窓・サッシリフォームの費用相場ともらえる補助金。断熱窓で、冬暖かく、夏涼しく

窓・サッシリフォームの費用相場。断熱窓で、冬暖かく、夏涼しく

日照・通風を得る、景色を取り込む……住まいにとって窓・サッシは大切な存在。そんな窓・サッシも古いものはシングルガラス・アルミサッシで断熱性が低く、部屋の寒さの原因になったり、結露に悩まされたりする存在でもあります。
では、窓・サッシをリフォームして、新しい断熱窓にし、冬暖かく、夏涼しくするには、どんな方法があるのでしょうか?また、それぞれの窓・サッシリフォームの費用相場はどれくらいなのかを見ていきましょう。

記事の目次

窓ガラスとサッシの種類でリフォームの費用相場が変わる

窓・サッシリフォームの目的は、住まいから流出する熱や外から流入する熱を少なくして、冬暖かく、夏涼しい家にすること。
そのためには、窓を断熱性の高いガラスとサッシに変える必要があります。

かかるリフォーム費用は用いるガラスとサッシの種類および工法で変わります。

断熱していない窓から逃げていく熱は全体の約半分

住まいの床・壁・天井(屋根)を断熱しても、窓を断熱していないと多くの熱が逃げてしまいます。
冬に窓など断熱していない開口部から流出する熱の割合は全体の半分近く(48%)もあります。

そこで住まいを暖かくするには、床・壁・天井・屋根の断熱に加えて、窓を断熱することが重要なポイントとなります。

●冬に家から熱が逃げていく割合

冬に家から熱が逃げていく割合

地域/東京 1992年の新省エネルギー基準の場合
出典:(社)日本建材・住宅設備産業協会

古い住まいの窓は、シングルガラスとアルミサッシが一般的です。
シングルガラスもアルミも断熱性が低く、屋内の熱を外に逃がしやすく、屋外の冷気や熱気を屋内に呼び込みやすい素材です。

窓の断熱性を上げるためには、断熱性の高い複層ガラスと樹脂や木製のサッシに交換する必要があります。
複層ガラスはガラスとガラスの間の空気層が熱を滞留させ、断熱効果を上げます。
シングルガラスに比べると複層ガラスの熱が逃げる、あるいは外から流入する割合は、半分程度に減ります。

また、樹脂(プラスティック)や木製サッシは、プラスティックや木という素材自体が、アルミのような金属と比べて、断熱性が高く、熱の流出入を大幅に抑えます。

シングルガラス・アルミサッシの窓をリフォームし、複層ガラス・樹脂サッシに変えることで、屋内の熱を逃がさず、外からの冷気や熱気を遮断します。
それによって冬は暖かく、夏はエアコンの効き目がよく涼しい快適な住まいになります。

複層ガラスのうち、より遮熱効果や断熱効果に優れたガラスにLow-E複層ガラスがあります。

また、樹脂サッシには室外側をアルミに、室内側を樹脂製にしたタイプも多く使われています。

どれを選ぶかで窓・サッシリフォームの費用は変わってきます。

まずガラスとサッシを合わせた価格は一般の複層ガラス、室外アルミ、室内樹脂のサッシを使用の場合、サイズの違い等によって以下が目安となります。

腰高窓で約8万円~17万円、掃き出し窓で約22万円~28万円ほど。
ガラスをLow-E複層ガラスに変えると、腰高窓で約1万円アップし約9万円~18万円、掃き出し窓で約2万円アップし約24万円~30万円となります。

●ガラスの種類による窓・サッシの費用相場(1窓当たり。工事費を除く材料費のみ)
一般複層ガラス Low-E複層ガラス
腰高窓 約8万円~17万円 約9万円~18万円
掃き出し窓 約22万円~28万円 約24万円~30万円
(サッシは室外側アルミ、室内側樹脂、引き違い2枚立て)

