換気扇(レンジフード)交換の費用相場や寿命|自分でできるかやどこに頼むべきかを解説

室内環境を快適に保つため、キッチンや浴室、トイレなど住宅内のさまざまな場所に取り付けられている換気扇。異音や吸引力の低下などの不具合が見られる場合は、換気扇が寿命を迎えている可能性があります。調子が悪いままの使用は避け、本記事を参考に換気扇の交換を検討しましょう。

今回は、換気扇の性能を熟知するパナソニック空質空調社の別所義浩さんと、新築住宅の建設や幅広いリフォーム工事を手掛けている甚五郎設計企画代表の柏崎文昭さんにお話を伺いました。換気扇の寿命や交換時期の目安、交換費用の相場まで具体的に把握できる内容となっています。

キッチンで料理をする夫婦のイメージ

毎日使うものだからこそ見直したい換気扇(写真/PIXTA)

記事の目次

換気扇・レンジフードの寿命は約10年

「メーカー各社では、換気扇の設計上の標準使用期間は10年を目安に設計されているものがほとんどです。羽根付きのモーターが回転するシンプルな構造をしているため、10年以内に故障することはそうありません。ただし、使用頻度や掃除の仕方によっては不調を感じる時期が前後します。」(別所さん)
寿命を延ばすためには、以下のポイントを普段から意識することが大切です。

  • 定期的に油汚れを掃除する
  • 油煙を防ぐ

定期的にお手入れしたり、汚れが付きにくい工夫を施したりすることで、換気扇・レンジフードの寿命を延ばしやすくなります。汚れが蓄積されたまま使用し続けてしまうと、換気の効率が悪くなるだけでなく、事故につながる可能性があります。定期的に油汚れを掃除するのはもちろん、油はねガードやアルミホイルなどを使って油煙を防ぎ、換気扇・レンジフード内の清潔さを保つように心がけましょう。

キッチン前でパソコンを使う夫婦のイメージ

寿命と運転の具合を見ながら交換を検討しましょう(写真/PIXTA)

換気扇とレンジフードの違い

「換気扇」と「レンジフード」はどちらも調理中に発生する煙やにおい、油分などを屋外に排出する役割を持っていますが、構造や設置方法に違いがあります。換気扇は壁から直接排気するのに対し、レンジフードはダクト経由で排気します。それぞれの違いを確認しておきましょう。

換気扇は壁から直接排気するタイプ

換気扇は、キッチンの壁に直接設置されるタイプの換気設備です。プロペラファンを使って屋内の空気を排出するシンプルな構造をしており、古くから多くの住宅に採用されてきました。近年では、リモコン操作や温度調節など、新しい機能を持った製品も登場しています。

換気扇の特徴は、ダクトを使わずに短い経路で直接外へ排気する点です。そのため、取り付けや交換のコストが低く、構造がシンプルなぶんメンテナンスもしやすいメリットがあります。一方で、集合住宅のように排気ルートが制限されている場合は設置が難しいケースがある点や、一般的にデザイン性と静音性はレンジフードに劣る点がデメリットです。

レンジフードはダクト経由で排気するタイプ

レンジフードは、調理台の上部に設置されるフード型の換気設備です。内部のファンで吸い込んだ空気を、ダクトを通じて外に排出します。スタイリッシュでなデザインの製品も多いため、近年の新築住宅で多く採用されているタイプです。

レンジフードの特徴は、排気口が壁面にない場所でも設置できる点です。マンションやアパートのように構造上の制約がある場合にも、柔軟に対応できるメリットがあります。ただし、換気扇に比べると複雑な構造をしているため、設置やメンテナンスにはある程度の専門知識が必要となるうえ、コストも高くなる傾向があります。

換気扇(レンジフード)を交換すべき3つのタイミング

換気扇の調子が悪い場合、このまま使い続けても問題ないのか、それとも交換が必要なのか判断に迷う人は多いのではないでしょうか。普段から

換気扇の調子が悪い場合、このまま使い続けても問題ないのか、それとも交換が必要なのか判断に迷う人は多いのではないでしょうか。普段から定期的なメンテナンスをしていれば10年経っても問題なく使用できるケースがありますが、以下のような不具合が出た場合には交換を検討しましょう。

