狭小住宅リノベーションの費用相場、10坪事例を公開。快適な家にする工事のポイント

建坪10坪程度、延床面積60m2~70m2くらいの狭小住宅を内外装一新、設備交換、耐震補強、断熱などを含むフルリノベーションを行うと費用相場はどれくらい?
一級建築士の柏崎文昭(甚五郎設計事務所)さんにアドバイスをいただきながら、狭小住宅を快適な家にするリフォーム工事のポイントも見ていきましょう。狭小住宅リフォームの実例も紹介します。

狭小住宅家並みのイラスト

間口の狭い狭小住宅もリノベーションで美しくよみがえります

記事の目次

狭小住宅リノベーションの費用相場

狭小住宅をフルリノベーションすると延床面積120m2程度の一般的な住宅と比べてどれくらい安くなるのか、費用相場を見ていきます。

狭小住宅のリノベーション費用の相場は約1200万円~1800万円

リノベーションは、性能面も含めて向上させる全面的なリフォームのことを指していわれる言葉です。耐震補強や断熱工事も行うので、内外装や設備交換だけのリフォームより費用が多くかかることが多いです。

延床面積120m2程度の一般的な規模の家に比べて、狭いからといって費用が大きく違うことはありません。
「面積が半分近くになっても費用は半分近くにはなりません。設備機器にかかるのが同じくらいの費用だとしたら、床や壁などの内装、躯体がらみの工事が増えることを考慮してもリフォーム費用は約25%程度の減少になります」(柏崎さん、以下同)

狭小住宅の場合の内外装、設備交換、躯体工事まで含むフルリノベーションの費用相場は1200万円~1800万円程度と見ておきましょう。

躯体工事が必要なければ約200万円ほどダウン

1981年の新耐震基準を満たし耐震補強が必要なく、断熱工事も行われていて躯体工事をする必要がなければ費用は抑えられます。
その場合は内外装、設備交換に加え、必要な場合は間取り変更で済みます。
躯体工事までやる場合に比べて約200万円ほどは抑えられるでしょう。

費用相場はリノベーションの内容で異なる

躯体工事が必要な場合に加えて、自分のこだわりから設備機器や内装のグレードを上げることでも費用は高くなります。つまり、リノベーションの費用は性能向上などやるべきことや自分が欲しいものによって変わるものです。

リフォーム会社ときちんと打ち合わせを行い、見積もりをもらって、予算に合わせて調整していくのが正しい方法です。

費用アップの要因を伝える図

必要な補強や自分の欲しいグレードに上げることで費用は上がります

狭小住宅を快適にするリノベーションのポイント

狭小住宅の限らえた空間を快適にするリノベーションのポイントを見ていきましょう。

居室の面積をできるだけ確保する

「狭小住宅では、面積が限られたなかで居室のスペースをいかに広く確保するかが、最大のテーマとなります。例えば廊下はなるべくつくらないでその分を居室に充てるとか、収納もデッドスペースを活かしてスペースを削減するなどの工夫が必要です」
狭さをどう克服して広い居室を確保するか、具体的な方法やアイデアを見ていきましょう。

階段を移動し広い空間を確保する

狭小住宅なのに真ん中に階段があって空間を分断しているケースが見られます。
そういう場合は階段の位置を変えることで広空間を確保できます。
ただ大規模工事になるので、階段位置の変更は全体の間取り変更や内装一新、設備交換を併せて行う機会がよいでしょう。

「この場合の注意点としては、階段は撤去しても、耐震性を確保するために構造を支える柱は残すことです」

下記の例は、フロアの中央にあった階段を撤去し、新たに壁際に寄せて階段を設けることで広い空間をつくりました。構造上必要な柱は確保しています。

階段位置を変更して広いLDKを確保した例

【After】

階段位置を変更して広いLDKを確保した例

(設計・施工:ATTRACT〈アトラクト設計工務〉

限られた空間を広く見せる効果があるスケルトン階段にする

スケルトン階段とは、踏み板と骨組みだけでできた階段のことです。
まわりが見通せるので狭くても開放的な空間になります。
スチールやアルミの骨組みを採用するとモダンな雰囲気になります。

