水、緑と都市機能も充実!目黒川沿いのタワーマンション

ル・サンク大崎シティタワーの外観

マンションの南東、目黒川沿いから撮影。ワンフロアに平均8戸とゆとりある配置。全戸に窓の間口が広いワイドフロンテージプランを採用しているため、採光、風通しが抜群だ
物件名:
ル・サンク大崎シティタワー
所在地:
東京都品川区
竣工年:
2007年
総戸数:
254戸

変貌遂げた再開発エリアに息づく住人の絆

1990年代後半ごろから始まったとされる“都心回帰”で、東京都心には多数のタワーマンションが誕生した。なかでも特に密度の高いエリアのひとつに挙げられるのが、山手線五反田駅~大崎駅だ。特に目黒川沿いで開発が進められてきた経緯があり、現在も再開発プロジェクトが進められている。

目黒川の写真

マンションに隣接した目黒川に架かる山本橋から下流を見る。現在も再開発プロジェクトが進んでおり、さらに街並みが変わりそうだ

今回取材した目黒川沿いに立つル・サンク大崎シティタワーは、同エリアでは初期にあたる2007年の竣工だ。管理組合のA理事が竣工前後を振り返ってくれた。

「現在はタワーマンション、超高層オフィス、商業施設などが林立していて信じられないのですが、ル・サンクの竣工直後~数年は、まだ大崎駅の近隣には小規模な工場などが多く、昭和の風情が色濃く残っていました。そのため夕方~夜は暗くて人通りが少なく、女性一人で歩くのは少し抵抗があったほどです。でも現在は、ご承知のとおりタワーマンション増加に伴って夜間人口が大幅に増えた上、至るところで街灯の整備も進み、夜間も安心して歩けるようになりました」

その一方で変わらないものもあるという。ル・サンク大崎シティタワーが建てられる前、この場所で工場を経営しており、現在は地権者としてマンションに暮らしているB理事の話を聞こう。

「街並みは変わっても、地域のコミュニティが継続していることは変わっていません。私は工場を経営していた当時から現在に至るまでこの地域の町会役員を務めているのですが、開発前からこの地域は町会活動が活発でした。2023年夏には大規模開発前に匹敵するような規模で夏祭りを開催。オフィス、店舗、ホテルなどが入る大崎駅前の大崎ニューシティの屋上で盆踊りが開かれました。地元の子どもたちが担ぐ子ども神輿も出て、盛り上がりましたよ」

ル・サンク大崎シティタワーのエントランス

シンメトリーな造作が美しいマンションエントランス

ル・サンク大崎シティタワーのコンシェルジュカウンター

エントランスを抜けるとウェルカムホール。その一角にコンシェルジュカウンターがある。右にはカフェサービスのコーナーも

ル・サンク大崎シティタワーのグランドロビー

ウェルカムホールを抜けると、このグランドロビーへ。コンシェルジュがここにいる住人にカフェを届けてくれるサービスも行っているそうだ

年間を通じて楽しめる目黒川もマンションの魅力に

また、C理事は、地域コミュニティが活発であることをベースにして、マンション住人同士の顔見知りが多く、つながりの強さを感じると話す。

「2011年3月の東日本大震災発生直後、様子を聞きに来てくれた隣人がいて本当に心強かったです。マンション住人にはもともとこの土地に暮らしていた地権者さんもいれば、ほかの地域から移り住んできた方も多くいて、両者が混在しているわけですが、新旧関係なくお付き合いの輪が広がっていると感じます。
特別に理事会が励行したわけではないのですが、住人間の挨拶が自然に行われていることも気持ちが良いですね。エレベーターで同乗して、自分の住んでいる階で降りる時、必ずと言っていいほど『失礼します』、あるいは誰かが乗ってきたとき『こんにちは』というやり取りがある。何より、そういう心遣いができる人が多く暮らしているマンションという安心感があります。
ウチは、先に姉夫婦がこのマンションで暮らしていて、姉たちに誘われて母が入居し、さらに自分たちもここで暮らし始めたという“近居組”。全員がこのマンションの生活に満足しています」