交換のサイン

  • 異音が発生する
  • 吸引力が目に見えて低下している
  • 激しく振動する

1. 異音が発生する

耐用年数が約10年と長い換気扇。それでも、不具合は突然発生するかもしれません。「今までに聞いたことのない異音がするようになったら、無理な使用は避け、交換を検討しましょう。動作の音が大きくなってきたと感じたら替え時。換気扇の異音をきっかけに交換に来られる方が一番多いです」(別所さん)

異音が気になる女性

異音をきっかけに換気扇の交換を行う人が多いようです

2. 吸引力が目に見えて低下している

換気扇の吸引力が弱まっているのも交換のサインです。特に気づきやすいのはトイレの換気扇です。こまめに掃除している人の場合、以前よりもルーバー(換気扇の口に付いているカバー)にホコリが付かなくなると吸引力の低下を実感しやすい傾向にあります。トイレのほか、キッチンや浴室の換気扇もルーバーやフィルターのホコリの付着具合が以前と変化していないかチェックしてみましょう。

掃除の負担を軽減するため、別売りのカバーを取り付ける人も見られますが、換気扇の吸引力を大幅にダウンさせる要因になります。換気扇を正しく使いながら、吸引力が十分に保たれているか確認しましょう。

異変に気づいた女性

ホコリの堆積から換気扇の吸引力が低下します

3. 激しく振動する

換気扇の調子が悪いとき、電源を入れると振動が発生する場合があります。異音だけでなく、異常な振動も見逃せない不具合のサインです。

「そう簡単には壊れない換気扇ですが、定期的な掃除はやはり大事。ルーバーは1カ月に一度掃除していただければ十分です。レンジフード内のファンを洗うなら、一年に一度くらいはファンも外してホコリを落としてください。ホコリの堆積は故障の原因になりやすいです。もしも異音や異臭などの不具合を感じたら、まずは掃除をしてみましょう。掃除では改善されなかったら交換が必要です」(別所さん)

キッチンを掃除する男性

激しい振動も見逃せない不具合のサイン

換気扇(レンジフード)交換の費用相場

換気扇やレンジフードの不調や老朽化が進むと、交換を検討する必要があります。ただし、交換にかかる費用は設備の種類や設置状況によって大きく異なります。換気扇とレンジフードそれぞれの交換費用の相場を紹介するので、予算計画の参考にしてください。

換気扇の交換費用と費用の内訳

換気扇(プロペラファンタイプ)の交換費用は、1万〜3万円程度が相場です。費用は「本体価格」と「工事費用」の2つに大きく分けられます。

本体価格:5,000〜1万5,000円程度。製品のサイズや機能性によって価格差がある。
工事費用:8,000〜1万5,000円程度。既存の換気扇の取り外しや業者出張費などが含まれる。

ただし、設置状況によっては追加費用が発生するケースもあります。代表的な例は以下の通りです。

  • 古い建物で排気口のサイズ変更が必要な場合
  • 経年劣化によって壁の補修が必要になった場合
  • 電気配線の変更が必要な場合

上記のようなケースに当てはまる場合、5,000〜1万円以上の追加費用が発生することが想定されます。正確な費用を把握するには、事前の現地調査や見積もりを依頼するのがおすすめです。

レンジフードの交換費用と費用の内訳

レンジフードの交換費用は8万~14万円程度と、換気扇に比べるとコストが高い傾向にあります。高機能モデルやデザイン性の高いタイプを選ぶと、さらに費用がかかることも考えられます。「清掃性や機能性が高いレンジフードの場合は、プラス5万〜10万円と考えましょう」(柏崎さん)

費用の内訳は以下の通りです。

本体価格:2万〜10万円程度。スリム型・ブーツ型・フラット型の形状によって価格帯が異なる。
工事費用:2万〜4万円程度。新機器の設置や業者出張費などが含まれる。

レンジフードはダクトを通して排気する複雑な構造をしているため、以下のような追加工事費用がかかるケースがあります。

  • ダクトの交換や延長工事
  • 電気配線の変更(コンセントの増設など)
  • 壁や天井の補修作業

上記の追加工事が発生すると、1万〜3万円以上の費用が加算されることも珍しくありません。業者とのトラブルを避けるためにも、現地調査による正確な見積もりをしてから工事を依頼しましょう。

換気扇交換の費用を計算するイメージ

換気扇の種類はさまざま。予算に合わせて交換しましょう(写真/PIXTA)

