ウッドデッキに屋根を付けるリフォーム方法とメリット・デメリット、施工事例を紹介

庭のウッドデッキやテラスにリフォームで屋根を付ければ、急な雨でも対応できますし、強い日差しを避けてウッドデッキで過ごせます。一方で、屋根を備えることのデメリットもあります。また、ひと言で「ウッドデッキ屋根」や「テラス屋根」といっても、バーゴラをはじめ種類があり、それぞれメリットが異なります。「ウッドデッキ屋根」や「テラス屋根」を付けるリフォーム方法や、注意点について、一級建築士の柏崎文昭さんに教えてもらいました。

ウッドデッキのある家のイメージ

(画像/PIXTA)

記事の目次

「テラスは庭の延長、デッキは室内の延長」だが厳密な区分けはない

ところで、冒頭では「ウッドデッキ」と「テラス」を分けて表記しましたが、そもそも「デッキ」と「テラス」は何が違うのでしょうか。

デッキやテラスは、どちらも家のリビングと空間的につながった、外部リビングのようなもので、実は厳密な区分けはありません。

一般的に室内の床と高さが同じ場合はデッキ、庭より一段高くなった台はテラスと呼ばれていますが、最近はどちらも室内の床と高さをそろえ、イスやテーブルを置いて第2のリビングとして使用することが多いようです。またテラスをガラスの壁や天井で覆ったサンルームや、庭側の壁が開放できるガーデンルームなどもデッキやテラスに含まれることがあります。

以下、この記事ではすべて「デッキ」として進めますので、ご了承ください。

なお、木製(人工木材を含む)のデッキをウッドデッキと呼びますが、タイルや天然石などのデッキ(テラス)もあります。タイルや天然石なら天然木のウッドデッキよりも耐久性が高いので、これらを選ぶ方法もあるでしょう。

●タイルを用いたタイルデッキの例

タイルデッキ

天然石の表面が細部にまで表現された磁器質タイル。構造体がアルミ製のため、下をコンクリート等で固めなくてもリビングの床面と高さをそろえることができます(写真提供/LIXIL「タイルデッキ」)

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ウッドデッキの材質にはいくつか種類がある

もし屋根を付けたい理由が「雨でウッドデッキが傷むから」だけであれば、屋根を付けるのではなく、ウッドデッキそのものを耐久性の高いものに交換する方法もあります。

最近は木粉と樹脂で作る人工木材(人工木、人工ウッドデッキ)の進化が目覚ましく、一見しただけでは、天然の木を使ったウッドデッキと見紛うものもあります。種類が豊富で、色味も選べ、もちろん天然木のウッドデッキと比べて雨に強く、シロアリも心配しなくていいなど耐久性も高いのがメリットです。

●天然木のような濃淡と木肌をリアルに再現した人工木材のウッドデッキ

ウッドデッキ

床材一本一本に濃淡のムラが付けられ、自然な風合いの人工木材を使ったウッドデッキ。表面の削り方によって天然木に近い木肌に仕上げられています(写真提供/LIXIL「デッキDS」)

また、天然木を使ったウッドデッキも木材の種類が豊富で、それによって見た目や耐久性などが異なります。ウッドデッキに用いられる天然木は大きく分けると「ハードウッド」と「ソフトウッド」があります。

「例えばハードウッドに分類される『ウリン』は船舶のデッキに採用されるほど高い耐水性があります。ただし、人工木材のウッドデッキほどの耐久性はないので、定期的なメンテナンスは欠かせませんし、硬い木材ゆえ加工がしにくいなどの難点があります」。

このように、ウッドデッキそのものを見直すことで、屋根を付けるリフォームをしようと思った不具合を解消できるかもしれません。

ウッドデッキやテラスに屋根は必要?

ウッドデッキやテラスに屋根を付けるリフォームを検討する前に、まずは下記の基本的な知識を把握してから検討するようにしましょう。

屋根を付けるメリット・デメリットを把握しておきたい

ウッドデッキやテラスに屋根を備えると、いくつかメリットがあります。ただ、その一方でデメリットもあるのです。

「屋根を付けることで、例えば雨によるウッドデッキの劣化を防ぎやすくなりますが、ウッドデッキに面する室内へ日差しが届きにくくなります」(柏崎文昭さん、以下同)。

また、メリットの中には屋根を付けなくても対処できるものや、付ける屋根の選び方でデメリットが防げる場合もあります。

メリット・デメリットについてこのあと詳しく解説しますが、リフォームを行う前に屋根を付けるメリットとデメリットの両方をしっかり理解した上で、屋根が必要かどうかを判断するようにしましょう。

