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住まいを新築するために情報収集していると、「建坪」という言葉に触れることがありますが、「建坪」とは何を、どこを示すのでしょうか。「床面積」、「延床面積」や「建築面積」などのほかの広さを表す用語との違い、建築費用や坪単価とどのように関係するのか、「建坪」を使用するときの注意点などとあわせて一級建築士の石川淳さんにお話を伺い紹介します。
「建坪」は、どう読み、何を指すのか、家づくりにおいてどのような意味があるのかを石川さんに伺いました。
建坪は、「たてつぼ」と読みます。古くから日本で慣例的に使用されてきた「坪」を広さの単位としており、一般的には建物が建っている部分の広さを示すと考えられますが、石川さんは「その定義は曖昧」だと言います。
「おそらく建築面積(詳しくは後述)と同義で使用する人が多いと思いますが、建築面積は建築基準法で使われる正式な用語であるのに対して、建坪は使用する人によって指している部分が微妙に異なる場合があるように感じます。そのため建築士など、建築基準法に則って仕事をする人たちが建坪という言葉を使うことは少なく、おそらく不動産業界などで慣習的に使われてきた言葉ではないかと思います」(石川さん)

石川さんは「建坪という言葉が主に使われるのは、建ぺい率を意識するとき」と推測しています。
建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合のことで、その土地がある用途地域(自治体の都市計画に基づき、用途に応じてエリアを13に分けたもの)によって上限となる割合が決められています。
「施主さんは、敷地にどのくらいの広さの家が建てられるのかが気になり、不動産会社などに相談する際に建坪という言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか。
建ぺい率は、建築可能な住宅面積の指標になりますが、この指標に用いるのはあくまでも建築面積です。
建坪の定義は曖昧なので、『これくらいの建坪の家が建てられる』という話を聞いたときには、大まかな参考までにとどめるのがよいでしょう」
建ぺい率ついてもっと詳しく
→「建蔽率(建ぺい率)」「容積率」とは? 知っておきたい建物の規制
建坪は「坪」で表し、1坪は約3.3m2の広さを示します。
坪は、尺貫法(中国から伝来した日本古来の測量法)で使われていた面積の単位です。しかし、1959年以降、取引や証明に尺貫法を使用することは禁止され、現在、登記簿謄本や契約書をはじめとする正式な書面はm2で記載されます。
「『建坪〇坪』と言われたら『おそらく建物が建つ部分の広さは、〇×3.3m2ぐらいだということだな』と考えればよいでしょう。ただし、建坪自体の定義が曖昧なため、正確な面積を知りたいときには対象の範囲やm2での表記を確認したほうがよさそうです」

逆に建坪は建築面積を3.3で割れば、概算できることになります。敷地とその建ぺい率から建てられる建物の広さを建坪(建築面積)として大まかに割り出したいときには、敷地面積×建ぺい率=建築面積÷3.3で求めます。
| 建坪数 | m2 |
|---|---|
| 建坪15坪 | 約50m2 |
| 建坪20坪 | 約66m2 |
| 建坪30坪 | 約99m2 |
| 建坪35坪 | 約116m2 |
| 建坪40坪 | 約132m2 |
住まいづくりには、土地や住宅の広さを表すさまざまな単語があります。それぞれどのような意味で用いられており、建坪とはどのように異なるのでしょうか?
建築面積とは、建築物の外壁または外壁に代わる柱の中心線で囲まれた部分を真上から見た状態の面積(水平投影面積)のことです。2階建ての住宅で、1階より2階が広い場合は、2階の面積が建築面積になります。

