リノリウムの床とは?見分け方や塩ビとの違い、テーブルやデスクの天板に使う場合のデメリットも解説

最終更新日 2024年12月12日
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リノリウムの床とは?見分け方や塩ビとの違い、テーブルやデスクの天板に使う場合のデメリットも解説

建材の中でも床材の種類といえば、フローリングやカーペット、リノリウムや塩ビタイル、クッションフロアとさまざま。この中で最近「リノリウム」という床材の注目が高まっています。しかし、リノリウムが気になってはいるものの、どのような素材なのか、ほかの床材と何が違うのか分からない方もいるでしょう。
そこで、リノリウムの特徴やメリット・デメリット、ほかの床材との違いなどについて解説します。

リノリウムの床とは?素材の特徴を解説

「リノリウム」というと、化学物質を使用した床材のようなイメージを持つ方が多いと思いますが、実際にはどのような素材なのでしょうか。まずは、素材の特徴や歴史など、基本から見ていきましょう。

リノリウムは天然素材から作られる床材

リノリウム(リノリューム)は1860年代にイギリスで発明された素材です。亜麻仁油の酸化物に石灰岩、松ヤニ、コルク粉などを加えて練り、麻布に塗り付けて乾燥させたもので、発明以来100年以上、床材や壁材として広く使用されてきました。

化学物質のようなイメージの名称からは想像もつきませんが、材料や製法を見れば分かるとおり、実は天然素材です。日本では東洋リノリユーム株式会社(現在の東リ株式会社)が、1920年に国産初のリノリウム製品「リノリユーム」を完成させました。

全てが自然素材で構成されているためコストを抑えることが難しく、また、生産工程が煩雑で手間ひまがかかる床材です。さらに、出来上がったリノリウムは、敷いた後の収縮を予防するためにおよそ1週間は仮敷きの状態にしなくてはならなかったため、施工が難しく大変な時間と技術を必要としました。これらの理由から、最盛期には世界で100社以上の製造工場が乱立したリノリウムですが、そのほかの便利な床材が登場するにつれて、次第に敬遠されていったと考えられています。

「リノタイル(リノリウムをタイル形状にしたもの)」当時の資料から
「リノタイル(リノリウムをタイル形状にしたもの)」当時の資料から(画像提供/東リ)

しかし、環境に配慮した製品が好まれる昨今、自然素材のみで作られたリノリウムは、人にも環境にもやさしい素材として再注目されています。原材料の亜麻仁油による抗菌性、静電気が出ないことによる汚れにくさ、耐久性の高さ、何といっても最も大きい理由は、埋めると土に返る生物分解性、燃やしても水と二酸化炭素のみが発生し有害ガスが出ないこと。自然素材の良さがリノリウムには詰まっているのです。環境大国のドイツや北欧諸国では現役で人気がある、ということにも納得できますね。

テーブルやデスクの天板にも使われる

床材に用いられるイメージが強いリノリウムですが、テーブルやデスクの天板として使われることも。ちょうどいい硬度で鉛筆やペンが滑りやすいうえ、汚れや水に強いので、乾いた布巾や固く絞った布巾などでサッと拭くだけでケアできます。ただし、後述しますが、紫外線やアルカリ性に弱いというデメリットがあるため、設置場所やお手入れに使用するクリーナーなどには配慮したほうが安心。また、一般的な作業デスクやリビングテーブルと比較して価格が高い点も知っておきましょう。

有名になり過ぎて、他の床+L23材もリノリウムと呼ばれるように

リノリウムが床材として有名になると、本来のリノリウムとは違う製法や素材の床材まで「リノリウム」と呼ばれることが増えていきました。実は、東リの「リノリユーム」は1977年に製造中止されていますが、その後も似たような見た目をしている床材を、リノリウムと簡便に呼んでいるケースは少なくないようです。

リノリウムとマーモリウムの違い

リノリウムの情報を調べていると、「マーモリウム」という床材が出てくることがあります。マーモリウムとは、オランダのファルボ社が製造しているリノリウムのブランド名です。国内に輸入されるリノリウムのほとんどがマーモリウムであることを考えると、リノリウム=マーモリウムと捉えてよいでしょう。

リノリウムの床を導入するメリット

亜麻仁油の酸化物や石灰岩などの天然素材が主原料のリノリウムですが、家の床材に使用すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

