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お部屋探しをするときに気になる「築年数」。古い方が新築よりも家賃は安いけど住みやすさはどう?築30年以上や築40年以上の家の問題点って?狙い目は築何年?などの疑問を、ハウスメイトマネジメントの伊部尚子さんに伺いました。
不動産広告やポータルサイトなどで表記されている「築年数」とは、一般的には建物が完成した年を基準に計算する方法が主流で、不動産業界全体で統一されています。ただ、法律で厳密に規定されているわけではありません。
一方、「新築」という表記は、宅地建物取引業法(宅建業法)による規定があり、「新築」と呼べるのは建物が完成後1年以内で、かつ未使用の状態のものに限られます。
そして「築浅」や「築古」については明確な定義はありませんが、築浅は3~5年未満ぐらい、築古は30年以降ぐらいを指すことが多いようです。
物件を選ぶ際、築年数は重要な情報ですが、築年数だけで「こうだ」と決めつけることは難しい面もあります。ここからは、築年数と関連性が高いと考えられている家賃、快適さ、耐震性能、防音性などについて、実際のところはどうなのかを詳しく紹介しましょう。
築浅についてもっと詳しく
→あなたにとって、「築浅」の基準は築何年まで?

家賃は、築年数が経つほど安くなるのが一般的です。例えば、新築物件の場合、入居者が一度入れ替わると中古物件になることもあり、築5~6年目から少しずつ下がる傾向があります。
ただ、最初の金額設定や、需要と供給により家賃が上がるケースもあるので、一概には言えないようです。
「家賃の下落幅には、物件の新築時に設定された家賃が影響します。例えば、新築時に家賃を相場どおりに設定した場合は家賃の下落幅は比較的穏やかですが、相場より高めに設定していた場合、次の入居者を募集する際に家賃を大幅に下げなければならなくなるケースがあります。
また、人気のある物件は、築年数が経っても家賃が下がらないケースもあります。例えば、首都圏のターミナル駅のファミリータイプは需要に対して物件数が少ないこともあり、下がるどころか上昇することもよくあります」(ハウスメイトマネジメント 伊部尚子さん。以下同)
築年数が古くても家賃が安い物件を探したい場合には、住みたいエリアの不動産会社に行き、間取りなど譲れない条件を伝え、築年数ごとの家賃を聞いてみましょう。そのうえで、築何年くらいから家賃が安くなるのか、そもそも人気エリアで築年数が古くても家賃があまり下がらないなどの情報を教えてもらうと良いでしょう。

お部屋の暑さ寒さ、水回りの綺麗さ、防音性などの快適性は、築年数だけでなく、これまでの使われ方やリフォームの有無によって変わります。
さらに、建物の“造り”によっても快適性は大きく変わります。
所有を目的とした戸建住宅やマンションの場合、資産価値を高めるために頑丈な構造や長持ちする建材などを用いて造られていることが多く、一定の住宅性能が確保されています。このような建物のお部屋なら、築30年や築40年でも快適に住めるでしょう。
一方で賃貸を目的とした建物の場合、建物の法定耐用年数自体も自宅用の不動産と比べて短くなっており、実際に築25年くらいから建て替えを視野に入れる大家さんも多くなるので、築30年や築40年を過ぎると快適に住むのは難しいかもしれません。
「最近は建築資材や人件費、廃材処分費などの高騰により建替え費用が大幅にアップしており、以前より建替えが困難になっています。したがって今後は、内装や水回りを一新するなどメンテナンスに力を入れている古い物件が増えてくるでしょう。このような物件なら、築年数が古くても快適に住めると思います」
つまり、築年数が古いと快適性は落ちる傾向はありますが、築年数だけで判断するのではなく、内見をしたうえで判断するようにしましょう。

日本住宅の耐震基準は、建築確認申請の日付を基準に分けられています。1981年5月31日以前に建築確認申請が行われた建物には「旧耐震基準」、1981年6月1日以降なら「新耐震基準」、2000年6月1日以降なら「2000年基準」が適用されています。
ちなみに耐震性の目安は、旧耐震基準は数十年に一度発生するような震度5程度の地震には耐えられるものの、それ以上の大地震では倒壊する可能性があります。新耐震基準は震度6強程度の大地震であっても倒壊・崩落して人が押しつぶされることなく、命を守れるだけの耐震性が備えられることを基準としています。2000年基準は木造住宅の耐震性能の向上が図られており、耐力壁の配置バランスや接合金物の規定などが厳格化されました。
「耐震性を気にするなら、1981年6月以降の新耐震基準で建てられている物件を選びましょう。目安となるのは築40年前後です」
耐震基準についてもっと詳しく
→新耐震基準とは? 改正されたのはいつ? 旧耐震基準との違いも解説
建物の耐震性は重要ですが、地震によるケガや逃げ遅れを防ぐには、入居者が防災を意識した暮らしをすること大切です。例えば、家具が倒れないように固定する、寝室には背の高い家具を置かない、防災グッズを用意しておくことです。
最近では壁や天井に穴をあけずに固定できる転倒防止グッズも販売されているので、活用するのもよいでしょう。
「基本的に賃貸物件の壁や天井に穴をあけるのはNGですが、冷蔵庫などは置き場所が決まっていますので、『地震で倒れたら心配ですし、床にも傷がついてしまうかもしれないので、固定するために壁に穴をあけさせてもらえませんか』と相談すれば、OKしてくれる大家さんは多いと思います」

