ベランダ・バルコニーはリフォームしてサンルームにできる? リフォーム費用の相場は?

ベランダをサンルームにするリフォームはどれくらいの費用で可能なのか、その方法とメリットや注意点について見ていくとともに、リフォーム費用のわかる実例も紹介します。

記事の目次

ベランダ・バルコニーをサンルームにするメリット

ベランダは本来、雨ざらし、吹きさらしの空間ですが、それに屋根や壁をつけることでサンルームになります。そのメリットはどこにあるのかを見ていきましょう。

サンルームなら雨の日も洗濯物が干せる

ベランダ・バルコニーに光を通す屋根と壁をつけることで、晴れているときは日差しを受けられるし、雨が降っても洗濯物が濡れずに済みます。
つまりベランダに干して出かけたいものの雨が降ったらどうしよう、という心配をしなくて済むわけです。

また、光を通す素材なら、部屋の明るさは保てますし、開閉できるようにしておけば風通しも、リフォーム前のように確保できます。
光を通しながらも、すりガラスのように視線をカットできる素材もあるので、プライバシーも守れます。

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームし洗濯物を干すイラスト

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームすると雨が降っても安心して物干しができます

もう一部屋増やせる

例えば、デスクを置いて書斎にしたり、洗濯機を置いたり、アイロンがけができる台を置けばランドリースペースにと、ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームすることで、できることが広がります。
また、部屋と一体化して空間に広がりをもたらしてくれますし、これまであまり使われなかったベランダ・バルコニーが暮らしに大きな変化を与えてくれます。

サンルームで生活空間を広げた例

サンルームにリフォームすると、生活空間を広げてくれます

サンルームは猫などペットの遊び場にもなる

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームすると、囲まれているので安全なペットの居場所としても最適です。愛犬や愛猫も安心して自由に動きまわれます。
ただ夏場に閉め切っていると暑くなりすぎることがあるので、エアコンの冷気が届くようにしてあげるとよいでしょう。

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームして愛猫のスペースにしたイラスト

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームして愛猫のスペースに

サンルーム設置リフォームは既製品が利用できる

サンルームにはリフォームする際に導入しやすい既製品があるので、まずはその中から検討するのがいいでしょう。

既製品を使えば手軽に工事ができる

サンルームはアルミ型材の枠にポリカーボネートの屋根パネルや壁に強化ガスなどのサッシを取り付けた既製品が出ています。既成のベランダのサイズに対応できるようにサイズも多く揃っています。
こうした既製品を使えば、一からつくり上げる造作より工事も簡単で、2日~5日の短期間でベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームできます。

ベランダをサンルームに変えられるYKK APのソラリア画像

ベランダをサンルームにリフォームできる商品「ソラリア」バルコニー囲い 躯体式(写真提供/YKK AP)

既製品なら仕上がりイメージもわかりやすい

既製品を採用するメリットはカタログなどで仕上がりイメージがわかることです。
商品を見比べて選ぶことも簡単です。

また、商品価格を比べて検討することもできます。
ただカタログ記載価格は希望小売価格なので、実際の購入価格とは異なることが多いのです。実際に購入する価格はカタログ記載価格より安くなるのが一般的です。
また価格はあくまで商品の価格で、工事費を含むものではないことも知っておきましょう。
工事費を含むリフォーム費用についてはあらためてリフォーム会社に確認しましょう。

屋根だけタイプのサンルーム

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームするアイテムとして、既製品には屋根だけをベランダ・バルコニーに取り付けるタイプと、建具などで囲んでしまうタイプがあります。
屋根だけのタイプは囲むタイプより価格は安く済み、屋根の下を物干しにできるので、ふいの雨にも安心です。

ベランダ・バルコニーに屋根をつけられるYKK APの商品ソラリアの画像

ベランダ・バルコニーに屋根をつけられる商品「ソラリア」躯体式バルコニー屋根(写真提供/YKK AP)

囲むタイプのサンルーム

囲むタイプのサンルームは、屋根だけではなくベランダをぐるりと窓で囲むように設置したタイプです。
雨が吹き込まないばかりか、窓を閉めたままでもルーバーから取り入れた風が循環するようになっているタイプもあり、防犯上も安心できます。

角にエアルーバーがついて、風が循環し洗濯物が乾きやすくなっているYKK APの「ソラリア バルコニー囲い躯体式」の画像

ベランダ・バルコニーを囲むサンルーム。角にエアルーバーがついて、風が循環し洗濯物が乾きやすくなっているタイプ「ソラリア」バルコニー囲い 躯体式(写真提供/YKK AP)

サンルームは造作でもできる

サンルームは既製品を設置するだけでなく、造作でつくることもできます。
設置する場所のスペースに合うサイズの既製品がないときや、アルミではなく木の風合いを活かしたサンルームにしたいといったときに造作なら自由に対応することができます。

