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家を買う、建てるときに知っておきたいのが、国や自治体からのマイホーム補助金です。
「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」や「子育てグリーン住宅支援事業」などの制度を活用すれば、省エネや耐久性など性能の高い住宅をおトクに取得できます。
また、新築や中古住宅購入には所得税などの住宅ローン減税も。2025年度の住宅購入・建築にかかわる補助金や減税の制度を知って、賢くマイホームを実現しましょう。
低金利や円安などの影響を受け、2013年頃より首都圏を中心に不動産価格の上昇が続いています。こうした背景から、政府は2025年度も継続してマイホーム購入世代への大規模な支援を投じています。
また、2050年までに温室効果ガス排出をゼロにする「カーボンニュートラル」達成に向けた動きも本格化しており、「建築物省エネ法」の改正を受けて、2025年4月からはすべての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられます。さらに、2030年にはZEH水準(断熱等性能等級5、ならびに一次エネルギー消費量等級6の基準)の省エネ住宅が新築住宅の基準になる見込みです。
2025年度の税制とマイホーム補助金のキーワードは、「省エネ化」と「子育て世代や若者世代への支援」。2025年度から始まった「子育てグリーン住宅支援事業」を軸に、子育て世代や若者世代を対象とした省エネ・創エネ施策が強化されています。実際にどのようなマイホーム補助金制度が用意されているのかを詳しく見ていきましょう。

マイホーム取得時にもらえる補助金は、
の大きく2つに分類されます。
まずは国からの補助金について紹介します。
「ZEH」(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、住まいの断熱性を大幅に高め、給湯やエアコンなど高効率な設備、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の導入により、一次エネルギーの消費量を現行の省エネルギー基準よりも20%以上削減します。その上で、太陽光発電など再生可能エネルギーを導入し、年間の一次エネルギーの収支をゼロとすることを目指した住宅のことです。
ちなみに、「ZEH+」(ゼッチプラス)とは、ZEHよりもさらに高い性能が求められます。省エネルギー率は25%以上などのほか、以下の(a)~(c)より2項目以上をクリアする必要があります。
(a)断熱性能の更なる強化
(b)HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能
(c)太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能
| 名称 | 補助金 | 特徴 | 対象となる住宅 |
|---|---|---|---|
| ZEH | 55万円 (プラスαの加算あり) |
省エネルギー基準比20%以上の省エネ +創エネ設備でエネルギー収支をゼロに |
|
| ZEH+ | 90万円+追加項目別の補助 (プラスαの加算あり) |
省エネルギー基準比25%以上の省エネ +創エネ設備+充電設備など |
|
ZEHの補助金は、断熱性や導入する機器によって金額が異なります。まずはそれぞれの条件、公募方式を紹介します。2025年度(令和7年度)公募開始は2025年4月28日からですが、例年同様に早期終了の可能性があります。利用を検討している方は早めに申請したほうがよいでしょう。
快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化(断熱等性能等級5に相当)と高効率設備によりできる限りの省エネルギー(一次エネルギー消費量等級6に相当)対策を施し、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下となる住宅のことです。
さらに、プラスαとして、「再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置」や「高度エネルギーマネジメント」に該当する設備機器の導入で別途補助が加算されます。
例えば、蓄電システムの導入、低炭素化に資する素材(CLT(直交集成板))を一定量以上使用、先進的再エネ熱利用技術を活用する場合、例えば蓄電システム2万円/kWh(上限額20万円/台)などです。
| 補助金額 | 55万円 プラスα |
|---|---|
| 公募方式 | 先着 |
| 公募期間 | 2025年4月28日~12月12日 ※単年度事業の場合 |

ZEH以上の更なる省エネと断熱等級性能6以上の外皮性能を満たした上で、省エネ機器の制御や設備の効率的運用等により再エネの自家消費率拡大を目指した一戸建住宅のことです。下記項目のうち1つ以上を採用する必要があり、採用項目に応じて別途補助があります。
(1)高度エネルギーマネジメント
(2)再エネの自家消費拡大(充電設備(充放電設備を含む))
ZEH同様に蓄電システムの導入、低炭素化に資する素材(CLT(直交集成板))を一定量以上使用、先進的再エネ熱利用技術を活用する場合などに、例えば蓄電システム2万円/kWh(上限額20万円/台)が加算されます。
さらにZEH+に場合、高度エネマネ、おひさまエコキュート、 EV充電設備を導入する場合にも、例えば高度エネマネ定額2万円/戸が加算されます。
| 補助金額 | 90万円プラスα ※蓄電システムを導入、低炭素化に資する素材(CLT(直交集成板))を一定量以上使用、又は先進的再エネ熱利用技術を活用、高度エネマネ、おひさまエコキュート、 EV充電設備を導入する場合に別途補助が加算される |
|---|---|
| 公募方式 | 先着方式 |
| 公募期間 | 2025年4月28日~12月12日 ※単年度事業の場合 |