お部屋の中で気になる音には、「空気伝搬音」と、「固体伝搬音」の2種類があり、それぞれ物件の確認ポイントが異なります。
空気伝搬音とは、自動車の音や人の話し声など、空気の振動を通じて伝わる音のことです。ここでは内見時に空気伝播音のチェックポイントと、気になる場合の対策方法をご紹介しましょう。
1. 内見時に空気伝搬音をチェックする方法
2. 空気伝搬音が気になる場合の対策
空気は建物の隙間から入るため、隙間があったりサッシの気密性が低かったりすると空気伝播音が入りやすくなります。
「最近のサッシは気密性がアップしているため、築年数が新しい物件の方が、古い物件より外の音が気になりにくいかもしれません。サッシのガラスが二重になっている複層ガラスなら、シングルガラスより空気伝搬音は伝わりにくいでしょう。
また、気密性や断熱性などを表す性能表示ラベルを取得している物件は、住宅性能全体の品質も高めである可能性が大きいので、防音性も高いだろうと考えられます」
固体伝搬音とは、足音やドアの閉まる音など、床や壁を振動させて伝わる音のことです。ここでは内見時に固定伝搬音のチェックポイントと、気になる場合の対策方法をご紹介しましょう。
1. 内見時に固定伝搬音をチェックする方法
2. 固定伝搬音が気になる場合の対策
隣や上下階から伝わる固定伝搬音は、壁や床に用いられている建材の種類や厚みなどで大きく変わります。築年数が古い賃貸では、固定伝搬音が伝わりやすいかもしれませんが、確認するための方法やお部屋選びのコツがあります。
「建物の造りを確認すれば多少は分かりますが、仲介会社にこのような情報は知らされていないので、大家さんなどから資料を取り寄せるのが難しいかもしれません。
固定伝搬音が気になる人は、角部屋や、隣の部屋との間に収納スペースが設けられている間取りの部屋をおすすめします。その仲介会社が管理している物件なら、お願いすれば上下や隣接する部屋の間取りや部屋の配置が分かる図面を見せてくれるので、事前にチェックさせてもらうとよいでしょう。
あとは、これまでに生活騒音のクレームが無かったかを聞いてみるのもよいかもしれません。ただ、家族構成やライフスタイルによって音の出方は変わるので、今はクレームが無くても、入居者が変わると状況も変わる可能性は高いです」
防音性についてもっと詳しく
→防音性の高い賃貸マンションやアパートを見つけるには、「構造」と「間取り」をチェック! 建物による防音性の違いも

ゴキブリなどの害虫は、建物の隙間や排水管から部屋に入ります。築年数が古い物件の方が隙間は多いですし、排水管の中に掃除などで取り切れない汚れが残り、それが餌となってしまうため、害虫が出る可能性は高くなるでしょう。
1. 内見時に害虫の出やすさをチェックする方法
2. 害虫が気になる場合の対策
害虫の出やすさは築年数の古さに左右されますが、周辺環境もポイントです。例えば、繁華街の中にある物件や、飲食店の上階の部屋などは害虫が出やすくなります。
「害虫は不衛生な暮らしをしていると集まりやすいものです。バルコニーにゴミがあふれていたり、カーテン越しに部屋の物が片付いていないのが分かったりするようなお部屋の近くに住むのは避けたほうがよいと思います」
仲介会社によりますが、賃貸契約時に入居前の害虫駆除サービスを提案してくるケースがあります。有料になりますが、気になる人は検討するのもよいでしょう。
虫の出やすさについてもっと詳しく
→虫が出やすいマンションって?何階以上が良いの?対策や思わぬ出入り口を紹介

年数が経つと家賃は下がるケースは多いのですが、前述のように需要と供給のバランスによって家賃が上がるケースもありますし、リフォームの有無や建物の造りで快適性や防音性等も変わるため、『狙い目は築●年』と一概には言えません。目安として、以下のポイントを意識して情報収集や内見を進めてみてください。
「同じ家賃を払うなら、駅から遠くて狭めの新築物件よりも、駅近で広めのキレイな築古物件でもOKと考える人が増えています。
同じ築年数でも、管理や修繕履歴などにより物件の状態は大きく変わります。築年数は参考にしつつ、自分の目でチェックしながら希望に合う物件を探してみましょう」

伊部さんは、断熱性や防音性など住宅性能を詳しく知りたい人は、その物件の管理も行っている仲介会社や、ハウスメーカー直営の仲介会社と一緒にお部屋探しをするのがオススメとお話されます。
「物件の管理部署がある会社なら、仲介部署の営業担当者に質問すればスムーズに返事がもらえると思います。または、ハウスメーカーが建てた賃貸物件を専門に紹介する仲介会社なら、物件の仕様を把握しているので、質問をすれば教えてもらえるでしょう。
不動産ポータルサイトのコメント欄などに『管理物件』であることが書いてあるなど、管理部門のある仲介会社が取り扱っている物件なのか、ハウスメーカー直営の仲介会社が取り扱っている物件なのか分かる場合もあるので、よく見てみてください。
最近は、管理会社が分かる物件の方が、共有部分がきちんと管理されていそう、建物に不具合がおきたとき対応が早そうなど入居後の安心を求めて、管理会社をチェックしながらお部屋探しをする人も増えています」

家賃は築年数が経つほど安くなるのが一般的。新築物件の場合、築5~6年目から少しずつ下がる傾向がある
耐震性を気にするなら、1981年6月以降の新耐震基準で建てられている物件を選びたい
家賃は築年数が経つと下がるケースは多いが、快適性や防音性等はリフォームの有無や建物の造りで変わるため、『狙い目は築●年』と一概には言えない