換気扇(レンジフード)の選び方

換気扇・レンジフードを交換する際は、主に3つの選び方があります。何を特に重視するのかを事前に検討し、自身のニーズに合った機器を選びましょう。

  • 使用中の換気扇のタイプから選ぶ
  • 使用中の換気扇のサイズから選ぶ
  • 換気扇の機能から選ぶ
  • 換気扇のデザインから選ぶ
  • お手入れのしやすさで選ぶ

使用中の換気扇のタイプから選ぶ

換気扇のファンは、「プロペラファン」「シロッコファン」「ターボファン」の3種類に大きく分けられます。ファンの種類によって設置可能な場所やサイズが異なるため、現在使用中の換気扇と同じタイプのものを選ぶのが一般的です。

プロペラファン

直接排気式と呼ばれるタイプです。壁に直接取り付けるため、施工が簡単で多くの風量を換気できる特徴があります。他のタイプと比べると交換費用がそれほどかからない点もメリットです。

プロペラファン

空気を効率良く換気できるプロペラファン(画像提供/パナソニック)

シロッコファン

レンジフードに採用されているタイプです。ダクトを通して排気口から空気を外に逃がす仕組みです。システムキッチンの場合は、シロッコファンを天井に設置して換気します。プロペラファンに比べると交換費用が高くなりやすい傾向にありますが、換気扇やレンジフードはそのままにしておき、ファンのみを交換すれば費用を抑えられます。また、プロペラファンからシロッコファンに交換することも可能です。

シロッコファン

ダクト排気式と呼ばれる換気扇に採用されているシロッコファン(画像提供/パナソニック)

ターボファン

ターボファンはシロッコファンと同様の筒状タイプですが、羽根の枚数が少なく、斜め後ろ向きに付いている特徴があります。シロッコファンに比べて回転が速く、換気量が多い点がメリットです。一方で、音が大きい点や、シロッコファンに比べると製品数が少ないため選択肢が限られている点がデメリットです。

使用中の換気扇のサイズから選ぶ

「キッチンのレンジフードの場合、国内の標準規格サイズは60cm、75cm、90cmの3つが主流です。IHクッキングヒーターとガスコンロには、60cmと75cmタイプがあります。幅が広い75cmコンロや3連IHを採用する場合は、標準規格サイズで最も大きい90cmの換気扇を選びましょう。

「機能性が高いものに替えたい」「デザイン性に富んだものにしたい」などの色々な希望を実現できる換気扇交換ですが、大幅に替える必要がないのであれば、サイズはそのままで同等品に交換するのが一番安心です。同じサイズでも、メーカーによって部品のサイズや固定するビスの位置には違いがあるため、交換の際は十分に注意しましょう」(別所さん)

サイズ違いの換気扇

換気扇のサイズはそのままに新しくするのがおすすめ(画像提供/パナソニック)

換気扇の機能から選ぶ

年々、性能が良くなっている換気扇。フィルターの交換が簡単にできるものや、メンテナンス不要のフィルターレスタイプ、コンロ連動、油汚れに強いもの、自動運転など、さまざまな便利機能が搭載されています。

「メンテナンスが面倒」と感じる人はセルフクリーニング機能が付いた換気扇を選ぶなど、欲しい機能から選択できるのも換気扇選びの魅力のひとつです。

省エネ機能が付いた換気扇

換気の強弱を自動で設定してくれる省エネタイプの換気扇(画像提供/パナソニック)

換気扇のデザインから選ぶ

換気扇・レンジフードのデザインはキッチン全体の印象を左右します。色合いを統一したり、形を替えたりすることで、スタイリッシュな空間に替えてみてはいかがでしょうか。

レンジフードには、「ブーツ型」「スリム型」「フラット型」の3種類があり、見た目や特徴の好みに合わせて選べます。

カラーや形状で選べる換気扇

キッチンに合わせて換気扇のデザインも一新(画像提供/パナソニック)

お手入れのしやすさで選ぶ

近年のレンジフードは「清掃性」が格段に向上しており、「お掃除不要」「食洗機でファンを簡単洗浄」などのさまざまな強みを持つ製品が続々と登場しています。掃除不要のレンジフードは、内部やファンに油汚れが蓄積しづらい設計・機能が採用されているのが特徴です。メーカー各社では、「油トルネード機能」や「オイルスマッシャー」などの名称で販売されているため、お手入れのしやすさを重視する人はぜひチェックしてみてください。

「食洗機で洗えるファンが便利だとして注目を集めていますが、洗浄の際には注意が必要です。シロッコファンは食洗機で洗えるものが増えていますが、プロペラファンは食洗機での洗浄をおすすめできません。熱湯で洗うことで、塗装が剥がれてしまう可能性があります。また、シロッコファンでもホコリが多く付着した状態では食洗機の故障につながるリスクがあるため、ある程度汚れを落としてから洗浄するようにしましょう」(別所さん)

自宅で簡単に手入れできる換気扇

面倒だった換気扇掃除も最新のものなら楽々お手入れ(画像提供/パナソニック)

換気扇(レンジフード)の交換は自分でできる?