住宅省エネ2025キャンペーンとは、国土交通省、経済産業省及び環境省の3省がそれぞれ実施している省エネ住宅の新築と省エネリフォーム等を支援する補助金制度です。一部の新築住宅を除き、すべての世帯が利用できます。次からは具体的な制度内容について解説しましょう。
子育てグリーン住宅支援事業は、エネルギー価格など物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯などに対して、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得に最大160万円、既存住宅の省エネリフォーム等を対象に最大60万円の補助金が支給される事業です。
給付金の対象となるのは、子育てエコホーム支援事業に登録している事業者により手掛けられた、2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手した新築一戸建てと、リフォーム工事に着手した中古住宅で、遅くとも2025年12月31日までに交付申請を終える必要があります。
ただし、予算上限に達し次第終了となります。予算に対する補助金申請額の割合は公式サイトで確認できるので、利用したい場合はこまめにチェックをして、早めに申請しましょう。
新築住宅の場合、対象となる住宅の要件は、長期優良住宅、ZEH水準住宅、ZEHや長期優良住宅を大きく上回る性能を有するGX志向型住宅です。延床面積が50m2以上240m2以下で、土砂災害特別警戒区域に立地しない、などの条件をクリアする必要があります。
補助額は、世帯と、取得する住宅により変わります。子育て世帯と若夫婦世帯の場合、長期優良住宅は80万円/戸、ZEH水準住宅は40万円/戸で、一般世帯は対象外となります。一方ですべての世帯に対し、GX志向型住宅を取得する場合は160万円/戸の補助が受けられます。
ちなみに、子育て世帯とは申請時点で19歳未満の子ども(2006年4月2日以降出生)を有する世帯、若夫婦世帯とは申請時点において夫婦であり、2025年4月1日時点でいずれかが39歳以下である世帯のことです。
| 子育て世帯と若夫婦世帯 | 一般世帯 | |
|---|---|---|
| 長期優良住宅 | 80万円/戸 | 対象外 |
| ZEH水準住宅 | 40万円/戸 | 対象外 |
| GX志向型住宅 | 160万円/戸 | 160万円/戸 |
リフォームの場合、世帯等に制限はなく、補助対象となる工事は以下の8つです。(1)~(3)の必須工事のうち2つ以上を実施する必要があり、3つなら補助額の上限は60万円/戸、2つなら40万円/戸となります。
(1)開口部の断熱改修
(2)躯体の断熱改修
(3)エコ住宅設備の設置
(4)子育て対応改修
(5)防災性向上改修
(6)バリアフリー改修
(7)空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
(8)リフォーム瑕疵保険等への加入
| 給付金額 | 最大160万円 ※新築住宅の場合 |
|---|---|
| 対象住宅 | 床面積が50m2以上240m2以下で土砂災害特別警戒区域に立地しない長期優良住宅 |
| 申請期間 | 住宅の種類によって異なり、注文住宅は2025年5月14日~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) |
参考:
開口部の断熱改修|子育てグリーン住宅支援事業
【2025年版】窓リフォームでもらえる補助金。「先進的窓リノベ」「子育てグリーン住宅」などの対象窓や申請方法

給湯省エネ2025事業は、エネルギー消費量の大きな給湯分野について高効率給湯器の導入支援を行うもの。補助額は設置する高効率給湯器の種類や要件によって異なり、1台あたり6万円~16万円の基本額に加えて性能加算額(1台あたり最大6万円)や撤去加算額(1台あたり最大8万円)が補助されます。
補助金の対象となるのは2024年11月22日以降の着工で、交付申請期間は予算上限に達するまでとなっています(遅くとも2025年12月31日まで)。
申請可能日は、新築一戸建てと既存住宅購入時は住宅引渡し以降、リフォームの場合は工事の引渡しまたは共同事業者による給湯器の利用開始のいずれか早い方となります。
なお、補助金の申請手続きは、個人ではなく給湯省エネ事業者によって行われます。必要書類の準備等に時間を要するケースもあるため、希望する場合は早めに給湯器や事業者について調べてみましょう。
先進的窓リノベ2025事業は断熱窓への改修の促進を目的とした制度で、エネルギー費用負担の軽減や家庭からのCO2排出削減など、既存住宅の省エネ化への貢献が期待されます。窓の交換だけでなく、内窓・外窓の設置、ドア交換も対象となります。
補助額は、住宅の建て方や設置する窓の性能と大きさ、設置方法に応じて一戸あたり5万円から最大200万円までとなります。2024年11月22日以降に着手した工事が対象で、期間は予算に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)です。

