建売の平屋は購入できる?特徴や価格、購入時の注意点を解説

公開日 2024年02月29日
建売の平屋は購入できる?特徴や価格、購入時の注意点を解説

バリアフリーで生活動線がコンパクトな平屋は人気が高く、建売住宅を検討している方も多いのではないでしょうか。ここでは中央建設の石原和樹さんにお話を伺い、建売平屋住宅の特徴やメリット、デメリット、購入時の注意点などを紹介します。「建売の平屋って実際にはどれくらいあるの?」と気になっている方は、ぜひチェックしてください。

建売の平屋はある?

建売の平屋は以前より増えている

「エリアにもよりますが、広い土地を取得しやすい地域では建売の平屋が増えています。当社でも2020年頃から需要は高まっている印象です。近年は核家族化が進み世帯人数が少なくなっています。そういった背景もあり2階建てよりもコンパクトな1階建ての平屋で暮らしたいと考える人が多くなったようです。1LDK~4LDKとさまざまな間取りの平屋がありますが、ファミリー層に特に人気が高いのは3LDKになります」(石原さん、以下同)

建売の平屋を探す際は、平屋を多く手掛けている建築会社や建売を専門としている会社をリサーチすると選択肢が広がるでしょう。

平屋と2階建てのイメージ
平屋は少人数の家族の暮らしに合っている(画像/PIXTA)

庭付き物件は少ない

「建売業界では、そのときのニーズに合った間取りや設備などが採用されやすい傾向にあります。最近は手入れの手間がかかることから庭を求める人が少ないこともあり、庭付きの建売住宅自体を探すのが難しくなっています。庭付きの建売平屋住宅は少ないですが、シンボルツリーなどコンパクトな植栽を取り入れた物件は珍しくありません。緑があることで、建物の外観のアクセントになります」

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庭付きの平屋
庭があるとアウトドアや子どもの遊び場としても活用できて便利。しかし、建売の庭付き平屋は少ない傾向(画像/PIXTA)

基本的に間取りの変更はできない

「注文住宅とは異なり、建売住宅では間取りがすでに決まっています。そのため基本的には購入者の希望に応じて間取りを変更することはできません」

しかし、販売会社によっては建築前の物件において間取りを調整可能な場合があります。その際の変更可能範囲なども販売会社によって異なるため、購入前によく確認してみましょう。

間取りのイメージ
建売の場合は間取りの変更ができない場合がほとんど(画像/PIXTA)

平屋と2階建ての違いは?

平屋と2階建ての住宅にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴をまとめました。

平屋

  • 階段がなくバリアフリー
  • コンパクトな家事動線をつくりやすい
  • 部屋同士の距離が近く音が伝わりやすい
  • 必要な土地面積は50~60坪
  • 固定資産税や都市計画税が高くなる傾向

2階建て

  • 上下階を活かした立体的な間取りが可能
  • 2階リビングや吹抜けを採用可能
  • 必要な土地面積は30~40坪
  • 高さがあるため外装メンテナンス費は平屋より高くなる傾向
平屋の暮らしのイメージ
ワンフロアで生活できる平屋は家事動線がコンパクトで便利(画像/PIXTA)

建売の平屋の価格はいくら?

建売平屋を購入するときにかかる諸費用

「建売住宅を購入する際には、家の購入費用以外にも登記費用や火災保険などの諸費用がかかります。諸費用は購入費用の1~2割が相場です。販売会社によっては、販売価格の中に諸費用も含まれています」

建売住宅を購入する際にかかる諸費用は以下になります。

  • 手付金
  • 印紙税
  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • ローン手数料
  • ローン保証料
  • 火災保険料
  • 司法書士依頼料

【間取り別】建売の平屋の本体価格相場

建売住宅の価格は、建物と土地がセットになっているためエリアによって価格が大きく異なります。
以下は中央建設で販売している建売の平屋の価格相場のうち、土地を含まない建物のみの金額です。

間取り 価格
1LDK・ワンルーム 800~1200万円
2LDK 1300~1500万円
3LDK 1500~1800万円
4LDK 1700~1900万円
中央建設が販売する建売平屋の本体価格