換気扇やレンジフードの交換を「DIYで手軽に済ませたい」と考える人もいるかもしれません。しかし、ほとんどの交換作業には電気工事が必要であり、無資格の個人が行うことは法律で禁止されています。資格を持たない者が作業を行った場合、電気工事士法に抵触し、罰則が科される可能性があります。感電や漏電、火災によって重大な事故につながるリスクもあるため、換気扇の交換は無理に自分で行わないようにしましょう。費用を抑えようとしてDIYに挑戦した結果、大きな事故や追加費用につながるケースがあります。

「コンセントに差し込む簡易的なものであればDIYでも取り付けられますが、換気扇交換のほとんどは電気工事を伴うもの。電気工事のプロである電気工事士の方にお願いしましょう」(別所さん)

自分でできること プロに任せるべきこと
  • 日常的なメンテナンス
  • コンセント式の簡易換気扇の設置
  • ネジ止めやカバーの取り外し
  • 電気配線の接続や変更
  • ダクトの接続や調整
  • 壁や天井の開口、補修工事

工事を行う男性のイメージ

換気扇交換はプロに任せるのが安心です(写真/PIXTA)

換気扇(レンジフード)の交換をどこに頼むか迷ったときの依頼先

換気扇やレンジフードの交換を検討するとき、「どこに頼めばいいのか」と悩む人は多いはずです。交換作業には専門的な知識と技術が必要になるため、信頼できる業者に依頼することが大切です。ここでは、主な依頼先とそれぞれの特徴を紹介します。業者選びの参考にしてください。

依頼先 特徴
ホームセンターや家電量販店 気軽に足を運びやすく、実物を見ながら選べる
ガス会社 家庭の設備事情を把握している場合があり、安全性が高い
換気扇の製造メーカー 純正のパーツや専用工具で交換が行われるため、品質面で安心
リフォームの専門会社 交換だけでなく、周囲の設備補修や模様替えにも対応可能

ホームセンターや家電量販店

ホームセンターや家電量販店は気軽に足を運びやすく、店内で製品の実物を見ながら選べる点がメリットです。購入と同時に工事も依頼できるため、初めて換気扇の交換を検討している人でも安心して利用できます。

工事は店舗スタッフではなく、提携している外部の工事会社が担当するのが一般的です。製品の購入後、工事会社と日程を調整し、後日あらためて自宅に訪問して工事を実施する流れです。

壁の補修やダクトの延長などの工事が必要なケースでは、別途料金が発生したり、そもそも対応してもらえなかったりする場合があります。複雑な工事が見込まれる場合は、より専門性の高い業者への依頼を検討しましょう。

ガス会社

キッチンの換気扇やレンジフードの交換であれば、契約先のガス会社に依頼するのもひとつの選択肢です。ガス会社によっては、定期点検の際に家庭の設備事情を把握しているケースがあり、スムーズな対応を期待できます。また、ガスコンロやIHと連動させたい場合、換気扇の交換の際に一緒に相談できる点もメリットです。

一方で、ガス会社経由での交換工事は、費用がやや高めになる傾向があります。ガス会社のスケジュールの都合上、希望する日程での工事が難しいことも考えられるため、コストよりも安全性や信頼を優先したい場合に向いています。

換気扇の製造メーカー

現在使用している換気扇やレンジフードのメーカーが分かる場合は、直接問い合わせて交換を依頼する方法もあります。メーカーであれば、使用中の製品をもとに、交換可能なモデルを正確に案内してくれます。また、純正のパーツや専用工具で交換が行われるため、品質面でも安心です。

ただし、「他社製品への交換には対応してもらえない」「自分が住む地域は工事の対応範囲外」といったケースも考えられます。メーカーによって対応が異なるため、交換の際にはしっかりと事前確認をしましょう。