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サッシ交換リフォームする場合の費用相場

窓を断熱する窓・サッシリフォームにはいろいろな方法があります。

最初に紹介するのは比較的オーソドックスなサッシ交換です。
この方法は外壁を一部壊さなければならないなど、大がかりな工事になります。

サッシ交換は外壁を解体する工事。マンションでは不可

通常のサッシは、サッシ枠が外壁に食い込むカタチで取り付けられています。
そこで、サッシを完全に交換するときには、サッシ枠が食い込んだ部分の外壁を切り取って、サッシを交換し、切り取った部分を修復する工事が必要となります。

●サッシ交換イメージ

サッシ交換イメージ

高い所は足場工事が必要になることもあり、費用的には最も多くかかる方法です。
骨組みだけ残して解体するスケルトンリフォームの際に、この方法でサッシ交換を行うことが多いようです。

この方法のメリットは、どんなサッシでも採用できることと、サッシのサイズが元のまま、小さくならないことです。

サッシ交換のリフォーム費用相場は、工事費が足場代を除いて腰高窓1カ所約15万円~21万円、掃き出し窓1カ所約25万円~30万円かかります。
さきほどの商品価格を合わせたリフォーム費用相場は以下のとおりです。

一般複層ガラスの場合、サッシ交換費用は腰高窓で、約23万円~38万円、Low-E複層ガラス使用で約24万円~39万円。
掃き出し窓は約47万円~58万円、Low-E複層ガラス使用で約49万円~60万円です。

●サッシ交換費用(足場工事代除く。1窓当たり)
一般複層ガラス Low-E複層ガラス
腰高窓 約23万円~38万円 約24万円~39万円
掃き出し窓 約47万円~58万円 約49万円~60万円
(サッシは室外側アルミ、室内側樹脂、引き違い2枚立て)

壁を壊さないでサッシリフォームする場合の費用相場

壁を壊さないでできるサッシ交換の方法もあります。
こちらのほうが、より手軽に窓・サッシリフォームができます。

この方法には、窓・サッシのカバー工法という方法と、アタッチメント付き複層ガラスに交換する方法があります。

それぞれの窓・サッシリフォームの方法と費用相場を見てみましょう。

壁を壊さずサッシ枠の上に新しいサッシ枠をかぶせる「カバー工法」

「カバー工法」は、外壁に食い込んでいるサッシ枠をそのまま残して、その上に新しいサッシ枠をかぶせる方法で、外壁を解体する必要はありません。

枠の上に枠をかぶせるので、やや窓のサイズが小さくなりますが、方法としては手軽で、1カ所2時間程度で窓・サッシ交換ができます。

新しい窓は、複層ガラス・樹脂サッシを採用すれば、断熱性も高く、結露も防止できます。

LIXILリプラス

既存のサッシ枠にかぶせて新しいサッシを取り付けるタイプの「リプラス」(写真提供/LIXIL)

窓・サッシのカバー工法によるリフォームの一般的な費用相場は以下のとおりです。

工事費は腰高窓で約9万円~10万円、掃き出し窓で約12万円~13万円なので、それに材料費が加わります。
腰高窓で一般複層ガラスの場合、約17万円~27万円、Low-E複層ガラス使用で約18万円~28万円。掃き出し窓は一般複層ガラスの場合で約34万円~41万円、Low-E複層ガラス使用で約36万円~43万円となります。

●カバー工法による窓・サッシリフォーム費用の相場(1窓当たり)
サイズ 一般複層ガラス Low-E複層ガラス
腰高窓 約17万円~27万円 約18万円~28万円
掃き出し窓 約34万円~41万円 約36万円~43万円
(サッシは室外側アルミ、室内側樹脂、引き違い2枚立て)

「アタッチメント付き複層ガラス」に交換するリフォーム

サッシは残してシングルガラスから複層ガラスにガラスのみ交換する方法もあります。

シングルガラス用のサッシには、ガラスをはめ込む溝の幅が違うので、そのままでは複層ガラスを取り付けることができません。
ところが、シングルガラス用の既存サッシに取り付けができるアタッチメントのついた複層ガラスがあり、それを採用すれば、簡単に複層ガラスに交換することができます。

