ローレルスクエア柏原 （取材レポート）

出生数は減少しているものの保育ニーズは増加傾向にある柏原市。令和元年度と令和4年度を比較すると、就学前児童数が約200名減少している一方で、保育園等への入園希望者は約50名程度増加しています。そんな柏原市で子育てをする魅力と、子育て世帯への支援について、柏原市 福祉こども部の方に伺いました。

「柏原で子育てをする魅力は、まずは何といっても豊かな自然です。山が近いので四季の変化を身近に感じることができますし、夜は星が綺麗に見え、夏には山に入るとカブトムシやクワガタを見つけることも。広い河川公園も整備されており週末になると親子連れで大変賑わっています」
「また、特に共働き世帯にとっては、こども園や保育所、幼稚園による通常の教育・保育に加え、延長保育事業や病児保育事業も充実していること、すべての小学校で放課後児童会を運営していること等も魅力の１つだと思います。乳児家庭全戸訪問事業、いわゆる『こんにちは赤ちゃん事業』での訪問を終えてから1歳半健診までの期間に改めて全戸訪問を行う『すくすく訪問事業』を実施し、子どもの成長に合わせた保護者の支援に取組んでいます。具体的には、各地域の公立認定こども園の保育教諭が各家庭を訪問し、子育てに関する相談や利用できるサービスの情報提供、つどいの広場や園庭開放などの親子で外出できる遊び場を積極的に紹介するなど、安心して子育てができるサポートを行っています」(※1)

文部科学省が進めるGIGAスクール構想に基づき、令和2年度に市内の小・中学校で学ぶ児童・生徒に対して1人1台のタブレットPCの整備を完了した柏原市ではデジタル図書館がオープン。図書館長にお話を伺いました。

「コロナ禍で市民の中にも“新しい生活様式”が浸透している中、非来館型図書館サービスとして読書環境の充実が図れることから導入しサービスを開始することになりました。学校現場において積極的な活用を想定し、市立図書館の方でIDパスワードを一括登録。タブレットPCによる読書が可能となり朝の読書活動や様々な調べ学習にも大変有効であると考えております。一般の方もお手持ちのパソコン、スマートフォン、タブレット端末を使って図書館に行かなくても電子書籍を楽しむことができます。24時間365日いつでもどこでも利用でき、自動返却機能があるので返し忘れの心配もありません。例えば自宅等の静寂な場所でじっくり図書を楽しむ場合は紙の本、外出先等では電子書籍と使い分けして読書を楽しんでもらえたらと思います。紙の資料とデジタル資料をハイブリットに活用できる図書館となることが理想であり、また、それらを子どもたちが利用し、知識を吸収したり読書意欲の向上に繋げてもらうことで、GIGAスクール構想との関連性から導入した意義が生まれます。未来を支える子ども達には読書を通じて人間力をつけて人生を豊かなものにしてもらえればと思っています」(※1)

柏原市では大阪府と大阪教育大学の協力を得て、市内小学生が森林の大切さや森林の成り立ちなどについて学ぶ森林体験教室を実施。その取り組みについて、柏原市 産業振興課の大畑さんにお話を伺いました。

「柏原市には、信貴生駒の山々と大和川、石川の流れを象徴とする緑と水の豊かさがあります。産業振興課では教育部門と協働で、柏原市の森林や水田をフィールドに森林体験学習や稲作体験学習などを行なっています。森林保全の重要さや食料生産の大切さを、実際に作業しながら学ぶことでき、座学では得られない実体験に基づく経験となります。四季と共に変化する自然観察や間伐などの林業体験といった様々なプログラムを楽しむもので、授業の一環として取り入れています（一般の方に向けても、伐採体験などを実施）。
また、学校給食でも地産地消にこだわり、名産品のぶどうや小松菜などの農作物、市内に工場があるメーカーのかまぼこや食用油などを取り入れています。このような豊かな自然資源を活用した学習環境も、柏原で子育てをする魅力の一つだと考えています」(※1)