【販売会社別】建売の平屋の本体価格相場

販売元の会社の規模によっても金額幅があります。1LDKの建売平屋を購入した場合の、販売会社ごとの本体価格目安になります。

販売会社 価格
ローコスト住宅販売会社 1000万円台
工務店(小規模~中規模) 2000万円台
大手ハウスメーカー 3000万円台以上

注文住宅と建売の価格差

それでは、注文住宅と建売住宅の価格を比較した場合はどうでしょうか。

「同じ面積と間取り、設備を採用した家の場合、建売住宅よりも注文住宅のほうが5~10%ほど高くなることが想定されます。つまり、全く同じ家を建てるなら注文住宅よりも建売住宅のほうが安くなります。しかし、注文住宅の場合は必要のない設備を削ったり使用する素材のグレードを落としたりしてコストカットが可能です。そのため『注文住宅よりも建売住宅のほうが安い』とは一概にはいえないのです。

平屋の金額のイメージ
販売会社や家の仕様によって価格幅がある(画像/PIXTA)

建売の平屋のメリットは?

建物を実際に見てから購入できる

「すでに建物が完成している建売住宅であれば、現物を見てから購入することが可能です。特に平屋の場合は、図面や写真だけでは広さのイメージが掴みにくく、入居後に『思っていたよりも狭かった』と感じてしまう人もいます。そのため、実際に家の中に入り広さや天井の高さなどを把握できるのはメリットといえるでしょう。建物の建築前に購入する場合は、似た間取りのモデルハウスを見学することをおすすめします」

また、バリアフリーで生活動線がコンパクトになる点や、建築上の高さ制限を受けにくいため天井が高いといった平屋ならではのメリットがあります。

購入検討中の建売住宅を見学する家族
購入前に見学をすると、暮らしのイメージが具体的になる(画像/PIXTA)

建売の平屋のデメリットは?

設備や間取りを自由に決められない

注文住宅のようにライフスタイルに合わせて間取りや設備を決められないのは、建売住宅のデメリットといえます。

「建売住宅には必要のない設備が付いてくる可能性があります。収納の数やサイズも最初から決められているため、住む人が仕様に合わせて暮らしを調整する必要があります」

一戸建てに設けられた収納のイメージ
必要以上の収納があるとデッドスペース化してしまう可能性も(画像/PIXTA)

デザインを気に入らない可能性がある

「建売住宅では、トレンドのデザインが採用されることが多いです。そのため自分好みのデザインを住まいに取り入れたい場合は注文住宅にしたほうがよいでしょう」

建売住宅のデザインが理想と異なる人
建売住宅にはトレンドのデザインが採用される傾向がある。好きなデザインの家にしたい場合は注文住宅を選んだほうがよい(イラスト/イチカワエリ)

建売の平屋を買うときの注意点

見学をして家の設備や仕様をよく確認する

建売の平屋を購入する際は、物件を実際に見て間取りや設備、仕様について把握することが大切です。

水まわりの設備や家事動線、収納のサイズと数、周辺環境などについても事前によく確認すると入居後のミスマッチを防ぐことができます。

見学する時間帯によっても光の入り方や周辺環境の印象は変わるため、時間帯を変えて2回以上見学をしたり宿泊体験に参加したりすると、より物件の特性を知ることができるでしょう。

また、断熱性や音の反響など目に見えない部分も要チェックです。室内気温や音の伝わり方は快適性に大きく影響します。販売会社に防音性や断熱性のグレードについても確認しておくと安心です。

「建物が完成している場合は、現地に足を運んで家の中に入ってみてください。実際の広さや設備などを目で見て確認することが大切です。購入前の見学が難しい場合は、同じ会社のモデルハウスに足を運んでみるとイメージを掴みやすくなります」

家の仕様を確認する家族
間取りや設備を自由に決められないからこそ、事前によくチェックしておくことが大切(画像/PIXTA)

家具や家電が置けるかサイズを現地でチェック

建売平屋の設計を図面上でしか確認していないと、置きたい家具や家電が置けなかったというトラブルが起こりやすくなります。事前に物件を見て間取りをチェックしたり各部屋の採寸を正確に行うことが大切です。
特に冷蔵庫や洗濯機、ダブルベッドなどの大型家電・家具は置き場所だけでなく搬入経路にも注意が必要です。不安な場合は引越し業者にも相談してみるとよいでしょう。