手軽にできる窓・サッシリフォームといえますが、ただこの方法ではガラス部分の断熱性は高くなりますが、既存のサッシ部分がアルミだとその部分の断熱性は元と変わりません。

YKK AP アタッチメント付き複層ガラス

アタッチメント付き複層ガラス(写真提供/YKK AP)

シングルガラスをアタッチメント複層ガラスに変える一般的な費用相場は以下のとおりです。

アタッチメント付きの一般複層ガラスは、腰高窓のサイズで約2万円~2万5000円、掃き出し窓で約4万円~4万5000円。既存の撤去費用と新規サッシの取り付け費用等工事費が腰高窓で約5万~6万円、掃き出し窓が約8万円~9万円です。

工事費を合わせると腰高窓約7万円~8万5000円となります。
掃き出し窓が約12万円~13万5000円です。

カバー工法に比べるとかなり安くできます。

●アタッチメント付き複層ガラスに交換する費用相場(1窓当たり)
サイズ 一般複層ガラス
腰高窓 約7万円~8万5000円
掃き出し窓 約12万円~13万5000円

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「内窓」を設置して窓・サッシを断熱し結露防止する費用相場

既存の窓・サッシをまったくいじることなく、窓の断熱性を上げる方法が「内窓」の設置です。
この方法は既存の窓に影響しないので、マンションでも可能な窓・サッシリフォームです。

既存の窓の撤去費用がかからないので工事費は安い

「内窓」は、窓の内側にもう一つ窓をつくって窓を二重にするものですが、外側の既存の窓と「内窓」の間に空気層ができ、その空気層が断熱効果を発揮します。

複層ガラスと同じように断熱効果と結露防止効果もあります。

また価格は高くなりますが、内窓の種類も、より断熱効果を発揮する複層ガラスタイプやLow-Eタイプがあります。

内窓の商品代は、腰高窓で単板ガラス1カ所4万円~5万円、掃き出し窓が1カ所約11万円~13万円。

内窓の設置は既存のサッシの解体撤去費用がかからないため、その分が割安となります。
設置工事費は腰窓1カ所3万5000円~4万円、掃き出し窓1カ所約6万5000円~7万円を見ておけばよいでしょう。

内窓代と取り付け工事費を合わせた設置費用は、腰窓は単板ガラスの場合約7万5000円~9万円、一般複層ガラスは1万円程度アップして約8万5000円~10万円、Low-E複層ガラスは約9万5000円~11万円。
掃き出し窓は単板ガラス約17万5000円~20万円、一般複層ガラスは、3万円程度アップして約20万5000円~23万円、Low-E複層ガラスは、約22万5000円~25万円となります。

●内窓設置リフォームの費用相場(1窓当たり)
サイズ 単板ガラス(3mm) 一般複層ガラス Low-E複層ガラス
腰高窓 約 7万5000円~9万円 約 8万5000円~10万円 約9万5000円~11万円
掃き出し窓 約17万5000円~20万円 約20万5000円~23万円 約22万5000円~25万円
(いずれもサッシは樹脂製)

内窓の場合、単板ガラスでも既存の窓と合わせて窓が二重になるので、十分断熱効果や結露防止効果が望めます。

防音したい場合の窓リフォームの費用相場

窓を防音する場合は、断熱性のアップと同じように、複層ガラスへの交換や内窓設置が効果的。 より防音効果を発揮するガラスのタイプもあります。

複層ガラスや内窓設置で防音効果が期待できる

ガラスは音を通しやすい素材ですが、複層ガラスや内窓を設置することで、防音効果も期待できます。

さらに防音効果を上げたい場合は、複層ガラスや内窓に防音合わせガラスを取り入れることも可能です。

内窓に防音合わせガラスを使用した際の費用は、上記の設置費用に腰窓でプラス約6万円、掃き出し窓で約12万円見ておけばよいでしょう。

●内窓(防音合わせガラス)設置リフォームの費用相場(1窓当たり)
サイズ 単板ガラス(3mm) 一般複層ガラス Low-E複層ガラス
腰高窓 13万5000円~15万円 約14万5000円~16万円 約15万5000万円~17万円
掃き出し窓 29万5000円~約32万円 約32万5000円~35万円 約34万5000円~37万円
(サッシは樹脂製)

