駐車場・ガレージ・カーポートリフォームの方法とレイアウト、デザイン、費用、実例も紹介!

駐車場・ガレージ・カーポートをリフォームする際のポイントは、レイアウトや床の素材、デザイン、費用です。駐車場・ガレージ・カーポートリフォームの方法や費用相場、実例も紹介しましょう。

屋根付きカーポートの夜景

屋根付きカーポート(写真提供/LIXIL)

記事の目次

駐車場・ガレージ・カーポートリフォームの方法

まず、駐車場・ガレージ・カーポートリフォームにはどのような方法があるのかを紹介しましょう。

オープンな駐車場にする

費用も安くできるのがカーポートやシャッターもつけずにオープンな駐車場にすることです。
床によって費用が変わりますが、既存が土や砂利敷きの場合はアスファルトやコンクリート敷きに変えると、ホコリや雨の日のぬかるみも気にならなくなります。

屋根もシャッターもつけないオープンな駐車場のイラスト

屋根もシャッターもつけないオープンな駐車場

屋根付きのカーポートを設ける

カーポートは柱にポリカーボネートの屋根をつけたもので、雨や強い日差しから車を守ってくれます。
台数に応じたサイズのカーポートがあり、デザイン性も商品によって異なります。

屋根付きカーポートのイラスト

屋根付きのカーポート

ガレージを設ける

ガレージは屋根も壁もある車庫のことです。シャッターをつけることで防犯性も上がります。
ただ敷地にゆとりがある場合に向いています。

屋外に設けるガレージだけでなく、屋内に設けるビルトインガレージもあります。
1台用でも18m2(約11畳)ほどのスペースを取られますが、リフォームを機会に設けるのもいいでしょう。

家の1階を活用したビルトインガレージのイラスト

家の1階を活用したビルトインガレージ

駐車場リフォームのレイアウト

リフォームの場合は、家の配置を変えることは難しいですから、駐車場も基本いまあるものを利用することになりますが、庭にスペースのゆとりがあってもう1台分のスペースを考えている場合は、必要なスペースやレイアウトについて知っておくのがよいでしょう。

1台分に必要なスペース

駐車場をリフォームする際にも、1台につきどれくらいの駐車スペースが必要なのかを把握しておくのがよいでしょう。
1台分の駐車に必要なスペースは、普通自動車で長さ6m、幅3mです。車のサイズよりいくらかゆとりをもたせた広さとなっています。そのほかの自動車も下表に記載したので参考にしてください。
複数台のスペースが必要な場合は、それぞれに台数を掛けた面積が必要ということになります。その際にドア開閉のためのスペースはゆとりをみなければなりません。

駐車場に必要なスペース (単位:m)
駐車する自動車 駐車場の長さ 駐車場の幅
軽自動車 3.6 2.0
小型乗用車 4.5 2.8
普通乗用車 6.0 3.0

駐車場のレイアウトのポイント

リフォームの場合は、すでに駐車場がある場合が多いので、基本的に今のレイアウトを変えることはできません。
できるのは敷地にゆとりがある場合に、駐車スペースを増やすことぐらいでしょうか。

ただ中古住宅を購入する場合は、駐車場を見てどういう止め方をするレイアウトになっているのかをチェックしておきましょう。
車の停め方のタイプは、道路から直角に駐車する「直角駐車」と、道路と並列に駐車する「並列駐車」です。直角駐車で縦に複数台並べる「縦列駐車」のケースもあります。
直角タイプの場合は、駐車スペースの左右と奥行きにいくらかゆとりがあることが大事で、並列駐車の場合は、車の出し入れを考慮して、間口を車の全長の2倍以上とれるかどうかをチェックしておきましょう。

直角駐車と並列駐車の説明イラスト

直角駐車の場合は左右と奥行きにゆとりを、並列駐車の場合は道路に対する間口にゆとりをもたせるように注意を

駐車場・ガレージ・カーポートリフォームのデザイン

リフォームの機会に駐車場のデザインも一新したいと思う人は多いでしょう。その際のポイントを紹介します。

駐車場の床のデザイン

駐車場の床をコンクリートにリフォームする際には、スリットに植物を植えるなど、ワンポイントとして異素材を組み合わせるのはいかがでしょうか?
スリットを入れるだけで単調な見た目に変化がつきます。
また、組み合わせる素材はタイルやレンガ、植栽(タマリュウ、リュウノヒゲなど)などが考えられます。

