7人家族に最適な間取りは?タイプ別間取り図で解説・後悔しない家づくりと二世帯住宅のポイント

公開日 2025年07月23日

7人家族に最適な間取りは?タイプ別間取り図で解説・後悔しない家づくりと二世帯住宅のポイント

多世代の7人家族が暮らすためにはどんな間取りが適しているのでしょうか?そこで、今回は7人家族の目安となる広さや各間取りの特徴、理想の間取りにするために気をつけるポイント、子ども部屋の活用方法、3世代以上で同居する場合の注意点について、一級建築士の中川由紀子さんに教えてもらいました。

7人家族に必要な間取りや広さの目安は?

7人家族によく選ばれている間取りは6LDK~7LDK

まず、7人家族で暮らす場合、夫婦の主寝室を1部屋、その他の家族5人分の個室が必要になるため、6LDKの間取りが一般的です。延床面積としては45~60坪程度が目安になります。

「7人家族となると、親と同居しているケースが多いです。現代は共働き夫婦が増えているため、子世帯にとっては家事育児に協力してもらえて子育て負担が軽減しますし、親世代にとっても若い人たちと共に暮らすことで安心できるのがメリットです。また、最近では夫婦どちらかのきょうだいやきょうだいの家族との同居など多世代で同居するケースも増えてきています」(中川さん、以下同)

このように、7人家族の場合さまざまな家族構成やライフスタイルが想定されるため、注文住宅を建築する場合には、将来を見据えてフレキシブルな使い方ができるような間取りにすることが大切です。フレキシブルな使い方ができる部屋を1室設ける場合は7LDKも。

「必要な個室数に加えてLDKに隣接して和室などの+αの居室を設けると、ゲスト用のスペースとして活用したり、家族が増えた時やライフスタイルが変わった時に寝室として使うことも可能です。リビングと一体に使えるように引き戸などで間仕切りできるようにしておけば、家族がLDKに集まるときは広々としたリビングの一部として使えるため、7人家族それぞれの居場所を確保しやすくなります」

二世帯住宅は「完全同居型」「部分共用型」「完全分離型」の3種類

二世帯住宅には、「完全同居型」「部分共用型」「完全分離型」の3パターンがあります。
7人家族で親世帯との3世代同居をする場合、

  • 親世帯1人+子世帯夫婦+子ども4人
  • 親世帯2人+子世帯夫婦+子ども3人など

さまざまな家族構成が考えられるため、各世帯のライフスタイルにも配慮しながらプランを検討しましょう。

二世帯住宅の3タイプ
二世帯住宅の3タイプ
<画像作成/SUUMO編集部>

<完全同居型>
基本的に水まわりも玄関も全て共有。個室のみ分けるタイプ。家事協力・分担・集約がしやすい

<部分共用型>
玄関やキッチンを共有、玄関とお風呂まわりのみを共有など水まわりや客間、玄関等を部分的に二世帯で共有できるタイプ。世帯間のコミュニケーションとプライバシーがバランスよく確保できる

<完全分離型>
それぞれの生活リズムを尊重して、各世帯にそれぞれの設備と玄関を設けたタイプ。将来的に賃貸にすることや、売却もしやすい

「完全同居型二世帯住宅は45坪ほどで7人家族の家を建てることは可能ですが、完全分離型二世帯住宅の場合は、各世帯に水まわりやリビングダイニング等を設けるため各世帯25~40坪以上の広さが必要になり、その分コストも上がるため、広さや費用も含めてプランを検討しましょう」

【間取り例】7人家族に適した部屋数は?

7人家族に適しているのは6LDK~7LDK

一部屋あたりの広さや家族構成、使い方によってさまざまではありますが、7人家族には先述のように6LDK~7LDKの間取りが目安になります。

「土地や予算に余裕があれば家族全員に個室を設けられる6LDKや、さらに客間や来客が宿泊できるゲストルーム、趣味部屋などを設けて7LDKにするなど、ゆとりある間取りプランにすることもできます。ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて、家族それぞれにどのように個室を割り振るかを検討し、部屋数を決めるとよいでしょう」