窓の増設リフォームで採光・通風効果をよくする場合の注意点

窓は採光・日照を得るために設けるもの。
窓を増設したり、サイズを大きくするリフォームって可能なのでしょうか?
可能ですが、気をつけなければいけないこともあります。

窓の増設は大規模リフォーム時に行うのが一般的

窓を大きくしたり、数を増やすには、壁の解体が必要で、足場工事が必要な場合も多いです。
また、窓を大きくしたり、数を増やすと耐震性や断熱性にも大きく影響します。

一般的には、大規模リフォーム時に、きちんと耐震診断を行った上で、必要な補強とともに、窓のサイズアップや増設も行うべきでしょう。

したがって、窓のサイズアップや増設については、リフォーム全体のプランニングの中で検討し、費用も個々の事情で変わってくるので、見積もりをもらって確認しましょう。

費用がわかる窓断熱、窓の増設を含む大規模リフォーム事例

窓断熱、窓の増設および構造部の断熱、耐震補強も行った大規模リフォームの事例を費用付きで見てみましょう。

【リフォーム費用2260万円】デッキに面した窓を増やし開放的な住まいに

窓の増設リフォーム事例

LDKの窓を増やして開放的な空間に

間取り図

以前は細かく区切られていた1階フロアは、LDK全体に光と風が入るオープンな設計に。縦長の窓を開閉し、風を調整することが可能です。あえて筋交いを現しにして残すなど、耐震面の補強をしっかり行っています。

<費用の内訳>
建物本体工事一式: 2000万円
外構工事一式: 110万円
家具・照明・窓装飾: 150万円

リフォーム面積:128.00m2
設計・施工:優建築工房

【リフォーム費用:1678万円】窓の位置変更で土間に光を取り込む

窓のリフォーム事例

玄関から続く土間にふんだんに日差しを取り込む

間取り図

北側の玄関から南側の庭まで、家の中を貫く土間を設け、庭に面して土間に光を届ける窓を設けました。リビングとの境の引き戸を開ければ、1階を開放的なワンルームにでき、土間は家中に陽光と風を導く架け橋ともなっています。

耐震補強と断熱改修も行い、安心で快適に過ごせる住まいになりました。

<費用の内訳>
仮設工事: 62万円
解体工事: 163万円
外装工事: 73万円
木工事・材料費: 436万円
外部サッシ工事: 126万円
建具工事: 115万円
家具工事: 167万円
内装工事: 216万円
住宅設備工事: 150万円
給排水工事: 72万円
電気工事: 98万円

リフォーム面積:102.43m2
設計・施工:優建築工房

防犯性能を上げたい場合の窓・サッシリフォームの費用相場

窓は空き巣にとって格好の侵入口。
一戸建ての侵入犯のなんと半数以上が窓からという警察庁のデータもあります。
どうやったら防げるのか、防犯性能を上げたい場合の窓・サッシリフォームの方法と費用相場を見てみましょう。

●侵入窃盗の侵入口

侵入窃盗の侵入口

警察庁調べ 2022年(図作成/SUUMO編集部)

窓の防犯は防犯合わせガラスへの交換で

窓から入る空き巣の手口は、ドライバーなどで音を出さないようにガラスを破壊して侵入するというものですが、空き巣は侵入に5分以上かかると約7割があきらめるという、都市防犯研究センターの調べによるデータがあります。

破壊に時間がかかる窓ガラスなら、空き巣対策になるというわけです。
「防犯合わせガラス」は、2枚のガラスの間に特殊なフィルムを挟み込んだもので、割ろうとしてもヒビは入るけど、貫通されにくいという特徴があります。
ですので、窓のガラスを割って入ろうという手口に対して有効です。