ウッドデッキに屋根を設置するメリット

既にウッドデッキを備えていて、何かしらの不具合を解消しようと屋根を付けることを検討している人だけでなく、これからリフォームでウッドデッキを付けたいが、屋根を付けるかどうか悩んでいる人もいるでしょう。まずは屋根を付けるメリットについて検証していきましょう。

雨や雪によるウッドデッキの劣化を防げる

天然木のウッドデッキは、水分が染み込むと腐食してしまいます。ですから、いくら定期的なメンテナンスを施しているとしても、ウッドデッキの上に雨水がたまったままの状態は好ましくありません。また雪の多いエリアであれば、雪にも注意が必要です。雪が積もった状態は、水にウッドデッキを長期間浸しているようなことになります。

しかし屋根を付ければ、雨や雪からウッドデッキの劣化を防ぐことができます。さらに、ウッドデッキでくつろいでいる時に雨が降ってきても、慌てる必要もなくなります。

「室内との間に大きな掃き出し窓があり、ウッドデッキを室内の延長のように設置している場合は、ウッドデッキに屋根を設けることで窓に雨が当たりにくくなります。まるで住宅の軒を伸ばしたり、庇(ひさし)を付けたようになります」。

加えて、雨の日でも、風があまり強くなければ、掃き出し窓を開けて網戸から外気を採り入れやすくなります。

強い日差しや紫外線を浴びずに済む

雨や雪だけでなく、ウッドデッキには紫外線も大敵です。紫外線によって変色するからです。

「これを経年による味わいと捉えることができ、しかも雨や雪が降ったら早々に箒(ほうき)で掃き出したり、定期的なメンテナンス自体も楽しんで行えるような人であれば、屋根は必要ないでしょう。実際にウッドデッキを備える人には、少なからずそう捉えて行動する人がいます」。

とはいえ、定期的なメンテナンスを行うのは大変です。それにウッドデッキの変色だけでなく、紫外線や強い日差しは、ウッドデッキで過ごす人にも影響を与えます。春や秋などの柔らかな日差しならまだいいでしょうが、夏の強い日差しの下では、木陰や家の影がウッドデッキになければ快適とは言えないはずです。

屋根を付けることで、ウッドデッキを紫外線から、そこで過ごす人を夏の強い日差しから守ることができます。

「リビングの延長としてウッドデッキを備えた場合、ウッドデッキに屋根を付けることは、軒を伸ばしたような状態になります。軒が伸びれば、日差しが室内へ差し込みにくくなり、リビングのフローリングの変色も防ぎやすくなります」。

屋外の“リビング”として利用できる

屋根を付けることで、雨や雪、強い日差しからウッドデッキを守れるだけでなく、そこで過ごす人も同時に守ることになります。そのため、ウッドデッキを室内のリビングと同じ高さにそろえ、フローリングや天井の素材感や色味等もそろえれば、リビングの延長として活用しやすくなります。

「庭でバーベキューをする場合、ウッドデッキは火気厳禁ですし、バーベキュー用のコンロから跳びはねる油汚れはウッドデッキの染みの原因になります。ですから必然的にコンロは庭に置くことになります。代わりに屋根を備えたウッドデッキに椅子とテーブルを置き、飲食を楽しむ場所にすれば、ウッドデッキを屋外のリビングとして活用できます」。

上記はバーベキューを楽しむ場合でしたが、その他に屋外のリビングでどう過ごそうか、あれこれ考えることもまた、楽しいのではないでしょうか。

●屋根とウッドデッキを室内側と色味や風合いをそろえれば屋外リビングに使いやすい

屋外リビング

室内側のフローリングや天井とウッドデッキ・屋根の色味や素材感等をそろえると、屋外にリビングが張り出しているようなイメージにできます。写真はウッド調も選べるアルミ製のフラットな屋根です(写真提供/LIXIL「テラスSC」)

洗濯物を干すスペースに活用できる

屋根だけでなく、ちょっとした壁をリビング側以外の3方向に備えることで風も防げますから、洗濯物を干すスペースとしてもウッドデッキを活用できます。壁を備えるといっても、大きな窓など透明性の高い“壁”にもできますから、室内側から屋外の景色を楽しめますし、庭に物干し台を置くのとは違い、履き替えずに洗濯物を干せます。