また、多世帯が暮らす家の場合はそれぞれの世帯のリビング的な部屋が必要になることも。家族構成やライフスタイルに合わせた部屋数を検討しましょう。

完全同居型二世帯住宅の間取り例

LDKを共有する完全同居型二世帯住宅で7人家族が暮らす場合、6LDK~7LDKの間取りが必要になります。

6LDKは、LDKと6つの居室で構成された間取りのこと。一戸建てでは45坪以上が一般的です。

7LDKは、LDKと7つの居室で構成された間取りのこと。一戸建てでは50坪以上が一般的です。

完全同居型の6LDKの二世帯住宅
完全同居型の二世帯住宅。キッチン・バス・洗面所などの水まわりは全て共用で、コンパクトな間取りに(間取図提供/みゆう間取り相談室)

【上記の間取りタイプに適した家族構成】

夫婦+子3人+親夫婦

夫婦+子ども3人+親夫婦の間取りパターンを紹介します。

1.寝室以外の+α部屋を設ける場合

  • 主寝室
  • 子ども部屋×3
  • 親の寝室
  • +αの部屋

このような使い方など、ゆとりある住空間を確保することができます。

2.夫婦の寝室が別の場合

  • 主寝室
  • 子ども部屋×3
  • 親の寝室(夫婦別)×2

夫婦+子3人+親1人+夫婦のきょうだい1人

2つのパターンをもとに部屋数を見ていきましょう。

1.夫婦+子ども3人+親1人+夫婦のきょうだい1人の場合

  • 主寝室
  • 子ども部屋×3
  • 親の寝室
  • 夫婦のきょうだいの寝室

2.子どもが同性のきょうだいや子どもが小さい場合

  • 主寝室
  • 子ども部屋×2
  • 親の寝室(1階和室を利用)
  • 夫婦のきょうだいの寝室
  • αの部屋(2階ゲストルーム)

このような使い方ができます。その時々のライフスタイルや家族構成によってさまざまな使い方ができます。

完全分離型二世帯住宅の間取り例

水まわりや玄関を別々にする完全分離型二世帯住宅で7人家族が暮らす場合、世帯ごとの人数に合わせて3LDK+4LDKや2LDK+4LDKの間取りにするケースが多いです。

親世帯3LDK+子世帯4LDKの完全分離型の二世帯住宅
親世帯・子世帯共にリビングに近接して個室を配置することで、フレキシブルな使い方が可能に(間取図提供/みゆう間取り相談室)

【上記の間取りタイプに適した家族構成】

夫婦+子3人+親夫婦

1階の3LDKは

  • 親の寝室(夫婦別)×2+αの部屋
  • 親の寝室+αの部屋×2

2階の4LDKは

  • 主寝室+子ども部屋×3
  • 同性のきょうだいや子どもが小さいうちであれば、主寝室+子ども部屋×2+αの部屋

というような使い方もできます。

夫婦+子2人+親夫婦+きょうだい1人

1階の3LDKは
親の寝室+きょうだいの寝室+αの部屋

2階の4LDKは
寝室(夫婦別)×2+子ども部屋×2や主寝室+子ども部屋×2+αの部屋

といった使い方ができます。

3世代以上で暮らす際に注意すべきポイント

生活音やプライバシーへの配慮をする

7人家族は世帯人数が多いため、それぞれのライフスタイルや生活時間が異なることもよくあります。お互いのプライバシーに配慮することが大切です。親世帯の居室の上にはトイレなどの流水音や足音などの生活音が響かないよう配慮してプランニングしましょう。

「家族それぞれのプライバシーに配慮した間取りを心がけることで、お互い安心して気持ちよく生活することができます」

完全分離型の2LDK+4LDKの二世帯住宅
完全分離型の二世帯住宅。各世帯上下階になっていることで、生活音などライフスタイルの違いによるストレスを軽減できる(間取図提供/みゆう間取り相談室)

水まわりをどこまで共用にするか検討する

親世帯との同居にあたっては、各世帯のライフスタイルや生活時間について話し合った上で水まわりのプランニングを料理や洗濯などそれぞれが家事をする時間帯や家事をする場所、家事分担について話し合って作業がしやすいスペースを確保しましょう。冷蔵庫や洗濯機を各世帯で所有するケースもあるため、水まわりの広さと収納スペースについても検討しましょう。