スケルトン階段の例

視線を遮らないスケルトン階段は開放感が得られます(設計・施工:エルホーム

吹抜けを設ける

吹抜けを設けることで、上方向に空間を広げる方法もあります。
狭くても開放感が得られるのが吹抜け。しかし設けるには注意点があります。

「吹抜けは、天井を一部切り取って設けることになりますから、そのままでは構造的に弱くなります。そこで構造の補強が同時に必要となります。それをきちんと行えば問題はありません。ただ、上方向に広がりを得る代償として、床面積が減りますから、どちらがよいかしっかり考えて決めましょう」

吹抜けは上からの光を取り入れられるというメリットもありますが、その分、2階の部屋の面積が少なくなるのがデメリットといえるでしょう。

窓の増設で日当たりを確保する

狭小住宅は家が立て込んだ狭小敷地に立っていることが多いもの。日照条件もあまりよくないことが多いようです。
そこで窓を増やして日照を確保する方法があります。天窓(トップライト)や壁の上のほうに窓をつけると効果的です。

トップライトからの光が階段まで降り注ぐ事例

トップライトからの光が階段まで降り注ぐ(設計・施工:SOUKEN

ロフトで収納スペースを増量

狭小住宅の悩みの一つが収納不足。それを補うにはロフトを設けるのが効果的です。
屋根直下の小屋裏空間を活かすもので、かなりの収納が確保でき、ふだんあまり使わないものや季節のものをしまっておくのに最適です。
ただロフトには法規制があるので、それを知って守る必要があります。

ロフトの法規制は面積と高さに関するものです。
ロフトの床面積は、直下の階の床面積の2分の1未満とする、ロフトの天井の高さは最高1.4m以下にするというものです。

また、固定階段は自治体によって認められるところと認められないところがありますので、役所に確認が必要です。固定階段を設ける場合は階段部分も床面積に参入されるので注意が必要です。固定階段が不可の場合は取り外しのできるハシゴを設ければよいでしょう。

ロフトの法規制をあらわすイラスト

ロフトの床面積は直下の階の2分の1以内(固定階段がある場合はその面積を含む)、天井高さは1.4m以下としなければなりません

床下収納を新設する

床下収納は、キッチンなどに設けて、ストック品の収納に使えます。
既製品の60cm角で2連式のタイプなどを取り付けるケースが多いようです。
床下に空間があれば、床を切り取る工事を行い、そこに床下収納の既製品をセットして仕上げれば完了です。

床下収納庫を設ける費用は工事費を含めて約6万円~7万円です。

壁の厚みを利用して棚を設ける

収納を増やす方法として、間仕切り壁の厚みを利用して棚を設ける手もあります。
文庫本や新書判だと厚みの中に収まり、デッドスペースを活かせます。

「棚をつくってよいのは間仕切り壁だけで、外壁側の壁だと筋交いや断熱材が入っているので、壁の中を利用することはできません」

洗面室でも浴室との間仕切り壁を活かせば収納棚をつくれます。

洗面室の壁の厚みを利用してつくった本棚

浴室との間仕切り壁を利用してつくった収納棚(設計・施工:フジアート

小上がりの畳スペースの下を収納に活用

小上がりの畳スペースはリビングの一角に設けて、ごろりと横になってくつろいだり、洗濯物を畳んだり、赤ちゃんを寝かせたりと、便利に使えるスペースですが、下部を引き出し収納などに使えるというメリットも大きいです。

畳スペースの下が引き出しになっている小上がりの例

畳スペースの下が引き出しになっている「畳が丘」という製品です。リビングのフローリングの上に設置しています(設計・施工:フジアート

収納の下をベッドや布団を敷くスペースに

「例えば寝室が狭い場合はクロゼットの下にベッドを差し込めるようにする方法もあります。そのほか和室では吊り押入れを設けるのもいいです」

吊り押し入れの下は床の間や物を置くスペースとしたり、狭い場合はその下に足を伸ばして寝ることもできます。

吊り押し入れの写真

吊り押し入れの下は物を置いたり、足を伸ばして寝たりと空間を広げてくれます(設計・施工:オールハウス

室内窓で通風と開放感を得る

奥の部屋に日差しが入らない場合は、室内窓を設けるのがいいでしょう。
マンションに多く取り入れられている手法ですが、狭小住宅でも有効です。
窓は開けられるようにすると風通しも得られます。