また洗濯物を干して外出した際に、途中で雨が降っても心配はいりません。外からの視線が気になるのであれば、その方向の“壁”にロールスクリーンなどを備えれば、プライバシーも保護しやすくなります。

●ウッドデッキを物干しスペースとして活用する例

物干しスペース

ウッドデッキを写真のように囲うことで、洗濯物を雨や風、さらにPM2.5や黄砂から守ることができます(写真提供/LIXIL「ガーデンルームGF」)

さらに上記商品はパーツの選び方次第で、洗濯物を干すスペースではなく、子どもの遊び場所や趣味の部屋、リモートワークのスペースなどにも活用できます。

●3方向に壁などを設けることで多様な使い方ができる

子ども部屋

擁壁の備え方次第で子どもの遊び場所や趣味の部屋、リモートワークのスペースなどに活用できます。写真は子どもの遊び場として活用する例(写真提供/LIXIL「ガーデンルームGF」)

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ウッドデッキに屋根を設置するデメリット

メリットがある一方で、ウッドデッキに屋根を設置する場合は、下記のデメリットがあることもしっかり把握しておきましょう。

屋根の種類によっては室内が暗くなる

屋根を付けることでウッドデッキや、そこで過ごす人を雨や雪、日差しや紫外線から守ることがメリットの1つです。

「その半面、日差しからウッドデッキを守るということは、同時にウッドデッキに接するリビングなど、室内への日差しも遮ることになります」。

もしその部屋の別の方向に採光の取れる窓があれば、部屋が暗くなるということは防ぎやすくなるでしょう。また、採光が不十分だと感じても、屋根の取り付けを諦めるのではなく、屋根の素材を検討する方法もあります。例えばポリカーボネート製の屋根なら、雨を防ぎ、紫外線を遮りながら採光性を確保することができます。

台風や大雪で破損する可能性がある

ウッドデッキに備える屋根は、基本的に壁がないので、強風が入り込みやすいため屋根が壊れる可能性が高くなります。

「普段からよく台風が通過するような地域であれば、屋根や取り付け部の強度を高めるなど対策するようにしましょう。また、たいていの既製の商品には『耐風圧強度』という、風にどれだけ強いのかが表示されていて、台風並みの強風にも耐えられる性能の屋根もありますから、耐風圧強度を確認してから選ぶようにしましょう」。

同様に積雪の多い地域なら、やはり積雪によって屋根が壊れる危険があります。こちらもたいていの既製の商品には、例えば『積雪20cm相当』といった具合に『耐積雪強度』が表示されていますから、確認して選びましょう。

ただ、台風がめったに上陸しないと言われた北海道でも、2016年には3つの台風が上陸したり、2018年には普段はあまり雪が積もらない首都圏にドカ雪が降り、カーポートの屋根が壊れたというニュースが流れました。

耐風圧強度や耐積雪強度が高いと一般的に価格も高くなりますが、備えあれば憂いなしと言います。もし予算に余裕があれば耐風圧や耐積雪強度がなるべく高いものを選んだり、火災保険で補償の対象になっているか確認しておくとよいでしょう。

掃除やメンテナンスが大変

ウッドデッキの屋根は、雨風や落ち葉、砂埃、鳥の糞や猫の足跡などで汚れやすい場所です。特にポリカーボネートなど、透明な屋根材の場合は屋根の上が汚れると見た目が悪くなりますから、掃除をする必要があります。

また、屋根に雨樋を付けた場合は、雨樋の掃除も必要です。落ち葉などが多い立地であれば、小まめに掃除をしないと雨樋が詰まりかねません。

掃除自体はそれほど難しい作業ではありませんが、高所のため、掃除をする際は慎重を期します。掃除業者に依頼する方法もありますから、あまり無理をしないようにしましょう。

ウッドデッキの屋根のサイズや素材など、選び方と注意点

ウッドデッキに屋根を付ける際には、サイズや素材などの選び方にも注意が必要です。以下の点に留意して、自宅に合った屋根を選びましょう。

屋根形状は主にフラット型とR型の2種類

「屋根の形状は、主にF型(フラット型)とR型の2種類があります。当然ながら見た目が違いますので、自宅にどちらが合うのか判断が必要です。ただし、既製の商品によってはフラット型のみという場合もありますので、選ぶ際に注意しましょう。

F型とR型

ウッドデッキに用いられる屋根形状は主にフラットなF型(左)と、屋根先が少し丸まっているR型(右)の二種類があります(写真提供/LIXIL「テラスVS」)

