資産価値が落ちない街ランキング2018 10年間の資産価値を調査～大阪・奈良編

「資産価値の維持しやすさ」を考えて家を買うならどの街を選べばいい？
今回は資産価値を見極める参考になる「リセールバリュー」を指標として、約10年前に分譲された新築マンションが、現在、中古物件として当時に比べてどれくらいの価格水準で流通しているかを調査。価格水準の高い順に各エリアのトップ20を紹介する。
加えて、新築マンションが供給される注目の街情報も掲載！併せてチェックしよう。

街の資産価値を見極めるポイント

資産価値の参考となるリセールバリューとは？

リセールバリューは、10～12年前に分譲された新築マンションが、おおよそ10年後の現在、中古物件として当時の何倍の価格で取引されているかを示す指標。リセールバリューが高いほど資産価値を維持できたと考えられる。ただし、過去の実績を表すもので今後の資産性を意味するものではない。また、集計期間内に新築分譲が少なかった駅は集計対象外となるため、今回登場した駅のみが資産価値が維持しやすい駅であるとは限らない。

●リセールバリューの計算方法

※2006年1月～2008年12月に新規分譲され、2017年1月～2017年12月に中古流通した分譲マンションを対象に新築分譲価格からの価格維持率（リセールバリュー）を算出
※専有面積30m²未満の住戸および事務所・店舗用ユニット、また、供給戸数・中古取引数が一定以上でない駅は対象から除外

資産価値の上昇が期待できる3つのポイント

都心へのアクセス

リセールバリューを決める重要な要素が立地、とりわけ都心へのアクセスだ。都心回帰が進むなか、大阪・京都・神戸の都心部の街のリセールバリューは高い。郊外でも都心アクセスが良いエリアが高い傾向にある。

生活利便性・住環境

暮らしを支える生活利便性や住環境も重要だ。スーパーや飲食店の充実に加え、教育や医療の環境なども見ておきたい。これらのニーズを1カ所で満たす複合施設がある街のリセールバリューは高めだ。

大規模な再開発

大規模な再開発が行われると人口や人の往来が増え、街が活性化する。最近、再開発が行われた、もしくは今後行われる予定の街のリセールバリューは高くなりやすい傾向にある。再開発動向は要チェックだ。

大阪市内の資産価値ランキング

大阪市内は、20位まですべての街がリセールバリュー１以上だった。都心回帰の流れを受けて、市内マンションの資産価格が上昇していることが一因だろう。1位のなにわ橋は2008年に新駅として誕生、10年で価値が約1.5倍になっている。

注目の駅の詳細をご紹介！

心斎橋～地下鉄御堂筋線
2019年に老舗百貨店が新生。街の魅力がさらにアップ

大阪を代表する繁華街の心斎橋再開発が進展。百貨店や高級ブランドショップから、大人が楽しめる飲食店など多彩な魅力をもつ街がさらに変貌を遂げる。同エリアの中心的スポットである大丸心斎橋店は建て替え工事中で、2019年秋に完成予定だ。

繁華街の一角を占める心斎橋。御堂筋沿いには高級ブランドショップが立ち並ぶ

都島～地下鉄谷町線
梅田と京橋へ好アクセス。職住近接の暮らし

東梅田駅まで６分で到着するアクセス。「京阪モール」など商業施設が充実するJR京橋駅にも近いため職住近接の暮らしを求める人に人気。2019年春、JRおおさか東線が延伸し、新大阪まで直通運転の予定。利便性がさらに向上しそうだ。

駅周辺に高度医療を手がける大阪市立総合医療センターがあるなど医療機関が充実

大阪上本町～近鉄奈良線
近鉄の主要ターミナル。住環境や教育環境が良好

近鉄大阪線の始発駅で、駅前に近鉄百貨店やシェラトン都ホテル大阪などがある。街の特徴は、都心に位置しながらも閑静な住宅街が広がること。私立清風中学校・高等学校に象徴される文教エリアでもある。交通利便性と住環境の良さを併せもつ街。

