2021年住宅ローン減税や贈与税、床面積の緩和でなにがどう変わる?【得する住宅税制ガイド】

2021年住宅ローン減税や贈与税、床面積の緩和でなにがどう変わる?【得する住宅税制ガイド】

政府・与党から2021年度税制改正大綱が発表され、4月に改正法案が施行される。コロナ禍を受けて住宅ローン減税や贈与税の特例を延長・拡充する内容だ。住宅を買う人にとってどんな影響があるのか、大綱の内容を見ていこう。

2021年住宅税制改正

住宅ローン減税:消費税率引き上げに伴う13年特例で最大約480万円の減税に

今回の税制改正の目玉は、なんといっても住宅ローン減税の特例延長だ。住宅ローン減税とは、住宅ローンを借りて住宅を買うと、入居から一定期間、年末のローン残高の1%に相当する額が所得税などから控除されるというもの。

控除期間は10年間だが、消費税率が10%に引き上げられた際に住宅需要の落ち込みを防ぐため、2019年10月1日から2020年12月31日に入居した場合に限り、3年間延ばして13年間にする特例(以下、13年特例)が導入された。ただし11年目から13年目までの控除額(年額)は「建物価格(4000万円が上限)×2%×2/3」と「年末の住宅ローン(4000万円が上限)×1%」のいずれか少ない方の額となる。

控除の対象となる住宅ローン残高は4000万円(長期優良住宅と低炭素住宅は5000万円)が上限なので、10年間で最大40万円(同50万円)、10年間では最大400万円(同500万円)の控除が受けられる。さらに13年特例を受けると、3年間で最大約80万円(同約100万円)の控除がプラスされ、13年間トータルで最大約480万円(同約600万円)の控除が受けられる仕組みだ。

2021年改正 住宅ローン減税額
住宅ローン減税の13年特例で控除額が最大約480万円にアップする
(図作成/SUUMO編集部)

【住宅ローン減税条件】

条件 一般住宅 長期優良住宅・低炭素住宅
控除対象の住宅ローン残高 4000万円 5000万円
年間の最大控除額 最大40万円 最大50万円

【住宅ローン減税の最大控除額】

内訳 一般住宅
最大約480万円
長期優良住宅・低炭素住宅
最大約600万円
10年間の最大控除額 最大400万円 最大500万円
3年間の最大控除額 最大80万円 最大100万円

住宅ローン減税:13年特例を契約期限付きで2022年末の入居まで延長

この13年特例は当初、2020年末までに入居した人が対象だったが、新型コロナ感染症の拡大で新居への入居が遅れるケースが相次いだため、一定の要件を満たせば入居期限を2021年12月31日まで延ばす措置が取られていた。一定の要件とは「注文住宅は2020年9月30日までに、分譲住宅やリフォームは2020年11月30日までに契約すること」「新型コロナウイルス感染症の影響によって入居が遅れたこと」の2つだ。

今回の改正では、この13年特例の入居期限をさらに延長し、2022年12月31日までとすることになった。ただし契約期限が設けられ、注文住宅は2020年10月1日~2021年9月30日に、分譲住宅などは2020年12月1日~2021年11月30日に契約することが要件となる。なお、改正後は「新型コロナの影響で入居が遅れたこと」という要件は問われない。

特例で追加された3年間の控除額は、建物価格の2%、つまり消費税の増税分が上限となる。また13年特例が適用されるのは住宅に消費税10%がかかるケース、つまり契約の相手方が事業者のケースだ。中古住宅を個人の売主から購入する場合は消費税がかからないので、対象外となる点に注意したい。個人売主の中古住宅は控除期間が10年間で、最大控除額は新築の半分の200万円、契約期限はなく2021年12月31日までの入居が期限となる(2022年以降は未定)。

2021年改正 住宅ローン減税の入居期限

2021年改正 住宅ローン減税の入居期限
13年特例の契約期限と入居期限を1年延長
(図作成/SUUMO編集部)

ここで注意したいのは改正後の契約期限だ。未完成の新築マンションを買った場合などでは、入居が2022年中(2022年1月~12月)になるものの、すでに2020年11月以前に契約が済んでいるケースも少なくないだろう。このようなケースは契約期限の要件に適合しないので、13年特例どころか現状では住宅ローン減税そのものが受けられない。ただし、2022年以降の税制については次回(2022年度)の税制改正で決まるので、新たな制度が適用されることになるはずだ。

