雑誌に載っているようなハイセンスですてきな住空間にしたい! そのためには、内装デザインや家具選びだけでなく、家電や照明を含めたトータルコーディネートが大切。センスのいい住空間をつくるには、どのように家電やインテリアを選べばいいだろうか。家電にも詳しいインテリアコーディネーターに、家電・照明器具・家具の選び方のポイントを聞いた。
「住みたい部屋のイメージに、欲しい家電や家具が合うか確かめるために、“空間スクラップ”をつくってみましょう」(戸井田さん、以下同)。したい空間の写真や画像をインテリア雑誌やインターネットサイトから選んでノートに貼り、周りに気になる家電や家具、照明の写真を並べると色やデザインが空間に合うか判別しやすい。
真似したい部屋のイメージを決めることが大事。基調色や空間の雰囲気に合った家電・照明・家具を選べば統一性の取れた部屋になる
「『色・素材・形』のいずれかを統一して選びましょう。初心者が失敗しにくいのは『色』で統一する方法」。白い家電やブラウンの家具などベース色を決め、後は丸みを帯びたものや、スクエアのデザインといった「形」で選んだり、表面がざらざらしたものやツルツルしたものなどの「素材」で遊んだりすれば、センスがよく見える。
存在感のある大きめの家電や家具は落ち着いた色で統一。小さな家電などに赤やオレンジといった差し色を入れると空間が映える
テレビやソファ、照明などを配置したときに快適に過ごせるかが大事。家具のサイズを測り、よく通るスペースは家具や家電などの間を80cm以上離せるかの確認を。テレビとソファの距離は画面の高さ×3倍が目安( 42インチのテレビなら約160cm)になり、「テレビの中心に視線がいく高さのソファやテレビ台を選びましょう」
「リビングは茶色、キッチンは白、寝室は青というように、エリアごとのベース色を決めて家電や家具の色をそろえれば、よりコーディネートを楽しめます」。また、同じダイニングテーブルでも、料理がおいしく見える照明は電球色、勉強するには蛍光色など、シーンによって光を変えられるように設定すれば、使い勝手は向上する。
用途や気分、エリアごとなどに照明の色を変えられるように設定すれば、コンパクトな空間でも快適に過ごすことができる
家電を選ぶときは「機能、デザイン、予算」からバランスよく考えるのがベター。予算は限られるので住宅購入時に決めておくことも大事になる。「冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどのすぐに必要な生活家電を“一次購入”、空気清浄機やプリンターなどを“二次購入”、コーヒーメーカーやゲーム機などの嗜好品を“三次購入”と、買う時期をずらせば、妥協が軽減されます」
家電や家具を同時期に購入すると、買い替えの時期が重なる場合もあるので、予算を決め、買う時期をずらすのも一つの手
コーディネートのセンスを高めるためには、モデルルームを見学し、間取りだけでなく、インテリアや家電の選び方、配置の仕方に注目して参考にするのも一つの手。空間をスッキリ見せるために必要なコンセントの位置も確認を。モデルルームで使った家具や家電が付いた分譲物件もあるのでチェックしてみよう。
住まい選びに気を取られると、家具や家電などのコーディネートが後回しになりがちに。気に入ったものや最新の商品を購入する前に、「機能はもちろん、空間全体の調和を考えた色やデザイン、素材のものを意識して選ぶことが、センスがよく快適でキマる部屋づくりにつながります」。家と家電・家具選びを並行して考えよう。
【お話を聞いた専門家】
大手住宅メーカーのインテリアコーディネーターなどを経て独立後、家電とインテリアの専門家として活躍。All Aboutの「家電ガイド」としても執筆