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都心部や駅近の立地が多く、職住近接の暮らしを求めるシングルや共働きカップル、DINKSや子どもが独立したシニア層から注目を集めるコンパクトマンション。
広さを抑えた分、予算内で便利な立地での家探しができることも魅力でしょう。
そんなコンパクトマンションについて、不動産コンサルティング会社「さくら事務所」を運営する長嶋修さんと、インテリアコーディネーターであり、「CHIC INTERIOR PLANNING」を主宰する荒井詩万さんにお話をお伺いしました。
コンパクトマンションとは、30~50m2くらいの広さで1DK~2LDK 程度の間取りが中心のマンションを指します。
それぞれ、「ワンルームマンション」「コンパクトマンション」「ファミリータイプマンション」の間取り図を比較すると以下のようになります。



コンパクトマンションに関する明確な定義はありませんが、ファミリータイプよりも小さく、ワンルームよりも広い住戸のことを呼ぶのが一般的です。
なお、「コンパクト」は物件の総戸数が少ないという規模を意味するものではありません。
「1990年代、マンションの主流はファミリータイプで、ほかは単身用や投資用のワンルームでした。
その後、20年くらい前から、晩婚化や共働き世帯の増加などを背景に、コンパクトマンションのサイズがちょうどいいという人が増えました。
今後は1人~2人世帯がマジョリティになっていき、コンパクトマンションへの注目度はますます高くなっていくでしょう」(さくら事務所・長嶋修さん)
また、コンパクトマンションは、大きな用地が取れなくても建てられるため、都心部や駅前など立地条件の良いところに建つ傾向があります。
近年、マンション価格は二極化が進み、利便性の高い立地のマンション価格は高止まりしています。
コンパクトマンションなら、広さを譲る分予算内で探しやすく、立地を重視する人にとって選びやすい物件といえるでしょう。
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コンパクトマンションが選ばれている理由には、さまざまなことが挙げられます。
例えば、同居する家族の人数がかつてよりも少なくなっていることです。「令和2年(2020年)国勢調査 ライフステージでみる日本の人口・世帯」の世帯数推移を見ても、単身者や2人暮らしの世帯が増えてきていることがわかります。

さらに、不動産の物件価格が年々上昇していることも理由の一つとして挙げられます。

物件を購入したくても価格が上昇しているため、予算内で抑えるためにコンパクトマンションを選択するケースもあります。
そうした需要の影響もあり、特に首都圏においては、コンパクトマンションを含む新築不動産の物件数が年々増加しています。
コンパクトマンションは、より都心に、より駅近い立地に建つ傾向があります。
そのため、家にいる時間が短く、通勤時間がもったいないと考える「立地>広さ」派のライフスタイルの人に向いています。
ライフステージの変化に合わせていずれ買い替える必要が出てくると思いますが、50m2程度のコンパクトマンションなら、子どもが小さいうちは十分に暮らしていける広さです。
また、立地が良いマンションは、将来売ったり貸したりする際にも需要が見込めるので、資産形成の助けになります。
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子育てを卒業したシニアカップルの場合、広い家は管理が負担になることもあります。
広い家を手放した資金を元手に、便利な都心部にコンパクトマンションを買うのも一考の価値ありです。
日常的な買い物に便利で、余暇を楽しむにも近場で楽しめるうえ、いざというときの通院にも便利な都心立地で選びやすいコンパクトマンション。
将来、自家用車を手放したとしても、暮らしの質は維持できます。家のサイズよりも便利な環境を優先したい人に、コンパクトマンションは選びやすい住まいといえるでしょう。
コンパクトマンションの魅力は、次の点が挙げられます。
立地条件が良い、または、面積が狭い分、立地条件の良い物件が予算的に選択肢に入りやすくなるマンションが多く、通勤、通学、買い物、食、遊び、通院、役所や図書館など各種公共サービス……とさまざまな生活シーンにおいて利便性が高く、選択肢が豊富な住まいが選べます。日常生活において移動に時間をかけずに済みます。
また、その資産性にも注目です。
「不動産の価値は、なんといっても立地によるところが大きいものです。そして、今後は1~2人世帯が増えていき、コンパクトマンションのニーズはますます高まるでしょう。
中古を含めたコンパクトマンションの供給数よりも需要のほうが多い状態がしばらく続くことからも、将来売りやすい・買いやすい物件といえるでしょう。
コンパクトマンションは、資産性が維持されやすい住まいなのです」(長嶋さん)。
冒頭で述べたように、「コンパクト」とはマンションの規模のことではないので、都心にある数百戸規模のタワーマンションなどにも該当する住戸が存在します。
その場合、スタディスペースやゲストルーム、展望ラウンジなど、共用施設が充実していることも多く、購入した住戸がコンパクトサイズでも、それを補うだけの空間が身近にそろうというケースもあります。
拠点性を買う、という意味では、共用施設も見逃せません。

