賃貸契約に必要な初期費用(敷金礼金など)の相場はどのくらい? 安くする方法は?引越し費用は?

最終更新日 2024年03月07日

初めての賃貸生活。部屋探しはワクワクするけれど、実際に借りるのにはどのくらいのお金がかかるのか、初期費用はいつ支払えばいいのか、と不安になる人も多いはず。そこで約700組に賃貸住宅を紹介してきたアエラスグループの菅谷さん、明光トレーディングの武澤 和哉さんにお話を伺いました。敷金・礼金から引越しなど賃貸に関わる初期費用の基本知識から相場情報、交渉テクニックやおトクに安く支払う方法、引越し費用などを一挙にご紹介します!

敷金・礼金、前家賃…そもそも初期費用ってなに?必ずかかるお金?

初期費用とは 必ずかかるお金は

お部屋を借りて生活をはじめるときには、月々支払う「家賃」だけでなく、敷金や礼金、仲介手数料など、入居前にまとまった金額が必要になります。これをまとめて、「初期費用」といいます。内容を一つずつ解説していきましょう。

敷金

家賃1カ月分が目安。契約を終えて部屋を退去するときの原状回復費用に充てられます。基本的には原状回復にかかった金額が差し引かれて戻ってきます。

礼金

家賃1カ月分が目安。部屋を所有する大家さんに対して、お礼の意味を込めて支払います。敷金との違いは退去時に返還されないこと。最近では礼金なしの物件も増えています。

前家賃

家賃1カ月分が目安。入居する月の家賃を前払いで支払います。例えば2月に契約し、3月から住む場合、3月分の家賃をあらかじめ支払うかたちになります。また、月の途中から入居する場合は、日割り家賃が発生します。

仲介手数料

家賃0.5カ月~1カ月分+消費税が目安。物件の案内や契約手続きを行った不動産会社に支払います。法律で上限は「家賃の1カ月分」と決められています。

火災保険料

シングルで1.5万円、カップル・ファミリーで2万円程度。火災や水漏れトラブルなどに備えて、損害保険に加入する必要があり、損害保険会社に支払います。不動産会社に案内された保険ではなく、個人で選んだ保険に加入することも可能ではありますが、加入証明を求められるケースが多いようです。

保証料、引越し費用…などその他かかる費用?

保証料

家賃+共益費0.5カ月が目安。家賃保証会社を利用する場合に支払うお金で、退去時には戻ってきません。万が一、家賃を払えなくなった場合の備えになります。

引越し費用

距離と持っている荷物の量、引越し時期によって異なります。シングルで3万~10万円、カップルで8万~30万円と幅があるので、見積もりをとりましょう。

※このほかに、鍵の交換料、害虫駆除代、消臭費用などが発生するケースなどもあります。分からない項目については、不動産会社に確認しましょう。

これに加えて、家具や家電を持っていなければ、購入する必要があります。予算を考えながら進めるといいでしょう。

費用を抑えたい場合、友人・知人などから安く譲ってもらうという方法もあります。

武澤さんによると「近年、賃貸では競争が激化してきており、初期費用はだんだんと減る傾向にある」といいます。詳しくみていきましょう。

初期費用は最低いくらかかる?やっぱり高いの? 相場はおよそ家賃の4.5~5カ月分!

初期費用の総額については、多めに見積もって、家賃の4.5倍~5倍程度と考えておくと安心です。ただし、これは物件、エリアの特性により異なります。以前は敷金1カ月、礼金1カ月ということが一般的でしたが、現在物件によっては、礼金がない物件や仲介手数料がないという物件も増えています。

「背景として、借り手側の初期費用を抑えたいという需要が高まっていることがあげられます。そのため、物件を所有する大家さん、不動産管理会社も敷金礼金をなるべく抑え、できるだけ早く入居してもらうようにしているのです」(武澤さん)

一方で、敷金礼金はゼロ、仲介手数料ゼロであっても、「契約手数料」などの名目が加算されていることもあります。契約内容について分からないことがあれば、一つずつ内容を確認していきましょう。

イラスト

三大都市圏 初期費用目安(敷金1カ月、礼金1カ月の場合)

三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)での一人暮らしの家賃・共益費の平均(7万8069円/共益費4836円)(※)から初期費用の目安を試算したところ、およそ以下の金額になりそうです。

※「令和4年度 住宅市場動向調査」(国土交通省 住宅局)

項目 費用
敷金 7万8069円
礼金 7万8069円
前家賃 7万8069円
仲介手数料 8万5875円
保証料 4万1453円
火災保険料 1万5000円
鍵交換費用 1万5000円
合計 39万1535円

もちろん、家賃を抑える、礼金ナシやフリーレントの物件であれば、もう少し初期費用を抑えることができますが、首都圏で一人暮らしをはじめるのであれば、およそ30万円の初期費用が必要だと考えておくのがよさそうです。

また不動産では、地域によって費用の項目名や地域の慣習が異なることがあります。たくさん物件を見て、引越先のエリアの相場観を養うとよいでしょう。(アエラスグループ・菅谷さん)

初期費用って安くできないの? 支払い金額・方法の交渉や分割払いは可能?