室内窓の事例写真

マンションの日が当たらない奥の子ども部屋につけた室内窓(設計・施工:ステラ

建具を設ける場合は引き戸に

「狭小住宅で建具を設ける場合は引き戸がいいでしょうね。リビング続きの部屋などは開け放せば広い空間になります。必要なときに閉めればいいわけです。独立した部屋と広い空間の両方を兼ね備えることができる引き戸は便利です」

引き戸なら、開けるときに外にいる人にドアをぶつける心配がいらないのもメリットです。

耐震補強と断熱工事をする

築古の狭小住宅に安全に快適に暮らすためには、耐震補強と断熱工事が大切です。
どういうことをやればいいのかを説明します。

1981年の新耐震基準に満たない場合は必須

狭小住宅に限りませんが築古の住宅は耐震診断を行うのがよいでしょう。その上で耐震補強が必要だとわかったら、補強設計を行い、必要な補強工事を行います。
「とくに1981年の新耐震基準に満たない家は、耐震補強が必須です」

耐震補強は必要な箇所だけ内側または外側から壁を剥がして筋交いや耐震用の面材を取り付けて、壁を再施工する方法、外壁を壊さずに外側から耐震金具を取り付ける方法などがあります。間取り変更を含むフルリフォーム時に行うケースもあります。

リフォーム会社に相談し、予算ややりたいことに合わせて方法を選びましょう。

築古住宅では無断熱の場合もある

断熱の基準である省エネ基準が制定されたのが1980年です。まだまだ当時の基準はゆるいもので、一般の住宅には無断熱のものも少なくなかったのです。

ですから築古の住宅では断熱が十分に行われていないのが一般的です。
冬場には寒さに悩まされ、夏場は冷房の効き目が悪いというのが築古住宅に住む人の悩みです。

それを解消するのが、床・壁・天井(または屋根)の断熱。それに加えて開口部(または窓・玄関・勝手口ドア)も断熱します。

床・壁・屋根など構造部の断熱は内側から剥がして断熱材を施工する、もしくは外側から断熱材を張る方法があります。天井の場合は、天井にもぐりこんで断熱材を設置します。

床・壁・屋根の断熱工事は大掛かりになることから、フルリフォーム時に耐震補強と合わせて行うことが多いです。

ただそれだと費用が多額になることから、外壁の断熱はあきらめて熱の出入りの多い最上階の天井と窓のみを断熱する方法もあります。この場合、構造部をいじることがないので、低コストで効果的に断熱ができます。

予算などにあわせて断熱方法も選びましょう。

断熱構造のイラスト

床・壁・天井(屋根)を断熱することで家全体が暖かくなります

部分的なリフォーム費用も知っておく

フルリフォームでも工事の内容によっては費用が追加になります。そうした場合に部分リフォームがいくらするのかを知っておくと予算の調整に役立ちます。

ロフトを増設する費用は約50万円~

ロフトは屋根直下の空間を活かして収納スペースを設けるものです。

工事は天井を解体撤去して、新たにロフト用の床をつくります。
4畳程度のロフトだとして、ハシゴ代も合わせると、ロフトの設置費用は小屋裏の条件がよければ約50万円からできます。
しかし、天井を撤去しているので屋根を断熱していない場合は、そのままでは非常に断熱性の悪い家になってしまいます。
したがってその場合は新たに屋根と立ち上げた壁の断熱が必要になり、その費用も見込まなければなりません。

