カーポートとは?正しい選び方、種類、値段、注意すべき点を解説

公開日 2020年04月21日
カーポートとは?正しい選び方、種類、値段、注意すべき点を解説

カーポートを備えたいけれど、正しい選び方や注意点は?最近はどんな種類があって値段はどのくらいなの? 2台~3台と置くことはできる? 雪にも強いカーポートってある? そんなカーポートを選ぶ際に気になるさまざまな疑問について、LIXILのカーポート部門の方に教えてもらいました。

カーポートとは? 種類にはどんなものがある?

ガレージとの違いは?

カーポートとは、屋根と柱だけの簡単な車庫のこと。壁で覆うガレージと区別して使われます。車を停めた際に車の横や後ろに壁がないため、乗り降りや荷物の積みおろしがしやすいのが特徴です。

カーポート
カーポートのイラスト
ガレージ
ガレージのイラスト

カーポートのメリット

またガレージはドアを開けても壁にぶつからないようにスペースを確保しないといけませんが、壁のないカーポートであれば、近くに障害物さえなければドアを開けられますから、ガレージより狭いスペースに備えやすいのがメリットです。

カーポートのデメリット

一方、ガレージと比べて開放的なため車にいたずらされる可能性がある点や、風雨が入り込みやすいので、車が汚れやすくなる点がデメリットです。ただし何もない青空駐車と比べれば、車の日焼けも防げますし、汚れも青空駐車と比べてグンとつきにくくなります。

カーポートは建蔽率(建ぺい率)にふくまれる?

カーポートは建ぺい率の緩和を受けられる場合が多い

カーポートを含む「自動車車庫」は建築面積の対象になります。つまり、建物+自動車車庫=建築面積が、その土地に定められている建ぺい率(土地の面積に対して建物が占める面積)に収まるようにしなければいけません。

一定の条件を満たせば緩和措置を受けられる

しかし下記の一定の条件を満たせば、自動車車庫部分の面積の一部(下記図参照)を算入しなくてもよいという緩和措置があります。そのため、多くのカーポートではこの緩和措置を受けられます。ただし自治体により詳細が異なる場合もあるので、詳しくは施工会社や各自治体に確認するようにしましょう。

●緩和を受けられる条件

・柱の間隔が2m以上
・天井の高さが2.1m以上
・外壁のない部分が4m以上
・地階を除く階数が1であること

カーポートの建ぺい率緩和の条件

置ける台数は何台まで?

戸建て住宅の場合、一般的には最大4台まで

カーポートは屋根と柱だけの簡易な構造なこともあり、敷地条件さえ許せば何台分でもつくることができます。とはいえ個人宅向けに用意されているカーポートは、最大4台までが一般的です。また2台や4台の場合、並列だけでなく、縦列もあります。

車1台置けるカーポート
車1台のカーポートイラスト
車と自転車を1台ずつ置けるカーポート
車1台と自転車が置けるカーポートイラスト
縦列で車2台置けるカーポート
縦列で車2台置けるカーポートイラスト
並列で車2台置けるカーポート
並列で車2台置けるカーポートイラスト
並列で車3台置けるカーポート
並列で車3台置けるカーポートイラスト
並列で車4台置けるカーポート
並列で車4台置けるカーポートイラスト
縦列と並列で車4台置けるカーポート
縦列と並列で車4台置けるカーポートイラスト

カーポートの種類にはどんなものがある?

デザイン面でいえば、構造がシンプルで比較的安価なタイプから、住宅とのデザインの調和を図れるタイプ、趣味の空間としても活用できるガレージタイプまで、実にさまざまなカーポートがあります。

柱の位置も、左右どちらか片側・両側・後ろがあり、屋根のデザインも平板やラウンド、透明などいくつもあります。

カーポートに用いられる柱や梁など構造体の素材は、主に下記の素材があります。

●カーポートに用いられる構造体の素材
アルミ

最も使われている素材。軽くて丈夫で、錆びにくいため長く使うことができます。

スチール

丈夫でアルミより安価ですが、錆びやすいので、塗装など防錆対策が必要です。

またカーポートに用いられる屋根の素材は、主に下記の素材があります。

●カーポートに用いられる屋根の素材
ポリカーボネート

最も使われている素材。プラスチックの板で、弾力性に富み、熱にも強く、強度もあって劣化しにくいとメリットがたくさんあります。また色やカタチのバリエーションも豊富です。

アルミ

軽くて丈夫、錆びにくい素材です。柱と併せてアルミで統一するとデザイン性も高くできます。

スチール

スチールの板を折板(せっぱん・折り曲げた板)にすることで強度を高められるので、豪雪地帯などで用いられます。

アクリル、塩化ビニール

かつて使われていましたが、どちらも劣化しやすいという欠点があるため、現在ではあまり使われていません。

カーポートの床は何がいい?

車の重量は軽自動車でも約1t。ミニバンなら2t近いものもあります。そのためカーポートの床は、割れやすいタイルなどの素材よりも、一般的にコンクリートや砂利が使われます。特にコンクリートは掃除などメンテナンスのしやすさや、シンプルな見た目から人気があります。その他レンガや自然石など、さまざまな材料を床に敷きつめることができます。

カーポートに適したフロア材もある
カーポートに適したフロア材の例
一般的なタイルと比べてカーポート用に強度を高めたタイル。コンクリートと比べてタイヤ痕や汚れが付着しにくく、デザイン性も高めることができる(画像提供/LIXIL「カーフロア」)

カーポートの値段の目安は?