「水まわりを別々にする場合はその分のスペースと設備分のコストが必要になるため、広さや予算とのバランスを取ることも重要なポイントになります」

親世帯との完全同居型二世帯住宅にする場合、親世帯の部屋に近い1階に水まわりを集約するプランにすると、介護が必要になった親世帯が暮らしやすく、世代交代して自分たちが年を取ってからも1階で暮らしが完結するので、将来への備えにもなります。

1階に水回りを集約し、親世帯の寝室を設けた完全同居型二世帯住宅プラン
1階に水まわりを集約して1フロアで生活が完結するようにしておくことで、親世帯が暮らしやすい(間取図提供/みゆう間取り相談室)

バリアフリー仕様にするか検討する

親世代の介護に備えて、バリアフリー仕様にするかも検討しましょう。新築時には健康でも、10年先には親の介護が必要になる場合もあります。本格的な介護には至らなくても、年齢とともに体力が落ちたり足腰が弱くなったりは避けられないものです。手すりをつける、玄関アプローチや廊下の幅を車いす使用に備えて広くとる、トイレなどをバリアフリーにするかどうかも視野に入れて間取りを検討しましょう。

将来的な介護に備えて、建築段階から廊下の幅などを検討しておくとよい
将来的な介護に備えて、建築段階から廊下の幅などを検討しておくとよい(イラスト/杉崎アチャ)

【子どもの人数別】子ども部屋で注意すべきポイント

子どもの性別や成長に合わせて部屋数を決める

子ども部屋をいくつ設けるかも間取りを決める際の重要なポイントになります。新婚夫婦や1人目の子どもが生まれて間もない時期に家を建てる場合、将来の子どもの人数を想定して部屋数を決めるため、部屋が余ることも足りなくなることもあります。土地の広さによっては子どもの人数分の個室を設けられない場合も。同性のきょうだいの場合は、共同で個室を使うことも含めて部屋の広さと部屋数を決めると良いでしょう。

子ども部屋を個室として使い始める時期はケースバイケース。子どもの成長や意向も加味して決めるのがオススメです。

「個室としての子ども部屋を使うようになる時期は、早くても小学校入学時。家づくりの段階で子どもが生まれたばかりであれば、しばらく個室が必要になることはありません。その間の使い方についても検討しておくとよいでしょう。
例えば、将来間仕切りをして2部屋に分けられるようにしておき、子どもが小さいうちは夫婦+子どもたちの寝室として使ってもよいでしょう。その間は個室をおもちゃで遊ぶ部屋、読書部屋にするなど、子どもの成長に合わせた使い方を考えておくと、空間を有効に使うことができます」

将来間仕切りをして子ども部屋を2つに分ける場合には、いつ・どのくらいの費用がかかるのかをあらかじめ確認しておきましょう。

【性別×人数別】子ども部屋のつくり方
同性 異性
子ども2人
  • 共用の子ども部屋をつくる
  • 全員分の子ども部屋をつくる
    (将来間仕切りも可)
  • 子ども部屋×2をつくる
    (将来間仕切りも可)
子ども3人
  • 共用の子ども部屋をつくる
  • 全員分の子ども部屋をつくる
    (将来間仕切りも可)
  • 子ども部屋×2をつくる(同性のきょうだいは共用)
  • 全員分の子ども部屋をつくる
    (将来間仕切りも可)
子ども4人
  • 共用の子ども部屋をつくる
  • 全員分の子ども部屋をつくる
    (将来間仕切りも可)
  • 子ども部屋×2をつくる
    (男2:女2の場合/同性のきょうだいは共用)
  • 全員分の子ども部屋をつくる
    (将来間仕切りも可)
子どもの性別や年齢、個室が必要になる時期などを考慮した上で部屋数を決めよう

将来子ども部屋をどのように使うかについても検討しておく

子ども部屋を設ける場合は、将来子どもが独立してからどのような用途で使うかについても検討しておきましょう。夫婦それぞれの趣味部屋にしたり、使わなくなった2室の子ども部屋をつなげて広い1室にして主寝室に変えたりするのも良いでしょう。将来的に壁を撤去するリフォームができるように子ども部屋の間の壁を設けておけば、ライフスタイルの変化に対応しやすくなります。

