一人暮らしは楽しい? 寂しい? メリット・デメリットを知っておこう

最終更新日 2024年03月14日
一人暮らしは楽しい? 寂しい? メリット・デメリットを知っておこう

一人暮らしを始めることが楽しみな人も多いはず。でも一方で、家族と離れるのが寂しい、一人で部屋にいるのが怖い、ちゃんとやっていけるか不安……などという声も。そこで、一人暮らしのメリット・デメリットを知り、不安を解消するための方法を一人暮らしアドバイザー・河野真希さんに教えてもらった。

一人暮らしをするメリット・デメリットは?

最大のメリットは「自由」、デメリットは「寂しい」

一人暮らしをするにもメリット・デメリットがあり、事前に知っておくことで、さまざまな不安に対処できることもある。まずはどんなメリット・デメリットがあるのかを河野さんに教えてもらった。

●一人暮らしのメリット
自由に生活できる

好きな時間に寝て、起きて、好きなことをして過ごし、好きなものを食べて暮らせる

生活力が身につく

最低限の家事の仕方や大変さがわかり、親のありがたみがわかる

経済観念が身につく

収入(仕送りを含む)の予算内でやりくりするための節約術が身につく

自分のことがわかる

自分自身と向き合い、自分の性格や好みを改めて知るきっかけになる

判断力が身につく

何事も自分で決めなければならないので、判断力が身につき、精神的に自立できる など

一人暮らしを楽しむ人
(写真/PIXTA)
●一人暮らしのデメリット
寂しい

話し相手がすぐ近くにいなくて寂しい、孤独に感じる

だらしなくなる

お金や時間の使い方がルーズになる。見ている人がいないので、生活全般がだらしなくなる

栄養が偏る

好きな時間に好きなものを食べても注意する人がいないので、栄養が偏り、体調を崩すことも

病気やけがの不安

熱を出したり、けがをしたりして動けないとき、看病してくれる人がいない

怖い

防犯上の不安。何かトラブルに巻き込まれたときにすぐに助けてくれる人がいない

主なメリット・デメリットは上記のとおりだが、デメリットに挙げられた「不安」の要素は工夫によって解消できるものもあるので、次の章で解説していこう。

一人暮らしの不安をかかえる人
楽しみも不安もある一人暮らし。でも「不安」は工夫によって解消できることも(写真/PIXTA)

一人暮らしの不安の解消法は?

事前に情報を集め、備えることで一人暮らしの不安は解消できる

一人暮らしのデメリットに挙げられた「不安」の要素は「暮らしていく上での工夫や、物件の選び方などによって解消できるものもあります」と河野さん。不安の要因ごとに、それぞれの解消法を教えてもらった。

寂しさへの不安

●SNSを活用する
近所に友人が住んでいると心強いが、そうでなくても、SNSなどを上手に活用して、何かあったときに声をかけてもらえるだけで落ち着くということもある。定期的に投稿していると、投稿がなくなったときに声をかけてくれるなどのケースも。一方でSNSはトラブルの原因になることもあるので、注意が必要だ。また、友達でなくても、行きつけの近所のお店の店員さんなど、顔見知りになっておくと安心。

お金の不安

●収入・支出を把握
お金が足りなくならないかどうか、わからないから不安になるもの。不安解消のためには、まず自分の収入・支出の金額を把握することが大事。家計簿を毎月つけるのは大変だけれど、1カ月だけつけたり、使いすぎが気になる出費だけつけるところから始めよう。

●予備のお金を持っておく
予備のお金を持っておくと、いざというときの安心につながる。緊急事態や本当に困ったとき以外、このお金には絶対手をつけないと決めて持っておく(または銀行に預けておく)と安心。

病気への不安

●周辺の病院をチェック
引越したら、すぐに物件の周辺をチェック。どこに何科の病院があるのか、事前に情報を集めておくことで安心感につながる。また、救急箱はもちろん、急に熱が出て外に行けなくなっても最低限の栄養がとれるよう、レトルトやフリーズドライのおかゆ、ゼリー飲料などを常備しておくことも大切。これらは防災の備えにもなる。

●規則正しい生活を心がける
体調不良を防ぐためには、日ごろから食べすぎ・飲みすぎ・寝不足などの不摂生をせず、規則正しい生活を心がけることも重要。また、何かあったとき、ヘルプに来てもらえるような知人をつくっておくと安心。

一人暮らしで風邪を引いた人
(写真/PIXTA)