カーポートの値段はメーカー各社により異なるほか、停める台数や耐風圧・耐積雪強度などの違い、デザイン、素材によって異なります。また忘れてはならないのがカーポート本体の価格以外に施工費用が必要だということ。そのため敷地条件や施工会社によっても異なるので、詳しくは施工会社に見積もりをもらって確認するようにしましょう。

上記を踏まえた上で、あくまでも目安として、カーポート本体の価格例を以下に紹介します。

カーポート本体のカタログ価格の一例
製品名 フーゴ/フーゴ900 カーポートSC
カーポートSC1500
アーキフラン ウィンスリーポートII
テリオスポートIII
製品 ベーシックなカーポート ハイグレードなカーポート 後部に柱があり使いやすいカーポート 耐風圧・耐積雪強度が高いカーポート
耐風圧
強度
風速42m/秒相当 風速42m/秒相当
風速46m/秒相当
風速38m/秒相当 風速54m/秒相当
耐積雪
強度
20cm相当・30cm相当 20cm相当・50cm相当 20cm相当 30~200cm相当
価格
(税抜・別途施工費が必要)
1台用:25万6800円~
2台用:41万1700円~
1台用:41万5900円~
2台用:96万1500円~
1台用:42万6400円~
2台用:87万1600円~
1台用:29万3500円~
2台用:50万9300円~
(出典:LIXILカーポートカタログ「はじめてのカーポート・車庫えらび」)

カーポートを設置する際の注意点は?

道路に対してカーポートの位置はどこがいい?

カーポートの位置は車の出しやすさに影響します。そのため前面の道路に対してどれだけ間口や奥行きが取れるかが、カギになります。例えば車を1台停める場合も、下記の3通りが考えられます。

車を1台停める場合の、カーポートの位置の例
前面道路に垂直な駐車スペース
前面道路に平行な駐車スペース
前面道路に対して斜めな駐車スペース
(画像提供/LIXIL)

また、出入口付近に障害物のないほうが、スムーズに駐車しやすくなります。運転に自信がない場合は、下記のように柱が後ろにあるタイプを選ぶといいでしょう。

出入口に障害物を配置しないようにすると駐車しやすい
出入口に障害物がないと駐車しやすい
出入口側に柱など障害物がないため、車の出し入れがしやすい(画像提供/LIXIL「アーキフラン」)

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住んでいる地域で選ぶべきカーポートは変わる?

近年は台風による被害が全国に及んでいますが、中でも台風が毎年のように通過するような地域では、各カーポートにある“耐風圧”の数字(1秒あたり何メートルの風速の圧力に耐えられるか、という性能を示す数値)に注目して選ぶと良いでしょう。ちなみに風速別の被害の目安は下記の通りです。

<風速と被害の目安>
気象予報用語 平均風速 屋外・樹木の様子 建造物
やや強い風 10m/S以上
15m/S未満
樹木全体が揺れ始める。電線が揺れ始める。 樋が揺れ始める。
強い風 15m/S以上
20m/S未満
電線が鳴り始める。看板やトタン板が外れ始める。 屋根瓦・屋根葺き材が剥がれるものがある。雨戸やシャッターが揺れる。
非常に強い風 20m/S以上
25m/S未満
細い木の枝が折れたり、根の張っていない木が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く。 屋根瓦・屋根葺き材が飛散するものがある。固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒する。ビニールハウスのフィルム(被覆材)が広範囲に破れる。
25m/S以上
30m/S未満
固定の不十分な金属屋根の葺き材がめくれる。養生の不十分な仮設足場が崩落する。
猛烈な風 30m/S以上
35m/S未満
35m/S以上
40m/S未満
多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。ブロック壁で倒壊するものがある。 外装材が広範囲にわたって飛散し、下地が露出するものがある。
40m/S以上 住宅で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある。

カーポートの耐風圧強度は、あくまで風に対する強度であり、設定されている風圧以下であれば屋根が飛んだり、柱や梁が折れ曲がりにくいという意味です。例え設定内の風圧だったとしても、風によって飛来した看板などがカーポートを直撃した場合は、屋根が割れたり柱や梁が凹んでしまいますので注意しましょう。

また豪雪地帯だけでなく、雪が降る地域は“耐積雪強度”の数値に注目して選ぶとよいでしょう。例えば2014年2月の記録的な大雪では、多くのカーポートが倒壊しました。できれば突然の大雪に対する備えをしておくと安心です。

雪の降る地域は「耐積雪強度」をチェック
豪雪に強いカーポートもある
柱が太い、屋根材の強度が高いなど、耐風圧・耐積雪強度が高いカーポートも各社で用意されている(画像提供/LIXIL「ウィンスリーポートII」)

写真のLIXILのウィンスリーポートIIの場合、最も性能が高い「6000タイプ」の耐積雪強度は200cm相当。以下150cm相当、100cm相当、50cm相当、30cm相当と強度の違うタイプが用意されている。

まとめ

カーポートは、壁で覆うガレージより省スペース化しやすく、建ぺい率の緩和措置が受けやすい

価格はデザインや敷地条件などで変わるため、必ず見積もりをもらって検討すること

台風がよく通る地域なら「耐風圧強度」を、雪の降る地域なら「耐積雪強度」をチェックして選ぶといい

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取材・文/籠島康弘 イラスト/長岡伸行
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