私は生まれてから今までの32年間、東京都世田谷区にある千歳烏山という場所に住んでいます。
この年になっても地元を一度も出たことがないということは、外の世界を知らなくてちょっとかっこ悪いかな?と思うこともあります。
それでも私は、焼き鳥屋さんからもくもくと立ち上る煙や、商店街に流れるアナウンス、パン屋さんの前を通ったときのふんわりとした香りを忘れることはできないし、これからもずっと千歳烏山に住みたいと思っています。
世田谷区というと、華々しい高級住宅街なんてイメージをもっている方もいるかと思いますが、千歳烏山は世田谷区のなかでも庶民的で、はじめて訪れる人でもどこか懐かしさを感じられる街ではないかと思います。
少し歩けば三鷹市と杉並区にぶつかる、世田谷区の端にある京王線千歳烏山駅は特急以外の列車全てが停車し、新宿から最速で約12分程度と、都心へのアクセスは良好。千歳烏山から発着しているバスを利用すれば、吉祥寺への移動もらくちんですし、近くには甲州街道や中央道などがあるので、車移動が多い方も住みやすいと思います。
駅前通り商店街である、「えるもーる烏山」はとても活気にあふれていて、100円のお買い上げに対して1枚発行され、350枚集めると500円の商品券として商店街の加盟店で使用できる、日本初のスタンプサービスである「ダイヤスタンプ」は今でも続いています。私も幼いころに台紙にノリを使ってペタペタスタンプを貼っていたのを思い出します。
駅前広場や商店街などではいろいろと趣向を凝らしたイベントも多数開催されていて、元気のある街だとも思います。
今回記事を書くにあたって私の愛する地元をどういった切り口で紹介しようか悩みに悩みました……。特徴を手広く、無難に紹介することもできる街でもあると思うのですが、それでは自分が日々感じている「千歳烏山の魅力・良さ」が伝わらないんじゃないか、と考え、今回は私個人が特に魅力的だと思う千歳烏山の良さに絞って、書いてみたいと思います。
飲食が好きな人にとって千歳烏山はヘヴンだ
私はお仕事でグルメライターなんかもさせていただいているのですが、食べたり飲んだりすることが大好きで、そういう意味で千歳烏山は本当に天国です。ヘヴンです。
京王線沿線でも千歳烏山は1、2を争うほど飲食店が豊富にある街だと思います。和食・中華・イタリアン・フレンチ・韓国料理・沖縄料理・ラーメン・カレー・焼肉・寿司・バー・スナックなどなど、徒歩で移動できる駅前の範囲内だけでも、とにかくたくさんの飲食店が並んでいて、食べ物の種類で困ることはないです。
おいしいものや、飲食店の開拓が好きな人でも千歳烏山の飲食店を制覇するには相当な時間がかかると思います。大手のチェーン店もありますが、個人店がとても多く、いい具合に住み分けもできています。
千歳烏山は帰って来たくなる飲み屋がある街
ただ飲食店が多いだけでは魅力だとは言えないかもしれませんが、千歳烏山は飲み屋さんを介した人とのつながりがとても強く、たくさんの人との出会いがあるのも魅力的なんです。
私は普段1人でフラフラと千歳烏山の街を飲み歩いているのですが、行く店、行く店で会う人たちとのつながりが楽しくて楽しくて……。地元に何十年も住んでいる先輩方や、地方から出て来た学生や社会人など出会う方は本当にさまざま。
私が人の話を聞くのが好きとか、寂しがりやとか、そういう要素もあるんですけど、もともと他人同士の1人飲みで出会って10年、ずっと仲が良い友達なんかもたくさんいます。
約束しなくてもふらっと足を運べば誰かに会える、そんな空気が千歳烏山の居酒屋には流れていて、ついつい都心で飲んでいても、早く千歳烏山に帰りたくなってしまうことも。
オーナーさんたちの横のつながりがとても良い雰囲気をつくり出す
千歳烏山の飲み屋さんは、どこも横のつながりが強く、オーナーさん同士が仲が良いのが特徴的だと思います。
なかでも30代〜40代の若手のオーナーさんたちは積極的にイベントを開催したりして、千歳烏山を盛り上げていこうという姿勢が伝わってきます。
そんな姿勢が来店しているお客さんにもいい意味で広がっているのか、訪れたお店のオーナーさんと仲良くなって、ほかのなじみのお店を紹介してもらったり、常連さん同士がオススメのお店を紹介して、一緒に飲みに行ったりと交流の好循環が起きていると感じます。
