バウス加賀 （取材レポート）

落ち着いた街並みが広がる加賀エリアは、子育て環境としても多くのファミリーに選ばれています。教育に携わる方々に、加賀エリアの魅力を語っていただきました。

「住まい選びにおいては多くの親御さんが子育て環境を重視されますが、子どもにとって大切な『環境』には3つの要素があります。1つ目は自然環境。自然は子どもの成長に欠かせない五感への刺激を何よりも与えてくれます。鳥の声、風の匂い、生き物に触れた感触など自然の中で感じる刺激が、子どもたちの感動や疑問の種となり、創造力や探究心を育ててくれるんです。2つ目は文化的環境。教育施設、図書館、博物館、美術館、歴史遺産などが身近にあると様々な知的・文化的刺激に触れる機会が自ずと多くなります。3つ目は人間的環境。土台となるのは家族ですが、近所や学校の友達、地域の大人たちなど幅広い人々と豊かな交わりができる環境が重要です。
加賀エリアは、この3つの環境がバランスよく揃った街だといえるのではないでしょうか。石神井川沿いに緑豊かな公園が点在し、入園無料の動物園まであるのは驚きましたが、やはり本物に触れる体験に勝るものはありません。また加賀藩下屋敷の跡地ということで歴史的背景も豊かで、仲宿商店街など昔ながらの雰囲気も感じられます。加えて帝京大学や東京家政大学など教育施設も身近にあるので、若い学生から年配の方まで幅広い年代の人と触れ合う機会に恵まれそうです」

「3つの環境が揃った加賀エリアは、子どもたちに生きた体験をもたらしてくれるでしょう。そしてそれは『知識の杭』をたくさん打ち込めるということです。自然や生物、歴史など“本物”に触れる体験をした子どもたちの中には『知識の杭』が打たれます。体験をした瞬間はよく理解できなくても、その後授業や本、ニュースなどでその話題に触れた時、『あ、知ってる！』と興味をもてるし、そこからどんどん深い知識や思考に結びついていくんです。川に杭を打つと流れてきたものが次々引っかかるように、多くの杭をもっている子ほど興味関心の幅が広く、思考力やモチベーションが高い傾向にあると感じます。
加賀エリアには自然、動物、歴史が揃う恵まれた環境が整っているのですから、ぜひ親子でそうしたスポットに出かけてみてほしいと思います。その時はよくわからなくてもいいんです。一緒に本物に触れて『なんだろう？』『面白いね』っていう杭を打つだけで十分。その杭にいずれいろんなものが引っかかって、子どもの世界を豊かに広げてくれるはずです。
さらに加賀エリアは池袋直通5分、大手町直通15分と都心へのアクセスもよく、進学先の選択肢が豊富というメリットもあります。都内でこれだけの条件がバランスよく揃った環境を探すのは容易ではありませんから、加賀エリアは子育て中やこれから子育てをするファミリーにとって非常に貴重な場所といえるのではないでしょうか」

「東京家政大学キャンパス内にある『森のサロン』は、0～3歳のお子さんと保護者の方がご利用いただける子育てひろばです。子どもの五感を刺激し、自然と遊びが広がっていく空間を目指しており、作家さん製作の木製おもちゃや食材のリアルなぬいぐるみなど、子どもたちが手に取るものにもこだわっています。特徴的なのは、家政大学の学生も積極的に関わっている点です。家政大学には人の暮らしに寄り添う専門性をもった学部・学科がたくさんありますから、学生が子どもたちと遊んだり、卒業制作で大きな遊具をつくったり、ワークショップを企画したりと、様々な試みをしています。いずれも大変好評で口コミによって来てくださる方も多く、ここに来ることで友達ができるなどゆるやかなつながりが生まれているのは嬉しいです。
この辺りに来ると感じるのですが、花や樹々から香る季節の匂いがとても濃いんです。加賀エリアは自然が豊かなので、そうした五感への刺激を乳幼児期にたっぷり受けられる点は大きな魅力だと思います。公園や緑道など、子どもが自由に探索できる環境があるのもいいですね。そしてこの環境を大切に思い、お子さんに丁寧に寄り添う親御さんが多いのもこのエリアの特徴かもしれません。子育ては大変なことも多いと思いますが、この環境でお子さんと一緒に自然を感じたり、遊んだりしていただければ、きっと楽しい瞬間を見つけられるのではないでしょうか」