機能面の違いで言うと、屋根先が下がっているR型のほうが、多少はウッドデッキへの雨の浸入を軽減できますが、大差はないと考えたほうがよいでしょう。「雨の浸入を防ぐ意味では、屋根の形状よりサイズに注意が必要です」。

「そのほかに、パーゴラもおすすめです。パーゴラとは格子状の屋根のことです。もともとは“ブドウ棚”を指していた言葉で、藤棚に代表されるような、つる性の植物を絡ませて“緑の屋根”を作ることができます」。

最近はつる性の植物以外にも、シェードを組みあわせてほどよい日陰を楽しむ人もいます。

木漏れ日のベンチのイメージ

パーゴラにつる性植物を絡ませると、夏は緑が強い日差しを遮り、冬になれば葉が落ちて、暖かい日光が注ぎます(写真/PIXTA)※写真はイメージです

屋根材の種類は主にポリカーボネート

「ウッドデッキの屋根によく用いられるのがポリカーボネートです。プラスチックの一種で、耐衝撃性や耐久性、透明性が高く、紫外線をカットしてくれるので、晴れた日にウッドデッキで過ごしていても、紫外線を気にせず過ごせます」。

透明な平板と波板もあり、色の付いたカラータイプもあります。最近は遮熱性能の高いタイプもあります。

デメリットとしては、汚れが一度ついてしまうと落ちにくい点が挙げられます。透明度が高いため、汚れが気になったら水洗いしましょう。

日差しや雨よけがメインならオーニングやサンシェードもある

「強い日差しを避けることや、雨よけが屋根を付ける目的なら、オーニングやサンシェードも検討するといいでしょう」。

オーニングとは、英語で「日除け」「雨よけ」を指す言葉。開閉できる布製の庇のようなもので、レストランやカフェなどでよく使用されていますが、一般住宅用のオーニングもあります。

電動で開閉するタイプもあり、日差しに応じて開閉できます。

オーニング

紫外線をほぼ100%カットするキャンバスを用いたオーニング。開閉は手動式と電動式があり、電動式はリモコンでも操作できます(写真提供/LIXIL「彩風」)

一方のサンシェードは英語で「日除け」を意味します。ウッドデッキの屋根というより、窓の外に取り付ける日除けで、窓からの日差しや熱が室内に侵入することを防ぐのが主な目的です。

「簾(すだれ)やよしずを窓に立てかけるのと同じようなものですが、サンシェードはたいてい窓の外の収納ボックスにサッとしまえるので便利です」。

サンシェード

紫外線を最大99%カットし、太陽の熱を約83%カットするサンシェード。使わない時は窓の上のボックスにサッとしまうことができます(写真提供/LIXIL「スタイルシェード」)

屋根のサイズに注意

ウッドデッキに屋根を付ける際には、屋根のサイズに注意しましょう。

「雨や紫外線などによるウッドデッキの劣化を防ぐために屋根を付けるなら、屋根のサイズはウッドデッキより約30cm長くしたほうがいいでしょう。ウッドデッキのサイズと屋根が同じだと、屋根からウッドデッキに雨水が滴りやすくなります。屋根から滴る雨水は、屋根の上のホコリなどを含んでいるので、ウッドデッキの同じ所に何度も滴るうちに、その部分だけ色あせするなど、劣化が進みやすくなります」。

約30cm屋根を庭側に伸ばせば、雨水がウッドデッキに滴りにくくなります。ただし、伸ばした分だけ、日差しも遮りますから、屋根材選びは慎重に行いましょう。

リフォーム会社による造作も可能

ウッドデッキの屋根は既製の商品がたくさんあります。その中から自宅に合うサイズで、好みのデザインなどがあれば、それをもとにリフォーム会社に相談するといいでしょう。あるいは、先にリフォーム会社に相談すれば、既製の商品をベースに提案してもらうこともできます。

既製品のサイズが合わなかった場合などは、リフォーム会社による造作も可能です。既製の商品の支柱をはじめとした構造体は耐久性のあるアルミがよく用いられますが、造作であれば木材も選べます。そのほか屋根材も自由に選べるなど、デザインも既製品より自由なので、好みのデザインが明確なのであれば、相談してみましょう。

外壁に穴を開けて固定するタイプは注意が必要

自宅が長期優良住宅の場合、ウッドデッキの屋根を付ける際は注意が必要です。通常、ウッドデッキの屋根は住宅の躯体(くたい)にねじ止めをして設置するので、長期優良住宅の場合、住宅の構造に影響するようなリフォームとして認定が取り消されてしまうことがあります。屋根を設置する際は、リフォーム会社にまず相談してみましょう。