コンパクトマンションを購入する際は、いくつか気を付けるべき点があります。
コンパクトマンションのデメリットとしてまず挙げられるのは、ライフスタイルの変化に対応しづらいことです。
ミニマルサイズであるコンパクトマンションの場合、子どもの誕生や親の介護などの理由で家族が増えると、どうしてもスペースが狭く感じられてしまいます。
家具を減らすなどで対応したとしても、生活の利便性はそれまでよりも下がってしまうでしょう。
住宅ローンを使い、新築マンションまたは築25年以内の中古マンションを購入する場合、条件を満たせば住宅ローン減税制度の恩恵を受けることができます。
その条件の一つが「床面積40m2以上(令和7年までに建築確認を受けた新築住宅の場合)」ですが、この40m2は、登記簿面積を指します。
「登記簿面積」とは、住戸の内側で計測した面積で、販売時によく目にする「専有面積」は壁の中心部から計測した壁芯で計測するため、範囲が異なります。

「登記簿面積」のほうが狭くなるため、「40m2以上の住戸を買ったはずが、恩恵を受けられない!?」という事態が発生することもあります。
また、収入に関しても、住宅面積が40m2以上50m2未満の場合は合計所得1000万円以下という制限が設けられているので注意が必要です。
参考:
国土交通省「令和7年度税制改正における住宅関係税制のご案内」(住宅ローン減税など)
逆に、不動産取得税や登録免許税は、マンションの共用廊下などの共有部分を加えた床面積を課税床面積として税額を求めるため、住戸の登記簿面積が39m2であっても、恩恵を受けられるケースがあります。
40m2前後のマンションを買う際には、登記簿面積や各制度の対象になるかの確認をしておくことが大切です。
コンパクトマンションは駅前など立地条件が良いことがあり、同じマンション内で分譲と賃貸の両方に出されるケースも多くなります。
買うときには将来のライフスタイルの変化に対応しやすいことは魅力となりますが、コンパクトマンションを賃貸として所有している住人の比率が多いことは、自分の資産として高い意識を持つ住人の比率が低くなる可能性もあります。
中古物件を買う場合には、管理が行き届いているかを事前に確認するように心がけましょう。
また、賃貸居住者が多いため理事の順番がすぐにまわってきたり、理事会の決議などでは、居住していない所有者との連絡に時間がかかりスムーズに運ばなかったりすることがある、と想定しておくとよいでしょう。
狭さゆえに「売りたいときになかなか売れない」と思われるかもしれませんが、単身者やDINKS(夫婦のみ世帯)の増加、少子高齢化といった家族類型の変化を受けて、コンパクトマンションの需要は堅調です。
実際に首都圏を中心にコンパクトマンションの販売戸数はが増えており、価格の高騰も続いています。
今後、購入層の拡大によってさらなる需要拡大が見込まれることから、コンパクトマンションの売却に不安を抱く必要はないと考えられるでしょう。
コンパクトマンションの懸念点として、狭さによる住みづらさ(使いづらさ)も挙げられますが、平米数が狭いからといって必ずしも使いづらいとは言い切れません。
むしろマンションの住みやすさは平米数よりも間取りに左右されるため、限られたスペースをうまく使ったコンパクトマンションのほうがデッドスペースも少なく、面積以上に住みやすいと感じるかもしれません。
また、狭さは工夫とアイデアによって十分カバーできます。
コンパクトマンションでゆったり快適な暮らしを手に入れたい方は、次の章でご紹介する「コンパクトマンションの狭さをカバーするインテリアとは?」を参考にしてみてください。
コンパクトマンションを少しでも広く使うには、どのような方法があるでしょうか。
まず、荷物を整理しておくのは基本ですが、自分の生活スタイルを分析することで、家具の取捨選択をするという手があります。
また、家具や照明の高さや配置、選ぶ色などを工夫することで実際の面積よりも広い印象をつくることもできます。
「コンパクトマンションだから、すべて小さい家具を選んでおけば広く感じるのでは?」と思うかもしれませんが、それでは用が足りないこともあるでしょうし、印象がのっぺりとしてしまい、大した効果は得られないことも。
家具の大小や配置によりメリハリをつくったほうが、余白を強調して空間の広がりを感じさせてくれるのです。
そんな、狭さをカバーするインテリアのコツを、インテリアコーディネーターの荒井詩万さんに伺いました。