防犯合わせガラスは、シングルガラス用のサッシに対応しているものもありますが、断熱性を兼ねた防犯合わせ複層ガラスもあります。

全ての窓ではなくても1階の人目につきにくい窓だけでも防犯合わせガラスに交換するのもよいでしょう。

防犯合わせガラス イラスト

防犯合わせガラスに変える一般的なリフォーム費用相場は、以下のとおりです。

防犯合わせ複層ガラスの工事費は、カバー工法の場合で約9万円~10万円。

防犯合わせガラス(サッシは室外側アルミ、室内側樹脂)が腰高窓で約11万円~17万円、
掃き出し窓で約21万円~24万円となります。

カバー工法の工事費を合わせた防犯合わせ複層ガラスへのリフォーム費用は、以下のとおりです。
腰高窓で約20万円~27万円、掃き出し窓で約30万円~34万円。

●防犯合わせ複層ガラスに交換する費用相場(1窓当たり)
腰高窓 約20万円~27万円
掃き出し窓 約30万円~34万円
(ガラスはLow-Eタイプの場合)

雨戸・シャッターも防犯対策に有効

窓の外側に設置する雨戸やシャッターも防犯に有効です。

シャッターにはルーバータイプで閉めたまま風や光を通すものもあり、夏場の防犯に役立ちます。

シャッターには手動式と電動式があり、価格は電動式が高くなります。

古くなった雨戸を最新のシャッターに変える一般的なリフォーム費用の相場を見てみましょう。

シャッターの一般的な商品代の相場は、手動式で腰窓用約8万円、掃き出し窓用約10万円、電動式で腰窓用約18万円、掃き出し窓用約20万円。
閉めたまま採風できるタイプは腰窓用約35万円、掃き出し窓用約37万円となります。

工事費は既存の雨戸の解体撤去費用、シャッターの設置費用等を含めて約10万円です。

●雨戸をシャッターに変えるリフォーム費用相場(工事費込み)
サイズ 手動式 電動式 採風タイプ
腰高窓 約18万円 約28万円 約45万円
掃き出し窓 約20万円 約30万円 約47万円

LIXILシャッター

既存の窓に取り付けられるリフォーム用シャッター(写真提供/LIXIL)

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耐震補強をしたい場合の窓まわりのリフォーム費用相場

大きな窓は耐震性を損ねる原因になりますが、窓を小さくしなくても耐震フレームを設置して、構造の補強ができます。
サッシ交換の際に検討してみてもいいでしょう。

サッシまわりの構造部に耐震補強フレームを設置

南側に大きな窓を設けているために壁の量が少なく、耐震性を損ねていることがあります。窓のサイズはそのままに耐震性を向上させるために開発されたのが、耐震補強フレームで、耐震性が弱くなりがちな窓まわりを補強するのが目的のフレームです。
リフォーム時に合わせて設置を検討してみましょう。

●施工イメージ

YKK AP FRAME+ 施工例 Before After

既存の雨戸を撤去し、窓を拡大。シャッターとリウッドデッキを併せて設置し、窓まわりを充実させた例。窓のまわりのフレームが耐震補強フレーム「FRAME+(フレームプラス)」(写真提供/YKK AP)

耐震補強フレームによる耐震リフォーム費用は、延床面積130m2未満の家で250万円~300 万円くらいが目安ですが、工事費用は家の状態にもよるので、リフォーム会社に相談して見積もりをもらうのがよいでしょう。

●耐震リフォームの費用相場
延床面積130m2未満 250万円~300万円くらいが目安
 

網戸の交換リフォームの費用相場

網戸が古くなって建て付けが悪くなってきたので交換したいというときのために費用の目安を覚えておきましょう。

網戸の交換費用はサイズで変わる

網戸はサイズと窓の種類によって価格が変わります。

一般的な引き違い窓でサイズが窓の高さ200cm程度で約1万円~1万5000円、高さ90cmで約7000円~8000円。
すべり出し窓につけるタイプだと約2万円~2万5000円が相場です。
ネットを細くしたクリアタイプと一般的なタイプがあり、クリアタイプのほうが高いです。

取り付け費を合わせて、4万円~5万円を見ておけばいいでしょう。

●網戸交換の費用相場
一般的な引き違い窓:高さ200cm程度 約1万円~1万5000円
一般的な引き違い窓:高さ90cm 約7000円~8000円
すべり出し窓 約2万円~2万5000円
 

