SUUMO(スーモ)は、住宅・不動産購入をサポートする情報サイトです。
マンションで十分な換気をしたい場合も多いでしょう。しかし、玄関が網戸でなければ風の通りもあまり期待できません。玄関網戸にはルーバータイプや鍵付きのものなど、いろいろな種類があります。ここでは専門家であるトーワ技研の田村さんのお話をもとに、マンション玄関に網戸を設置する場合に管理組合の許可が必要なのか、網戸のタイプや設置の注意点などを紹介します。
マンション玄関網戸とは、どのようなものなのでしょうか?
「簡単にいうと、マンションの玄関に取り付ける網戸です」(田村さん、以下同)
通常、網戸は掃き出し窓などに設置されるのですが、玄関に取り付ける網戸が玄関網戸です。
玄関網戸は、マンションの玄関に設置する場合も、一戸建ての玄関に設置する場合もあります。
一般的なマンションには標準仕様で設置されていない玄関網戸ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
まず通風が良好なことが挙げられます。部屋の窓を開けていても、玄関が閉まっていれば風の通りはあまり期待できません。ですが、玄関扉を開けて玄関網戸を設置すれば、窓から入った風は玄関へ、玄関から入った風は窓から抜けるため、良好な通風が期待できるのです。
「コロナ禍では、行政などから『新型コロナ対策には換気が重要』といわれていたため、換気を促す目的で玄関網戸を購入・設置する人が多くいました」

窓を開けて、玄関扉も開ければ通風は期待できますが、通常は玄関扉を開け放しておくと家の中が丸見えになります。同じマンションの住人や、ほかの家の来客に家の中が丸見えになるのは避けたいものです。
玄関網戸を設置していても、ルーバーのすき間や網の目から目を凝らせば家の中を覗き見することはできますが、そこまでする人は多くありません。
玄関網戸を設置していれば、玄関扉を開放していても、家の前の廊下から家の中が丸見えにはならないというメリットがあります。
掃き出し窓などに設置する網戸の主な目的は、家の中に虫を入れないことです。玄関網戸を設置する主要な目的が通風でも、家の中に虫が入りにくいというメリットがあります。
玄関網戸はマンションの標準仕様にはありません。玄関網戸に何らかのデメリットがあるのでしょうか?
後述しますが、管理規約で禁止されている場合もあるようです。
玄関ドアのさらに内側に網戸があるわけですから、スムーズに出入りできず、邪魔に感じる人はいるでしょう。
開け閉めするのにも手間がかかります。施錠できる玄関網戸もあるので、玄関網戸の鍵を開け、玄関ドアの鍵を閉めてから外出するとなると、鍵の開け閉めだけでも時間がかかります。
施錠できる玄関網戸もありますが、施錠できるからといって問題なく防犯できるわけではないようです。
「玄関網戸に防犯を期待して設置しないでください。例えば、窓ガラスの場合は、ガラスを割ってクレセントを開け、住戸内に侵入することができます。それと同じです。玄関網戸に鍵がかけられても、バールのようなものを使ってこじ開ければ侵入できてしまいます。ただ、壊すのに時間がかかるので、何もない状態よりはマシです」
もちろん、玄関網戸にもさまざまなタイプがあり、カッターで網戸の網を切って、簡単に侵入できるものもありますので、その場合はほとんど防犯性能がないのと同じです。
玄関網戸は、あくまでも換気が目的ですので、防犯性に期待しないでください。

マンション玄関網戸にはさまざまなタイプがあるとのことですが、どのような種類があるのでしょうか?
細長い板状のものを複数枚重ねてあるのが、ルーバーです。ブラインドをイメージしていただくと、分かりやすいでしょう。ルーバー式の玄関網戸は、通風部分がルーバーになっていて視線を遮りながら、風を通すことができます。
「アルミなど金属製のものが多く、ルーバーの角度を調節して住戸内に入る風の量や外からの視線を調節できるものもあります。防虫のために、ルーバーのさらに内側にネットが付いているものもあります」
防犯性を期待し過ぎなければ、鍵付きのものもあります。

