SUUMO(スーモ)は、住宅・不動産購入をサポートする情報サイトです。

延床面積が40坪にはどんな平屋を建てられて、必要な土地の広さはどのくらいになるのでしょうか。また南玄関、東玄関など、玄関の向きは間取りに影響するのでしょうか。この記事では、延床面積40坪の平屋の実例を、間取図付きで紹介します。40坪の平屋を建てるときに必要な敷地面積やかかる費用なども、グランハウス 一級建築士事務所の桐山卓也さんに伺い解説します。
まずは、延床面積40坪(約132m2)の平屋はどのような外観や内観、間取りになるのか、実例を紹介します。


片流れ屋根に小さなボックスを組み合わせたような、ボルドー色のスレート壁とグレーの塗り壁がおしゃれなインナーガレージがある平屋です。リビングにはハイサッシを使い、庭まで視線が抜けるので開放的です。


延床面積40坪の平屋は奥行きが出やすくなるため、とくに家の中心部は光が届きにくくなることがあります。そのためこの家では中心に天窓を設けるなど、自然光が入るように工夫しています。
さらにお隣との距離が近い壁は窓を最小限に抑えるなど、プライベート感を大切にした間取りです。



コの字型の平屋は、中庭を囲むようにLDKと水まわり、個室が配置され、ゆるやかにゾーニングしつつ家族の気配が感じられるようになっています。


「平屋であっても、かっこいい鉄骨階段がほしい」という施主の要望でバイクガレージの上にロフトを設けた間取りです。吹抜けのある開放的なLDKは24畳。スケルトン階段の下には、パソコン作業や子どもの勉強スペースとしても使えるよう、デスクが造作されています。


個室のうち2部屋は、あとで間仕切りを付けられるように、あらかじめドアを2つ付け、家族の成長にあわせて部屋をフレキシブルに使えるように。ファミリークローゼットは個室から洗面・浴室に行く途中にあるのも便利です。


移動距離が長くなりがちな平屋で家事動線を短くし、「家事ラク」を実現。外観は片流れの屋根を2方向に流し、デザイン性を高めました。内装はナチュラルを意識し、隠せる収納を取り入れて生活感を抑えています。

ウッドデッキをL字に囲む間取りは、南東に洗面室を配置したので朝には自然光がたっぷり降り注ぎ、身支度するのが楽しくなります。
「家を建てるときには南玄関が好まれる傾向がありますが、近年は『玄関は東や北にして、生活する空間をできるだけ南にもっていきたい』と、機能面を優先して考える方も増えています」(桐山さん/以下同)
※ガルバリウム鋼板は日鉄鋼板の登録商標です
平屋についてもっと詳しく
→平屋とは?今人気の平屋における7つのメリットと5つのデメリットを検証。デメリットを解消する間取りも紹介!
延床面積40坪もある平屋で快適に過ごすには、住まい全体の断熱性と気密性を高め、屋内を快適な温度に保つ工夫が必要です。具体的には窓の数を少なくして断熱効果が高い壁量を増やし、さらにエアタイトの窓を採用する、吹付けタイプの断熱材を選ぶなどの工夫をするとよいでしょう。
「基本的に平屋は2階建てと比べ、階段が不要になったり収納の数が減ったりすることで、窓の数が減る傾向があるので断熱的には有利です。
また、例えば同じ延床面積40坪でも、総2階建てと平屋では、継ぎ目にあたる『角』の数は同じ4つですが接合部の長さは平屋のほうが半分になります。接合部の長さが減ると、すき間が減ることにつながるため、平屋は2階建てよりも、気密性も高くなります」

平屋は窓の数が少なくなる傾向があるので、日差しや風を効率よく取り入れるために、あらかじめ窓の大きさや配置をよく検討することも大切です。とくに気になる採光については、次のような工夫が考えられます。
「家の窓は高い位置にあるほど採光性が高くなります。天窓やハイサイドライト(高窓)など高い所に窓を設け、採光性を高める工夫をするとよいでしょう」

「平屋は外壁量や窓数が2階建てほど取れないので、その部屋に窓が必要かどうか、という基準で配置を検討すると効率的です。例えばリビングや個室などの自然光を取り入れたい部屋を外壁側に、トイレや浴室など窓が不要な部屋は壁から離すようにするとよいでしょう」
「平屋で採光性を高めるときには、家の形状をコの字型やロの字型にするのもおすすめです。また、敷地は南側を広く空けるようにすると、日差しを取り入れやすくなります。そのためコの字型にする場合も、南の境界線からもっとも離れる凹んだ場所にリビングを配置するケースが多いです」