防犯上の不安

●セキュリティのしっかりした物件を選び、防犯グッズを準備しておく
セキュリティのしっかりした物件を選ぶのはもちろん、窓や玄関の補助錠や防犯ライトなど自分で用意できる防犯グッズを追加すると安心感がアップする。

災害(火事・地震)などへの不安

一人暮らしの場合、家事や地震で家具が倒れて下敷きになったとしても、誰にも気づいてもらえない可能性もある。災害が起こったときには自分で自分の身を守らなくてはいけないという意識をもって、災害に対する対策をしておこう。

●避難場所や避難経路を確認
物件が決まったら、ハザードマップや自治体が提供している避難所マップなどで避難場所や避難経路を確認しておこう。住み慣れた場所でなければ、近隣の学校などもどこにあるのかわからないので、休日に散歩がてら場所を確認しておくといいだろう。

●家族や友人と災害時の安否確認の方法を決めておく
災害直後は携帯電話がつながりにくくなるので、メールやSNS、通話アプリ、電波が入らない場合には災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(web171)などが便利だ。災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板によって、録音が〇秒以内、伝言は〇件までなど制限があるので、事前に確認しておこう。

●避難の際に必要な貴重品や、最低限の防災グッズを用意しておく
財布や身分証明書、通帳、印鑑などの貴重品はまとめて保管し、すぐ持ち出せるようにしておこう。防災グッズとしては、最低でも3日程度(住んでいる地域や物件によって推奨されている備蓄の量は変わるので確認しよう)耐えられるだけの水や火が使えなくても食べられる食料、携帯トイレ、懐中電灯、軍手などを用意しておくと安心だ。

●家具の転倒防止対策をしておく
一人暮らしでは、狭いスペースにさまざまな家具や家電を配置しがちだ。寝ているときに家具が転倒したり、玄関までの経路を塞いでしまわないよう、突っ張り棒や専用の金具で家具をしっかり固定しておこう。また、本棚や食器棚など背の高い家具は、下に重心がくるように重いものを下の段に、軽いものを上の段に入れるよう意識をするだけでも転倒のリスクが減る。

●食品は多めにストックして、なくなったら買い足す
普段から食べている食品や缶詰など保存が効くものは、少し多めにストックしておこう。1つ使ったら1つ買い足すローリングストックを心がけると、災害時だけでなく病気などの際にも役立つはずだ。

家事の不安

家事の基本となる情報(本やインターネットなど)に一度目を通しておくのがオススメ。家事のやり方は人それぞれだが、基本的な知識なく時短や節約などを目指しても、かえって時間や労力、お金を無駄にしてしまうことがある。また、慣れた方法がスムーズなことも多いので、困ったときには家族に聞いてみるのもいいだろう。まずは一通りの家事をこなしてみてから、自分のやりやすい方法にアレンジを加えていってみよう。

●料理(自炊)
外食やテイクアウトは手軽だが、毎日だと費用も高いし栄養面でも心配。自宅で料理をすることで食費の節約はもちろん、栄養バランスの良い食事をとることができる。自炊をすることはお金や病気への不安の解消にもつながるので、ぜひチャレンジしてみよう。

料理初心者なら、初めてでも出来る簡単なレシピから試すのがオススメ。レシピサイトや料理アプリで包丁を使わないレシピや初心者向けのレシピを検索してみよう。また、料理に使うフライパン、鍋、菜箸、キッチンバサミ、包丁などの基本的なツールは準備しておくと安心だ。

一人暮らしの食事
日ごろから自炊をして栄養バランスの良いものを食べ、節約&健康に(写真/PIXTA)

●掃除
実家では掃除は家族にやってもらっていた人も多いはず。掃除機のかけ方、トイレやお風呂の掃除方法は家族に聞き、家を出る前に練習しておくと安心だ。実家で確認できなかった場合は、動画サイトなどを検索してやり方を覚えよう。

一人暮らしの場合、平日昼間は家にいないことも多いので、平日はフロアモップだけ、掃除機は休日だけでもOK。お風呂は毎日あがるときに、カビの繁殖の原因となる皮脂汚れや髪の毛、ほこりなどが残らないようシャワーで洗い流せば比較的きれいに保つことが可能だ。トイレは放置すると黒ずみや尿石の原因になるほか、ニオイも発生するのでこまめに掃除したい場所。便座は1日1回洗い流せる拭き取りシートを使って拭き、便座内は洗剤をかけてしばらく置いて洗い流すだけでも効果的だ。こまめに掃除をする習慣を身につけておきたい。

