マンションの管理会社とは?管理組合との関係性や役割の違いを解説!

最終更新日 2025年10月14日
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マンションの管理会社とは?管理組合との関係性や役割の違いを解説!

快適なマンションライフを送るうえで欠かせないのが「管理」。管理組合と管理会社がそれぞれどんな役割を担っているのか、知っていますか?ここではマンションの管理体制についておさえておきたい基礎知識を解説。また、物件選びにも役立つポイントをマンション管理士の村上智史さんに教えてもらいました。

マンションの管理とは? 管理会社と管理組合はどう違う?

管理会社は、管理組合から委託されたマンション管理の専門業者

マンションの管理とは、住人が安全に気持ちよく暮らせるよう建物や設備を良好な状態に保ち、資産価値を維持するためのものです。例えば、日々の掃除が行き届いていること、ゴミ出しなどのルールが守られていること、エレベーターや駐車場などの設備点検がきちんとされていること、などが挙げられます。

築年数が経ってもずっと快適で魅力的なマンションであるためには、しっかりとした管理が欠かせません。その大切なマンション管理を担うのが「管理組合」と「管理会社」です。

「管理組合」とは、マンションの区分所有者全員で構成される団体。区分所有法という法律に基づき組織されるもので、マンションの共用部分や敷地などの維持管理を目的としています。マンションを購入すると、自動的に管理組合の一員となり、マンションを管理する当事者になります。

マンションの管理は組合員全員で行うものですが、日常の業務は代表者の集まりである「理事会」が担います。理事長をはじめとするメンバーは定期的に理事会を開催し、役員同士がさまざまな課題を話し合いながらマンションの維持管理に関する意思決定を進めていきます。

一方の「管理会社」は、マンションの維持管理を専門に行う業者で、マンションを販売したデベロッパーの系列会社が受託するケースが一般的です。管理組合の役員にはそれぞれ本業があって多忙なうえ、マンションに関する専門知識を持ち合わせていないことも多いので、ほとんどの管理組合では、その業務の大部分を管理会社に委託しているのが実情です。

「マンションを管理する主体は、あくまでも管理組合です。今ではその割合はかなり少ないですが、管理費の徴収や会計業務も自ら行う『自主管理』タイプの組合もあります。一方、管理組合の委託のもとでその業務を代行するのが管理会社です。どの管理会社に委託するか、どこまでの業務を任せるか、それを決めるのも管理組合の権限です。一旦委託すると『管理会社にお任せ』になりがちですが、管理会社が契約どおりにきちんと仕事をしているかチェックすることが不可欠です」(村上さん、以下同)

管理組合と管理会社の関係性を表したイラスト
管理会社が請け負う業務は契約内容によって異なり、管理組合は報酬として管理委託費を支払います(画像作成/SUUMO編集部)

管理会社はマンション共用部の管理を請け負い、さまざまな業務を行います。身近なところでは管理員の派遣や清掃作業から、出納会計などの事務管理、各種設備の保守点検、将来に向けた大規模修繕の計画提案まで。管理会社が担う役割を詳しく見てみましょう。

マンション管理会社が担う役割とは?

管理員の配置から事務管理まで業務内容は多岐にわたる

マンションの管理業務は大きく4つに分類されます。管理会社は管理組合に委託されて、これらのすべての業務、あるいは一部の業務を代行します。

(1)事務管理業務
マンション管理のなかでも重要な基幹事務が、管理組合の会計、出納、マンションの維持または修繕に関する企画・実施の調整です。具体的には、管理費・修繕積立金の徴収、滞納者の確認、各種経費の支払い、月次会計報告など。その他の事務としては、管理組合の理事会と総会の支援業務、重要書類の保管などがあります。

(2)管理員業務
管理員が行う日常の管理業務には、受付業務、点検業務、立会い業務、報告連絡業務があります。

【受付業務】居住者や来客への対応、共用部分の鍵の管理や貸し出し、備品管理など
【点検業務】建物や設備の目視点検、電球の点検・交換、無断駐車や無断駐輪のチェックなど
【立会業務】外注業者の作業時の立会い、ゴミ収集時の立会いなど
【報告連絡業務】管理組合の文書の配布・掲示、各種届け出や点検結果の報告、事故発生時の連絡や報告など

管理員の勤務形態は、決められた曜日・時間に通勤する「日勤型」、マンションに住み込む「常駐型」、1人で複数のマンションを担当する「巡回型」があります。小規模のマンションでは、巡回の管理員が清掃とゴミ出しだけ行うところも少なくありません。

(3)清掃業務
清掃は、大きく「日常清掃」と「定期清掃」に分けられます。日常清掃は、共用部全般の掃き・拭き作業、ゴミ出しといった作業を指します。マンションの規模などによって、管理員が日常清掃も実施するケースと、専門の清掃スタッフが派遣されるケースがあります。定期清掃は、専門業者による床面の機械洗浄作業が主で、年間数回の頻度で実施します。
なお、マンションによっては、「特別清掃」として、共用部のガラスや照明器具等の清掃を行う場合もあります。

(4)建物・設備管理業務
建物の外観点検のほか、エレベーター、電気設備、給排水設備、消防用設備、機械式駐車場など各種設備の保守・点検を行います。なお、エレベーターや消防設備については、それぞれ法律で定期的な点検が義務付けられており、その資格を有する専門業者が点検を実施します。