造作サンルームは好みの材料、サイズ、デザインにできる

既製品のサンルームはアルミ枠にポリカーボネートやガラスを組み合わせたものが主流です。アルミが既存のベランダ・バルコニーの雰囲気に合わないと思う人もいるでしょう。
造作のサンルームなら、アルミではなく木製枠にすることができます。
アルミにはない木ならではのナチュラルな雰囲気のサンルームができて、落ち着いたくつろぎの空間になります。
また、既存のベランダ・バルコニーのサイズに合わせてスペースを無駄にすることなくつくることができるのも造作サンルームのメリットです。

造作ならではの木製枠のサンルームのイラスト

造作ならではの木製枠のサンルーム

造作のサンルームは工期が長くなることもある

サンルームの造作はリフォーム会社が設計し施工する工事です。
サイズが大きくなったり、設計に凝ったりすると工事が長引く場合があります。
また、プランニングにかかる期間も既製品よりは長くなります。
造作のサンルームにした場合は、事前に工程表を見て、いつ開始して、いつ完了するのかを確認しておきましょう。
サンルームの工事だけなら長くなっても工期は1週間~2週間程度が一般的でしょう。
外出など暮らしのスケジュールをそれに合わせて調整しておきましょう。

サンルーム設置リフォームの注意点

ではここでベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームする際に注意したいことをまとめましょう。

サンルームは「増築」扱いになり面積制限にひっかかることがある

サンルームは屋根付きで三方を壁や建具で囲まれていると床面積に算入しなければならず、「増築」扱いになることがあります。

住宅の床面積が増えると、法的制限にふれることがあるので注意が必要です。
家の延床面積は、建ぺい率・容積率によって上限が設けられています。もとの面積がその制限いっぱいに建てられていた場合は、サンルームによって上限を超えてしまうことになります。
面積制限を超えるとその家は法に適合しない既存不適格物件になってしまいます。
既存不適格物件の場合は、将来大規模リフォームをするときがあっても住宅ローンが組めないなどの不都合が生じます。
サンルームを設けるときは事前に面積が制限を超えることがないかチェックしましょう。

ベランダ・バルコニーに屋根をつけるだけなど、リフォーム後も吹きさらしの空間なら増築にはなりません。囲むサンルームのときだけ注意が必要です。

サンルーム設置にあたり建築確認申請をしなければならない場合も

建築確認申請とは計画している建築工事が法に合致しているかどうかを役所に申請して審査してもらうものです。
10m2以上の増築をするときは必ず申請が必要です。防火地域・準防火地域※では10m2以下でも申請が必要です。※都市計画法による防火上の地域区分
つまりサンルーム設置リフォームでも、建築確認申請をしなければならない場合があるということです。

建築確認申請は設計図を添えて申請しますからリフォーム会社に代行してもらいましょう。
その設計費や手続き代行費、役所に支払う手続費用などがかかります。
新築時のような費用はかからず数万円以内で済むと思いますが、事前に費用もリフォーム会社に聞いておきましょう。

サンルーム増築の場合は「建物表題変更登記」が必要

新築時には建物の表題登記をしますが、表題登記では所在地や構造、床面積などが登記されます。サンルームの増築で面積が変わったらやはり表題変更登記が必要となります。
この場合は土地家屋調査士に依頼する必要があります。

増築すると固定資産税のアップに注意

増築で面積が増えるので固定資産税もアップする可能性があります。
しかし、サンルーム程度だと増築面積が小さいので、心配するほどの大きな税額アップとはならないでしょう。

3階のバルコニーには設置できないこともある

3階は1階や2階に比べて強風にさらされる可能性が高く、そのため囲むタイプのサンルームは設置できない場合があります。
屋根だけのタイプの場合は問題がありません。
3階のベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームしたい場合は、メーカーやリフォーム会社に相談して商品を選びましょう。
造作の場合は、依頼するときにどういう設計ならサンルームを設置できるのかをリフォーム会社に相談するとよいでしょう。

マンションのベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームすることはできない

マンションのベランダ・バルコニーは各戸に住む人が専用で使っていても、実はマンション全体の共用スペースに分類されています。したがって、勝手にリフォームすることはできません。
またベランダ・バルコニーは住人の避難路も兼ねています。サンルームを設置すると避難を妨げることになり、安全上も問題があります。

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームする費用

既製品の屋根だけタイプと、囲むタイプ、造作に分けて費用の相場を見ていきましょう。

既製品を使った屋根だけタイプ

屋根だけをベランダ・バルコニーの上部に取り付けるタイプは比較的安くできます。 ベランダの間口が1間半、奥行きが半間として、工事費込みで約25万円~30万円です。

既製品を使った屋根と3方を囲むタイプ

3方を囲むと建具が増えますから商品価格も工事費もそれだけ高くなります。
ベランダの間口が1間半、奥行きが半間として、工事費込みで約60万円~80万円が費用相場です。これに人工木材による床工事を加えると約20万円~30万円のアップで、約80万円~110万円になります。さらにサッシの取り付けなどで足場工事が必要になると、その料金もかかります。その分は10万円~20万円程度見ておきましょう。