せっかくなので、そんなオーナーさんたちがいる、自分が大好きな千歳烏山のお店をいくつか紹介したいと思います。
まずは、「沖縄料理 すくばり」。千歳烏山唯一の沖縄料理メインのお店で、千歳烏山の商店街「めぇ~る街」の中にあります。
カウンターが6席と2人がけテーブルがひとつ、奥に座敷がひとつと決して広くはありませんが、毎晩たくさんのお客さんで盛り上がっています。
沖縄の有名な泡盛や宮古島の泡盛を多く取りそろえていて、料理もゴーヤチャンプルー、海ぶどうなど、スタンダードなものから宮古島の珍しい食材を使った料理を楽しむことができます。
マスターの下里さんは宮古島出身でその気さくな人柄から、地元の人はもちろん沖縄出身のお客さんもたくさん訪れます。
下里さんは千歳烏山に住んで十数年、元々千歳烏山の街で飲み歩きをしていたので、知り合いも多く、お店をオープンするときにもたくさんの地元の人に応援してもらったそうです。
千歳烏山で飲食店を開店して感じることは、ネットワークや口コミの力が強く、営業中に足りないものがあったら、向かいのお店に貸してもらったり、地元から多く食材が届いたときには、周りの飲食店におすそ分けしたりと、助け合うことができるのはとてもありがたいとのこと。
続いては、「創作和食と日本酒 季節料理びぃぼ」。
ちょうど「沖縄料理すくばり」の向かいにあるお店で、横の階段から2階に上がります。
店内は落ち着いた雰囲気で、カウンターが4席にテーブル席が5つちょっとで、隠れ家っぽさもあります。
こちらのお店は、料理が本当においしい。家庭ではなかなか食べることができない創作和食の数々は感動を覚えるほどです。
徹底的に手づくりにこだわっているところ、旬のものを提供してくださるところがうれしいんです。
飲食店一筋21年のオーナー鈴木さんがつくる料理は美しく、繊細で、芸術的。千歳烏山の中では一番と言っても過言ではない豊富な種類(60〜70種類)の日本酒を取りそろえているので、料理と合わせておいしい日本酒を楽しめるところが気に入っています。のんびりお酒と料理を楽しみながら常連さんや店員さんと会話するのがとても心地いい空間です。
「NovelCraft」は、千歳烏山ではとても珍しいクラフトビアバーです。
商店街から交番のほうに向かっていき、旧甲州街道を渡ってすぐのところにあるお店です。
おしゃれなカウンターメインの店内にテーブルが2つありお客さんでにぎわっています。
クラフトビールの樽生が常に6タップもあるので、好きな樽生を選ぶのも楽しい。
NovelCraftではビールはもちろんですが、牛タンを使った料理もオススメです。お腹が空いている1軒目にも、少し飲み足りない2軒目にも使いやすいイメージです。
オーナーの芦名さんは10年千歳烏山に住んでいる方で、美容師からWEB製作のお仕事を経てこちらのお店をオープンしたそうです。
烏山を選んだ理由は、周りに飲食店が多く、長く住んでいる土地ということもあって、「出店することに不安はなかった、飲食店同士も仲がいいし、思った以上に楽しい」と話しておられました。
豊富な飲食店と横とのつながりが魅力的な街、千歳烏山
千歳烏山にある飲食店のオーナーの方々と話す中で、やはり皆さんが言っていた千歳烏山の魅力は「横のつながりが強い」というところでした。
人とのつながりがとか面倒くさい……と感じる人もいると思いますが、それが私が好きなこの「千歳烏山」の魅力の一つだと個人的には思いますし、帰る居場所、通いたくなるお店があるというのはとてもすてきなことだと思います。
お酒の場が好きだったり、おいしいご飯を食べるのが好きな人、帰って来たくなるような飲み屋の近くに住みたいな、という人には、是非一度千歳烏山を訪れてみてほしいです。
そのときは、是非一緒に一杯やりましょう。
千歳烏山駅の不動産を探す
賃貸|マンション(新築マンション・中古マンション)|新築一戸建て|中古一戸建て|土地
著者:アリマックス
東京在住のフリーランス、ブロガー・ライター。ブログやメディアで文章を書いたり、遊んだり。
キャンプインフェスと赤提灯居酒屋と卵の黄身を崩すことが大好きな30代。運営しているブログ『ガジェとろ』ではグルメ、ガジェット、フェスなどの情報を配信中。
ブログ:http://gadgetintroduction.com/ Twitter:https://twitter.com/chesmin2009