自治体からのマイホーム補助金は、その自治体に住む人しかもらえません。
全国の市区町村でさまざまな補助制度を行っているので、自分が住む自治体にはどんな制度があるのかを、自治体のホームページなどでチェックしましょう。
ここでは、自治体から受けられるマイホーム取得に関する補助金の例を挙げておきます。
主な条件/子育て世帯が長期優良住宅を取得して市内に住む
補助額/最長5年間、家屋の固定資産税・都市計画税相当額(上限10万円)
主な条件/初めて住宅を取得する新婚・子育て世帯が市内に新築分譲住宅・マンションを購入
補助額/住宅ローンに対して年0.5%以内の利子補給。年間最大10万円×最長5年
対象/樹木等の植栽、植栽帯の造成、屋上緑化、壁面緑化
補助額/樹木等の植栽と植栽帯の造成を合わせて 上限25万円
屋上緑化と壁面緑化を合わせて助成対象経費の2分の1まで(上限50万円)
※助成件数は限りがあり、予定件数に達した場合は終了
対象/府産木材を使った住宅
補助額/京都府産木材の使用材積に単価額を乗じた額の合計。北山丸太製品、京銘竹製品は、購入費に補助率を乗じた額の合計(2025年6月1日以降に交付申請される物件の場合)

家づくりや住宅購入の際には多くの減税制度が用意されています。どんなものがあるか、あらましを紹介しましょう。
年末のローン残高の0.7%に相当する額が所得税などから控除されます。
控除期間は最長13年間で、住宅の環境性能により控除対象となる限度額が変わります。
2025年に入居する場合、一般世帯は最大4500万円が限度額ですが、子育て世帯・若者夫婦世帯の場合は最大5000万円(認定住宅:5000万円、ZEH水準省エネ住宅:4500万円、省エネ基準適合住宅:4000万円)となる特例措置があります(特例措置の期限は2025年12月31日入居)。
なお、床面積要件が40m2以上(合計所得金額が1000万円以下の場合)の緩和は2025年12月31日までに建設確認を受けた新築住宅が対象です。
住宅を取得するときに親や祖父母から資金援助を受けると一定額まで非課税になる制度。
一般住宅は500万円まで、耐震・省エネなど性能に優れた住宅は1000万円まで非課税になります。
上記非課税枠の適用は、2026年12月31日までに贈与を受けた場合に限ります。
こちらの床面積要件は50 m2以上で、贈与を受けた年の受贈者の合計所得金額が2000万円以下でなければなりません(合計所得金額が1000万円以下の場合は40m2以上)。
18歳以上の子や孫が、60歳以上の親や祖父母から2500万円までの贈与を非課税で受けることができる特別控除制度です。2024年の法改正により、年110万円までの暦年贈与と併用が可能になりました。
| 減税措置 | 減税の内容 |
|---|---|
| 不動産取得税の軽減 | 評価額や税率の軽減 |
| 固定資産税の減額 | 新築住宅の建物の固定資産税を一定期間(一戸建て3年間、マンション5年間)2分の1に |
| 登録免許税の軽減 | 新築住宅の所有権保存措置などの税率を軽減 |
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の特例措置 | 登録免許税などを軽減 |
| 特定の居住用財産の買換えの特例 | 住宅の買い替えで売却益が出た場合の課税を繰り延べ |
| 譲渡損失の損益通算および繰り越し控除 | 住宅の買い替え・売却で損失が出た場合に最大4年間繰り越し控除が受けられる |
以上、補助金と減税制度について紹介してきましたが、それぞれ期間が限定されていることに注意が必要です。また、補助金は期間内であっても予算に達し次第終了する場合があります。常に最新情報のチェックを怠らず、おトクな制度を上手に使って、念願の住まいを実現しましょう。
2025年度の補助金は「省エネ化」と「子育て世帯や若者世帯への支援」がキーワード。家を建てるときや分譲住宅を購入するときには、国からの補助制度が使える
自治体にも住宅取得に際して、さまざまな独自の補助制度が用意されているのでチェックしよう
ローン減税や固定資産税の減額など税金の優遇措置もある
住宅補助金・減税に関連する参考サイト
・住宅省エネキャンペーン2025
・子育てエコグリーン住宅支援事業
・給湯・省エネ2025事業
・先進的窓リノベ2025事業