リノリウム床材とは? 塩ビやクッションフロアなど、最新の床材事情も聞いてみた

リノリウム床材とは? 塩ビやクッションフロアなど、最新の床材事情も聞いてみた

建材の中でも床材の種類といえば、フローリングやカーペット、リノリウムや塩ビ、クッションフロアとさまざま。実は、化学物質のような名前のリノリウムが、実は天然素材で……というのはご存じでしょうか? この記事では、リノリウムや塩ビなどの特徴、床材として用いられる理由、床以外のオススメ利用法は?などなど、床材についての疑問を東リの持谷さんに聞いてみました。

リノリウムとは、どんな素材なのか?

化学物質のような名前だけれど、実は天然素材!

リノリウム(リノリューム)は1860年代のイギリスで発明された素材です。亜麻仁油の酸化物に石灰岩、松ヤニ、コルク粉などを練り合わせ、麻布に塗り付けて乾燥させたもので、発明以来100年以上も床材や壁材として、広く用いられてきました。

化学物質のようなイメージの名前からは想像もつきませんが、材料や製法を見ればわかる通り、実は天然素材なのです。日本では1920年に東洋リノリユーム株式会社(現在の東リ株式会社)が、国産初のリノリウム「リノリユーム」を完成させています。

全てが自然素材で構成されているリノリウムはコストを抑えることが難しく、また、生産工程が煩雑で手間ひまがかかる床材です。さらに、出来上がったリノリウムは、敷いた後の収縮を予防するためにおよそ1週間は仮敷きの状態にしなくてはならなかったため、施工が難しく大変な時間と技術を必要としました。これらの理由から、最盛期には世界で100社以上の製造工場が乱立したリノリウムですが、その他の便利な床材が登場するにつれて、次第に敬遠されていったと考えられます。

「リノタイル(リノリウムをタイル形状にしたもの)」当時の資料から
「リノタイル(リノリウムをタイル形状にしたもの)」当時の資料から(画像提供/東リ)

しかし、環境に配慮した製品が好まれる昨今、自然素材のみでつくられたリノリウムは、人にも環境にも優しい素材として再注目されはじめています。原材料の亜麻仁油による抗菌性、静電気が出ないことによる汚れにくさ、耐久性の高さ、なんと言っても最も大きい理由は、埋めると土に還る生物分解性、燃やしても水と二酸化炭素のみが発生し有害ガスが出ないこと。自然素材の良さがリノリウムには詰まっているのです。環境大国のドイツや北欧諸国では現役で人気がある、ということにも納得できますね。

有名になり過ぎて、他の床材もリノリウムと呼ばれるように

リノリウムが床材として有名になると、本来のリノリウムとは違う製法や素材の床材まで「リノリウム」と呼ばれることが増えていきます。実は、東リの「リノリユーム」は1977年に製造中止されているのですが、その後も似たような見た目をしている床材を、リノリウムと簡便に呼んでいるケースは少なくないようです。

現在の住宅用床材、特に水まわりの主流はクッションフロア&塩ビタイル

クッションフロアとは?

リノリウムに代わって住宅用床材の定番となったのが、ビニール製でクッション性の高いシート状の床材、クッションフロアです。「CFシート」が1972年に国内で初めて東リから発売されて以来、40年以上にわたって一般住宅を中心に広く使い続けられています。

クッションフロアは適度なクッション性がある、塩化ビニル系の床材です。耐水性が高いので、飲み物や食べ物をこぼしてもすぐに拭き取れて、清潔に保ちやすいため、キッチンや洗面所、トイレなどのいわゆる「水まわり」に多く使われるのが特長です。

また、木材やタイルといった素材よりも、色柄のラインナップが多彩で豊富なので、床の印象を好みに応じて変えられるのも、長年愛されてきた理由のひとつと言えそうです。最近では塩化ビニル系に見えないような、高級感のあるデザインも出回っています。

大理石のような高級感があるクッションフロア「グレーマーブル クッションフロア」
大理石のような高級感があるクッションフロア「グレーマーブル クッションフロア」(画像提供/東リ)