「部屋の入口から見たときに、奥に背の高いものがあったり、手前に目線を遮るポイントがあったりすると圧迫感を感じてしまいます。
空間を広く感じさせるなら、手前側に背の高い家具を、奥に行くにつれて低めの家具を置いた、空間にパースをつくるような家具配置がおすすめです。奥行きが強調され、広く感じます」(荒井さん)。
もしも大型のテレビを奥に配置するような間取りであれば、テレビの後ろを照明で照らしたり、周りに植物を置いたりなどしてなじませ、圧迫感が出ないよう工夫をするのがおすすめです。
部屋の中央にソファを置く場合は、目線を途中で遮らないよう背もたれが低いタイプを選んだり、背もたれを壁に沿って配置したりすると、空間をより広く感じられます。

空間は、目線が奥に届くほど広く感じます。そのため、ドアを開けて部屋に入るとき、目線が届く一番遠い位置、つまり対角に目線を集めるポイントをつくるとよいでしょう。
この、目線を集める見せ場のことを、“フォーカルポイント”と呼びます。
「フォーカルポイントは、例えば大がかりなものだと、壁の一面だけ色を変えたり、印象的なカーテンを選んだりします。
手軽なものだと、スタンドライトを置いたり、お気に入りの絵や雑貨を飾ったりするという方法もあります。模様替えに対応しやすいので、植物を置いたり天井からつるしたりするのもおすすめです」(荒井さん)
フォーカルポイントがあることでインテリアが引き締まり、余白が強調されることで空間にゆとりが感じられるようになります。

ダイニングセットやソファなど、大きな家具を配置することが多いリビングダイニング。
「まず、自分たちの生活スタイルでは、リビングとダイニングのどちらで過ごすことが多いかを考えてみてください」(荒井さん)。
ダイニングでの団らんを重視する生活スタイルなら、ダイニングテーブルセットをゆったりくつろげる低めで広いタイプにしておき、リビングにはソファではなく1人がけのチェアを置いたり、ラグを敷くだけにしたりするなど、設置する家具にメリハリをつけて空間に圧迫感を出さないようにするという手もあります。
逆に、リビングでの団らん時間が多いなら、ソファは大きめを選び、食事はカウンターを利用したり、カフェテーブルのような小ぶりのダイニングセットを選んだりするという方法も。
よくある家具配置を当たり前と思わず、過ごし方と空間のサイズを考えて家具の大小を考えたり、“置かない”という選択をしたりするとよいでしょう。

色は空間の印象に大きく影響します。基本的には、白っぽい明るい色は空間を広く感じさせ、ダークカラーは空間を引き締めます。
ただし、「すべて白の場合は、空間にメリハリがなく、かえって広がりを感じにくいこともあるので、差し色を上手に使ってメリハリをつけ、白を活かしましょう」(荒井さん)。
ちなみに、寒色の壁は後退色なので、手前に明るい色味のものがあると、壁はより遠い位置にあるように感じます。
例えば、ダークネイビーの壁の手前に白いシェードのランプを配置すると、グッと奥行きが強調されるということです。
ダークカラーのなかにも効果的な使い方があるので、「メリハリ」を意識して好きな色を取り入れてみてください。
また、色は、配色によっても印象が変わりますのいで。同じ色の組み合わせの一例を紹介しますので部屋選びの参考にしてください。
床:ダークカラー
天井や壁:明るい色