屋根断熱の費用は家の規模や状態にもよりますが、狭小住宅の場合、30万円程度見ておきましょう。

ロフトをつくる費用はハシゴ、屋根などの断熱費用を合わせると約50万円~120万円が目安となります。

壁厚の本棚を造作する費用は約18万円~25万円

間仕切り壁を活用して収納をつくる場合、壁の一部解体費用と収納の造作費用がかかります。
解体費用は約3万円~5万円、収納の造作費用は、高さ2.3m、幅2m、奥行き12cmとして約15万円~20万円、合わせると約18万円~25万円が相場となります。

壁厚本棚の費用相場
工事内容 費用相場
壁の一部解体費 約3万円~5万円
本棚造作 約15万円~20万円
合計 約18万円~25万円
高さ2.3m、幅2m、奥行き12cm、板材は合板の場合

耐震補強の費用の目安は70万円~200万円

耐震補強にかかる費用は、その建物の状態にもよります。
補強の必要度が高いほど費用もアップします。

日本建築防災協会の発表によると木造住宅2階建ての耐震改修費用の目安は、建物の延床面積が75m2の場合、70万円~130万円としています。
建物の規模が大きくなるほど耐震費用もアップし、延床面積150m2までの費用は、以下の表のとおりです。

2階建て木造住宅の耐震補強費用の目安
延床面積 耐震補強費用
75m2 70万円~130万円
100m2 90万円~150万円
125m2 100万円~180万円
150m2 110万円~200万円
日本建築防災協会発行「耐震改修工事費の目安」2020年3月発行より

断熱費用の目安は約320万円~380万円

断熱費用は、床・壁・天井をそっくり断熱すると約250万円~300万円かかります。
これに窓を掃き出し窓2カ所、腰高窓5カ所として全てに内窓を取り付けると約70万円~80万円です。

床・壁・天井の断熱と内窓を合わせると約320万円~380万円が費用の目安となります。
内窓ではなく、サッシ交換となると、外壁工事もからんでくるので、費用はこれより上がります。外壁の仕上げをどうするかなどで費用は変わります。

断熱費用の目安
工事内容 費用相場
床・壁・天井断熱 約250万円~300万円
内窓7カ所設置 約70万円~80万円
合計 約320万円~380万円
延床面積約65m2~70m2の場合

建坪10坪程度の事例を公開

では、ここからは建坪10坪程度の狭小住宅の事例を見ていきましょう。

※リフォーム費用は施工当時のもので、現在とは異なる場合があります。

細かく仕切られた和室4室をワンルームのLDKに

老朽化し傾いていた家を、耐力壁(構造を支える壁)を増やすなど構造を補強し、断熱性を高めることで安心して住める快適な家に再生しました。1階は間仕切りを撤去して1ルームのLDKに、2階はワークスペースと寝室という、二人暮らしに合ったシンプルな間取りに変えました。

【After】

ワンルームの広いLDKの写真

二間続きの和室とキッチンの壁を取り払い、広々としたLDKに。階段も壁際に移設し、光と風を通すストリップ階段を造作、視線が抜けるので空間に開放感をもたらしています

木製オリジナルキッチンの写真

オリジナルのキッチンはシナ材を用いており水で拭ける塗装が施されています。手前の作業カウンターは使わないときは折り畳めて省スペースになります
【Before】

間取り図

【After】

間取り図

【DATA】
リフォーム費用:1500万円
リフォーム面積:69.47m2
工期:90日
築年数:35年
家族構成:夫妻
設計・施工:SOUKEN

暗い印象だった築43年の家を光あふれるコンパクトな家に

古い民家をフルリノベーション、5DKを一人暮らしにふさわしい間取りに一新しました。
1階リビングに光が入るよう吹抜けを設け、2階はフリースペースと寝室にして、コンパクトに暮らせる2LDKの住まいに。耐震補強や断熱もしっかり施し、新築同然の家に生まれ変わりました。

【After】

1階LDKの写真

3室あった1階は開放的なLDKに変わりました

LDKの吹抜けの写真

LDKは吹抜けを設けて光が降り注ぐ空間に
【Before】

間取り図

【After】

間取り図

【DATA】
リフォーム費用:1450万円
リフォーム面積:65.00m2
工期:3.5カ月
築年数:43年
家族構成:本人
設計・施工:ATTRACT〈アトラクト設計工務

狭小住宅の建て替えとフルリノベーションで悩んだら

築古になると建て替えかリノベーションかで悩む人もいるでしょう。そういうときはどうすればいいのでしょうか?