住宅ローン減税の13年特例が受けられる契約と入居の期限

住宅ローン減税の13年特例が受けられる契約と入居の期限
13年特例には契約期限と入居期限がある
(図作成/SUUMO編集部)

住宅ローン減税:床面積要件を40m2以上に緩和(対象/合計所得金額1000万円以下の人)

税制改正大綱では、床面積要件の緩和も盛り込まれた。住宅ローン減税の適用を受けるには、住宅の床面積50m2以上が従来の要件だった。それが13年特例の延長分に限り、床面積要件が40m2以上に緩和される。これは近年、単身者など少人数世帯による住宅購入が増え、50m2未満のコンパクトマンションの需要が高まっていることに対応したものだ。

ただし床面積要件の緩和を受けられるのは、合計所得金額1000万円以下の人に限られる。住宅ローン減税のそもそもの適用要件は合計所得金額3000万円以下となっているが、投資目的による物件購入を排除するため、収入要件を厳しくしたとのことだ。ちなみに給与収入の場合は収入から給与所得控除を差し引いた金額が所得金額となるので、給与所得のみのケースでは年収(税込み)1195万円以下であれば要件を満たすことになる。ちなみに年収は世帯年収ではなく、住宅ローンを借りた個人の年収だ。ペアローンや収入合算で借りている場合も、それぞれの個人の年収で判断される。

なお、税制改正大綱には2022年度以降の住宅ローン減税の見直しについても盛り込まれている。これは近年の低金利を背景に1%の控除率を下回る金利で住宅ローンを借り、支払う利息額よりも控除額のほうが多い「逆ザヤ」が起きているケースが増えていることに言及したものだ。次回の税制改正では、1%未満の金利で住宅ローンを借りている人を対象に、控除率の上限を借入利率までとする見直しが実施される可能性がある。

2021年改正 住宅ローン減税の床面積緩和条件

条件 改正前 2021年改正後
床面積 50m2以上 40m2以上
年間の合計所得 年間3,000万円以下 40m2以上50m2未満→1,000万円以下
※給料収入の場合、1,195万円以下
(所得金額=税込み年収ー給与所等控除のため)
50m2以上→3,000万円以下

贈与税:非課税枠は2021年4月以降も現状のまま、最大1500万円

今回の改正の2つ目の目玉は、「住宅取得等資金の贈与税非課税特例」の拡充だ。住宅を買うときに親や祖父母から資金援助を受けると、一定額まで贈与税が非課税になる特例が受けられる。

非課税となる金額(非課税枠)は住宅への消費税課税の有無によって異なり、消費税が課税される新築住宅などは1000万円、非課税となる個人売主の中古住宅は同じく500万円だ。また一定の省エネ基準などを満たしている住宅の場合はこれらの非課税枠に500万円が上乗せされ、新築住宅の場合は1500万円となる。

この非課税枠は契約時期によって変わり、2021年4月1日以降に契約すると新築住宅などは700万円に、個人売主の中古住宅は300万円に縮小される予定だった。それが今回の税制改正により、4月以降も同じ非課税枠が維持されることになったのだ。なお、現状では非課税特例は2021年12月31日の契約までが対象となっており、2022年以降は未定だ。

2021年改正 贈与税の非課税延長

2021年改正 贈与税の非課税延長
贈与税の非課税枠は2020年度と同じ
(図作成/SUUMO編集部)

贈与税:2021年1月以降の贈与は床面積要件を40m2以上に引き下げ

さらに贈与税の非課税特例でも、床面積要件の緩和が実施される。従来は50m2以上(240m2以下)となっていたが、この下限が40m2以上に引き下げられるのだ。改正されるのは2021年1月1日以降の贈与だ。

また、床面積要件が緩和されるのは、合計所得金額1000万円以下の人が住宅を買うケースなどに限定される。合計所得金額1000万円超(2000万円以下)の人は、従来どおり50m2以上が要件なので注意が必要だ。

なお、税制改正大綱の内容は今後の国会審議を経て2021年3月末までに正式決定となる予定だ。現状ではあくまで与党・政府による「改正案」なのだが、大綱の内容どおりに決定するのが通例となっている。