初期費用を抑えたい、安くしたいという需要にこたえ、全体では敷金礼金ゼロ、仲介手数料ゼロという物件も増えています。探し方の工夫をすることで、初期費用をより抑えられるかもしれません。以下にその方法を紹介しましょう。

敷金、礼金ゼロの物件を探す

礼金ゼロ、敷金ゼロという物件は増えています。敷金礼金ともにゼロではなくても、礼金のみゼロ、敷金ゼロという物件もあります。家賃1カ月分に相当するので、探してみる価値はあるでしょう。ただ、敷金は、家賃の滞納や部屋の損傷に備えて預けておくお金です。退去時に精算され、部屋をキレイに使えば返却されることもあります。そのため入居時に敷金がゼロだったとしても、退去時に退去時クリーニング代が別途必要になることもあります。敷金と礼金、それぞれの性質を理解したうえで探すとよいでしょう。

仲介手数料ゼロの物件を探す

近年、不動産会社の競争も激化し、仲介手数料ゼロ、仲介手数料半額など、小額を打ち出す不動産会社も増えてきました。ただ、繰り返しになりますが、「仲介手数料無料」とうたっていても、物件によって適用されないこともあるため、注意も必要です。

「フリーレント」などで初期費用そのものを安くする

初期費用を抑えたいのであれば、まずは、不動産会社の担当者に相談するのがいちばんよいでしょう。『貯金があまりないので10万円以内に抑えたい』『8万円以内に抑えたい』などとはじめに条件として話しておき、礼金や仲介手数料ナシ・フリーレント、前家賃ナシ物件などを紹介してもらうといいでしょう。

フリーレントとは、入居後の一定期間(当初1カ月など)であれば家賃が発生しない物件のことです。前家賃を含めた初期費用は必要になりますが、入居後のフリーレント期間は家賃が発生しないので、トータルでみると初期費用を減らすことができます。ただし、退去期間など制約があることも多いので、条件をよく理解して契約してください。

大家さんに交渉する

次に考えられるのが、貸主である大家さんへの交渉です。ただ、初期費用そのものが全体に減少傾向にあるので、交渉も難しくなってきているといいます。

もし、交渉をするのであれば、必ずこの物件に住むと正式に入居申込書をしたうえで、
(1)入居日までの日割り家賃やフリーレント
(2)礼金
(3)家賃
 の順番がよいようです。

また、交渉が成立したとしても、家賃が1万円安くなるということはほとんどなく、交渉が成立しても3000~5000円程度。大きく期待しすぎないほうがよいでしょう。

分割払いにする

初期費用を抑えたいという人にオススメなのが、クレジットカードを使った分割払いです。初期費用の一部もしくは全額をクレジットカードで支払うことができます。上手に使えばポイントやマイレージもたまります。ただ、「火災保険料は現金のみ」「敷金はクレジットカード対応」といった不動産会社ごとの条件があるので、注意してください。またクレジットカードで分割払いにすれば、利子が発生するので、支払い総額でいうと高くつくことがあります。

家具・家電付き物件にして諸費用を抑える

単身赴任や数週間~半年くらいの短期滞在であれば、家具家電付き物件を選ぶという手もあります。向いているのは、単身赴任や時期が決まっている出張など、数週間~半年くらいの短期滞在の人です。また、およそ月1万円程度、家賃が割高であることが多くなっています。ただ、自分の好みの家具家電を選べないと、ライフスタイルにあわない住まいは大きなストレスになるそう。長く暮らすのであればストレスになると解説します。

新しい生活をはじめるのに欠かせない、「初期費用」。以上の情報&テクニックを踏まえて、賢く抑え、新生活を満喫したいですね!

賃貸物件を探す
引越し見積もりをする
中古マンションを探す
新築マンションを探す
新築一戸建てを探す
中古一戸建てを探す
土地を探す
注文住宅の会社を探す
売却査定する
リフォーム会社を探す
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
取材協力/株式会社アエラス 文/嘉屋恭子 イラスト/伊藤美樹
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション選びと会社選びをサポートします。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る