業務委託方式の違いにより、請け負う業務内容は変わる

管理会社が担う業務は紹介しましたが、どこまで委託するかはマンションの管理組合が決めることです。管理会社への委託方式は2種類。管理業務を部分的に管理会社に任せるのが「一部委託」。管理業務のほとんどを一括して任せるのが「全部委託」です。

「現在では全部委託方式が全体の7割くらいを占めると言われています。全部委託のメリットは、ワンストップショッピング的な利便性です。“フロント”と呼ばれる管理会社の担当者が全ての業務の窓口になってくれるので、管理組合にとっては時間と労力の節約になります。

一方で、すべての業務が管理会社経由のため業務委託費が割高になることが多いです。また、管理組合は当事者としての意識が薄れ、管理会社や管理員にお任せになりがち。管理会社の仕事に対するチェックが甘くなると、管理の質に影響することもあります」

一部委託では、各種設備点検や清掃などの業務を管理会社を経由せずに専門業者に直接委託します。全部委託に比べると管理組合の取引先が複数になるため管理の手間がやや増えますが、コストを節減できる可能性があります。

「共用の設備といえば、給排水設備くらいしかなかった、かつての団地タイプのマンションでは自主管理や一部委託が珍しくありませんでした。一方、最近のマンションでは附帯設備が増えるだけでなく、それぞれ高度化・複雑化しているため、なるべく管理組合の負担にならないよう全部委託方式がスタンダードになっています。ただ、管理会社が自ら行っている業務は全体のごく一部にすぎず、清掃や設備管理はほとんど外注しています。管理会社自身も、外注した業務を専門業者に丸投げしていることも少なくないので、定期的に開催される理事会で執行状況をチェックすることが必要です」

管理業務のほとんどを任せる全部委託が主流
マンションの管理員のイラスト
管理組合とやり取りをするのはフロントと呼ばれる管理会社の担当者。要望や問題があればフロントに改善を求めることが大事です(画像/PIXTA)

購入する前に、マンション管理や管理会社について覚えておくといいポイントは?

マンション管理の財源は「管理費」と「修繕積立金」の2本立て

マンションを購入すると、毎月「管理費等」(駐車場などの専用使用料を含む)と「修繕積立金」が徴収されます。この2つがマンションを維持管理していくための財源になります。管理費は、マンションの日常の管理に使われる費用で、管理会社への管理委託費や共用部の水道光熱費もここから支払われます。

一方、修繕積立金は、大規模修繕工事や設備の更新など共用部の計画修繕のために貯蓄しておくお金です。快適な新築マンションも年月が経つと建物や設備が劣化し始め、外壁や屋上防水の補修、給水・排水管設備の交換、エレベーターの改修などが必要になります。これらの改修には多額の費用がかかるため、毎月積み立てながら来るべき時期に備えるのです。

「ところが、新築の分譲マンションでは修繕積立金が、本来必要とされる水準よりもかなり低めに設定されている場合がほとんどです。そのままでは将来、資金不足に陥ることが確実なため、長期修繕計画では経年的に増額改定していくことが予定されています。大規模修繕工事の資金を十分確保するには、修繕積立金の資金計画を早めに見直すことが肝心です。それを提案するのも本来は管理会社の役割ですが、必ずしもそれが行われていないケースもあります

修繕積立金は将来のための貯蓄
修繕積立金が年々貯えられていくイメージ
計画通りに修繕積立金をしっかりためていければ、10年、20年先の大規模修繕も安心です(画像/PIXTA)

中古マンション選びには管理面のチェックが必須

中古マンションを購入するなら、立地や間取り、築年数だけでなく、管理も重視すべき項目です。マンションの維持管理は物件により差が出やすく、将来の資産価値にも影響するからです。管理の良し悪しを見極めるポイントを村上さんに教えてもらいました。

1.現地に行って対象のマンションをじっくり見る
「日常清掃がしっかりなされているか、植栽が伸び放題、枯れ放題になっていないかなど、共用部分や敷地内を見てまわるだけで、管理が行き届いているか一目瞭然でわかるものです。また、管理員さんがいる時間に行って、直接話を聞いてみるのもよいでしょう」

2.真剣に購入を検討する物件は、管理に関する資料をできるだけ手に入れる
「管理組合が適正に運営されているかどうかをチェックするため、過去3年分程度の総会議案書とその議事録、管理規約と使用細則、長期修繕計画書は仲介業者を通じて必ず入手し、その有無や内容を確認しましょう。総会の議事録を読めば、いまマンションが抱えている課題や区分所有者の意識度合いもある程度把握できるはずです」

3.修繕積立金の増額リスクを確認する
「現時点での修繕積立金の水準はどうか、国のガイドライン(※)を参考にチェックしておきましょう。前述したように、新築時の修繕積立金は低めに設定されているため増額改定を強いられるのが通常です。しかし計画通りに増額されていないケースもあり、今後、大幅な増額改定や一時金の徴収などを求められるリスクが考えられます」

マンションの管理体制をしっかり理解して、住まい選びの参考にしましょう。

(※)マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省)

まとめ

管理組合の業務を代行するのが管理会社

管理会社及び委託する業務内容は管理組合が決める

管理組合は管理会社の仕事をチェックする立場

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取材・文/小宮山悦子 
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