抗菌・抗ウイルス性能を持っている

リノリウムの主原料である亜麻仁油には、オメガ6系リノール酸が多く含まれています。オメガ6系リノール酸はコレステロール値を下げる効果があることで知られていますが、抗菌・抗ウイルス性が高いことも認められています。抗菌・抗ウイルスが重視される病院や介護施設、学校などでの利用に特に適しています。

「マーモリウム」の抗菌・抗ウイルス試験において、大腸菌O157や黄色ブドウ球菌、ノロウイルス、A型インフルエンザウイルスなどの不活性化が確認できたとの情報を発表しています。

また、リノリウムにはアンモニア臭の脱臭作用が期待できることから、介護施設やトイレの床の使用に向いています。

耐久性が高い

耐久性が高く、石やタイルほどの頑丈さはないものの、製品寿命が30~40年あり長期間使い続けることができます。傷やへこみが残りにくいのが特徴なので、ペットの爪による傷や、家具の重みによるへこみを軽減させられます。

発火温度が高く、耐火性に優れているのも魅力です。万が一火事が起きても延焼を防ぐ効果が期待できるため、学校など安全性が求められる施設や、一般住宅のキッチンで使用するのに適しています。

お手入れがしやすい

普段のお手入れが簡単なのもメリットです。水が染み込みにくく変色しにくいので、うっかり飲み物や調味料などをこぼしても、サッと拭き取ればきれいになります。

フローリングとは異なり、ワックスがけなどのメンテナンスも必要ありません。

静電気が発生しにくいため、ほこりやハウスダストの付着も防げます。アレルギーや喘息などがある方や小さな子どもがいる家庭にとって、リノリウムは魅力的な選択肢といえます。

環境や人にやさしい

リノリウムは天然素材で作られていて化学物質を含まないため、シックハウス症候群の発症を抑える効果が期待できます。

また、土に埋めるとそのまま生物分解されるうえ、燃やしても有害物質をほぼ出さずに廃棄できるのが特徴です。そのため環境や人にやさしい素材として、テーブルなどの家具にも使われています。製造工程でも環境への負担が少なくなっています。

リノリウムの床を導入するデメリット

環境や人にやさしい、耐久性が高くお手入れしやすいなどのメリットがあるリノリウムですが、いくつかデメリットもあります。

独特なにおいがある

亜麻仁油は、独特なにおいがある油です。そのため、亜麻仁油を主原料とするリノリウムも独特なにおいがします。健康に害があるものではありませんが、リノリウムを敷いてしばらくの間は、においが気になるかもしれません。

とはいえ、いつまでもにおいがするわけではなく、定期的に換気していれば時間とともに改善されます。

紫外線・アルカリ性に弱い

天然素材のリノリウムは紫外線の影響を受けやすく、日当たりの良い部屋の床に使用すると日焼けして、色褪せたり変色したりする可能性があります。

また、リノリウムの原料に含まれる木粉やコルクはアルカリ性に弱く、掃除の際にアルカリ性洗剤を使うと、傷みや変色などのトラブルが起こるおそれがあります。

コストが比較的高い

天然素材を原料とするリノリウムは、原料の調達や製造に手間と費用がかかります。また、リノリウムを敷くのには施工技術が必要で、対応可能な業者が少ないため、ほかの床材と比較するとコストが高めです。

水まわりの床材は「クッションフロア」と「塩化ビニル床タイル(塩ビ床)」が主流

現在、住宅の水まわりでは、主に「クッションフロア」と「塩化ビニル床タイル(以下、塩ビ床)」が使われています。希望に合う床材を選ぶためにも、クッションフロアや塩ビタイルとはどのようなものなのかを知っておきましょう。

クッションフロアとは

リノリウムに代わって住宅用床材の定番となったのがクッションフロアです。「CFシート」が1972年に国内で初めて東リから発売されて以来、40年50年以上にわたって一般住宅を中心に広く使い続けられています。

クッションフロアは適度なクッション性がある、ビニル系の床材です。耐水性が高く、飲み物や食べ物をこぼしてもすぐに拭き取れて、清潔に保ちやすいため、キッチンや洗面所、トイレといった水まわりに多く使われています。

また、木材やタイルといった素材よりも色柄のラインナップが豊富で、床の印象を好みに応じて変えられるのも、長年愛されてきた理由のひとつです。最近ではビニル系素材に見えないような、高級感のあるデザインも出回っています。