窓・サッシリフォームでもらえる補助金とおトクな税制

窓・サッシリフォームは国が推奨する省エネリフォームに該当するため、補助金が出ます。
いまもらえる窓・サッシリフォームの補助金は2種類あります。両方の内容を吟味してより有利になる方法で補助金を獲得しましょう。
また、税金が控除される制度もあります。
これらの制度を活用しておトクに窓・サッシリフォームをしましょう。

先進的窓リノベ2024事業

先進的窓リノベ2024事業は、窓の断熱リフォームおよび窓リフォームと併せて行う玄関ドアリフォームを対象とした補助事業です。
窓断熱リフォームの方法は以下の3つで、いずれも補助対象となります。

1. ガラス交換
アタッチメント付きの複層ガラスやシングル用のサッシに収まる薄型の複層ガラスに交換してガラスを断熱化します。

2. 内窓設置
既存の窓の内側にもう1枚窓を設置する工事です。比較的工事が簡単で断熱効果が大きく、マンションでも問題なく設置できます。

3. 外窓交換(はつり工法・カバー工法)
外窓は開口部にある建具のうち外から施錠できないもの、つまり外に面した通常の窓のことです。はつり工法は、外壁を一部切りとってサッシ枠から交換する方法、カバー工法はサッシ枠を残して新しいサッシを上から設置する方法です。

先進的窓リノベ2024事業は補助額が最大200万円と多いのが特徴です。

補助額は、窓の断熱性能および窓のサイズ、工事内容によって決まっています。
例えば内窓設置の場合は以下のとおりです。

補助額の例
内窓設置
内窓のサイズ 性能区分 補助額/カ所
2.8m2以上 A 5万2000円
S 6万8000円
P(SS) 11万2000円
1.6m2以上2.8m2未満 A 3万6000円
S 4万6000円
P(SS) 7万6000円
1.6m2未満 A 2万3000円
S 2万9000円
P(SS) 4万8000円

窓と併せて行うドア交換も補助対象

先進的窓リノベ2024事業では、玄関ドアの交換も窓のリフォームと同時に申請すると補助金の対象となります。
一定の性能を有する断熱ドアへの交換が条件です。

玄関ドアリフォームの方法は以下の2つです。

1. カバー工法
既存のドア枠を残して、新しい枠とドアを設置する方法です。

2. はつり工法
ドアを壁内の枠から撤去して新しい枠とドアを設置する方法です。

先進的窓リノベの申請期間は2024年3月29日~2024年12月31日ですが、予算に達し次第締め切られます。着工後に予約(予約有効期間3カ月間)も可能です。

なお、補助金の申請は同事業に登録しているリフォーム会社など工事事業者が行うので、リフォームの工事契約の前に、その事業者が登録済みかどうかの確認が必要です。

登録事業者と工事負契約を結ぶと、工事完了後に事業者が事務局に補助金を申請し(あるいは着工後に申請予約)、補助金が交付された後、事業者から施主に補助金が振り込まれます。

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業は、自宅をリフォームする人の全てが対象になりますが、子育て世帯(2005年4月2日以降に出生した子を有する世帯)と若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが1983年4月2日以降に生まれた世帯)は補助金の上限が引き上げられています。

子育てエコホーム支援事業の補助対象工事は、必須工事とそれと併せて行うそのほかの工事に分かれています。
必須工事は、窓や外壁、屋根などの断熱工事およびエコ住宅設備の設置のいずれかです。

必須工事と同時に行うことで補助対象となるのは、子育て対応改修やバリアフリー改修などです。子育て対応は食洗機などの家事ラク設備も対象となりますし、バリアフリーも手すりの設置や床段差の解消など、マンションでも可能な工事が多く含まれています。

