中古住宅を購入して、庭に駐車場・ガレージをリフォームで設けたい、あるいはすでにある駐車場・ガレージが老朽化したので、リフォームしたい。そんなとき気になるのは、どういうことができてリフォーム費用がいくらかかるのか? ということでしょう。ここでは駐車場・ガレージリフォームの種類と費用相場について紹介します。
記事の目次
タイプ別に変わる駐車場・ガレージのリフォーム費用
敷地の空きスペースを駐車場・ガレージにリフォームする場合、まずどのようなタイプの駐車場・ガレージにリフォームするのかを決めましょう。
駐車場・ガレージのタイプによってリフォーム費用相場も変わります。
舗装のみのオープンスタイルの駐車場・ガレージ
オープンスタイルの駐車場・ガレージとは、屋根も囲いもないスペースを活用するタイプです。
オープンスペースを駐車場にするためには、雨水が溜まらず、車の出し入れに耐えられる強度をもたせるため、舗装する必要があります。
駐車場の舗装方法には、主に以下の3つがあります。
・砂利を敷き詰める
・アスファルト舗装をする
・コンクリートで舗装をする
砂利敷きは、最も費用が安くすむ方法ですが、車や靴が汚れやすい、砂利がはねて車体を傷付けることがある、などのデメリットがあります。
メリットとしては安上がりであるほかに、将来、用途を変える必要が出たとき、コンクリートのように剥がす手間がかからず解体費が安いということもあります。
アスファルトの舗装は、平坦に、歩きやすくなり、見た目もコンクリートと同じようで、水はけもよいです。
デメリットとしては夏場暑い、表面にひび割れやへこみができやすいなど耐久性の低さです。
コンクリートは、固くて耐久性のある素材です。
長持ちするのが最大のメリットですが、リフォーム費用はこの3種類のなかで最も高くなります。
見栄えを考えてタイル張りにするケースもあります。
タイル張りは耐久性が高いですが、リフォーム費用はかなりアップします。
これらの舗装を選んだ上で、チェーンポールやオープンゲートなどをつけるかどうかでもリフォーム費用は変わります。
車の保護や防犯を重視するならカーポートかガレージにリフォーム
庭を舗装するだけでは、屋根がないので雨の日の車の乗り降りに不便だし、紫外線から車の保護もしたい、という場合はカーポートやガレージを設けましょう。
カーポートは屋根とそれを支える柱でできたシンプルな車庫で、車が雨に濡れない、直射日光にさらされないというメリットがあります。
カーポートはデザイン性や素材、機能性などで費用が変わります。
ガレージは壁で囲まれた車庫。 シャッターを閉じることができるので、防犯性にも優れています。
家に付随したビルトインガレージもこれに含まれます。
ビルトインガレージは屋内の一部を活用してガレージにするもので、庭が狭く、駐車スペースを確保できない、という場合に有効です。
駐車場幅って最低限どれくらい必要? 車種や土地に合わせて設計しよう
駐車場・ガレージリフォームの費用相場
ここからは、舗装やゲートの種類でリフォーム費用がどう変わるのかなどを見ていきましょう。
舗装は砂利、アスファルト、コンクリートの順で費用が高くなる
舗装費用は、それぞれ1m2当たり、砂利を敷き詰める費場合は約7500円、アスファルト舗装は約1万2000円、コンクリート舗装は約1万5000円となります。
舗装方法 | 費用の目安 |
---|---|
砂利敷き詰め | 約7500円 |
アスファルト | 約1万2000円 |
コンクリート | 約1万5000円 |
安く上げるならチェーンポール
数本のポールと、ポールの間に渡したチェーンで駐車場と外部を仕切るチェーンポールは、埋め込み式工事費込みで1台用約8万円~が、費用相場です。
オープンゲートは、開閉できるフェンスのことです。
アルミ製が多く、電動式は高くなりますが手動式なら1台用約20万円~、電動式は1台用が約60万円~が一般的な費用相場となります。
シャッターは電動式で約120万円~が一般的な費用相場です。
種類 | 費用相場 |
---|---|
チェーンポール | 約8万円~ |
オープンゲート(手動) | 約20万円~ |
オープンゲート(電動) | 約60万円~ |
電動式シャッター | 約120万円~ |
カーポートは耐風圧性・耐荷重性でリフォーム費用が変わる
カーポートの機能は屋根がついているので雨に濡れずに乗り降りできる、車に雪が積もらない、紫外線による塗装の劣化を防ぐといったところ。
価格は強風に強い、積雪に耐えられる耐荷重性があるなど、機能性がアップするほど高くなります。地域性に合った商品を選びましょう。
屋根の遮熱性能や耐久性などで費用が変わる
カーポートの屋根の素材はポリカーボネートが一般的ですが、ほかにスチール折板やアルミ、FRPなどもあります。