また、長期優良住宅でなくても、ハウスメーカーなどの外壁保証の対象外になることもあるので、リフォームする場合には事前にメーカーなどに確認が必要です。

もしも躯体にねじ止めをするタイプを設置できない場合は、外壁と離して備えられるタイプもあるので、そちらを検討しましょう。

ネジ不要のウッドデッキ屋根

住宅の躯体にネジ止めしない構造の屋根。外壁との間に雨の吹き込みを防止するためのふさぎ材もあり、こちらもネジが不要です(写真提供/LIXIL「テラスSC」)

ウッドデッキの屋根をリフォームで付ける費用相場

ウッドデッキの屋根をリフォームで付ける場合の費用はどれくらいかかるのでしょうか。下記に費用の目安を紹介しますが、サイズや素材、リフォーム会社などで費用は異なりますから、実際にリフォームする際は必ず見積もりをもらってから検討するようにしましょう。

2間6尺(3651mm×1820mm)のウッドデッキに屋根を付ける費用の目安

下記のような2間6尺(3651mm×1820mm)のウッドデッキに屋根を付ける場合、屋根の種類別の費用の目安を紹介します。

●2間6尺(3651mm×1820mm)のウッドデッキに屋根を付ける

2間6尺(3651mm×1820mm)のウッドデッキ

2間6尺(3651mm×1820mm)の広さなら物干しざおを備えることができます。またテーブルや椅子を置いて寛ぐスペースにも使いやすい広さです。

●ポリカーボネートとアルミの構造体を使った場合
市販の商品を使った場合、F(フラット)型、R型いずれも費用の目安は約45万〜55万円です。造作の場合、約55万〜65万円です。

●ポリカーボネートとアルミの構造体で、洗濯物も干せるようにした場合
市販の商品を使った場合、費用の目安は約45万〜55万円です。造作でも費用はほぼ同じです。

●パーゴラを備えた場合
造作でパーゴラを備えた場合、費用の目安は約20万〜30万円です。

●開閉式のオーニングを備えた場合
オーニングは基本的に市販の商品を使います。費用の目安は約20万〜30万円です。

屋根のあるウッドデッキにリフォームした施工事例

ウッドデッキに屋根を付けるとどのようなイメージになるのでしょうか。下記の施工事例を参考にしてみてください。

あえて屋根を付けず、パーゴラ(葡萄棚)風にして眺望や採光、通風を確保

2間6尺(3651mm×1820mm)のウッドデッキ

自然素材をふんだんに使った、とても気持ちよい場所に。ここで寛ぎながら眺望を楽しめますし、天気の良い日は昼寝も楽しそうです(写真提供/優建築工房)

高台に建つ一戸建てという特徴を活かすため、眺望を楽しめるようにリビングダイニングを増築。その延長に広いウッドデッキを新設しました。ウッドデッキの屋根はパーゴラ風にすることで、眺望性や採光性、通風性が確保されました。

【DATA】
リフォーム費用:535万円(総額)
リフォーム部位:リビング&ダイニング、外壁・屋根、バルコニー・エクステリア
住宅種別:一戸建て
築年数:7年
設計・施工:優建築工房

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まとめ

天然木を用いたウッドデッキにとって、雨や紫外線は大敵。屋根を付けることでそれらを防ぐことができますが、一方でウッドデッキに隣接する部屋の採光性が悪くなったり、屋根が風や大雪で破損したり、掃除が大変などのデメリットがあります。

しかし、採光性の問題は屋根の種類の選び方で解消することができますし、紫外線も屋根の素材や、ウッドデッキ自体の選び方で解決できます。また台風や大雪に対しても、地域特性に合った性能の屋根を選べば安心です。

デザイン面においても、最近の既製の商品はバリエーションが豊かですから、好みの屋根を見つけやすくなっています。

まずは、どんな屋根があるのか、デザインや性能を調べてみることから始めてみましょう。

取材協力・監修/一級建築士 柏崎文昭さん(甚五郎設計企画)
構成・取材・文/籠島康弘 イラスト/KAZMOIS

執筆・取材/籠島 康弘
雑誌「カーセンサー」編集部を経てフリーライターに。中古車からカーシェアリング、電気自動車までクルマにまつわる諸々の記事執筆を手がける。最近は住宅雑誌の記事も執筆していて、自分が何屋なのかますます分からなくなってきた。