地域コミュニティを育む場所として、目黒川も大切な役割を担っている。両岸の桜並木は都心を代表する桜の名所だが、川沿いのコースが整備されて桜の季節以外にもより快適に散策できる環境に進化した。事実、いずれの季節もジョギングやペットとの散歩を楽しむ人の姿が絶えない。夏の暑い季節も桜やビルの影が日差しを遮るため、快適なんですと話す人は多い。

目黒川沿いは桜並木

目黒川沿いは桜並木のほか、ベンチなども多く置かれている

さらに、2010年からは毎年11月初旬~翌年1月初旬ころまで、目黒川沿いの大崎・五反田エリアで「目黒川みんなのイルミネーション」が開催されている。地域の家庭や飲食店から出される、使用済みの食用油をバイオディーゼル燃料へアップサイクルし、100%自家発電でイルミネーションを点灯させる、地産地消のイベントだ。両岸合計で総距離は約2.2km。約38万個の桜色LEDが灯り、冬の夜桜を楽しめる。もちろん、ル・サンク大崎シティタワーの真下も会場の一部だ。

「目黒川みんなのイルミネーション」の眺め

2023年11月10日~2024年1月8日に開催された「目黒川みんなのイルミネーション」の眺め(画像/一般社団法人しながわ観光協会)

「ちなみに、目黒川沿いはテレビドラマのロケ地としてもひんぱんに使われています。ドラマを見ていると、自分が暮らすマンションが写り込んだりして、ちょっと自慢できますね(笑)」(D理事)

加えて忘れてはならないのが、タワーライフならではの眺望の良さだ。住戸によって東京タワー方面、品川方面、丹沢・富士山方面などのバリエーションがある。ちなみに24階の共用施設・スカイスウィートからは東京タワー方面の絶景も楽しめる。

ル・サンク大崎シティタワーの共用施設・スカイスウィート

東京タワーの方角を向いている24階のスカイスウィート

ル・サンク大崎シティタワーの共用施設・スカイスウィート

スカイスウィートの隣にはパーティーも楽しめるダイニングと、IHクッキングヒーター付きのキッチンがある

未来都市と昭和のたたずまいが共存するロケーション

都心立地であることは、都市機能へのアクセスに優れ、生活利便性の高さにもつながる。E理事は、特に足まわりの良さが大きなアドバンテージだと言う。

「JR山手線の五反田と大崎のほぼ中間に立ち、二駅とも徒歩約5分の距離。五反田では蒲田へ向かう東急池上線と、都心部に向かう都営浅草線が使えますし、大崎では湘南新宿ラインに乗り換えできるので、湾岸エリア、横浜方面へも1本で行ける。このマンションの住人の公共交通機関での行動範囲はとても広いはずです」

徒歩、自転車などで行ける近隣エリアの充実度に満足しているのはF理事だ。

「大崎駅に向かう途中は高層ビルが林立する未来都市のようなイメージがある一方、五反田はITベンチャー・スタートアップ企業が多く入居する中小規模のビルが並ぶほか、古い居酒屋、飲食店など昭和の雰囲気漂う下町的な街並みも。新旧のいいとこどりができるロケーションだと思います。さらに南に足を延ばせば東京を代表する商店街「戸越銀座商店街」があり、片や、北には白金のおしゃれエリアや、手付かずの自然に触れられる国立科学博物館附属自然教育園などが広がっている。この大きな振れ幅もおもしろいですね」

また、このマンションには、非常に魅力的な“特典”も付いている。直接物件に付属している施設ではないのだが、大崎駅までは屋根付きのペデストリアンデッキを活用できるのだ。これは、ル・サンク大崎シティタワーを含む複合開発エリア「アートヴィレッジ大崎」の付帯設備のひとつ。マンションのエントランス前から横断歩道を渡ってわずか20mほど歩いた場所に階段の入口があり、そこをのぼっていけば、あとはアンブレラフリーの歩道が大崎駅までつながっている。小雨の日に大崎駅から電車を利用する、駅周辺で買い物をするといった場合、傘をもつ必要はなさそうだ。