近鉄上本町から地下道でつながる地下鉄谷町線「谷町九丁目」駅も利用可能だ（写真提供／PIXTA）

福島～ＪＲ大阪環状線
「うめきた」に近接。さらなる発展に期待

JR大阪環状線で大阪駅まで１駅で着き、歩いても行ける。おしゃれな飲食店が多い街だが、周辺には大小の公園や閑静な住宅街もあり、ファミリーも多く住む街。駅の北側は再開発が続く「うめきた」にも近く、さらなる発展が期待できそうだ。

福島駅から少し歩くとJR東西線の新福島駅も利用でき、北新地などへも好アクセス

大阪市外の資産価値ランキング

谷町線の始発駅である大日、天王寺まで５分の久宝寺など、都心アクセスの良い街が多くランクイン。また、自然や教育環境が豊かな北摂エリア、箕面に延伸予定の御堂筋線・北大阪急行の沿線駅も名を連ねた。

注目の駅の詳細をご紹介！

大日～地下鉄谷町線
３路線利用可の利便性と複合商業施設で生活至便

谷町線の始発駅。座って通勤ができ、東梅田駅まで18分で到着。大阪モノレールも通り、大阪（伊丹）空港や万博記念公園へも便利。足を延ばすと京阪電鉄も利用可能。駅前には複合施設「イオン大日ショッピングセンター」があり、日常の買い物に便利だ。

再開発された駅前。右手に見えるのが「イオンモール大日」だ

茨木～ＪＲ京都線
市内に６大学が立地。自然豊かな文教都市

大阪と京都へのアクセスが良く、自然豊かな環境でファミリーに人気が高い。市の中心部に全長約5kmの緑地があり、北部は里山風景が広がる。2015年に開いた立命館大学大阪いばらきキャンパスを含めて6大学が立地する文教エリアとしても有名だ。

今年4月にリニューアルされた茨木駅。コンビニやドラッグストアなどが入り便利

江坂～地下鉄御堂筋線
新大阪と梅田に10分程度。共働きや出張族に便利

御堂筋線で新大阪駅まで5分、梅田駅まで11分と交通利便性が高く、共働きや出張が多い世帯には便利。駅前には深夜1時まで営業する「ダイエー江坂駅前店」があるなど生活利便性も高い。北大阪急行には箕面延伸計画もあり、沿線価値向上も期待できそう。

地下鉄のみならず、駅前に新御堂筋が通っているのでカーアクセスも快適

枚方市～京阪本線
「T-SITE」で注目度UP。都心部へも好アクセス

特急が停車し、大阪の淀屋橋駅まで約20分、京都の出町柳駅まで約35分と好アクセス。TSUTAYAの創業地で、同社が蔦屋書店などを中核店舗として再開発した駅ビル「T-SITE」で注目が高まる。隣駅の枚方公園駅には遊園地「ひらかたパーク」も。

再開発された駅ビル「T-SITE」。蔦屋書店などが入り、多くの人でにぎわう

奈良の資産価値ランキング

2006年に開業した近鉄けいはんな線の学研奈良登美ヶ丘駅が1位を獲得した。約60年前にオープンした大規模ニュータウンだが、街の整備が進み、利便性の高い街に。TOP5中、3駅が近鉄奈良線の駅となった。

学研奈良登美ヶ丘～近鉄けいはんな線
本町まで座って通勤可能。駅周辺の利便性もアップ

2006年に開業した近鉄けいはんな線の始発駅。直通で地下鉄中央線に乗り入れて本町駅まで36分。座って通勤できるので快適だ。「イオンモール奈良登美ヶ丘」があるなど生活利便性も高い。

整備された学研奈良登美ヶ丘駅前。すぐ近くに「イオンモール」がある

新大宮～近鉄奈良線
駅前は繁華街としてにぎわう。自然や史跡豊かな文教エリア

近鉄奈良線の近鉄奈良駅と大和西大寺駅の間に位置する。幹線道路の大宮通り沿いには奈良市役所やオフィスが並び、繁華街としてにぎわう。県立奈良高校をはじめ学校が多い文教エリアだ。

イトーヨーカドー奈良店の閉店後、4月24日に開業した複合商業施設「ミ・ナーラ」

結婚や出産などライフステージに合わせて家を買い替える人も多いはず。どうせ買うなら売却や賃貸を考慮して、資産価値の情報はチェックしておきたいもの。今人気の街だけでなく、将来性を見据えた街選び、家選びをすることが大切だ。

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