リビオ高田馬場 （取材レポート）

JR山手線・東京メトロ東西線「高田馬場」駅徒歩9分という高い利便性がありながら、賑やかな商業地を抜けた閑静な住宅地に誕生する全133邸の『リビオ高田馬場』。本物件の魅力について、デザインを手掛けたアーキサイトメビウスの菊地氏と、開発を担当した日鉄興和不動産の木下氏、柏熊氏、大堀氏に話を伺いました。

本物件の立地について、木下氏は印象をこう語ります。「高田馬場と言えば早稲田大学をはじめとして多くの大学が集まるエリアですが、現地は駅前の賑わいからは想像できないほどに閑静な住宅街です。山手線の駅が徒歩圏内かつ利便性と落ち着きを両立しており、非常に得難い立地であると感じています。（木下氏）」。
さらに柏熊氏は「この辺りは長く住まわれている方や地域に根ざした個人店が多く、豊かなコミュニティが育まれているエリアです」と続けます。
「中でも本土地は緑豊かな敷地が特徴的で、地域の方々にも親しまれるエリアの象徴的場所でした。だからこそ本物件では地域とのつながりを受け継ぎ大切にしていきたいと考えています。その取り組みのひとつとして、既存建物を解体するにあたり地域の皆様の協力を得て“解体祭”を実施しました。地域の魅力や環境に配慮した建築計画を発信する様々なイベントを開催したのですが、2日間を通して1,100名を超える方にご参加いただき、今回の立地が非常に愛されてきた場所だったことを実感しました（柏熊氏）」。

本物件の外観と共用部のデザインは、国内外のハイエンドな集合住宅を多数手掛けてきた建築設計事務所・アーキサイトメビウスが担当。
「見た目も大事ですが、当社では暮らす方に愛される住まい、というのが常に念頭にあります」と語るのは、アーキサイトメビウス社の菊地氏。
「そして静かに落ち着いて暮らせる住まい。資産性とは異なる軸で、暮らす方に“ここにずっと住みたい”という価値を感じていただけることを目指してデザインしています。本物件の現地を見て、当社の建築を求めていただいた理由に納得がいきました。本物件の近くには妙正寺川と神田川という2つの川がありますが、このあたりは古くから多くの染色業者が集まる“染めのまち”として発展したそうです。そうした土地の記憶から本デザインの着想を得ました。エントランスから川の流れのように蛇行しながら進む動線の中で、様々なストーリーを感じていただける空間を目指しています。その上でデザインの特徴のひとつとなっているのが、多彩な表情を生むマテリアルへのこだわりです。今回はエントランスに2層吹き抜けの贅沢な空間を設けているので、そのボリュームに負けない存在感のあるマテリアルを厳選しています。外観やエントランスのアプローチ周りには、単調にならず立体的に見える色味を分析した上で、自然の温かみを感じられるタイルを採用しました（菊地氏）」。

マテリアルの魅力が特に際立つのが、吹き抜けが開放的な風除室。「壁一面にイタリア製の特殊な大判タイルを採用しています。角度によって見え方が変わる加工が施されているため、歩きながら見ると布のドレープが波打つような流動感を感じていただけます。さらにその先には本物件のシンボルとなるであろう“伊達冠石”の景石を配しました。宮城県の大蔵山でしか産出されない伊達冠石は、表面は錆色で内部は黒檀色という独特の風合いが特徴です。歴史を重ねた自然の産物からは心に訴えかけるような力強さを感じられます。躍動感から一転して静謐な存在感を放つ景石を毎日眺めることで、本物件に住まう方々の心に誇りが生まれたら嬉しいですね（菊地氏）」。
さらにその奥には、落合崖線を表現した崖の坪庭、ラウンジなど厳選された共用施設が揃います。「共用空間においてもサステナブルは強く意識しており、植栽の一部として従前敷地内にあった既存樹を移植したり、移植が難しいものはラウンジのスツールに再生させたりといった取り組みを行っています。染色工房・染の里おちあいで染色された布地をアート作品に仕立てて設えるなど、地域のアイデンティティも感じられる空間になる予定です。また建物前面に緑道を設け、屋内の共用空間へと緑が連続するようなデザインとなっていますので、住まう方にも地域の方にも自然の心地よさを満喫いただけたらと思います（大堀氏）」。