大理石のような高級感があるクッションフロア「グレーマーブル クッションフロア」
大理石のような高級感があるクッションフロア「CFシート-H」(画像提供/東リ)

塩ビタイルとは

もうひとつ、近年、住宅用の床材として需要を伸ばしているのが、塩ビタイル(ビニル床タイル)です。もともとは耐久性を求められる店舗の床に用いることが多い床材でしたが、一般住宅に採用されるケースも増えてきています。

大理石や陶器、木目タイルなどの模様をリアルに再現しており、まるで本物を貼っているかのような仕上がりになります。タイルの目地があるため、水まわりなどでは目地からの水の浸入は避けられませんが、デザイン面に加えて、多くの人が集まる商業施設などで使われるほどの高い耐久性を持っているので、一般住宅でも美しい状態で長く使えると好評です。

経年変化した味のあるむく材のようなビニル床タイル「ロイヤルウッド ウィスキーバレル」
経年変化した味のあるむく材のような塩ビタイル「ロイヤルウッド」(画像提供/東リ)

リノリウムとクッションフロア、塩ビタイルの違い

リノリウムと、一般的な住宅でよく使われているクッションフロアと塩ビタイルには、どのような違いがあるのでしょうか。各素材の価格・耐久性・施工性(施工のしやすさ)を比較してみましょう。

リノリウム クッションフロア 塩ビタイル
価格 高い 安い 安い
耐久性 高い 低い 高い
施工性 低い 高い 高い

特殊な施工技術が必要となるリノリウムは、ほかの床材と比べて価格も高めです。しかし、抗菌・抗ウイルス効果が期待でき傷つきにくく、耐久性が高いというメリットがあります。対して、クッションフロアはハサミやカッターでもカットできるなど施工性が高く、リノリウムよりも安価。ただし、耐久性が低めで傷つきやすく、劣化しやすいというデメリットがあります。

塩ビタイルは安価なものが多く、コストを抑えやすいのが特徴。デザインが豊富、加工が簡単で施工性が高い、耐久性が高く傷に強いなどメリットが多いため、リノリウムよりも広く普及しています。

しかし、名称から分かるとおり、施行時にはタイルを1枚1枚張りあわせていく必要があるため、どうしても目地ができてしまいます。目地は汚れがたまりやすいので、こまめな掃除が必要です。

進化を遂げるクッションフロア、塩ビタイル

デザインの豊富さや価格の安さなどから広く普及しているクッションフロアや塩ビタイルは、近年さらなる進化を遂げています。ここでは、最近のクッションフロアや塩ビタイルに見られる特徴を紹介します。

さらりとした感触を実現している

長年使われてきたクッションフロアや塩ビタイルですが、その製法はどんどん進化し、デザイン性や機能性が高まっています。

例えば、昔の製品は足裏にペタリと貼り付くような独特の感触がありましたが、現在では足元に感じるべたつきが軽減されて、さらりとした感触に。また製品自体が従来よりも柔らかくなったことで、施工性も向上しています。

機能性が高まり、さまざまな場所で使える

水まわりの新しい床材として注目されつつあるのが、「耐湿クッションバッキング」を施した製品です。裏地(バッキング)が、撥水クッションをビニル樹脂ではさみこんだ構成になっていて、クッション性の高さと水濡れへの強さ両方を兼ね備えています。

バスマットでおなじみのサイザル麻などをイメージした色柄がラインナップされていることもあり、脱衣所などにピッタリ。価格は1平米あたり8900円(税抜)です(東リ「ファブテックタイル 耐湿バッキングタイプ」の場合。材料費のみ、施工費は別途)。

耐湿バッキングで、抗菌・防カビ性を付与した「ファブテックタイル 耐湿バッキングタイプ」
耐湿クッションバッキングで、抗菌・防カビ性を付与した「ファブテックタイル 耐湿クッションバッキング」(画像提供/東リ)

さまざまなメーカーから出ている「ペット対応」のクッションフロアにも注目。クッション性が高く適度な柔らかさがあるので、爪痕などの傷がつきにくく、滑りにくい特性もあり、室内飼いのペットと暮らすお宅でも安心して使えます。さらに、ペットの体臭やおしっこのにおいを消臭してくれる多機能な床材です。価格の目安は1平米あたり4150円(税抜)です(東リ「CFシート-P NW」の場合。材料費のみ、施工費は別途)。