床:明るい色 天井:ダークカラー

奥行きを感じさせるためのメリハリの付け方として、照明もポイントの一つです。
部屋の真ん中に一つだけ照明を点けてすべてを照らすことを「一室一灯型」と言います。
隅々まで明かりが届くというメリットがあり、勉強部屋などに向いていますが、単調な印象になります。
「リビングなどは、あちこちに照明を配置した”一室多灯型”の照明にすると、生活シーンに合わせて明かりを楽しむことができますし、陰影が奥行きを強調してくれます。
もともと一室一灯型の部屋であっても、スタンドライトやテーブルランプを置いたり、あちこちに付けやすいクリップ型のスポットライトを活用したりすれば、手軽に一室多灯型にすることができます」(荒井さん)。
照明自体をフォーカルポイントにする方法もありますが、フォーカルポイントとして置いた絵や植物にスポットライトをあてて楽しむのもおすすめです。

このように、方法はさまざまですが、「目線をなるべく遠くに届ける」「空間にメリハリをつけ余白を印象付ける」ことを意識すると、空間を広く感じることができます。
もちろん、片付いている状態が部屋を広く感じさせるのは基本なので、収納ができるソファや引き出し付きのテーブルを選ぶのもよいでしょう。
「壁面収納など大型の収納を設ける場合は、壁一面を扉で覆ってしまうと圧迫感が出がちなので、一部を扉のない状態にして目線が少しでも奥に届くような余白、“抜け”をつくっておくと圧迫感を軽減できます」(荒井さん)。
また、将来リフォームする際などは、間仕切りや扉に透け感のある素材を使ったり、壁の上部を天井まで届かせないパーテーションタイプにしたりして、あえて空間を空けて天井が続いているイメージを強調し、広さを感じさせる方法もあります。
コンパクトマンションであっても、工夫次第でより広く感じられる、快適な住まいにすることはできそうです。

令和6年(2024年)度の税制改正によって、住宅ローン減税制度が変更されることになりました。
具体的には、床面積要件が条件付きで従来の50m2から40m2に変更されることとなったのです。
これにともない、コンパクトマンションはより多くの人が購入しやすくなっています。
また、レインズマーケットインフォメーションで調べてみると、令和7年(2025年)9月時点で都心5区における直近1年のコンパクトマンション※の取引数は1570件ほどです。
※専有面積40m2超60m2以内 SUUMO調べ
物件価格の上昇や広さよりも利便性を重視するニーズの変化から、コンパクトマンションは予算内でマンションを探す際の選択肢の一つとなっているのです。
将来性の観点から見た場合、コンパクトマンションは魅力的だといえます。
なぜなら、令和2年(2020年)に行われた国勢調査の結果を見ても、1世帯当たりの人数は2.21人と、およそ20年前である平成12年(2000年)の2.67人から年々減少傾向にあるからです。
そのため、コンパクトマンションの需要は今後も続くことが予想されます。
先述の通り、コンパクトマンションの強みは、狭くても高い利便性にあります。
需要が高いコンパクトマンションは、駅から近いなど生活しやすい物件であることが大前提です。そのほか、希少性や住み心地の良さも資産価値を大きく左右するでしょう。
将来子どもに相続させることを考えているのであれば、コンパクトマンションへの住み替えも選択肢の一つといえるでしょう。
コンパクトマンションは30~50m2程度の広さのマンションの呼称で定義はない
コンパクトマンションは好立地にあることが多く、拠点性の高い暮らしを望む人に向いている
立地条件に加え、今後は1~2人世帯がマジョリティになり需要が見込めるので、資産性を維持しやすい
狭めの空間でも広く感じさせるコツは、「視線をなるべく空間の奥に届ける」「空間にメリハリをつけて余白を印象付ける」こと