大崎駅へ続く屋根付きペデストリアンデッキ

大崎駅へ続く屋根付きペデストリアンデッキ。左奥がル・サンク大崎シティタワー

加えて、公立、私立の小中高校といった教育機関が周囲に集まっており、教育環境が整っていることが魅力という人も。事実、受験シーズンには1階のカフェラウンジで勉強する子どもたちが増えてくるという。近年ではマンションの風物詩的な光景になっているそうだ。

ル・サンク大崎シティタワーのカフェラウンジ

学生たちの自習場所としても使われているカフェラウンジ

防潮板の設置スキル共有でマンション防災力をアップ

ここまで住人目線の居住満足度を聞いてきた。今度はマンションの魅力を維持・向上させるためのハードの管理に焦点を当ててみよう。

「2020年に第1回の大規模修繕工事を滞りなく終了することができました。今度は、2025年に2回目の修繕工事をいつ行うかを決定する予定で、定期的に計画を見直し、最適な大規模修繕工事時期を見極める方針を持続していきます。また、前回の長期修繕計画見直しの際、修繕積立金を『段階増額方式』から、増額を行わない『均等積立方式』に変更しました。将来的に修繕積立金が上がらず、安定徴収が見込めるのは、今後の大規模修繕工事などに向けて頼もしい材料になりましたね」(A理事)

「2020年には合わせて外構の植栽の大規模改修も行いました。低中高木、種類を多様化させることで、より美しくなったと思います。また、1階にある水景『ウォーターガーデン』も、横の目黒川沿いの遊歩道を歩く人の目にも留まる重要な設備のため、維持管理に力を入れています。桜並木が続く目黒川との一体化、街並みとの融合させることがテーマですね」(B理事)

ル・サンク大崎シティタワーの外構の植栽

2020年に植栽改修を実施。低中高と多様な高さの植物を植えて、リゾートテイストを強めた

ル・サンク大崎シティタワーのウォーターガーデン

サブエントランスに面しているウォーターガーデン。毎年6~9月限定で水が流れる仕組み

ル・サンク大崎シティタワーのロボット掃除機

2020年からはロボット掃除機を導入。清掃業界で用いられている人手不足対策をいち早く実行している

また、ハード管理の一方、ソフトに相当する防災力も資産価値を左右する大切なバロメーターとなる。ル・サンク大崎シティタワーでは、マンションの価値の一部を担う目黒川がもつ別の側面「水害リスク」を注視しているそうだ。

「行政が定めた注意水位に達した際は、マンション内に警戒水位に達したとアナウンスする仕組みを導入。いよいよ川の氾濫が迫った時には、地下駐車場や電気設備への浸水を防ぐため、11カ所に防潮板を設置することになっています」(C理事)

ただし、かなりの重量がある防潮板の設置は、多くの住人にとって不慣れで、なおかつ負荷の高い作業だ。にもかかわらず、時間との戦いを強いられる可能性もある。そこで理事会は、誰でも素早く防潮板を設カ置できるように、保管庫の内部に“ある工夫”を施した。

「防潮板を設置する11カ所の配置図を壁に貼り、なおかつ防潮板と工具をセットにして配置しました。さらに『右→左→内側』といった設置の手順も大きく表示しています」(D理事)

ル・サンク大崎シティタワーの保管庫

防潮板の保管庫内を撮影。壁の番号が配置する場所の番号を表している

ル・サンク大崎シティタワーの防災だより

マンションオリジナルの防災だよりも住人の意識向上にひと役買っているそうだ

確かにこれなら迷わずに取り付けることができそうだ。事実、2019年に首都圏に大きな被害をもたらした台風19号上陸時には、館内放送で急遽集まった約30名の住人が首尾よく防潮板を設置することに成功したという。

「近々、マンション3フロアに1カ所の割合で防災倉庫を設置予定。発電機、ラジオ、防寒シートなどを格納し、万が一エレベーターが停止した場合に備えます」(E理事)

水、緑と都市の利便性がそろう、目黒川沿いのタワーマンション、ル・サンク大崎シティタワー。理事会、住人の努力が実を結び、より暮らしやすいコミュニティへと成熟していきそうだ。

ル・サンク大崎シティタワーの銘板

エントランス横に記されたマンションの銘板

構成・取材・文/保倉勝巳 撮影/古末拓也

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