
保健医療費 4,683
交通費 13,092
通信費 7,059
娯楽費 19,839
その他(理美容・交際費) 20,803
合計 122,032
(単位:円)
「年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯)」のデータ(~34歳の全国の男女)によると、家賃のほかにかかる一人暮らしのお金は平均12万2032円。
※出典/「統計調査 家計収支編 単身世帯(2021年)」(総務省統計局)

物価の高騰に伴い生活費もアップ

昨今の物価高騰に伴って、一人暮らしの生活費はさらにアップしていく可能性もある。

身近なところでは、さまざまな食料品の相次ぐ値上げによる、食費への影響を実感している人が多いのではないだろうか。ほかにも、水道光熱費、交通費などの値上げが話題となっている。今後は賃貸住宅の家賃も値上げの通告を受けるケースが出てくるだろう。

生活費の大部分を占める「家賃」はどう決める?

収入(手取り額)から、家賃以外の生活費と貯蓄分を引いて計算

家賃は生活費の大部分を占める項目で「収入(手取り額)の3分の1以内」が適正な金額の目安と言われることもある。ただし、「特に家賃の高い都市部や、まだ収入があまり多くない若い人の場合、収入(手取り額)の3分の1以内の家賃で部屋を探すのは難しいケースも」と河野さん。

「それよりも『収入(手取り額) ー 家賃以外の生活費 ー 貯蓄』という計算式で考えたほうがより現実的です」。つまり、月の手取り額(仕送りを含む)から家賃以外にかかる生活費の概算を引き、さらに貯蓄したい金額を引いて、残りの金額を家賃の上限とする、という考え方。「人それぞれ、何にお金をかけたいかは違うので、この計算式で考えたほうが満足度の高い生活を送れます」

一人暮らしを始める前、始めたばかりのころは、どれくらいの生活費がかかるのかイメージがしにくいが、そのときは、前章で紹介した生活費の平均金額を参考にするといいだろう。

適正な家賃を計算
適正な家賃は「収入(手取り額) – 家賃以外の生活費 – 貯蓄」で計算しよう(写真/PIXTA)

何が家賃のアップダウンに影響するのかを知ろう

なお、適正な家賃で部屋探しをするには、家賃のアップダウンに影響するポイントも知っておきたいもの。家賃の低い物件を探したいなら、下記のうち緩められる条件はないか見直してみよう。

●家賃のアップダウンに影響するポイント

・エリア(郊外より都市部のほうがアップ)
・沿線(ターミナル駅が人気、便利な沿線ほどアップ)
・最寄駅(複数路線が乗り入れている、特急・急行などが停車する駅ほどアップ)
・最寄駅からの距離(近いほどアップ)
・部屋の広さ(広いほどアップ)
・部屋の新しさ(新築や築浅の物件ほどアップ、築年数が古くて内装リフォーム済みはお得な傾向に)
・セキュリティ(オートロック、防犯カメラ、管理人常駐など、防犯設備・体制が整っているほどアップ)

例えば「歩くのは苦にならないから駅からの距離は遠くてもいい」など、一般的に人気がなくても、自分が許容できる条件を多く持っておくと、リーズナブルで満足できる物件に出会いやすくなるといえそうだ。

地域ごとの家賃相場(SUUMO調べ)も参考にしよう。

一人暮らしの生活費シミュレーションを「収入別」にチェック

生活費の目安を月収15万円・20万円・25万円ごとにシミュレーション

食費、住居費(家賃)、光熱水道費……何にどれくらいお金をかけたいかは、人それぞれのライフスタイルによって違う。また、そもそも「収入(手取り額)」によって、どれくらい「かけられる」かも変わる。

以下は、河野さんに試算してもらった「収入(手取り額)別 一人暮らしの生活費シミュレーション」の表。月15万円、20万円、25万円の場合で、項目ごとにだいたいの生活費の目安の金額と、それぞれの項目の費用が月の手取り額に占める割合を表示している。必ずしもこの範囲内に収めればいいというものでもないが、だいたいこれくらいの割合になっていればバランスが良いとのことなので、目標の金額にしてもいいだろう。

●収入別 一人暮らしの生活費シミュレーション
収入(手取り額)別一人暮らしの生活費シミュレーション
(単位:円)
住居費(家賃)は地域により大きく異なるが、できれば収入(手取り額)の30%台までに、貯蓄は10%以上を目指そう
※項目は一人暮らしで必要と考えられるものを独自に選定

一人暮らしで上手に節約・貯蓄するためのポイントは?

お金の使い方を把握し、自動的に積み立てを

住む部屋が決まったら家賃は変わらないが「ほかの生活費は節約の工夫や努力によって抑えることができます」と河野さん。上手な節約・さらには貯蓄のために知っておきたいポイントを聞いたので参考にしよう。

□ 家計簿をつけなくても、使いすぎが気になる費用だけメモして、1カ月の合計金額を振り返る
□ 食費は健康面も考えながら節約を。食材の量を考えて購入し、無駄を出さないように使い切る
□ 光熱費は家電のつけっぱなし・水道の流しっぱなしをなくすなど、地道な努力の積み重ねを
□ 通信費は格安SIMへの変更、契約プランの見直しなどにより大きく節約できることも
□ 貯蓄は収入の10%以上を目標に、自分が何かしなくても、自動で積み立ててくれるものを
□ 例えば給料日など月に1回、総資産が現在いくらなのか、前月からの増減額をチェック

節約・貯蓄のアイデア
自分のお金の使い方の傾向を知り、節約を心がけ、収入の10%以上を目標に貯蓄を(写真/PIXTA)

一人暮らしをするときの疑問

一人暮らしをスタートするときは、あれこれと気になることも多いもの。SUUMOの関連記事には、そういった疑問を持ったときに役立つ記事もあるので紹介しよう。

賃貸契約に必要なもの。新社会人、無職でも借りられる?

賃貸契約の基本的な流れ、契約までに必要な書類やお金について解説。また、学生や勤続年数がほぼない新社会人、転職活動中で一時的に無職、フリーランス・自営業など、一般的に「収入が不安定」とみられてしまう状態でも部屋は借りられるのか、通常の賃貸契約とは別に必要なものがあるのかなどの疑問を解消する。

大学生の一人暮らしってどんな感じ?

一人暮らしをしている大学生がどのような生活をしているのかを紹介。部屋選びの3つのポイント「家賃」「間取り」「立地」のそれぞれについて、実際どのように選び、どんな部屋に決めたのか、おしゃれな部屋づくりのコツなど、実際に大学生のとき一人暮らしをしていた先輩や、現役大学生のアドバイスと一緒に紹介する。

まとめ

家賃を除く一人暮らしの生活費は月平均12万2032円

適正な家賃は、収入(手取り額)から家賃以外の生活費と貯蓄分を引いて計算

上手に節約・貯蓄するためには、お金の使い方を把握し、自動的に積み立てを

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取材・文/前川ミチコ
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