外構(エクステリア)には何が含まれるの?

リフォームでは外構(エクステリア)という単語をよく見ますが、ふんわりしていてよく分からない……という方も多いのでは? 外構とはざっくりいうと、家の敷地のうち家本体を除いた部分のこと。庭やフェンス、カーポートなど、あらゆるものが外構です。代表的な外構5つを解説し、「オープン外構」「クローズ外構」「セミオープン外構(セミクローズ外構)」などのプランについても見ていきましょう。

 

 

外構(エクステリア)に含まれるあれこれ

【画像1】外構(エクステリア)に含まれるあれこれ

 

1.門扉(もんぴ)

門扉とは読んで字のごとく「門の扉」のことで、家の顔ともいえる場所です。家に入るときは、1.門扉を入り、2.アプローチを通り、玄関へと進んでいきます。

ドアのように開くタイプの門扉は「開き門扉」といい、下の画像のように左右両方から開くのは「両開き門扉」、片方だけ開くのは「片開き門扉」です。また、障子のようにスライドするタイプは「門戸(もんこ)」、もしくは「引き戸門扉」といいます。

「引き戸門扉」は和風の住宅や、奥行きスペースがあまりとれない住宅に多く用いられますが、開閉の際に身体の位置をずらさなくて良いため、バリアフリー対策として「引き戸門扉」を選ぶ方もいらっしゃいます。

 

2.アプローチ

アプローチとは敷地の入り口から家の玄関までの通路のこと。マンションなどの集合住宅では、1階の入り口あたりのスペースを指す場合もあります。門と玄関で高低差がある場合は階段やスロープにしたり、踏み石を配置したり天然石やレンガ・タイルなどを敷き詰めたり、距離が短くともリフォームの選択肢はさまざまです。来客を迎え入れるルートでもあるので、デザイン性やバリアフリー性を意識したい場所ですね。

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【画像3】アプローチに敷かれる踏み石(画像:Fotolia)

 

3.フェンス

フェンスとは外部と私有地を隔てる囲いのこと。一般的な「フェンス」はアルミなど金属製の柵ですが、そのほかにも網状の木製柵「ラティス」、昔ながらの「ブロック塀」、針葉樹や広葉樹で囲う「生垣」などもフェンスとして扱う場合があります。柵状の「フェンス」や「ラティス」は、外側からも内側の様子がうかがえるため、空き巣対策としてもオススメです。「生垣」は花が咲いて実がなるもの・紅葉を見せてくれるものなど、四季を感じる樹種も人気があります。

ガーデニングと相性のよいラティス

【画像4】ガーデニングと相性のよいラティス(画像:Fotolia)

 

4.植栽

広い意味での「植栽」は草木を植えることで、リフォームでの「植栽」は、「目隠しのため」「日差しよけ」「ガーデニングの一環」「生垣」「シンボルツリーとして」などの用途で草木を植えることを指すようです。

「シンボルツリー」とはシンボル(象徴)となる木のこと。新築・改築記念や子どもの誕生などの記念に植えるほか、家族が最も好きな木、香りのよい花が咲く木、縁起をかつぐ木などを選んで成長を見守ります。「これだ!」という1本を家族で選ぶのも楽しいですね。

 

5.カーポート

カーポートとは、屋根と柱でできた簡易的な駐車スペースのこと。屋根・柱に加え、しっかりした壁があるものは「ガレージ」です。ガレージのうち、家と一体になっていてじゅうぶんな広さがあるものは「ガレージハウス」と呼び、車のメンテナンスや鑑賞ができるような趣味的な使い方がされます。

 

「オープン外構」「クローズ外構」「セミオープン外構」の違いは?

狭いスペースでも開放的な「オープン外構」

「オープン外構」とは、門扉やフェンスを設けない開放的な外構スタイル。欧米の映画などでよく見かけますね。外構スペースが狭くても広々した印象をもたせられます。門柱を付けたり芝生を植えたりなどして、外部との境界線を表します。門扉の代わりには表札やポストが組み込んであるデザイン門柱を立てるのが一般的です。敷地内への立ち入りが容易なので人の目や防犯性が心配という声もある一方で、周りから敷地がよく見えるので、逆に防犯性が高くなったというケースもあります。

 

プライバシー重視の「クローズ外構」

「クローズ外構」は高いフェンスや門扉で敷地を囲んで、内部を見えにくくする外構スタイルです。プライバシーが保たれるので、気軽に洗濯物が干せる、子どもを安心して遊ばせられるなどのメリットがあります。外から見えにくくなるため侵入者対策になるかと思いきや、いったん侵入されると外からは死角となります。防犯性を高めるため、心理的にも立ち入りにくくなる防犯カメラやセンサーなどを設置するとよいでしょう。

 

オープン・クローズの中間をとった「セミオープン外構」

「セミオープン外構」は「オープン外構」と「クローズ外構」の中間のような外構スタイルで、「セミクローズ外構」という場合もあります。フェンスは設置しても見通しが良く低いものを選ぶ、門まわりや浴室前など必要な部分のみ隠すなど、プライバシーを守りながらある程度の開放感を確保できます。このスタイルはオープン・クローズ両方のパーツが使えるため、選択肢がとても広くなります。「イイトコ取り」を目指すなら、事前に施工会社としっかり話し合うことが大切です。

 

まとめ

漠然とした「外構(エクステリア)」というイメージですが、このように例をあげていくとイメージしやすくなったのではないでしょうか? 各地で開催されるリフォーム・エクステリアフェアでは、このほかにもありとあらゆる外構が展示されています。足を運べば、思わぬすてきなリフォームアイデアが湧き上がるかもしれませんよ。

 

イラスト/伊藤 美樹