6番目に重視したいことは『二世帯住宅』です。
二世帯住宅とは、親子二世帯が一つ屋根の下で同居するための家のことで、住空間や設備の共用具合によって、完全分離タイプ、共用タイプ、一部共用タイプの3種類に分けることができます。
震災で「家族の絆」の大切さを改めて考えさせられた人も多いと思います。
一緒に住むことで、家族の健康・安全をいつも確認できるという面と、住居費や光熱費などの生活費を抑えることができるという面から検討する人が増えています。
あるハウスメーカーの担当者が「二世帯住宅づくりは『人と会社の信頼関係=人間力』が重要である」と語ってくれました。
二世帯住宅は単純に親世帯と子世帯が一緒に暮らせる間取りの家を建てればいいというものではありません。その家族の「人間関係(親世帯が妻側か夫側かなど)」と「資金提供力(親と子の資金の負担配分)」、そして「本音」を理解することがプランニングする上での重要な条件となります。
例えば、「本音」の要望とは、
●リビングやキッチンは共用でもいいが、バスルームとトイレは別にする
●キッチンの奥に一人で落ち着けるミセスコーナーを希望
●夫婦の寝室は分ける
などのことです。
顧客の本音を第三者が聞き出すことは簡単ではありません。住宅会社と顧客との間に信頼関係が築かれて、はじめて本音が語られます。それ故に、住宅会社、およびその担当者にはしっかりとした人間関係を築くための『人間力』が求められ、また担当者と顧客との信頼関係が満足度の高い住まいづくりへとつながるのです。
二世帯住宅を検討している方は、将来後悔せずに長く暮らせる家を建てるためにも、本音を伝えることをお忘れなく。
生活リズムと世代の異なる家族が同居する際に気を配る必要があるのが「音問題」です。
音の感じ方には個人差があり、家族でも問題視する度合いにばらつきが見られるため、なかなか解決しにくい性質があります。
その音問題を未然に防ぐために、二世帯住宅向けに遮音性能の高い床を採用している住宅会社の商品も出てきています。
家族が長く快適に仲良く暮らしていくためにも、お互いのちょっとした気遣いを大切にしたいものですね。
家を建てようと考えている人は「今」のことしか考えていない傾向が多く見られます。
しかし、家づくりの中でも特に二世帯住宅は、親世帯と子世帯が、これから数十年間一緒に暮らしていくことになりますので、20年後、30年後のことも想定してプランニングする必要があります。
将来の家族構成の変化や、親世帯が死亡後に賃貸物件に転用することもプランニング段階で検討しておくことも重要です。
あるハウスメーカーの担当者はこう語ってくれました。「顧客の将来を考えて提案することは住宅会社の責務である」
二世帯住宅は設計・建築の知識だけではよいプランニングはできません。
資金計画、税制面での優遇措置の活用提案、持ち分比率の提案、建築のタイミングなど、極めて高度な金融知識が必要です。
また、親世帯と子世帯の現在の家族構成と将来の段階的な家族構成予想とニーズを想定した提案力など、家づくりに関わるあらゆる要素が必要となります。
二世帯住宅づくりは住宅建築の総合力が求められることから、会社の実力が分かる商品といえるのです。
[写真]ダイワハウスのライフサイクル二世帯住宅「xevo YU」完成予想図
資料提供:大和ハウス工業株式会社