リフォームの専門会社

換気扇周りの改修を含めて検討しているなら、リフォーム専門会社への依頼が最適です。換気扇単体の交換はもちろん、吊戸棚の変更やキッチン全体の模様替えといった大規模リフォームにも対応してもらえます。

築年数の古い住宅では、単なる交換だけでなく、配線の見直しや壁・天井の補修などが必要になることも珍しくありません。そうしたケースにも柔軟に対応してもらえる点が、リフォーム専門会社に依頼するメリットです。

大規模リフォームとなれば費用は当然高くなりますが、過去の施工事例をもとに相談しながら計画を立てられるため、納得感のある仕上がりを期待できます。次の段では、実際にリフォーム専門会社に換気扇の交換を依頼した際の施工事例を紹介します。

換気扇(レンジフード)の交換工事の流れ(施工は2時間程度)

換気扇やレンジフードの交換工事は、標準的な作業内容であれば2時間程度で完了します。当日の段取りをスムーズに進めるためにも、大まかな工事の流れを知っておきましょう。

▼流れ
1. 使用中の製品を取り外す
まずは、壁・天井に固定された既存の換気扇の電源やダクトを取り外します。

2. 換気扇周囲の清掃を行う
本体を取り外した後、換気扇周辺の壁面やダクト周辺に付着した油汚れやホコリを清掃します。

3. 新しい換気扇を取り付ける
取り外した箇所に新しい換気扇を設置し、電源やダクトを接続します。

4. 試運転を行う
設置が完了したら、電源を入れて動作確認を行います。風量や排気の方向、異音の有無など、問題がないか最終確認します。

5. 操作説明を行う
最後に、取り付けた換気扇の操作方法やお手入れのポイントについて、業者から簡単な説明があります。リモコン操作やフィルターの取り外し方などもここで確認できます。

なお、現場の状況によっては、工事時間が延びるケースもあります。正確な工事時間を把握したい場合は、見積もりや事前の現場確認を依頼しておくと安心です。

換気扇(レンジフード)交換の施工事例5選

換気扇交換では、工事を依頼する会社選びが重要になります。以下に紹介する5つの施工事例を参考に、換気扇交換とあわせてどんなリフォームができるのか、リフォームが得意な会社にはどのような特徴があるのか、などを確認してみてください。

事例1. 壁付けのプロペラファンをレンジフードに交換

築40年の住宅を大胆にリフォームし、家族の希望であるモダンなキッチンを実現した事例です。高い位置にあったプロペラファンの換気扇がシロッコファンのレンジフードに替わりました。

壁付けのプロペラファンでも、現代的なシロッコファンのレンジフードに変更できます。使いやすさだけでなく、空間の美しさも際立っています。

リフォームされた換気扇

昔ながらのプロペラファンが美しく生まれ変わったキッチン(写真/みずらぼ
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大阪府 Iさんのリフォーム事例

事例2. 換気扇交換で油汚れも水拭きでサッときれいに

築26年のマンションで、浴室とキッチンの換気扇を交換。掃除が大変だったキッチンの換気扇は、タカラスタンダードのVUAタイプに付け替えられています。ホーロー製のため、サッと拭くだけで油汚れを解決できてしまう点がうれしいところ。お手入れが簡単になると、これまで以上に料理の時間が楽しくなりそうです。

新しい換気扇

掃除の手軽さがうれしいホーロー製のレンジフード(写真/松本巧舎
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東京都 Sさんのリフォーム事例

事例3. お手入れしやすいシステムキッチンに交換リフォーム

家族の使い心地を重視した華やかなラズベリー色のシステムキッチン。シンクや換気扇が汚れにくく、お手入れがしやすいところも設備選びのポイントです。家族の笑顔が自然と増えるようなリフォームです。

ラズベリー色のシステムキッチン

掃除が簡単な換気扇に交換した、ラズベリー色のシステムキッチン(写真/朝日住宅リフォーム
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千葉県 Sさんのリフォーム事例

事例4. ワンタッチでお手入れができる換気扇を採用

老朽化が目立ってきた築19年の住宅に、ワンタッチで取り外せて掃除の苦労を軽減できる換気扇を採用。吊戸棚をなくしキッチンをセミオープンに変更したことで、利便性が高く、開放感あふれる空間に生まれ変わりました。