ポリカーボネートのなかでも熱線吸収タイプや熱線遮断タイプがあり、真夏の熱を吸収・遮断して、社内が暑くなるのを防止します。
また、アルミ屋根も遮熱性が高く、さびにくいので耐久性も高くなります。
一般のポリカーボネートより遮熱性の高いポリカーボネート、さらにアルミ製の屋根などは価格が高くなります。
強風に耐える強度、豪雪に耐える耐荷重性で費用が変わる
強風の吹く地域、積雪地域ではそれに対応した強度をもつカーポートが必要です。
こうした強度によってもカーポートの価格は変わります。
施工してくれる会社に相談して、適切な商品を選んでもらいましょう。
古いカーポートと交換か新設かでリフォーム費用が変わる
既存のカーポートを新しいカーポートに交換する場合は、既存の解体・撤去費用がかかるのでその分が加算され、リフォーム費用が高くなります。
解体・撤去費用はリフォーム会社によっても変わるので、事前に確認しておきましょう。
カーポート設置の費用相場
カーポートを設置する場合は、商品の機能性や、既存のカーポートとの交換か新規に設置するのかで違ってきます。
既存のカーポートを解体して、設置する場合、解体撤去費用がかかります。
1台用の標準的なカーポート交換の費用相場は約40万円~。
新規設置の場合は、約30万円~が費用相場です。
カーポート交換 | 約40万円~ |
---|---|
カーポート新設 | 約30万円~ |
独立タイプとビルトインタイプのガレージのリフォーム費用相場と注意点
ガレージは屋根、壁で囲まれ、車を安全に保管できるのがメリットです。庭の空きスペースに設ける独立型のガレージと、家に組み込まれたビルトインガレージに分かれます。それぞれの特徴とつくり方、費用相場を見ていきましょう。
独立タイプのガレージの費用相場
独立タイプのガレージは既製品を設置してもらう方法とリフォーム会社に建築してもらう方法があります。
既製品はスチールなどでできていて、設置工事も組み立てるだけで簡単。
基礎の仕様や地盤の状況にもよるが、床のコンクリート工事などを含めて一般的には約80万円~が目安となります。
ビルトインタイプのガレージの費用相場
ビルトインガレージをリフォームで設ける場合は、1階の使われていない部屋、例えば和室などを解体して、ガレージに変えます。
解体費用等がかかりますが、6畳の部屋を解体して1台分のスペースを確保するとして、
解体費用、床のコンクリート打ち、内装等を含めて約200万円~を見ておきましょう。
種類 | 費用相場 |
---|---|
既製品 | 約100万円~ |
ビルトインガレージ | 約200万円~ |
ガレージをつくるときの注意点
独立型のガレージは増築になりますから、敷地の建ぺい率・容積率の範囲でなくてはなりません。
建築確認申請をしなければならない場合があるので注意を。
また、固定資産税が増える場合があるので、税務署に確認が必要です。
ビルトインガレージの場合は、増築をしなければ面積の問題はありません。
ガレージハウスのメリット、デメリット ビルトインガレージ、インナーガレージとの違いは?固定資産税は?
ビルトインガレージをつくるメリット、注意したい点とは
駐車場・ガレージリフォームの費用を抑える方法
見栄えにもこだわるほどリフォーム費用は高くなりがち。
シンプルな仕上げ、シンプルなデザインの製品を選ぶことで費用を抑えることができます。
シンプルな舗装に抑える
タイル張りや石張りの駐車場は見栄えがいいですが、費用はコンクリートの舗装より、高くつきます。
見栄えより機能優先ならコンクリート舗装で十分です。
コンクリート舗装はアスファルト舗装より費用は高いですが、耐久性が高いのが特徴。
アスファルト舗装は耐久性に難があるのと、真夏に高温になりやすいのが欠点です。
一方、最も安くできる砂利は照り返しが少ない、踏みしめると音がするので防犯にもなるなどのメリットも。
予算やそれぞれのメリット・デメリットにも注目して検討しましょう。
シンプルなデザインにする
カーポートやオープンゲート、シャッターはデザインがシンプルなほど価格が下がります。
なるべくシンプルなデザインの製品を選べば、リフォーム費用が抑えられます。
家の外観との調和も考慮しながら、デザインを検討しましょう。
まとめ
庭に駐車場を作るには、庭を舗装する方法とカーポート・ガレージを設ける方法があります。
ガレージには家に組み込まれたビルトインガレージと、独立タイプのガレージがあります。
駐車場を設ける費用を安く抑えるためには、できるだけシンプルな舗装、シンプルなデザインにしましょう。
構成・文/林直樹 監修/甚五郎設計企画(柏崎文昭)
※文中の費用相場は著者および監修者による試算に基づきま