建売住宅を見学する人
見学をすると、各部屋や部位のサイズを正確に把握できる(画像/PIXTA)

テレビの電波が受信できるか要チェック

「平屋は周囲の高い建物の影響でテレビの電波を正常に受信できないことがあります。入居後にテレビを設置したところ、一部のチャンネルが受信できなかったという事例も。重要事項の資料には電波の受信状態をチェック済みかどうかの記載があるはずです。念のため担当者に聞いてみると後々のトラブルを予防できます」

テレビのアンテナ工事
物件によっては電波チェックをしていない場合もあるので要注意(画像/PIXTA)

販売会社ごとの特色を知る

「建売住宅の販売に重きを置いている会社もあれば、当社のように注文住宅も手掛ける傍ら、建売住宅の販売を行っている会社もあります。販売会社ごとに特色があることを知っていると、家探しがスムーズにいくかもしれません。また、建売住宅は購入から引き渡しまでがスピーディーです。
注文住宅のように何度も打ち合わせを重ねることがないため、担当者とお客様がコミュニケーション不足になってしまう場合があります。住宅購入は人生における大きな買い物なので、疑問があれば何でも担当者に聞くようにしましょう」

注文住宅の場合は建築会社が入居後のアフターケアを行うのが一般的ですが、建売住宅の場合は販売元の不動産会社もしくは家を建てた建築会社のどちらかがアフターケアを担当することが多いです。家の不具合が生じた場合などの対応についても、よく確認したほうがよいでしょう。

建売を販売する2社
建物だけでなく、どんな会社が販売を行っているのかについても把握しておきたい(イラスト/イチカワエリ)

建築の経過を教えてもらう

建売住宅は注文住宅と違って土地の状態や建築の過程を確認できないのでは?と思うかもしれませんが、販売会社によっては建築の過程を報告してくれる場合があります。

「家を建てる土地の写真や建築の過程をお客様にこまめに報告することでご安心いただけているようです。長く住まう場所ですから、その家がどのようにつくられるのか、工事が予定通り進んでいるかについて知りたい方は多いと思います。ただし、こういった対応は建築会社の担当者の裁量によるものなので、土地や建築の過程について知りたい場合は、あらかじめ担当者にその希望を伝えてみることをおすすめします」

建築中の平屋
工事過程の写真をこまめに共有してくれる販売会社もある(画像/PIXTA)

間取りやデザインに希望が多い人は注文住宅も視野に入れる

建売住宅では、入居後にDIYで棚を取り付けることやインテリアを追加することはできますが、間取りや外観、内装などは最初から決まっています。そのため、間取りにこだわりたい人や自分の好きなデザインを住まいに取り入れたい人には建売住宅は不向きである可能性が高いです。

「注文住宅のメリットは、建築会社と話し合いながら自分好みの家を建てられるところです。ぜひ、建売住宅と注文住宅の特徴を比較検討してみてください」

注文住宅を計画中の夫婦
間取りや設備を自分で決められるのは注文住宅の魅力(画像/PIXTA)

注文住宅と建売住宅の違いについてもっと詳しく
徹底比較「注文住宅」VS「建売住宅」

家の仕様をよく確認してから購入することが大切

最後に、建売の平屋を購入するときのポイントを石原さんに伺いました。

「コンパクトな設計の建売平屋を購入する場合、実際の建物の広さや動線を体感し、納得してから契約することをおすすめします。実際の建物やモデルハウスへ足を運び、平屋の暮らしをイメージしてみてください。また、家の仕様や設備の詳細についてよく確認してから購入を決めることで、入居後の後悔をなくすことができるはずです。この記事でご紹介したポイントをチェックしながら、ぜひ理想の平屋を探してみてください」

まとめ

建売の平屋は近年増加傾向にある

間取りや設備の変更はできないため、事前に見学して家の特徴を把握する

販売会社とのコミュニケーションも大切に

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取材・文/佐藤愛美(りんかく) イラスト/イチカワエリ
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