必須工事は以下のとおりです。

1. 開口部の断熱改修
窓、サッシリフォームはここに含まれます。
さらに玄関ドアを断熱ドアに交換する工事が含まれます。

2.外壁、屋根・天井または床の断熱改修
外壁、屋根・天井または床(基礎)に一定の性能以上の断熱材を採用して住宅の断熱性を上げる工事です。

3. エコ住宅設備の設置
太陽熱を利用してお湯をつくるシステム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器などが含まれます。太陽光発電システムは含まれませんので注意してください。

上記必須工事のうちいずれか1つ以上を行えば、併せて行う以下の4~8の工事も補助対象になります。

4. 子育て対応改修
ビルトイン食洗機、掃除しやすいレンジフード、ビルトイン自動調理対応コンロ、浴室乾燥機、宅配ボックスの設置が対象。

5. 防災性向上改修

飛来物の衝突に対して安全性を有する合わせガラスの採用が条件。

6. バリアフリー改修
手すりの設置、段差解消、廊下幅等の拡張、衝撃緩和畳の設置が条件。

7. 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

8. リフォーム瑕疵保険等への加入

補助額は、例えば内窓設置または外窓交換(カバー工法など工法は問わず)の場合、サイズと性能によって以下のとおりです。

補助額の例
内窓設置・外窓交換
サッシ枠のサイズ 性能レベル 補助額/カ所
2.8m2以上 省エネ基準 2万5000円
ZEH 3万4000円
1.6m2以上2.8m2未満 省エネ基準 2万円
ZEH 2万7000円
0.2m2以上1.6m2未満 省エネ基準 1万7000円
ZEH 2万2000円

なお、補助額は最大20万円、子育て世帯または若者夫婦世帯は30万円まで。さらに長期優良住宅の認定を受けたり、既存住宅を購入してリフォームすることで子育て世帯または若者夫婦世帯は最大60万円まで補助額が増えます。エコ設備の設置やバリアフリー、子育て改修など窓以外のリフォームを組み合わせることもできます。

世帯の属性等による補助上限額の違い
世帯の属性 既存住宅購入・長期優良住宅の有無 1戸あたりの上限補助額
子育て世帯または若者夫婦世帯 既存住宅を購入しリフォームを行う場合※1 60万円
長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 45万円
上記以外のリフォームを行う場合 30万円
そのほかの世帯 長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 30万円
上記以外のリフォームを行う場合 20万円
※1売買金額が税込み100万円以上、2023年11月2日以降に売買契約を行い、3カ月以内にリフォームの契約をする場合に限ります

子育てエコホーム支援事業の申請期間は2024年4月2日~2024年12月31日ですが、予算に達し次第締め切られます。着工後に予約(予約有効期間3カ月間)も可能です。

申請および予約申請は同事業に登録しているリフォーム会社など工事事業者が行います。リフォームの工事契約の前に、その事業者が登録済みかどうかの確認が必要です。

子育てエコホーム支援事業と先進的窓リノベ2024事業は、併用することができます。同じ箇所のリフォームで補助金を重複してもらうことはできませんが、補助額など有利なほうを選んで申請しましょう。

補助金についてもっと知りたい人はこちらの記事を参照してください。

窓・サッシリフォームで所得税が減税に

一定の要件を満たす窓・サッシリフォームを行うと、所得税・固定資産税が減税になる制度があります。

所得税の減税は、「省エネリフォーム減税」といって、窓・サッシリフォームのほかに壁や天井の断熱工事も対象となります。
また、上記の省エネリフォームと併せて行う「省エネ以外のリフォーム工事」もこの減税の対象となります。
資金は現金でもローンでも可。

対象となる工事費(※1)には限度があり、省エネリフォームは250万円(太陽光発電搭載の場合は350万円、控除率10%)。
これとあわせて行うそのほかのリフォーム費用(控除率は5%)を合わせて対象となる工事費は最大1000万円までとなります。

最大控除額は省エネリフォームとそのほかのリフォームを併せて62.5万円(太陽光発電搭載で67.5万円)となります。

※1省エネリフォーム工事費は国が定める標準工事費に基づいて算定。そのほかのリフォームは実際にかかった費用が対象

(1)省エネリフォーム (2)リフォーム工事限度額を超えた分 + 併せて行うほかのリフォーム
減税対象工事限度額 控除率 減税対象工事限度額 控除率
250万円(350万円 ※2) 10% 最大750万円(650万円 ※2)まで 5%
※2 太陽光発電搭載の場合