樹脂などでできており、網戸を折りたたんで小さくすることができるタイプの玄関網戸です。使わないときは、邪魔になりにくいのが特長でアコーディオン網戸ともいわれています。

虫よけネットをカーテンや、すだれのように玄関に設置する網戸です。強度はほとんどありませんが、設置が容易です。

このほかに、パンチングメタル(穴の開いた金属の板)で換気を促す玄関網戸もあります。
マンションに玄関網戸を設置するときに気になるのが、勝手に設置していいのかどうかです。
「玄関網戸を推奨するマンションもあれば、禁止するマンションもあります。共用部分ではなく、専有部分に取り付けるものなので、住人の判断に任せるところがほとんどのようです」
購入・設置する前に、マンション規約は確認しておきましょう。
では、マンション規約のどのような点を確認すればいいのでしょうか?
「問題になることが多いのは、消防法について記載のある部分です。玄関網戸を使う場合、玄関ドアは開け放しにすることが多いので、『ドアを開け放しにしないこと』と記載があれば、抵触する恐れがあります。
また、美観の観点から、外見上の見え方を問題視して規約で禁止しているマンションもあるので、美観に関係する部分を確認しましょう」
マンションの管理規約についてもっと詳しく
→マンションの管理規約とは?使用細則との違いや規約違反時の影響について
マンション規約に抵触しない場合、購入・設置にあたって、まずはどの種類の玄関網戸を設置したいのか、タイプを決めましょう。
カーテン式の玄関網戸などは、自分で設置できますが、ルーバー式など大がかりで自分で設置するのが大変な場合は、リフォーム会社やメーカーなど外部の会社に設置を依頼します。

取り付けが難しいルーバー式の玄関網戸でも、DIY用に玄関網戸だけを購入できる場合があります。購入する予定の玄関網戸のメーカーや小売店にDIYできるかどうか確認しましょう。
DIYが可能な場合は、玄関ドアの採寸方法を聞いて、採寸したサイズをメーカーや小売店に伝えます。
「採寸した玄関ドアのサイズを伝えるほか、玄関網戸のメーカーによっては、間違いがないようにメールや電話で細かい打ち合わせをするところもあります」
DIYが可能で、打ち合わせで設置も問題ないと分かったら、玄関網戸を購入します。
玄関網戸のタイプによっては、重くて大きい荷物として届く可能性がありますので、設置前に置いておく場所などを想定しておきましょう。
「通常は購入したパッケージの中に取り扱い説明書・組立要領などが入っていますので、よく読んで取り付けましょう。メーカーによっては、サイトで組み立て方・取り付け方を動画で説明している場合もあります」

マンション玄関網戸を購入・取り付けする際は、以下のことに気を付けてください。
網戸の種類や、玄関の状況によっては取り付けできないこともあります。
「例えば、網戸の種類が金属製で、玄関ドアのすぐ手前に分電盤があると、分電盤が邪魔で開閉できないことがあります。造り付けのシューズボックスが玄関ドアのすぐ手前にある場合も設置できないかもしれません。このように、ルーバー式など金属製の玄関網戸は、マンションの構造によっては取り付けられないこともあります」

玄関網戸は、金属製の鍵付きのものでも、玄関ドアよりは耐久性が低く、道具を使って壊そうと思えば壊れてしまいます。耐久性を理解した上で、設置・使用した方がいいでしょう。
マンション住戸内の換気を促したいとき、玄関網戸を設置して玄関ドアを開けておくと、風が通りやすく、換気の効果が期待できます。また、玄関網戸によっては、鍵が付いていて施錠できるものもあります。ただし、防犯性能に期待し過ぎるのは禁物です。
マンションの管理規約も確認の上、取り付け会社に依頼するか、DIYで設置可能であれば組立説明書を熟読して、玄関網戸の設置に挑戦してみてください。
マンション玄関網戸の購入・設置には、マンション管理規約を確認すること
マンション玄関網戸には、ルーバー式、収納式、カーテン式などさまざまなタイプがある
鍵付きの玄関網戸もあるが、防犯性能に期待し過ぎないこと