「帝京幼稚園が大切にしているのは、とにかく思い切り『遊ぶ』ということです。子どもは遊びを通して学び、成長していきます。ある程度の環境設定は必要ですが、自由な遊びの中で子どもたちが自ら見つけたこと、気づいたことに寄り添ってあげれば、子どもの世界はどんどん広がっていくんです。例えば園の花壇に誰かが四つ葉のクローバーを見つけたら、そこから四つ葉探しが始まったり、『どうしてあの公園は三つ葉しかないんだろう？』と考えたり。そんな風に体験して考える機会というのはやはり立地環境にも影響されますので、自然豊かな加賀エリアはとても恵まれているなと感じます。石神井川沿いの桜並木には虫や鳥もたくさんいるので、よく子どもたちが見つけては観察しています。
さらに、隣接する帝京高等看護学院や帝京大学と連携した教育を行っている点も特徴です。医療技術学部の学生が『からだせんせい』として、身近なものを使いながら人間の体の仕組みや役割を教えてくれたり、看護学院の学生さんが実習にきたりと、当園ならではのプログラムが充実しています。また近隣の方々も、園児たちが外で賑やかに遊んでいても優しく理解を示してくださいますし、たくさんの大人に見守られた環境が整っています。そんな環境で過ごしているからか、子どもたちは明るく人懐こい子が多いんです。このエリアでは、きっと誰もが安心して子育てができるのではないかと思います」

「教育は、家庭教育、学校教育、そして社会教育の3本柱で成り立っています。社会教育とは、家庭と学校以外で行われる教育活動全般のこと。地域の活性化や交流に寄与したり、生涯学習のように幅広い学びの機会を提供したりといった、社会の多様な領域で役割を担っています。法律的には親が子の教育についての第一義的責任を有するとされていますが、果たしてそれで十分なのかという疑念や不安は親なら誰もが抱くところでしょう。多くの情報が溢れる一方で孤立もしやすい現代の子育てにおいて、子どもたちに幅広い体験の機会を与え、同時に親たちにとっても学びや交流の機会となるような社会教育は非常に重要で、ニーズも高まっています。学校のように先生が子どもに一方的に教えるのではなく、大人と子どもが互いに学び合う。この相乗効果は、社会教育の大きな価値のひとつであると考えています。
さらに、地域の自然環境や、図書館、博物館といった文化施設を活用した様々な体験、幅広い年代の人と関わる経験は、昨今注目される子どもの非認知能力を高めてくれるといわれています。これらの体験を通じて、学校で学んだ知識や抽象的概念がより確かで実態のあるものとして掴めるようになるんです。その点加賀エリアは、石神井川沿いに緑溢れるスポットが点在し、歴史的背景も豊かで古くから人が暮らしてきた街ですから、多様な体験を積める土壌が整っているといえるでしょう」

「社会教育を価値あるものにするためには、家庭・学校・社会という3本柱の連携が大切です。特に地域間の連携は土台として欠かせません。板橋区は区全体で社会教育活動が盛んですが、中でも加賀エリアは東京家政大学をはじめ複数の教育機関が点在する文教エリアでもあることから、学校と地域が連携して行う社会教育が非常に充実しているといえます。私自身もゼミの学生と一緒に加賀エリアの一部を含む金沢地区でこども食堂を運営したり、『いたばし総合ボランティアセンター』でコミュニティカフェを開催したりしています。いずれも地域に開かれたサードプレイスになっていて、毎回子どもから高齢者まで幅広い年代の方が足を運んでくださるんです。そこに集まった人同士が食事や会話をすることで、新しい居場所やつながりができたというお声をたくさんいただいています。子どもたちもこども食堂で自分よりちょっと年上の学生と話すのを楽しみにしてくれていて、身近なロールモデルにもなっているようです。
こうした活動は今後ますます増えていくでしょうから、加賀エリアに暮らす子育て世代の方々はきっと多様な居場所を見つけられるはずです。町内会でも夏祭りなど様々な地域行事を開催しており、かつ誰もが気軽に参加できるオープンな雰囲気だと聞いています。緑溢れる落ち着いた環境で豊かな社会教育に触れられる加賀エリアは、子育て世代にとって非常に暮らしやすい街だと思います」