例:
窓・サッシリフォーム(300万円)と屋根・外壁・内装リフォーム(700万円) 合計1000万円の場合(太陽光発電搭載なし)

減税額:
(1)省エネリフォーム 限度額250万円×控除額10% =25万円
(2)限度額:省エネリフォームと同額まで。(省エネリフォーム超過分 50万円 + 屋根・外壁・内装リフォーム250万円)×控除額5% =15万円

控除額合計:40万円

<省エネリフォーム工事の要件>
1. 全ての居室の全ての窓の断熱改修工事(一定の条件で全ての窓でなくてよい) または 1. と併せて行う
2. 床の断熱改修工事
3. 天井の断熱改修工事
4. 壁の断熱改修工事
5. 太陽光発電設備設置工事
・省エネ改修部位がいずれも2013年省エネ基準相当に新たに適合すること
・工事費が補助金等を引いて50万円を超えること

<期限>
2025年12月31日(居住開始)

窓・サッシリフォームで固定資産税が3分の1減額に

一定の要件を満たす窓・サッシリフォームを行うと、翌年分の固定資産税が3分の1減額されます。
上記の所得税の控除と併せて使えます。

減額されるのは工事を行った年の翌年分だけで、家屋の120m2相当分まで 3分の1を減額。
資金は現金でもローンでも可能。

減額されるための主な要件は以下のとおりです。

<家屋の要件>
・2008年1月1日以前から存在する住宅
・工事後の床面積が50m2以上280m2以下

<改修工事の要件>
1. 窓の改修工事または1. と併せて行う
2. 床の断熱改修工事
3. 天井の断熱改修工事
4. 壁の断熱改修工事
※改修部位がいずれも2013年省エネ基準相当に新たに適合すること

<工事費の要件>
・50万円超

<期限>
2026年3月31日(工事完了)

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窓・サッシリフォームの注意点

窓・サッシリフォームを行う際に注意すべきことをまとめます。

耐震性・断熱性を損なわない配慮を

窓は家の構造に関係する部分です。
窓のサイズをむやみに大きくすると、耐震性を損なうことがあります。
また、窓の多い家は断熱性も低くなる傾向があります。

したがって、窓の大きくしたり、位置を変えたりするリフォームは、耐震性や断熱性に配慮して慎重にプランニングしてもらう必要があります。

予算に合わせて施工方法を提案してもらう

窓・サッシリフォームは、どのような方法で行うのかによって、費用が大きく変わります。
例えば、サッシ交換と内窓の設置では、費用も工期も大きく違ってきます。

リフォーム会社に予算を伝えた上で、その範囲で収まる方法を考えて提案してもらいましょう。

窓・サッシリフォームの会社選びの注意点

窓・サッシリフォームの目的は、窓を断熱することによって、快適な住まいにすること。
同時に省エネで経済的な住まいにすることです。
性能を上げて、減税制度を利用したり、次世代住宅ポイントを獲得するためにも、窓・サッシリフォームは、専門の知識と技術が必要です。

窓・サッシリフォームの依頼先は、断熱リフォームの実績などを見ながら選ぶのがよいでしょう。

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まとめ

窓・サッシリフォームの目的は、断熱性の高いガラスとサッシに変えることで、住まいから出る熱や外から入ってくる熱を少なくして、冬暖かく、夏涼しい家にすることです。

窓・サッシリフォームにはサッシ交換だけでなく、内窓を設置する方法もあります。

省エネリフォームに該当する窓・サッシリフォームは税金が控除されます。

窓・サッシリフォームは、それぞれの家の状態やリフォームの規模によってもふさわしい方法が違ってきます。自分に合う方法がわからないという場合は、リフォーム会社に相談しましょう。

構成・文/林直樹 イラスト/長岡伸行 監修/甚五郎設計企画(柏崎文昭)
※文中の費用相場は著者および監修者による試算に基づきます