埼玉県　Sさんのリフォーム事例

縦格子の窓が淡い灯りと陰影を描き出し、まるで影絵のような印象的な風景となったリビング。お気に入りのソファとテーブルの曲線と、同じく曲線の飾り棚が、ともに空間のアクセントになっている。左奥のオーディオ収納は、雰囲気に合わせて造作したオリジナル。間接照明が和の趣を効果的に引立てている

別の角度から見たリビング。窓やウォークインクロゼットの引戸に使われている縦格子もすべて造作。墨絵のような美しい木目のフローリングは、無垢の西川杉。絶妙な色合いは、実際に塗料を塗ったサンプルを確認しながらセレクトした。また、すべての窓にはインナーサッシを取り付け、戸堺壁の一部に断熱材「セルロースファイバー」を施して、断熱性能を向上。より快適な空間となっている

モダンでシックなキッチン。タイルを張り巡らせた個性的なカウンターも、オリジナルで造作している。陰影をより美しく見えるように、タイルの色や素材も厳選。キッチン後ろの収納棚は、オーディオの棚と同様のデザインにして、リビングとの連動感を出している。「キッチンは対面式にしたので、お客様とおしゃべりしながら料理ができて楽しいです」

洗面室の様子。こちらも造作した洗面台は、「家のどこかに和を感じる赤い色を採リ入れたい」との希望から、赤茶色の小さなタイルを張って仕上げた。漆塗りのボウルが、洗面台のレトロな雰囲気に良く似合う。洗面台の下には収納棚を設け、生活感の出るものはすべて隠せるように

土間スペースの一角に設けたPCコーナー。ちょっと書き物をしたり、調べ物をするのに便利。「ＯＫＵＴＡさんが提案してくれたのですが、たしかにこれから長い時間夫婦ふたりで過ごすことを考えると、夫婦の寝室とは別に、ひとり自由になれる場所があるといいですね」とSさん

実はSさんが家の中でもっとも気に入っているのがこのトイレ。「ひとり物思いに耽られる、一番落ち着ける場所としてこだわりぬきました」。あえて照明は控え、壁の上部に欄間を想起させる格子を入れてほのかに灯りが射し込むように。壁も、左官職人と相談しながらサンプルを作って選んだこだわりの墨色。床も墨の入ったモルタルで仕上げ、この家の趣にぴったりの、上質な空間となった