コンクリートと植栽を組み合わせた駐車場のイラスト

コンクリートと植栽の組み合わせでコントラストも鮮やかに

タイルとコンクリートを組み合わせた駐車場とアプローチのイラスト

アプローチのタイルと組み合わせてもコンビネーションがよい

カーポートのデザイン

駐車場は屋根付きのカーポートを設置する場合も多いです。その際もデザインに配慮して外観イメージを引き立てるようにしましょう。カーポートは既製品なので、メーカーのカタログでチェックすることができます。

選ぶ際のいくつかのポイントを紹介しましょう。
まず屋根の形状はやや丸みを帯びたR形状とフラットタイプがあります。価格はR形状のほうがやや安い印象があります。
屋根を支える柱には片側で支えるタイプと両側で支えるタイプ、さらに後方で支えるタイプがあります。価格的にはスタイリッシュな後方で支えるタイプが高くなります。

屋根の素材は、ポリカーボネートが一般的ですが、ほかにFRPやアルミなど金属板などもあります。価格はポリカーボネートより高くなります。
1台用か複数台用かなどによってもデザインの選び方は変わりますが、基本的には好みや予算に合わせて選びましょう。

屋根が丸みを帯びた形状のカーポートの画像

屋根が丸みを帯びた形状のカーポート「ネスカR」(画像提供/LIXIL)

屋根がフラットな形状のカーポートの画像

屋根がフラットな形状のカーポート「ネスカF」(画像提供/LIXIL)

後方支持タイプで、直射日光から車を守るアルミ屋根2台用のカーポートの画像

後方支持タイプ2台用のカーポート。直射日光から車を守るアルミ屋根(画像提供/LIXIL)

駐車場・ガレージ・カーポートのリフォーム費用相場

既存の駐車場にコンクリートを打ったり、カーポートを設置したり、ガレージを設けたりなど、リフォームする際の費用相場を見ていきましょう。

駐車場の床をやり直すリフォーム費用相場

駐車場に砂利を敷き詰める場合の費用は約5000円~8000円。したがって20m2程度の面積に施工する場合は、約10万円~16万円かかります。
既存の駐車場をコンクリートの床に変えたいという場合の費用は、1m2あたり約1万円~1万5000円程度を見ましょう。したがって20m2程度の面積に施工する場合は、約20万円~30万円かかります。
タイル張りにする場合は1m2あたり約2万円~2万5000円を見ておきましょう。20m2の駐車場だと約40万円~50万円になります。

駐車場の床リフォーム費用の相場
材料 1m2あたりの単価
砂利 約5000円~8000円
コンクリート 約1万円~1万5000円
タイル 約2万円~2万5000円

屋根付きカーポートのリフォーム費用相場

屋根付きカーポートはサイズやデザイン、素材、機能などによって価格は変わりますが、ポリカーボネートの屋根付きが標準的です。1台用の標準的なタイプで材料価格は約15万円~20万円。これに工事費等が15万円程度かかります。トータルではざっと30万円~35万円となります。
上記は駐車場の床がコンクリートだった場合です。床もコンクリート工事を行うとなると、その施工費用が別途かかります。
既設のカーポートを撤去して新しいカーポートに交換する場合は別途解体撤去費がかかります。10万円程度を見込んでおきましょう。

屋根付きカーポートリフォームの費用相場
工事の種類 費用相場
カーポート新規設置 約30万円~35万円
カーポート交換 約40万円~45万円
床コンクリート打設 約20万円~30万円
(1台用標準的なポリカーボネート屋根の場合。製品のグレードが上がると費用相場も比例して高くなります)

ガレージのリフォーム費用相場

ガレージは屋外に設置するタイプと、屋内に設置するビルトインガレージがあります。
敷地にゆとりがあれば屋外に設置ができますが、庭が狭い場合はビルトインガレージを検討しましょう。ただしビルトインガレージは既存の家屋を利用するので、大掛かりな工事となります。
屋外設置型は壁やシャッターで防犯効果もあるので、車以外にものを置いておけるメリットもあります。設置費用は屋根付きカーポートよりかなり高くなり、1台用で設備機器と工事費を含めて250万円程度を見込みましょう。

ビルトインガレージは1階の空間をガレージに充てます。既存の部屋の解体、ガレージとして仕上げるための床のコンクリート工事、シャッター取りつけなどの費用がかかります。
ビルトインガレージの場合は、ほかの空間や外装なども含めて工事を行うのが一般的なので、リフォーム会社にリフォームプランを提案してもらい、見積もりをもらうのがよいでしょう。

シャッターと建具で囲まれたガレージの画像

シャッターと建具で囲むことができるガレージ(写真提供/LIXIL)

カーポート、ガレージは床面積に入る?