7人家族の間取り選びで気をつける4つのポイント

ライフステージごとの暮らし方をイメージする

間取りを検討する際、ついつい部屋数や広さに目が行きがちですが、まずは自分たちのライフスタイルをしっかりイメージすることが大切です。その際、現在だけでなく将来のライフスタイルの変化も見据えて考えると良いでしょう。

5年後、10年後、15年後、20年後というように5年単位で区切って考えると、子どもの進学や受験、個室が必要な時期、子どもの独立、老後や介護、リフォームのタイミングなど、ライフスタイルの変化と家の変化を具体的にイメージしやすくなります。二世帯住宅の場合は、親の他界や子供の独立など家族構成の変化についても考慮した上でプランを検討するようにしましょう」

5年ごとに家族像やライフステージを考えてみよう
5年ごとに家族像やライフステージを考えてみよう(イラスト/杉崎アチャ)

フレキシブルな使い方ができる+αの部屋を設ける

長く住み続けていくうちには、子どもの成長・独立や親の介護・家族数の増減などライフステージの変化が起こります。それに備えてフレキシブルに対応できる間取りにしておくことも重要なポイントです。リビング横に+αの部屋を設けると、こうした変化にも対応しやすく、使い勝手のよい間取りになります。

「7人家族の場合、リビングに隣接した場所に居室を設けておくと、家族全員または親戚や友人が集まるときのリビングの補助空間として使いやすいです。それだけでなく、子どもが小さい時にはプレイスペースとして、在宅ワークスペースとして、趣味部屋としてというように、さまざまな状況に合わせた使い方ができます。子どもが遊ぶ場所や来客が宿泊する部屋にする場合は畳敷きの和室、ワークスペースや趣味部屋にする場合は洋室にするケースが多いです」

リビング横に和室を設けた間取りプラン例
和室は子どもの昼寝スペース、おむつ替えなどにも便利。リビングに隣接させることで家族全員の団らん時や大人数の来客時にはリビングと一体にして空間を広く使うことも可能(間取図提供/みゆう間取り相談室)

家事&生活動線を意識したプランにする

7人家族の場合、衣類やストック品、家族の持ち物も多くなるため、家事動線や世帯ごとの収納スペース、収納のしやすさを意識しましょう。

「料理と洗濯を同時進行できるように水まわりを集約したり、なるべく家事動線をコンパクトにすると、家事の負担が減って暮らしやすくなります。お風呂に入っている時や洗濯をしている時も洗面所が使えるように、洗面所と脱衣所、ランドリールームを分けるケースも増えています。また、朝の身支度の際に順番待ちせずに洗面所やトイレを使えるよう広めのサイズや個数を確保したり、家族の人数が多くてもストレスを感じない水まわりの計画にしましょう」

居住人数が多いため十分な収納量を確保することも重要なポイント。親世帯は持ち物が多くなりがちなので、持ち物を減らすか、納戸をつくるか等事前に相談をしておく方が良いでしょう

また、部屋数も多くなるため、各個室へのアクセスにも配慮を。お互いのプライバシーを確保しながらも廊下が長く動線が悪くならないようにレイアウトしましょう。

二世帯住宅子世帯フロアの回遊動線の間取りプラン例
1フロアに居室が多くなっても、廊下を短くして回遊動線にすることで、家事負担が軽減できる(間取図提供/みゆう間取り相談室)

車を所有する場合はガレージの広さを確保する

車移動が主流のエリアの場合、家族分の駐車スペースが必要になることも。必要に応じてガレージの広さを確保しましょう。将来子どもが車を所有する時期や高齢の親が車を手放す時期を見据えてどのくらいのスペースを確保しておくべきか、駐車台数が変動した際スペースをどのように使うかなど、ライフステージごとの使い方も検討しておくと良いです。

まとめ

7人家族で暮らす場合、夫婦の主寝室を1部屋、その他の家族5人分の個室が必要になるため、完全同居型であれば6LDK、45~60坪程度。水まわりやキッチン等を分ける多世帯住宅の場合はさらに面積が必要

将来を見据えてフレキシブルな使い方ができるような間取りにすることが大切。ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて、家族それぞれにどのように個室を割り振るか検討を

7人家族の場合、多世帯同居のケースが多いため、家族構成やライフスタイルやお互いのプライバシーに配慮してどこまで共用するか検討することが大切

SUUMOコンテンツスタッフ
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