延床面積の平屋は、どれくらいの価格になるのでしょうか?
2024年度に全期間固定型住宅ローン【フラット35】を利用して注文住宅を建てた人の平均住宅面積は
118.5m2(約36坪)、建設費の平均は3932.1万円でした(※)。
家の建築費は本体価格に加え、付帯工事費(本体価格の約20%)、その他諸費用(同約10%)がかかるのが一般的です。これを元に計算すると、平均の建物本体価格は約3025万円(坪単価約84万円)と推察できます。
40坪の平屋を建てるとすると、本体価格は84万円×40坪で3360万円、付帯工事費672万円(20%)、諸費用336万円(10%)、合計で4368万円かかる計算です。なお平屋の坪単価は2階建てよりも高くなる傾向があるため、もっと高くなるかもしれません。
「坪単価だけで考えると、平屋のほうが高くなるのは事実です。それは同じ床面積の総2階建てと比べた場合、平屋はコストがかかりやすい屋根と基礎の面積が2倍になるためです。
しかし、トータルで考えると平屋のほうが安くつく場合もあります。
例えば平屋は階段が不要で、それだけで2坪分小さくなります。さらにトイレも1カ所でよくなることが多いです。その分廊下に使う面積も少なくて済むでしょう。つまり実際に居住空間として使える『家の有効面積』で考えると、平屋の40坪は2階建ての43坪程度と等しい居住面積といっても過言ではないでしょう。
また平屋なら足場の高さも低く済み、同じ土地面積なら外構にかける費用も少なくなるものです。そのため坪単価だけ聞き単純に『平屋は高い』と考えるのは、違うように思います。
どれくらいの坪単価で家を建てるかは、建築会社によって大きく異なります。もっと安く抑えられる可能性もありますし、もっと高くなる場合もあります。予算にあった建築会社を探すとよいでしょう」
なお土地がなければ土地代も必要になり、家を建てたあとには固定資産税もかかります。建築費だけでなく、トータルコストで考えることも大切です。
※【フラット35】利用者調査について詳しくは
→2024年度フラット35利用者調査(住宅金融支援機構)

土地も購入して延床面積40坪の家を建てる場合、敷地面積はどれくらい必要になるのでしょうか?
延床面積40坪の平屋を建てるのに必要な土地の広さは、「建蔽率」によって異なります。建蔽率とは「敷地面積(土地の面積)に占める、建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合」のことで、地域によって40%、50%、60%などと決まっています。

「例えば建蔽率60%の土地なら、40坪÷0.6で約67坪が必要になる計算です。ただし必要な土地の広さを考えるときには、駐車場も考慮する必要があります。40坪の平屋となると4人~5人家族ぐらいが多くなり、車を2台以上所有しているケースも少なくありません。そうなると、建蔽率ギリギリの約67坪程度では、少し厳しくなるでしょう」
建蔽率についてもっと詳しく
→「建蔽率(建ぺい率)」「容積率」とは? 知っておきたい建物の規制
地域ごとに決まっている建蔽率ですが、建蔽率80%の地域以外は、一定の要件を満たすことで緩和される場合があります。主な緩和条件は以下のとおりです。
| 要件 | 建蔽率の緩和割合 |
|---|---|
| 防火地域・準防火地域内の耐火建築物等 | 10% |
| 角地※ | 10% |
同じ床面積であれば、2階建てよりも平屋のほうが地面に接する面が広く、侵入経路が多くなります。そのため平屋を建てるときには、セキュリティー性を高めておくことが大切です。
「セキュリティー性を高めるには、まずは窓を小さく少なくすることが重要。さらにハイサイドライト(高窓)など侵入が困難な窓を選んだり、強化ガラスにしたりすると効果的です。
リビングに大きな掃き出し窓を設ける場合はシャッターを設置し、またのぞき見防止のために、目隠しフェンスを設置するとよいでしょう。その際は、フェンスを設置しても暗くならないような外構計画を立て、さらに防犯カメラを設置するのがオススメです」
延床面積40坪の平屋となると、4人~5人家族が想定されます。部屋にものがあふれてしまわないよう、十分な収納スペースを確保しておきましょう。
「水まわりの近くに収納をまとめて設置すると動線がよくなります。なお平屋は上下移動がないのがメリットなので、弊社で平屋にロフトを検討する場合には、部屋の高低差を利用することもあります。例えば収納やインナーガレージなど高さが必要ない部屋の天井を下げ、上にロフトを設置すれば、階段の段数を減らせます。そうすれば利便性が上がるだけでなく、費用を抑えることにもつながります」

「延床面積40坪の平屋では、家族人数にあわせて4LDK~5LDKの間取りが多くなりますが、人数分の部屋数がいるのかはよく考える必要があります。
例えば子どもが3人いて、1番上の子と下の子の年齢が6歳離れていれば、上の子が大学生になる年に1番下の子が小学校の高学年に進級します。上の子が家を出るのであれば、その部屋を1番下の子が使えるため、子ども部屋は2つでいいかもしれません。
部屋数を考えるときは、今後どのような家族構成になるのかも含めて検討するとよいでしょう」
今後の家族構成の変化を考慮し、間取りの可変性を高くしておく方法を2つ紹介します。
「可動間仕切りは、壁に沿わせて収納できるようにしておくとスッキリします。そうしておけば、例えば子どもがいるときはリビングと子ども部屋として使い、やがて家を出た子どもが孫を連れて帰ってきたときには広くするといった使い方もできるようになります。
また、この2つ以外にも、あとで解体・復旧しやすい『造作壁』にしておく方法もあります。10年、20年後の自分たちの暮らしも想像して、どの方法がいいかを検討する必要があるでしょう」

最後にあらためて桐山さんに、40坪の平屋を検討している人に向けてアドバイスを伺いました。
「これから40坪の平屋を建てたいと考えているのであれば、土地を購入する段階から設計士や建築会社に相談いただきたいです。どんな形の家を建てたいか、玄関をどの向きにしたいのかなどによって、必要な広さや形状が変わってくるためです。
80坪でよかったのに100坪の土地を買ってしまったとなると、家にかけられる費用が減ってしまいます。建てたい家が予算内で建つ土地を設計士や建築会社と一緒に探してみてください」
40坪の平屋は、ハイサイドライト(高窓)の設置や間取りの工夫などで採光と通風を高める工夫が大切
40坪の平屋を建てるときには、セキュリティー性を高めておく
土地購入から40坪の平屋を検討するなら、土地選びの段階から設計士や建築会社に相談する