耐傷付き性や防滑性も備えた消臭床シート
クッションフロア「CFシート-P NW」(画像提供/東リ)

リノリウム以外にも豊富な床材の種類

リノリウムやクッションフロア、塩ビタイル以外にも、さまざまな床材があります。それぞれの特徴を知って、どの床材が好みや希望に合うかを考えてみましょう。

1. カーペット

ナイロン・アクリル・ウールなどで作られるカーペットは、肌触りがよくクッション性があるのが特徴です。保温性も高く、裸足で歩いても床の冷たさを感じません。さらに遮音性があり滑りにくいため、子どもや高齢の方がいる家庭の床にオススメです。素材の種類や色柄が豊富で、好みに合うものが見つかりやすいというメリットもあります。

ただし、ほこりやダニが付着しやすいので、こまめな掃除が必要というデメリットがあります。また、水拭き不可の製品が多いため、キッチンなど床が汚れやすい場所での使用には向いていません。

2. フローリング

フローリングは一戸建てからマンションまで、多くの住宅で見かける木材を使った床材です。一枚板を加工した無垢フローリング、樹脂やオレフィンに木目を印刷したシートフローリングなど、いろいろな種類があります。床材の中でも比較的強度が高く、あたたかく落ち着いた空間を演出できるのが魅力です。

一方で、クッションフロアなどの床材よりコストが高い、木と木の隙間に汚れがたまりやすく掃除が面倒といったデメリットも。また、無垢フローリングは水に弱いため、飲み物などをこぼした場合は、急いで拭き取り乾かさなくてはなりません。

3. タイル

タイルはクッションフロアよりも丈夫で、耐久性に優れている床材です。ポリ塩化ビニル素材かセラミック素材で作られているのが基本で、水に強く汚れが簡単に拭き取れるため、キッチンなどの水まわりに向いています。

色柄の種類が豊富でデザイン性が高いものが多いので、理想どおりのインテリアを実現しやすいのも魅力です。

ただし、ポリ塩化ビニル素材のタイル(塩ビタイル)はあまり熱に強くないので、床暖房付きの部屋には使用できません。また、クッション性がなく防音性も高くないので、直接床に座りたい場合や足音が気になる場所などでの使用は避けるのが無難です。

4. 畳

畳は和室に欠かせない床材です。昔ながらの畳の主原料は「い草」ですが、最近は樹脂製の畳も増えています。畳の大きなメリットは、保温性・耐久性に優れていることです。フローリングやタイルのような硬さがなく、音を吸収するため、子どもや高齢の方がいる家庭にも向いています。

ただし、畳は徐々に表面が傷んだり色褪せたりしてくるため、定期的にメンテナンスしなくてはなりません。さらにダニやカビが繁殖しやすいので、こまめに掃除する必要があるうえに、掃除機をかけた後に乾拭きするなど掃除に手間がかかります。

樹脂製の畳であれば、ダニ・カビが繁殖しにくく、水拭きOKというものも多いので、手軽に畳を取り入れたい方は樹脂製の畳を検討しましょう。樹脂製の畳はカラフルでデザイン性が高いものが多く、インテリア性を重視する方にとって取り入れやすい点もメリットです。

5. 麻や竹

麻や竹、藤(ラタン)などは、水はけがよく水まわり向きの床材です。温泉施設などの床に使われているのを見たことがある方もいるでしょう。

天然素材ならではのさらりとした質感や風合いが魅力で、アジアンテイストな空間を演出できるなど、インテリア性が高いのもメリットです。

ただし、天然素材なので見た目にバラつきがある、日光が当たると変色したり色褪せたりするといったデメリットがあります。美しい状態を長く保ちたい場合は、UV処理が施されたものや、抗菌処理済みのものなどを選ぶのがオススメです。

まとめ

リノリウムは100年以上も前に生まれた床材。亜麻仁油や石灰岩などの天然素材が原料で、環境や人にやさしい

抗菌・抗ウイルス効果がある、耐久性が高い、手入れしやすいなどいろいろなメリットがある

価格が高い、独特なにおいがする、紫外線・アルカリ性に弱いなどのデメリットがある

床材の主流はクッションフロアと塩ビタイル。ほかにもさまざまな床材があるので、それぞれの特徴を知って希望に合うものを選ぶことが大切

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取材・文/丸田カヨコ、SUUMO編集部
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