通常、外壁や柱の中心線で囲まれた部分は建築面積として計算されます。したがって建ぺい率を超えてしまう部分は建築できません。
床面積に算入するべきかどうかのポイントになるのはその建築物の「開放性」です。
例えばピロティ(建物の1階部分の駐車場など)は十分に外気に開放され、かつ屋内的用途に供しない部分は床面積に参入しません。

カーポートおよびガレージの場合はどうでしょうか?
建築基準法では高い開放性を有すると認められたものは床面積から除くとしていますが、その開放性とは以下のようなものです。

1. 外壁のない部分が4m以上連続している
2. 柱と柱の間隔が2m以上
3. 天井の高さが2.1m以上
4. 1階建て (1993年建設省告示)

カーポートの場合は上の条件を満たしていれば屋根があっても床面積には含まれません。したがって建築面積を計算するときには除くことができます。
一方、ガレージは壁で囲むつくりですから開放性の条件を満たさず床面積に算入しなければなりません。

ただしビルトインガレージの場合は、延べ床面積の5分の1を上限に床面積から除外されます。
リフォームでビルトインガレージを設ける場合は、そもそも面積が既存の住宅より増えることがなければ、面積は問題となりません。
ガレージを設ける際は、法律に詳しい専門家やリフォーム会社に相談しながら進めましょう。

駐車場・ガレージ・カーポートのリフォーム実例

ここからは駐車場・ガレージ・カーポートのリフォーム実例をかかった費用とともに紹介しましょう。

駐車場の増設リフォーム

ベビーカーなどを置いても十分な広さのある玄関土間には、靴をディスプレイするようにたっぷりと収納できるオープン棚を設置しました。

自宅で教室をしているので、生徒さんの車も駐車できるようにしてほしい、さらに家に入る足元が不安なのを解消してほしいとの希望。
以前は庭と駐車場と通路が混然一体となっていましたが、それぞれが交わらないように塀や門扉で区画し、駐車場を広げました。通路はバリアフリーを考慮し、滑りにくい舗装材で仕上げています。庭部分は木粉入り樹脂のフェンスで囲い、ドッグランにもなるようにしました。

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石を敷き詰めていた以前の写真

以前は地面に石を敷き詰めていました
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水はけのよいインターロッキングで仕上げたリフォーム後の写真

駐車場は水はけのよいインターロッキングで仕上げています。塀とフェンスも新たに施工

【DATA】
リフォーム費用:480万円
築年数:11年~15年
工期:1カ月
設計・施工:金子産商株式会社(グッドホームカネコ)

屋根付きカーポートにリフォーム

以前からあった駐車場に屋根を付けて、屋根付きカーポートにしました。
車のほかバイクも置け、荷物の一時置きもできるようになりました。

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屋根付きカーポートを設置した写真

スペースぎりぎりに屋根付きカーポートを設置しました

【DATA】
リフォーム費用:38万円
築年数:26年~30年
工期:3日
設計・施工:株式会社さくらホーム

3台分のガレージを敷地内に設置

車3台分のガレージを敷地内に新設しました。台風などの災害時でもものが飛んで車が傷つく被害を防げるし、盗難防止にも。空いているスペースにタイヤを保管したり、アウトドア用品も収納できて重宝しています。

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新設したガレージの写真

敷地内に新設した3台分のガレージ。コンクリート舗装も

ガレージ内部の写真

しっかり車が守られるガレージ内部

【DATA】
リフォーム費用:330万円
築年数:1年~5年
工期:2週間
設計・施工:株式会社作新建装

 

監修/一級建築士 柏崎文昭(甚五郎設計企画)
構成・取材・文/林直樹
イラスト/長岡伸行

駐車場・ガレージリフォームの種類と費用相場