上記の費用は間口1間半で6畳の部屋に設置されたベランダ・バルコニーをイメージしていますが、ベランダ・バルコニーのサイズが大きくなるにつれ費用もアップします。

ベランダ・バルコニーにサンルームをつくるリフォーム費用相場
種類 リフォーム費用相場
屋根だけタイプ 約25万円~30万円
3方を囲むタイプ 約60万円~80万円
床工事 約20万円~30万円
足場工事 約10万円~20万円
※サイズ間口1間半、奥行き半間、躯体一体型のベランダ・バルコニーに設置する場合、床は樹脂系の人工木材採用

造作でサンルームを設ける費用

造作の場合は、材料の種類やサイズ、設計で費用が左右されます。既製品より高くなる場合も安くなる場合もありますが、一般的には既製品より2~3割は高くなると見ておいたがほうがよいでしょう。
工事する前に見積もりをもらって費用と設計、仕様を確認しておきましょう。

ベランダ・バルコニーをサンルームに変えたリフォーム実例

ここからはベランダ・バルコニーをサンルームに変えたリフォーム実例を実際にいくらかかったのか、費用とともに見ていきましょう。

バルコニーに屋根をつけてサンルームとし、下部をカーポートに

奥行きの浅かったバルコニーを撤去し、新たに広いバルコニーにリフォームし、バルコニーを支える柱を補強して、下部をカーポートにしました。バルコニーの屋根も積雪30cmタイプのものを採用したので降雪時も安心です。
バルコニーも広くなり、ゆったりくつろげる空間になりました。

【Before】

リフォーム前のバルコニーの写真

まだ新しいバルコニーでしたが、洗濯物を干すとスペースがいっぱいになるのが不満でした
【After】

階下の空間をカーポートとして有効活用できるようにしたリフォーム後のバルコニーの写真

視線を遮るパネルを採用し、階下の空間はカーポートとして有効に活用

【DATA】
リフォーム費用:240万円
工期:2週間
築年数:1年~5年
設計・施工:八幡(LIXILリフォームショップ八幡)

ベランダに雨が入らないよう囲いをしてサンルームにリフォーム

バルコニーに雨が入らないようにするために、屋根をつけ、囲いを設けてサンルームにしました。

【Before】

屋根のない以前のバルコニー

以前のバルコニーには屋根もついていませんでした
【After】

バルコニーに屋根と囲いを設けサンルームしたリフォーム後の写真

バルコニーに屋根と囲いを設けサンルームにリフォームしました

【DATA】
リフォーム費用:100万円(バルコニーリフォーム)
工期:1日
築年数:21年~25年
設計・施工:イズ(イズホーム)

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームする会社の選び方

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームする際に、どこに依頼すればいいのか選び方のポイントを紹介します。

サンルームリフォームの実績があるか

ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームした実績の有無を調べましょう。リフォームのポータルサイトなどで検索してもいいと思います。
総合的なリフォーム会社は対応できると思いますが、そのほかエクステリアに強い会社もサンルームなどを得意としている場合があります。
実際にベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームした事例があれば、ノウハウを知っているので安心です。内装のリフォームも一緒にやるのかサンルームだけかによっても選び方は変わってくると思います。

また、ベランダ・バルコニーのリフォーム工事は、ミスがあると雨漏りの原因になりますので、十分注意してやってもらう必要があります。

見積もりをきちんと出してくれるか

見積もりは本来、工事の全てがそこに記載されているものです。
どんな材料を使って、どんなサイズのものを設置するのか、どのような工事が行われるのか、その単価も明記した明細がついていることが大事です。

既製品を利用することが記載されていたら、必ずメーカーのカタログを見せてもらって確認しましょう。今はwebカタログも閲覧できますから、商品名と型番などが見積もりに記載されていれば自分でも調べられます。逆にいうと、商品名と型番など商品が特定できる情報が記載されていない見積もりはよくないということになります。
このように見積もりの体裁からもその会社の信頼性を測ることができます。

まとめ

  • ベランダ・バルコニーは屋根や囲いを設けてサンルームリフォームすることができます。
  • サンルームにすると雨の日でも洗濯物を干すことができたり、部屋として活用したり、ペットの居場所にしたり、と活用範囲が広がります。
  • ベランダ・バルコニーをサンルームにリフォームするには、既製品のサンルームが利用できます。既製品だと出来上がりのイメージも具体的にわかって、工事も短期間でできます。
  • 既製品ではサイズが対応できなかったり、素材を変えたいときには造作でサンルームをつくることもできます。
  • 既製品のサンルームにも屋根だけタイプと囲むタイプがあり、屋根だけタイプだとリフォーム費用が安くなります。
  • サンルームをつくる注意点としては、しっかり囲んだ空間にした場合、増築扱いになることです。建築確認申請が必要になったり、固定資産税がアップすることもあります。

監修/一級建築士 柏崎文昭さん(甚五郎設計企画)
構成・取材・文/林直樹
イラスト/むらたゆか