店舗用から住宅用にも用途が広がった「塩ビタイル」

もうひとつ、近年、住宅用の床材として需要を伸ばしているのが、塩ビ(塩化ビニル・PVC)タイルです。もともとは耐久性を求められる店舗の床に用いることが多い床材ですが、一般住宅に採用されるケースも増えてきています。

クッションフロアに比べてデザイン性が高く、大理石や陶器、木目タイルなどの模様をリアルに再現して、まるで本物を貼っているかのような仕上がりになります。タイルの目地があるため、水まわりなどでは目地からの水の浸入は避けられませんが、デザイン面に加えて、多くの人が集まる商業施設などで使われるほどの高い耐久性を持っているので、一般住宅でも美しい状態で長く使えると好評です。

経年変化した味のあるむく材のような塩ビタイル「ロイヤルウッド ウィスキーバレル」
経年変化した味のあるむく材のような塩ビタイル「ロイヤルウッド ウィスキーバレル」(画像提供/東リ)

クッションフロアや塩ビタイルはどんどん進化中!

ビニールっぽい貼り付きから「さらっと」へ

長年使われてきたクッションフロアや塩ビタイルですが、その製法はどんどん進化し、デザイン性や機能性が高まっています。例えば、昔の製品は足裏にペタリと貼り付くような独特の感触があったものですが、現在では足元に感じるべたつきが軽減されて、サラリとした感触に。また製品自体が従来よりも柔らかくなったことで、施工性も向上しています。

水まわりに使いたい新しい床材

水まわりの新しい床材として注目されつつあるのが、「耐湿バッキング」を施した製品です。裏地(バッキング)が、撥水クッションを塩ビ樹脂ではさみこんだ構成になっていて、クッション性の高さと水濡れへの強さ両方を兼ね備えています。

バスマットでおなじみのサイザル麻などをイメージした色柄がラインナップされていることもあり、脱衣所などにピッタリ。価格は1m2あたり8300円となっています(東リ「ファブテック 耐湿バッキングタイプ」の場合。材料費のみ、施工費は別途)。

耐湿バッキングで、抗菌・防カビ性を付与した「ファブテックタイル 耐湿バッキングタイプ」
耐湿バッキングで、抗菌・防カビ性を付与した「ファブテックタイル 耐湿バッキングタイプ」(画像提供/東リ)

こちらも機能性の高さにびっくりなのが、さまざまなメーカーから出ている「ペット対応」のクッションフロア。クッション性が高く適度な柔らかさがあるので爪痕などの傷が付きにくく、滑りにくい特性もあるので室内飼いのペットと暮らすお宅でも安心して使えます。さらに、ペットの体臭やおしっこのにおいを消臭してくれる多機能な床材です。価格の目安は1m2あたり3850円となっています(東リ「ニュークリネスシート」の場合。材料費のみ、施工費は別途)。

耐傷付き性や防滑性も備えた消臭床シート
ニュークリネスシート クッションフロア(画像提供/東リ)

ちなみに、色柄のラインアップも従来よりさらに豊富になっています。長く人気がある大理石調やタイル柄の中でも、近年では発売当初の昔のデザインが「レトロでかわいい」と注目され、かつての人気デザインを現代風にアレンジ・復刻したリプロダクションの商品が人気を集めています。

1975年に発売されたクッションフロア
1975年に発売されたクッションフロア(画像提供/東リ)
リプロダクションシリーズ。CFシート発売当初の柄を現代的にアレンジ
リプロダクションシリーズ。CFシート発売当初の柄を現代的にアレンジ(画像提供/東リ)

これまで「リノリウム」「クッションフロア」「塩ビタイル」の差がわかっていなかっという人も多いのでは?リノリウムが天然素材だったことも驚きですが、それにも増して、最近のクッションフロアや塩ビタイルの進化は目を見張るものがあります。注文住宅を建てるときやリフォームするときには、さまざまな素材からお気に入りのものを探してみてください。

まとめ

リノリウムは100年以上も前に生まれた天然素材。日本ではすでに製造中止されている

この数十年の住宅用床材、特に水まわりの主流はクッションフロア&塩ビタイル

クッションフロア&塩ビタイルの進化は目覚ましく、耐湿やペット対応など高機能な製品も

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取材・文/丸田カヨコ
公開日 2020年06月09日
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