リノベ、新築両方やっている会社に点検してもらう

築古だからといって建て替えなければいけないわけではありません。適切にメンテナンスやリノベーションを行うことで安全性や快適性を回復して、十分長く住み続けられる家もたくさんあります。

しかし、傷みがひどいなどの理由で、リノベでは工事範囲が広くなり費用がかかりすぎる場合もあります。

「水平や垂直を測って狂っていたら、それが部分的なものならリノベーションで、全体的なものなら建て替えで、というのも目安の一つになります」

これらの判断をしてもらうには、リノベーションも新築も手掛けている会社に家を点検してもらうのがよいでしょう。
両方手掛けている会社は少なくありません。そういう会社を見つけて相談してみましょう。複数社の判断を仰ぐのが確実な方法です。

また、ホームインスペクション会社や建築士に客観的な立場で建物診断をしてもらっていいでしょう。劣化状況や不具合の有無などを詳しく調査してくれます。

費用はフルリノベーションのほうが2~3割安くなる

リノベーションを選択する場合と建て替えでは、どのくらいの費用差があるのでしょうか?

「リノベーションで基礎や狂いなどの問題がない柱・梁(はり)などの構造躯体を残すとすると、新築費用から2~3割を除いたものがフルリノベーションの費用に相当します。構造材の交換や基礎補強も行うとその分コストが上がります」

建て替えかフルリノベーションで迷った場合は、費用の事も考慮して判断しましょう。複数の会社に見積もりをもらって判断するとよいでしょう。

狭小住宅リノベーションの依頼先選び

狭小住宅のリノベーションはどんな会社に依頼するのがいのでしょうか?

実績が豊富で現地調査がていねいな会社

狭小住宅のリノベーションの実績が豊富にあることはもちろん重要ですが、それにもまして建物の現状調査をていねいにやってくれることが大切です。

築古の場合、耐震性や断熱が不十分なことが多いですし、柱や土台がシロアリにやられていたり、腐食していたりすることもあります。
十分に調査をしてどのようなリノベーションがふさわしいのか、あるいは建て替えが必要かなどを的確に判断してくれるかどうかを見極めましょう。

相見積もりをとって比較検討を

依頼先選びでの際は、複数社に相見積もりをとって比較検討しましょう。
建物の現状調査や説明のていねいさなども比較できます。

費用総額だけで比べるのではなく、明細も含めて総合的に判断しましょう。

再建築不可物件もリノベーションでよみがえる?

現在の法律に合致していないのが再建築不可物件。そういう物件でも模様替えなど一定の範囲でリノベーションができます。

内装一新や設備交換は可能

再建築不可物件は、現行法でも内装一新や設備交換など主要構造部の多くを変えるような工事でなければ問題なく行えます。
例えば接道義務を満たしていなくて再建築不可になっている場合でも、リノベーションでよみがえらせることは可能です。

耐震補強や断熱工事など、構造に関してどの程度のリノベーションが可能なのか、具体的にはリフォーム会社に相談して確認しながら進めましょう。

まとめ

  • 狭小住宅(延床面積60m2~70m2程度)のフルリフォーム費用の目安は約1200万円~1800万円で、耐震補強など躯体工事がからむと高くなります
  • 狭小住宅の住み心地をよくするリノベーションのポイントは、いかに居室を広くできるかで、そのためにいくつかのポイントがあります
  • 廊下はなるべく省く、建具は開け放つことができるよう引き戸にする、広いスペースをつくるために階段を移設する、ロフトなどデッドスペースを収納に活用するなどです
  • 建て替えかリノベーションかで迷ったら、両方を手掛けている会社に相談するのも一つの方法です

取材協力・監修/一級建築士 柏崎文昭さん(甚五郎設計企画)
構成・取材・文/林直樹
イラスト/土田菜摘