「一般的に建坪はこの建築面積と同義で使用されることが多いのですが、先の通り使用する人によって対象とする部分が微妙に異なるため、注意が必要です」
建築面積についてもっと詳しく
→建築面積とは?バルコニーやひさしは含まれる?敷地面積・延べ面積・延床面積との違いは?
床面積とは、一般的には家の室内床部分の面積のことを言います。
「1階の床面積なのか、2階の床面積なのか、リビングの床面積なのか、指し示す範囲を指定するのが一般的です。範囲を指定しない限り、建坪との比較は難しいと言えます。
バルコニーなども開放性が少ないと、外なのに容積対象面積になることがあります。その場合には、法床面積と言われていることが多いです」
住宅における床面積を全て合計したものが、延床面積です。2階建ての場合は1階と2階の床面積を足した面積になります。
「1階のみの平屋の場合、延床面積と建築面積は一般的には同じになります(軒下やバルコニーが入る場合もあり)。そのため、平屋の延床面積と建坪もほぼ同じ広さを示すものとして使うことができる場合もありますが、ここでも建坪の定義を確認する必要があるでしょう」
石川さんによると「建物面積とは、建物(住宅)全部の床面積という意味で多くの場合、延床面積を指していることが多そう」だと言います。
「ただし、これも建坪同様、建築基準法で使われる正式な用語ではないため、どの部分を対象として含めるのか、含めないのかを確認したほうがいいでしょう」
定義が明確でない限り、建坪との違いを説明することは難しそうです。

建坪には、軒やひさし、バルコニーなどにより突き出した部分の面積は含まずに使われることが多いようです。
一方、建築面積にそれらを含むかどうかは突き出している部分を水平に測ったときの長さによって異なります。
「軒やひさし、バルコニーの壁や柱よりも外側に突き出している部分が1m以内の場合は、建築面積に含まれません。外側に突き出している部分が1mを超えるならば、突き出している部分の先から1m後退したところまでが建築面積に含まれます」
出窓も建坪には含まずに使われることが多いでしょう。また、出窓が床面積に算入されない場合は、建築面積にも含まれません。
床面積に算入されない条件は以下の通りです。

軒やひさしなどと同じく、建坪にはカーポートを含まないことが多いようです。
「屋根のない駐車場であれば、建築面積にも含みません。しかし、屋根のあるカーポートは、原則として建築面積に含まれます(条件によって不算入の措置あり)。住宅の建物の中に駐車場を設けた、いわゆるインナーガレージは、建坪にも建築面積にも含まれます」
カーポートについてもっと詳しく
→カーポートとは?正しい選び方、種類、値段、注意すべき点を解説
家づくりにおいて「坪単価」は、延床面積1坪あたりの建築費のことです。建坪1坪あたりの建築費ではないので注意しましょう。
「建築費の合計を延床面積で割って、1坪、つまり約3.3m2あたりの費用を算出しますが、建物の本体工事費用以外のどこまでを建築費に含めるかは曖昧で、明確な定義はありません」
「各施工会社(工務店やハウスメーカー等)によって、どこまでを建築費に含めるかは異なります。一般的には、外構工事費、地盤改良工事費、電気・ガス・水道などの引き込み工事費といった、いわゆる付帯工事の費用は含まれていないことが多いようです。
しかし、地盤改良や引き込み工事をしなければ住むことはできないため、私が坪単価の提示を求められた場合は、施主さんに事例を見せながら、外構など全てを含めた費用を開示して『1坪あたり、○〇〇円』と言うことが多いですね」
「平屋でも2階建てでも坪単価は変わらないと思う人がいるようです。しかし、平屋では基礎工事や屋根工事が総2階建て面積の倍近くになるので、一般的に同じ延床面積なら平屋の方が坪単価は高くなります」
そのほか、複雑な工事や高価な建材が増えれば、建築費も高くなり、坪単価は上がる傾向にあります。
坪単価の算出には延床面積を坪換算したものが使われるため、2階建て以上の場合は、建築面積と同義で使われることが多い建坪が関係することはほとんどないでしょう。
平屋の場合においては、延床面積=建築面積となるため、建築費の合計を建坪で割ることで、坪単価として計算することもあるかもしれません。

坪単価についてもっと詳しく
→坪単価とは?坪単価の平均は?ハウスメーカーと工務店の相場は? 注文住宅の価格について一級建築士が解説
「建坪」という言葉を聞いたとき、ひさしや駐車場の屋根が入っているのかなど、どこからどこまでの広さなのかを確認しましょう。言葉の定義が曖昧なので、使う人によって指しているところが違います。「建坪」をしっかりと理解して、理想の住まいを建てましょう。
建坪の定義は曖昧で、使う人によって意味が異なる
多くの場合は建築面積と同義で、1坪あたり約3.3m2で換算できる
建坪という言葉を聞いたら、どこの広さを指すのか確認したほうがよい