●洗濯
最近は全自動洗濯機が主流なので、洗濯機に汚れ物を入れて洗剤を投入すれば後は待つだけ。乾燥機付きなら干す手間もないだろう。洗濯頻度は一人暮らしなら週に2~3回が一般的。梅雨時など洗濯物が乾きにくい時期や、外仕事や運動などで衣類が汚れやすい人は毎日洗った方が汚れやニオイが気にならない。週1回なら光熱費や手間が減らせるが、汚れ落ちが悪くなったり嫌なニオイがついてしまうこともあるので、注意したい。

また、洗濯機の中は湿度が高く通気性が悪く雑菌が繁殖しやすいので、洗濯後はすぐ洗濯機から取り出して干すことを忘れないように。また、汚れが落ちにくくなるので洗濯物を詰め込みすぎないことや、色落ちするものや汚れがひどいものは分けて洗うことなどに気を付けよう。

一人暮らしの困りごとQ&A こんなときどうする?

知っておくと、困る前に防げることも

特に初めての一人暮らしでは「こんなときどうする?」という困りごとが降りかかってくるもの。状況別に対処法をまとめたので、困ったときは確認してみよう。

Q.前の住人あての郵便物が届いた

A.基本的には郵便物は転送届を出しているはず。誤配である旨を記載してポストに投函するか、郵便局に連絡を。

Q.ゴミの出し方がわからない

A.ゴミの出し方には、地域と建物で2つのルールがある。地域のルールは自治体のホームページ、建物のルールは管理会社か大家さんに確認を。

Q.隣や上下階の音がうるさい

A.騒音のクレームは直接言ってはダメ。壁をたたくなどもトラブルの元。必ず管理会社や大家さんを通して言ってもらおう。管理会社や大家さんに連絡が取れない時間帯の大騒音は警察へ。

Q.床や壁に傷を発見した

A.気がついた時点で早めに管理会社か大家さんに連絡を。すぐに来てくれない場合、自分で写真を撮影しておくこと。退去時の敷金の精算にかかわるのですぐに対応を。

Q.勧誘の訪問がしつこい

A.居留守を使えばOK。一人暮らしの部屋に何の連絡もなく人が来ることは普通ないはず。宅配便は時間指定にするなどの対応を。

Q.害虫が出る

A.基本的には自分でがんばって対処する。こまめに忌避剤を置いておくと、出る頻度は減るはず。また、建物ではなく自分の生活が呼び込んでいるかもしれないので注意。通販などで届く段ボールには倉庫の害虫がくっついてくることもあるようなので、早めに処分を。

Q.部屋についているニオイが気になる

A.換気が不十分だったり、湿度が高い部屋はニオイが強く感じられる。十分な換気を行ったり、イヤなニオイが染みつかないように水まわりや部屋のカーペットやカーテンなど面積の大きい布製品や床はこまめに掃除を。また、入居したての場合は排水溝のトラップ部分に溜まってフタの役割をする水が蒸発して下水のようなニオイが上がってきていることも。これが原因の場合は水を流せば解決できる。

気になる部屋のニオイの解消法についてもっと詳しく
部屋の匂いで後悔しない!におわない賃貸物件探しのコツと臭いの消し方

最高の一人暮らしを楽しむために、自分が楽しいと思える部屋を探そう

不安を解消して最高の一人暮らしを楽しむためには「まず、自分が何をして過ごすのが好きかを知っておくこと。部屋で楽しめることがあると、寂しさや不安を解消でき、楽しく暮らせるでしょう」と河野さん。「例えば友達を呼んで楽しく過ごすのが好きなら防音性の高いマンション、料理が好きならキッチンが広めの部屋など、自分が何をして過ごすのが好きかを考えて部屋探しをしましょう」

キッチンに立つ人
(写真/PIXTA)

また、賃貸住宅でも家具や小物で好みのインテリアにして楽しみたいもの。好きな家具や小物を無計画に集めていくより、インテリアスタイルを決めてその範囲の中でアイテムを選ぶことにより、インテリアに統一感が生まれる。ピンときたインテリアの写真を集めて、自分にぴったりなスタイルを選び、部屋づくりをしよう。

一人暮らしの部屋のインテリアについてもっと詳しく
一人暮らしのインテリア おしゃれな部屋をつくるポイント大公開

まとめ

一人暮らしへの不安は生活の工夫と部屋探しで解消できることもある

一人暮らしの部屋で困ったことは基本的に管理会社か大家さんに連絡

最高の一人暮らしを楽しむために、自分が楽しいと思える部屋を選ぶ

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取材・文/前川ミチコ
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