グリーン住宅ポイント制度

税制以外では、グリーン住宅ポイント制度が新たにスタート。

新築の場合、省エネ性能の高い住宅を買うと、最大100万円分のポイントがもらえる制度だ。

中古住宅の場合は東京圏から地方へ移住するケースや、災害リスクが高い区域から移住するケースなどが対象となり、最大45万ポイントもらえる

一定の要件を満たすリフォーム最大45万ポイント

中古住宅を購入してリフォームした場合は最大60万ポイントだ。ポイントは環境や健康長寿、子育て支援などに役立つ商品などに交換できるほか、テレワークや感染症予防、防災に対応した追加工事に利用することもできる。

このほか、特例措置が延長になるもの

このほか、税制改正大綱には住宅を買うときの登録免許税や不動産取得税の特例の延長なども盛り込まれた。

不動産取得税

土地を購入する際に評価額が2分の1に、税率が4%から3%に、それぞれ軽減される特例の期限が3年間延長され、2024年3月31日までとなる。

登録免許税の特例措置

土地を購入して所有権を移転登記する際の税率が2 %から1.5%に軽減される特例の期限が2年間延長され、2023年3月31日までとなる。

固定資産税 地価上昇時の据え置き措置

土地の固定資産税評価額の評価替えについて、コロナ禍の影響を踏まえ、地価上昇で課税額が上昇する土地の税額を2020年度と同額に据え置く。

すまい給付金も延長

住宅を買うと年収に応じて最大50万円もらえる「すまい給付金」は、2021年12月31日までに入居した人が対象だったが、住宅ローン減税の特例延長に合わせ、2022年12月31日の入居までに期限が延長される。対象は新築住宅と事業者売主の中古住宅に限られ、床面積40m2以上で住宅ローン減税が受けられるケースも対象だ。

2021年 すまい給付金の条件の変更点

条件 改正前 2021年改正後
入居期限 2020年末まで 2022年末まで
床面積 50m2以上 40m2以上

2020年度の住宅税制改正で特例措置が延長されたもの

住宅税制ではこのほか、2020年度の改正で特例措置が延長されたものもある。これから住宅を買う人や買い替える人は見逃さないようにしよう。

固定資産税の減額措置

新築住宅を取得した場合、建物の固定資産税額を3年間(マンションは5年間)2分の1に減額する措置を2022年3月31日まで延長。

登録免許税の軽減措置

新築住宅(建物)の所有権保存登記、中古住宅(建物)の所有権移転登記、住宅ローンの抵当権設定登記について、税率を軽減する特例を2022年3月31日まで延長。

認定長期優良住宅の特例措置

認定長期優良住宅の登録免許税(建物の所有権保存登記)、不動産取得税(建物)、固定資産税(建物)の軽減を2022年3月31日まで延長。

認定低炭素住宅の特例措置

認定低炭素住宅の登録免許税(建物の所有権保存登記)の軽減を2022年3月31日まで延長。

譲渡所得買換え特例

住宅の買い替えで売却益が出た場合に課税を繰り延べられる特例を2021年12月31日まで延長。

譲渡損失損益通算および繰り越し控除

住宅の買い替え・売却で譲渡損失が出た場合に最大4年間にわたり繰り越し控除が受けられる特例を2021年12月31日まで延長。

ここで述べた住宅ローン減税、贈与税非課税枠、すまい給付金、グリーン住宅ポイント制度の4つの住宅取得支援策は、それぞれの要件を満たせば併用することが可能だ。ただし、住宅ローン減税を受けるときに、他の3つの制度の受贈額や交付額を住宅の購入価格などから差し引くことが必要になる場合がある。国による住宅取得支援策を最大限に活用し、コロナ禍に負けず理想のマイホームを手に入れよう。

まとめ

住宅ローン減税の13年特例の期限を1年延長し、床面積要件を40m2以上に緩和

贈与税の非課税枠を2020年度と同額に拡充し、床面積要件を40m2以上に緩和

すまい給付金の期限を1年延長し、床面積要件を40m2以上に緩和

グリーン住宅ポイント制度が新たにスタート

取材・文/住宅ジャーナリスト 大森広司
住宅問題の取材・執筆に取り組んで30余年。SUUMO新築マンションのNEWS記事などで情報発信中

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取材・文/住宅ジャーナリスト 大森広司
公開日 2021年02月24日
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