開放的なキッチン

閉鎖的だったキッチンが使い勝手のいいおしゃれな空間に一転(写真/LIXILリフォームショップ ヒロタ
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埼玉県 Mさんのリフォーム事例

事例5. マウント型レンジフードで南仏風のおしゃれキッチンに

南仏・プロヴァンス風のLDKで一際目立つ、マウント型のレンジフード。ハンドメイド感のあるタイルや古材風クロス、かわいいペンダントライトなど、テーマにあわせて完成させたこだわりのキッチンです。

趣味にあわせて内装リフォームをするのと同時に、レンジフードのデザインを変更すると雰囲気の変化を楽しめます。

開放的なキッチン

マウント型のレンジフードが映える南仏・プロヴァンス風のLDK(写真/サンヨーリフォーム
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岐阜県 Sさんのリフォーム事例

換気扇(レンジフード)交換時の注意点

最後に、換気扇(レンジフード)交換時に特に注意すべき4つのポイントを紹介します。近年はさまざまな特徴を持つ製品が登場していますが、デザインや機能ばかりを重視すると思わぬトラブルに発展する可能性があります。安全面には十分注意を払い、事前の確認と準備を徹底したうえで交換を依頼しましょう。

換気扇だけでなく、周辺設備も劣化している可能性がある

換気扇が寿命を迎えるのと同じタイミングで、排気ダクトやキッチン、コンロ、水道などの周辺設備も劣化している可能性があります。寿命の目安である10年が経てば、さまざまな場所で不具合が起きてもおかしくはないため、現地調査を行う際に業者にまとめて確認してもらいましょう。

コンロを点検する女性のイメージ

現地調査では他の設備も一緒に見てもらいましょう(写真/PIXTA)

コンロと連動させる場合は対応しているか事前に確認を

レンジフードの中には、ガスコンロやIHの点火・消火にあわせて運転・停止を自動で行う機能を搭載した製品があります。非常に便利な機能ですが、レンジフードの交換だけで連動させられるかどうかは事前によく確認しておきましょう。ガスコンロの赤外線信号が規定のものでない場合、連動機能を活用するにはレンジフードと一緒に交換が必要になる場合があります。

コンロをチェックする男性のイメージ

レンジフードの交換だけでガスコンロと連動できるのか確認しましょう(写真/PIXTA)

レンジフードの設置には条例による規定がある

東京消防庁が定める「第2厨房設備」や「火災予防条例(東京都条例第65号)」には、「レンジフード本体の幅は、調理機器の幅寸法以上」「排気ダクト等は、可燃性の部分から十センチメートル以上の距離を保つこと」など、レンジフードの設置に関する規定があります。

DIYの危険性を先に紹介した通り、自分で交換工事を行うと火災の危険性が高まることを十分に理解しておきましょう。

参照:東京消防庁「第2厨房設備」
参照:火災予防条例「東京都条例第65号」

寸法を測る男性のイメージ

換気扇は規定を遵守して設置しなければいけません(写真/PIXTA)

交換工事だけでなく、関連工事が必要なケースもある

「換気扇交換だけなら低コストでできる」と思っていても、換気扇の取り付け方法や周辺環境によっては関連工事が必要になるケースがあります。予想以上にコストが膨らむ可能性があるため、工事を依頼する際は、事前に周辺設備も含めてしっかりと確認してもらいましょう。多少の時間や費用がかかっても、安全な設備への交換は将来的な安心につながります。

リフォームの打ち合わせのイメージ

換気扇は安易に取り付けず、規定を遵守して設置しましょう(写真/PIXTA)

まとめ

換気扇やレンジフードの交換は、電気工事を伴う専門的な作業です。感電や火災などの重大な事故につながるおそれがあるため、無理に自分で交換しようとせず、信頼できる業者に依頼しましょう。主な依頼先には、ホームセンターや家電量販店、ガス会社、換気扇のメーカー、リフォームの専門会社が挙げられます。

キッチンの使い勝手や雰囲気が気になる場合は、換気扇の交換とあわせてリフォームを依頼するのもおすすめです。お手入れしやすく、デザイン性に富んだキッチンに改善すれば、日々の掃除や料理を今まで以上に楽しめるはずです。

取材協力/
パナソニック空質空調社 別所義浩さん
甚五郎設計企画 代表 一級建築士 柏崎文昭さん

構成/宮下知子(ドコドア)
取材・文/松永春香
イラスト/杉崎アチャ